変態女と美少年シリーズ
正義の仮面を脱いだ変態女・春麗 巨尻虐殺

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ただ一人の美少年を除き、100人全ての美少年が一夜にして殺された。それもたった一人の変態女に。あの夜、体育館ではいったいどのような壮絶な光景が繰り広げられていたのだろうか。



一人、また一人と美少年が寝転ばされ、春麗の顔面騎乗を受けて、肛門に咥え込まれた鼻から体内へと毒ガスを注入されていく。美少年が春麗の毒ガスを臭いと思うのはほんの一瞬。臭いと脳が反応した瞬間には、既にその毒ガスの凶臭と刺激成分によって半ば脳が死んでしまうのだから。

まさに下手な刃物よりも鋭く美少年を突き刺し、切り刻む凶器と呼ぶに相応しい春麗のオナラ。春麗の放屁を受け、嗅がされた瞬間の美少年の受ける苦痛は、巨大な針を脳天に突き刺された痛みと同等の物であると言っても過言ではないだろう。

まず脳が死に、植物状態に追い込まれた美少年達は皆無意識の中で毒ガスから逃げ出そうと必死にもがく動きを見せるが、もはや自分がいったいどうなっているのかも分からない状況でいくらもがいても空しいだけで、やがて全身に回った毒ガスが神経を切り刻んでいくにしたがって手足のもがきも小さくなり、動かなくなる。

美少年の体の動きが完全に止まった頃には、もはや心臓の鼓動も非常に弱まっており、後は止まるのを待つばかり。そして心臓が止まり美少年が死を迎えた瞬間、最期の大勃起が始まり、ペニスが完全に勃起したとき、一人の美少年の運命は完全に沈黙する。

春麗の巨尻は、言うならば死のスタンプのようなものだ。寝かせた美少年の顔面を巨尻で押し潰し、立ち上がるという行為を大勢の美少年に次々と繰り返していく後ろ姿がまるでスタンプのようにも見えるではないか。

春麗の巨尻に押し潰された美少年は確実に死を迎え、可愛い表情が似合う美少年の顔が春麗の巨尻に押し潰され、春麗が立ち上がった瞬間には白目を剥いたおぞましい顔になってしまう。その白目を剥いた美少年の顔こそ、春麗の巨尻というスタンプに押された死の刻印に他ならないのだ。


仲間の美少年が殺されていくのを呆然と見つめている事しか出来ない他の美少年達も、美少年の死体が10人を超えた頃から、春麗の側に居ることがとてつもなく恐ろしいことだと誰もが理解するようになり、顔面騎乗を終えた春麗が立ち上がる度に、全員で後ずさっていくようになる。

美少年の死亡を確認し、次の獲物を選ぶために春麗が振り向くと、美少年の集団はさらに後ずさりを大きくしていく。しかし、あまりにも大勢の美少年が固まっている状態での後ずさりなどたかが知れている。

「わわわわ。やっ、やだ、やだよぉ」

集団の一番手前にいる美少年はほとんど下がることもできず、集団の後ろに紛れ込もうとしても皆が密集し過ぎているためそれも敵わずに、ツカツカと歩み寄ってくる春麗から逃れる術もなく頭を鷲づかみにされ、床に転がされてしまう。

「あああー!やだー!やだ、やだ、やだ、やだーぁぁぁぁんぐ!ぶむぅぅぅぅ!」

寝転がされて、跨がれる。こんな状況はクンフーの練習では習ってないというだけで美少年は何も出来なくなる。まだこれから死ぬということを実感仕切れてはいないものの、少なくともこれが苦しい事だというという恐怖から、美少年は子供の駄々のような抵抗をするが、春麗は一言も発せずに黙って巨尻を落としていく、それもゆっくりと。

美少年に巨尻が顔面に迫る恐怖をじっくり味わわせるためにゆっくりと落ちていく春麗の巨尻が、美少年の顔を駄々もろとも押し潰していく。

「ぶぐぅっ!むぅぅ!むっ!むぶぅぅぅぅぅぅ!」

もはや駄々にもならない押し潰された美少年の声。それは嫌だと言っているのか、それとも臭いと言っているのか。だが、呼吸が出来ないことを悟ると少しでも無駄な酸素の消耗を抑えるために次第に大人しくなる。

だが、美少年がどう動こうとしても所詮は無駄なのだ。必死に呼吸を試そうが、酸素の消費を抑えようが、鼻が春麗の肛門にくわえ込まれた状態では、美少年の命は春麗の尻一つに握られているのだ。

ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…!

