二人の不思議な世界 〜 光君のお尻拭き編 〜

−7−

洋助君の暖かい言葉を受けても、まだ光君は戸惑いを感じています。
それは当然でしょう。普通に考えれば、中学生にもなって
自分の肛門を友達に拭いてもらうなんて、とても考えられません。

いつまでも自分で肛門を拭くことが出来なくても、光君はそれが
どれだけ恥ずかしい事かは分かっているつもりです。
だから自分の肛門を拭くことを、ママ以外の人がやってくれるなんて事は
あり得ないという気持ちが完全には抜けきっておらず
いざ直前になって、やはり遠慮の気持ちが出てしまうのでしょう。

ですが、その一方では洋助君に肛門を拭いてもらいたいという
思いも芽生えているのです。

洋助君への遠慮の気持ちと、どうしても拭いてほしいという気持ちが交錯して
洋助君へすぐに返事が出来ず、フルチン姿で足をモジモジさせながら
悩んでいた光君ですが、やがて拭いてほしいという思いが
遠慮の気持ちをどんどん上回っていくのでした。

自分のフルチン姿を洋助君にさらけ出し、全てを
洋助君に見られてしまうという気持ち。
そして、美少年にとっては美少女の処女と同じぐらい大切な
自分の肛門を洋助君に委ねてしまうという気持ち。

それを思うと光君は心が高まり、体が火照ってすらきます。
羞恥心も極まれば快感になるように、光君も
恥ずかしさが期待へと変わっているのでした。

 

光君の返事があるまで、洋助君は待っています。
個室の鍵を開けてもらわなければ、入りたくても入れないのですが
洋助君はそれを急かしたりはしません。

なかなか来ない光君の返事の代わりに
個室のドアの下に大きく開いている隙間から
光君が吐き出した下痢便の臭いがプンプンと立ち上ってきます。

公衆トイレに入ったときに、閉まっている個室の中から
臭ってくる、誰ともしれない男性のウンチの臭いは
とても嫌でたまらなく、呼吸を一度もせずにオシッコを済ませて
トイレを出てしまうぐらいなのに、それが光君のウンチの臭いだと
分かっているだけで、どうしてこんなにも印象が違うのでしょうか。

臭い匂い、でも好きな臭い。
自分のウンチの臭いを嗅いで、その臭さに
ちょっぴり興奮したことのある洋助君ですが、それが他人の臭いだと
とても興奮できるものではありません。

臭い匂いに興奮する癖があると思われる人でも、
いざ他人の臭いを嗅ぐと、それを受け入れられなくなるのは多々あることです。
それなのに、洋助君は光君のウンチの臭いだと
ほとんど拒否反応が出ないのです。

(同じ下痢でも、僕の下痢の臭いとは結構違うんだな…。
 これが光君の下痢をしたウンチの臭いなんだ…)

むしろ、光君のウンチの臭いを積極的に吸い込み
その臭いを記憶しようとしてる雰囲気すらあります。

光君のウンチの臭いを知れば知るほど、光君に悪いという気持ちがしながら
でも、もっと光君のウンチの臭いを知りたいという欲求が上回るのです。
光君が人には見せられないものを知れば知るほど
より誰よりも光君に近い存在となれるという気持ちが、そうさせてしまうのでしょう。

どんな仲の良い友達でも、ウンチの臭いを
好意的に嗅ぐということは出来ません。
すくなくとも今の時点で洋助君は、自分と光君は他のどんな友達同士よりも
接近しあえているのだと感じているはずです。

 

「…じゃ、じゃあ、鍵あけるから」

ようやく個室の中から光君の返事が聞こえ
その直後に鍵が開かれる音がします。

洋助君が緊張しながらドアを開けて中に入ったら
同じく緊張している光君が、フルチン姿で
オチンチンを両手で隠しながら立っていました。

より強く感じるはずの下痢便の悪臭を掻き消すまでに
神々しい光君のフルチン姿。その綺麗すぎるまでのスベスベとした肌に
洋助君は思わず魅入ってしまいました。

(な、なんだろう…。こんなにドキドキしちゃうなんて…)

胸が高鳴る自分の気持ちに戸惑いながらも
洋助君の目線は光君の裸に釘付けになってしまいます。
光君に不思議そうな顔で見つめられると、洋助君はようやく我に返りました。

「ご、ごめん。すぐお尻拭くよ」

ガラガラといかにも安物なペーパーホルダーらしい音を立てながら
紙を巻き取り、丁寧に折りたたみます。
いつも自分がウンチをした時は、紙をクシャクシャに丸めて
肛門を拭く洋助君ですが、今日は光君の肛門を拭くということで
ちょっと気を遣っているような感じです。

洋助君が光君の方を振り返った時、光君はすでに
お尻をこちらに向けていました。気を利かせたというよりは
真正面を向くとオチンチンを見られるかもしれないのが、恥ずかしいのでしょう。

「こっちにお尻を突き出してもらえるかな。…そうそう。
 ちょっと体触るね。ごめん」

洋助君の言う通りにお尻を軽く突き出した、光君の腰に左手を当てて
支えにすると、洋助君は右手をそっと光君のお尻の谷間に持って行き
そのまま谷間の奥へと手を進め、肛門に紙を押し当てます。

洋助君の右手に、湿った感覚が紙越しに伝わってきました。
きっと水っぽい下痢便特有の、ドロドロとした液体が光君の肛門を
汚しているでしょう。

それでも洋助君は顔色を変えることなく、肛門をえぐるように
手に力を入れながら、紙を上に引き上げます。
そして紙の表面を確認すると、やはり紙はかなりの湿り気を帯びていました。
かすかに茶色いその湿り気は、光君が吐き出した泥水の状態を物語っています。

紙を下に落とすついでに便器を覗くと、そこには光君が
肛門から吐き出したばかりの泥水が散らばっていました。
紙に染み込んだ茶色よりも、やや濃い色の泥水は
ほとんど液状と言っても差し支えないぐらいの柔らかさです。
こんなウンチを我慢するのは、とても大変だったのでしょう。

(やっぱり何か違う。僕もこんな下痢をよくするけど
 光君の下痢をしたウンチは、見た目もやっぱり違って見える…)

見慣れているはずの水下痢便も、自分のとは違うと
ハッキリとしていながらも、何が違うのかはよく分からない
不思議な気持ちに、洋助君は新鮮な感覚という興味を抱いていました。

それはやはり、ウンチが光君の肛門から吐き出された物で
あるからなのでしょう。洋助君は拒否反応が出ないどころか
むしろ自分のウンチを見るよりもドキドキする気持ちを感じているのです。

 

−8−

ママに肛門を拭いてもらう時は、温もりと優しさを感じて甘えきり
何も考えずにお尻を差し出していた光君ですが、洋助君に拭いてもらうのは
同い年の友達ということもあって、当たり前のように甘えきることは出来ません。

どれだけ心を許したつもりでも、中学生として
それではいけないという気持ちが無意識のうちに働いてしまうのです。
洋助君に全てを任せながらも、緊張で体はこわばり
ちっとも心が安らがない光君ですが、その緊張は果たして
中学生としての自覚からくる物だけなのでしょうか。

二回目、三回目。
洋助君が紙を巻き直して光君の肛門へあてがうたびに
紙に染み込む茶色い湿り気が薄くなっていくのですが
それが拭き取り方が甘いからだと思った洋助君は、
確実に肛門を綺麗にするために、ただ肛門を紙で拭うだけではなく
人差し指と中指を使って肛門に紙を押し込んでいくのです。

グイグイと肛門に指が押し込まれ
そのたびに光君の体がビクンと反応します。

「あ、ゴメン。…ちょっと強かったかな?」

刺激は強いものの、肛門を綺麗にするにはそうしなくてはいけないのだから
光君はそれを駄目とは言わずに黙って首を振り、大丈夫だと伝えます。
洋助君はなるべく早く終わらせるからと謝り、再び肛門に指を押し込み始めました。