何の前触れもなく、突如鼻孔から体内に注入される春麗の毒ガス。とてもオナラとは思えない長時間の放屁。美少年の鼻腔を通り抜けるそのオナラはとてもフンワリと柔らかく、ネットリとまろやかに粘膜をくすぐり、人肌に暖かい温度が鼻腔を流れていくのに心地良ささえ感じさせる。

しかし、これはオナラなのだ。そして春麗のオナラは毒ガスなのだ。どんなに心地良い感触の気体であっても、その刺激臭は美少年の脳に痛みしか与えない。絶大な苦痛の中の秘かな快感に美少年は気付くことなく、脳を、神経を切り刻まれていく。

あまりの痛みであるが故に、まず脳が死ぬが故に、美少年はその痛みを認識する前に植物状態になって死んでいくというのは、春麗のらしくもない情けなのだろうか。もし春麗のオナラでも脳が即死しない美少年がいたとしたら、その事の方が不幸なのかもしれない。


死なない方が不幸。そんな恐ろしい事実が当然であるかのように、この美少年も毒ガスを受けた後はなんら死ぬ事への抵抗も見せずに程なく最期の大勃起を迎えていた。これだけ殺してもまだ満足のカケラも見せない春麗はすぐに次の獲物を狙おうと美少年の集団に目を向ける。

「わあぁぁぁぁぁぁぁ!助けてー!誰か助けてー!」

春麗と視線があった一番手前にいる美少年が、急激に高まる恐怖を堪えきれずに叫び声を上げて逃げ出した。すると最前列にいた他の美少年達もそれに釣られて一人、また一人と春麗の前から逃げ出していく。

「わああっ!わわわわっ!わああああああああっ!!」

とうとう美少年達はパニックに陥った。一人がパニックに陥って叫び声を上げると。その叫び声で他の美少年もパニックに陥り、同じように叫び声を上げ、叫び声が連鎖して体育館中に絶叫がこだまする。

とにかく走り出して春麗の遠くに離れようとする美少年がいれば、入り口から逃げ出そうとドアに向かう美少年もいる。集団で固まって逃げる美少年がいれば、友達のことも忘れて一人で逃げ回る美少年もいる。そして、パニックに陥ったまま足がすくんでその場から一歩も動けなくなった美少年もいる。まずはその美少年達から春麗に殺されていくことになるだろう。



一方、春麗の集合命令があったとき、美少年達は皆急いでフルチンになって体育館に駆けていくのだが、消灯時間を過ぎた深夜の廊下はすっかり冷え切っており、そこにフルチン姿で飛び出したのだから美少年は体は一瞬にして冷え切ってしまう。

昼間に外でフルチン姿による練習を行ったのとは比べものにならない体の冷え込みに、美少年達は凍えた体を縮こまらせながら、冷たい廊下の上を少しでも冷たくないようにつま先で走っていく。

春麗先生の集合命令には出来るだけ早く行かなければと、美少年達は寒さを堪えながら無言で体育館を目指すのだが、その集団の中に凍える両腕ではなくお腹をさすりながらノロノロと走る美少年がいた。

美少年はフルチン姿になって一気に凍えてしまったためにお腹まで下してしまい、いとも簡単に下痢になっていた。もともと寝ている間もそれほどお腹の調子は良くなかったのかもしれない。それが突然起こされてさらにお腹を冷やしてしまったことで急激に悪化したのだろう。

まだお腹の中で固まりきってない便が、体内に留まろうとせずに急速に肛門へ向かって加速し、外に飛び出そうとする下痢。美少年の代名詞ともいえる症状であるものの、それを歓迎する美少年がいるはずはない。

この美少年も当然下痢になって嬉しいはずもなく、我慢して体育館に行くか、まずトイレに行くかの選択を迫られている。だから早く走れないのだ。

一番良いのは先にトイレに行ってスッキリし、集合に遅刻をして恥ずかしい思いをしてもその後の練習を何事もなく過ごせる事だというのは分かってはいるが、美少年の一番恥ずかしい行為である下痢便を排泄した事を皆に知らしめてしまう上に、下痢便を脱糞した直後の肛門と股間をフルチン姿でさらけ出したままクンフーの練習を行うことの恥ずかしさが先に来てしまう。

しかし、初めはそう思ったものの、いま自分の周りにいるのは自分と同じ美少年だけという環境が排便を行う事への抵抗を徐々に減らしつつあった。いじめっ子がいない美少年だけの集団なら、排便をしたことをからかう人間は一人もいないという安心感がある。

恥ずかしいことは確かでも、からかわれない。それが美少年に集団生活の中でも排便をしに行ける勇気を与えた。一度排便をしようと決めると美少年の心は一気に実行へと傾いていく。どんなに集合に遅刻をしても構わないとまで思うようになった美少年は、それでもやっぱり皆の目を盗むようにこっそりとトイレに向かい、個室に入った。


フルチン姿にトイレのサンダル履きという滑稽な姿で下痢便を肛門から捻り出す美少年。下痢を感じてからトイレに行くまでの決断が美少年にしては早すぎたせいか、いざ個室に入ってしゃがむとすぐには下痢便が出てくれなかった。

「うーん…! くっ! う、うーん……!」

数分間力んだ末にようやく出始めた下痢便は、一度出るとなかなか止まらずに長時間出続けた。水っぽいと言うよりは、いかにも未完成という雰囲気の、柔らかく空気をたっぷりと含んだ、排便の際に肛門にたっぷりと汚れがこびり付きやすい軟便であった。

脱糞後、自分の肛門がかなりベトベトになっているのを感じた美少年は、この後フルチンで色々な構えを取ったり蹴りの練習をしたりするのだから、肛門を丁寧に拭こうと心掛けるのだが、やはり美少年の後始末は甘く、何度か紙を使った後、肛門を擦った紙がまだうっすらと黄色く汚れているのにベトベトしていないからもう良いと判断してトイレを出てしまう。

そして、さすがに随分遅れたことを理解した美少年は寒い廊下を大股で駆けて体育館を目指すが、美少年が入り口についたとき、入り口の扉は既に閉まって中を窺うことも出来ない状況になっていた。

扉は閉まっているものの、中からドタバタした騒音と美少年達の声が聞こえてくるのでもう練習が始まっているのだと思った美少年が扉に近づくと、突然向こうから扉を叩かれて思いっきり驚いてしまう。

「開けて!誰か開けて!ここから出して!助けて!誰か助けて!」

扉の向こうから聞こえてくる、美少年の誰かが発するあまりにも切羽詰まった叫び声は、どう考えてもおふざけやイタズラとは思えない本気の叫びにしか聞こえなかった。思わず後ずさった美少年が戸惑っている間にもその叫び声は止まらず、しかも何人もの美少年が一斉に叫び声を上げているのだ。

「開かないよ!どうして!どうして開かないの!」

「開けてよー!早く!早くドアを開けてー!」

「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ママーーーーーー!」

美少年達は体育館の中から逃げたがっている。物凄い恐怖から逃げたがっている。壊さんばかりに扉を叩く音、大声を恥ずかしいと思うこともなく本気で助けを呼ぶ声。そしてそれ以外にも様々な声にならない悲鳴が怒号のように響いて外にいる美少年に恐怖を伝達していた。

まるでホラー映画のように、扉で遮られて何が起こっているか分からない向こう側で阿鼻叫喚の声だけがこちらに突き抜けてくる恐怖。中の惨状を知らない美少年が想像できることは、この中で春麗先生の今までに無い想像を絶する地獄のような練習によって美少年達が逃げ出そうとしているのではないかという事だった。

こんなにまでなる練習があるだろうかと思うことよりも、とにかく誰もが付いていけずに逃げ出したくなる地獄の特訓という単語のみが先走り、まるで特訓によって殺されてしまうのではないかという思いが湧き出してきていた。

実際に中で美少年が次々と殺されている事実が、何かの電波のように美少年の脳裏に伝わっているのかもしれない。美少年はやがて察知したかのように一つの結論にたどり着いた。

(中に入ったら死ぬかもしれない。僕は死んでしまうかもしれない。怖い…怖いよ!中に行きたくない、練習を受けたくない。…逃げる!逃げるんだ!)

後で卑怯者と言われても構わないぐらい美少年は怯えきっていた。扉の向こうから響いてくる助けを求める叫び声を振り切り全速力で走り出すと、自分がいた部屋に戻るのではなく、なんと玄関から施設の外に逃げ出してしまったのだ。

施設や街灯の明かり以外は真っ暗闇の深夜の外に、フルチンに一応下駄箱で慌てて履いたシューズのみというあまりにも恥ずかしい姿で、美少年は無我夢中で駆けだしていった。

部屋に籠もっていることすら怖い。練習が終わる前に見つかって体育館に連れていかれることを恐れ、とにかく施設の中から離れたかった。この合宿自体からも逃げてしまいたかった。自分は合宿に参加していない。だからここから帰るのだと、パニックが伝染した美少年は、いっそこのまま自分の家に逃げ帰ってしまうつもりでいたのだ。



「わっ!わわっ!わーっ!嫌だー!こっちに来ないでよー!」

既に8割の美少年が殺され、体育館内はさながら生き残った美少年達と春麗の追いかけっこのような様相と化していた。逃げ場の限られた館内で必死に壁際を逃げまどう美少年の怯える形相を味わうかのようにゆっくりと近づいていく春麗。

もう足下には美少年の死体だらけという状況で、生き残っている美少年はどんなに追い詰められても仲間だった死体を踏まないように気を付けながら走るのが心優しくも哀れでもあった。意外にも春麗もまた美少年の死体を踏まないように歩いているのは、巨尻でのみ美少年を傷つけ殺すのだという美学と、美少年は死んでも美しい存在であるという春麗なりの敬意であった。

だからといって生きている美少年に何か敬意を払うというわけではなく、しばらく美少年を逃げさせて楽しんだ後は、一瞬にして狙いを定めた美少年の側に移動し、呆気なく転ばせては美少年の顔面に巨尻を落下させていった。

「ほーら、せいぜい頑張りなさい。お前のか細い腕で、私の尻をいつまで支えていられるのかしら」

ある美少年は、転ばされながらも両手で必死に春麗の巨尻を受け止め、顔面騎乗を防ごうとした。しかし、それも所詮は空しい抵抗で、春麗はひと思いに巨尻で両手をはねのけてしまうことも出来るのに、わざと手加減してゆっくり美少年の抵抗をあざ笑っているのだ。

「うーうぅ! くくっ!くぅーっ! あーっ!嫌だっ!嫌だったらー!わーぁぁぁぐぶぅぅぅ…!!」

どんなに力を込めても春麗の巨尻の落下は止まらない。まるで隕石が落下してくるかのように巨大な物体がゆっくりと顔面に近づいて来る恐怖は、美少年に絶望しか与えなかった。

美少年の両手ごと押し潰すかのようなとてつもない圧力を放ちながら降下する春麗の巨尻が目前に迫ったとき、威圧感で目を見開いた美少年の視界に春麗の肛門が飛び込んでくる。

肛門と目が合ったとでもいうのだろうか。美少年が初めて間近で見る肛門はあまりにも皺だらけで、あまりにも臭く、あまりにも広大に伸び縮みを繰り返しすぎていた。その光景は美少年の目に、まるで凶悪な化け物が口を開けて美少年を飲み込もうとしているかのように写っただろう。

美少年が春麗の肛門に宿る殺気を感じたときは、もう為す術はなかった。どんなに両手で押し戻そうとしても巨尻は顔面に密着し、顔は尻の谷間に飲み込まれ、そして鼻は肛門に完全に飲み込まれていた。

巨尻に押し潰されたパニック、呼吸が出来なくなったパニック。もはや美少年は毒ガスを注入されるその瞬間まで、ただ無駄なもがきを続けるだけの生き物になっていた。

ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥブッ!ブッブブブブッ!

肛門と鼻孔が接触している部分で軽い爆発を起こしながらの放屁による毒ガスが美少年に注入され、美少年の動きが一瞬止まるが、すぐにまた激しく動き出す。痙攣というなの無様な踊りを。

もはや美少年の脳は既に死んでいる。ただ意思もなく痙攣だけを繰り返し、心臓が止まると同時に最期の大勃起が始まり、また一人美少年が死亡したことを知らしめる。まだ生き残っている十数人の美少年は、それをただ震えながら見ていることしかできない。

何のためにクンフーを習ったのか。それは変態女に襲われたときのための護身術ではなかったのか。今がまさにその時だというのに、美少年達は誰一人として春麗に立ち向かっていこうとしない。

クンフーを教えてくれた春麗先生が変態女だったという裏切りに混乱しているのはあるが、もう目の前で何十人も友達が殺されているのに、このままでは逃げることも出来ないというのに、怯えて逃げまどうことしかできない。

結局、これが美少年の運命なのか。どんなに訓練を積んでも、変態女に襲われれば呆気なく殺され、変態女を楽しませるために、無様に恥ずかしく死んでいくことしかできないのか。


それにしても恐ろしいのは春麗だ、自らを変態女の女王と称し、短時間でこれだけの美少年を殺し尽くしても平然としているだけではなく、美少年を殺し尽くせるだけの毒ガスを肛門から途切れることなく出し続けられるのは、もはや人間業ではない。

春麗にとっては毒ガスレベルのオナラを出し続ける事など、ほとんど呼吸の一環のようなものなのだろう。吸った酸素がそのまま毒ガスとなって巨尻に溜め込まれ、いつでも、いくらでも肛門から噴き出させることが出来る。

やろうと思えば、この場所で一歩も動かずに放屁をし続け、体育館内を毒ガスで充満させて集まった美少年を皆殺しにすることも出来るはずだ。今回はたまたま一人ずつ殺したかった気分だったのかもしれない。どのみち、美少年は皆殺しであることに変わりはないのだ。


生き残った美少年は、とうとう最後の一人になっていた。もはや叫び声を上げている者も逃げまどっている者も誰一人いないというのに、その美少年だけはいつまでも扉を叩きながら一人助けを求めて叫び続けていた。

「助けて!お母さん!お母さーん!助けてよー!お母さん!お母さん!ねえ!お母さん!お母さんってばー!助けに来て!お願いだから助けに来てー!お母さーん!」

真っ直ぐに扉を見つめ、両手で何度も扉を叩きながらひたすら叫び続ける。もはや春麗がすぐ後ろにいることも気付いていないのか、いや、気付いている自分に嘘をついているのだろうか。

美少年のすぐ後ろには他の美少年達の死体があちこちに散乱していた。もう誰も声を上げないし、誰も動かない。春麗に殺されたからだ。そして、すぐにこの美少年もそうなる。春麗が美少年のすぐ後ろで仁王立ちしているからだ。

死ぬという現実、殺されるという現実。後ろを振り返ればそれと向き合わなければいけなくなる。現実を見たくない、現実を知りたくない。現実に気付かなければ逃げていられるかもしれないと美少年は思っているのだろうか。

お母さんと叫び続ける空しさもまた、美少年が無意識に陥った現実逃避なのかもしれない。母親から離れての合宿の場に、母親はいないのだ。それでもお母さんと叫ばずにはいられないのが美少年だ。美少年の唯一の心の拠り所であり、守ってくれる存在が母親だけなのだから。

母親がここにいないとは分かっても、お母さんと叫ぶだけで恐怖が紛れ、落ち着けるのだろう。パニックであることに変わりはないが、それによって少しでも変態女の恐怖から逃げた気持ちになれるのなら、叫び続けるべきなのだろう。

「んんーんーん!んんーんーん!んんーんん!んんーんん!」

春麗に寝転がされ、巨尻で顔を押し潰され、鼻孔も口も封じられてもなお美少年はお母さんと叫び続けていた。目は閉じたまま、あくまで現実を見ようとせずに最後の一人の美少年は春麗に毒ガスを注入され、最期の大勃起を迎えて死んでいった。閉じていた目は毒ガスのショックで見開かれ、他の美少年達と同じように白目を剥ききるのだった。


こうして春麗が存在に気付いていない一人の美少年を除く、体育館に集まった全ての美少年が全滅した。入り口から館内全体を見渡す春麗の目に、その光景はとても壮観に写っている。

体育館中に横たわる美少年の死体。その全てが完全に白目を剥いた表情で、凄まじいまでに勃起し、皮もはち切れんばかりに剥けきったペニスを硬直させている。春麗にはそれがまるで自分が完成させた芸術作品にでも思えたのか。それとも、この光景を見た美少年の母親達の絶望に歪む顔を想像して楽しくなったのか。

「これで私の本性が知れる以上、もうこんな事も出来なくなるわね…。まあ、そうしたら次からは堂々と殺せば良いだけのことだわ。変態女の女王として、全ての美少年を私の尻で殺し尽くすのよ」


(続く)