(…うん。汚れがちゃんと付いた)

何度か押し込んだところで指を止めて、紙をとって表面を眺め
茶色い湿り気が付着していることを確認して頷きます。

人のお尻を拭くのは初めてながらも、やってみた甲斐があったと
洋助君は納得して紙を便器に捨てようとしたのですが
ふと、洋助君は光君の肛門を刺激した紙を自分の鼻先に持って行きました。
そしておもむろに汚れの臭いを嗅ぎ始めたのです。

ほのかに、しかしハッキリと感じることの出来る、光君の肛門の臭い。
一回目でほとんど拭き取られた下痢便の臭いは弱いものの
それがかえって光君の、生の肛門の臭いを思わせます。

ママに拭いてもらう時しか肛門をまともに綺麗にしていない
光君の肛門は、普段からウンチのカスが付着していたのでしょう。
それが乾いて肛門に張り付き、ズボンを穿いてお尻の谷間が蒸れた汗を
吸収しては乾くのを繰り返すことによって、香ばしい臭いになっていたのです。

生臭い香りではなく、香ばしい臭い。
臭くても、どことなくホッとするような香りに
洋助君は一瞬ウットリとしてしまいました。
もう病み付きになってしまいそうなぐらいです。

 

「こんなものかな。終わったよ、光君」

まだ紙に肛門の臭いは付くものの、汚れは確認できなくなったので
洋助君はお尻拭きを終わりにして、光君の腰から手を離しました。

「あ…ありがと、洋助君」

照れながらも小さな声でお礼を言う光君ですが、数分間とはいえ
友達の前でフルチン姿を晒していた恥ずかしさは、かなりのものでしょう。
洋助君の顔を見ることも出来ずに、いそいそと床に置いていた
制服を拾い、着替え始めます。

狭い個室の中に二人も入っているので
光君は着替えるのにも一苦労でした。
光君がモタモタしながら着替えている様を見かねた洋助君は
肛門を綺麗にしてあげた後、手持ちぶさただった事もあり
つい光君の着替えまでも助けてあげようと手を出してしまいました。

「さ、さすがに僕だって着替えは自分で出来るよ」

肛門は自分で拭けなくても、着替えは一人で出来るという
譲れないプライドはあるのでしょう。光君は慌てて助けを拒み、
同じく洋助君も慌てて手を引っ込めました。

ですが、これが二人の仲をギクシャクさせるわけではありません。
洋助君のおかしな失敗として、二人はクスクス笑い合いました。

 

「そうだ。辻原先生にお礼を言っておかないと」

体調が悪いという事で授業を抜け出したので、本当はウンチをして
お腹はスッキリしていたのですが、その授業の間、光君は
保健室で休んでいることにしました。

そして休み時間になって洋助君が迎えに来ると、
二人は機転を利かせてくれた真理江先生の所に向かったのです。

「何とか間に合ったようね、良かったわ」

真理江先生は、やはり光君の下痢に気がついていました。
光君では授業中に手を挙げることが難しいと判断したからこそ
先生として、助けてくれたようです。

それともう一つ、光君と洋助君が助かったと思ったことは
光君の付き添いに洋助君を選んでくれたことでした。
もし他の生徒だったら、光君はかえって窮地に追い込まれていたでしょう。

「先生ね。実はあなた達二人の事は聞いているわ。
 浅見君の事は小学校の先生から、大葉君の事は光君のお母さんから」

小学校を卒業する光君のことを心配していたその先生は
光君が中学校で生活していくためにも、理解と助けが必要と思い
知り合いだった真理江先生に、こっそりとお願いをしておいたのです。

美少年が好きだった先生の知り合いなのですから
真理江先生もまた、美少年が好きでした。
ウンチの世話まで考えてあげる事も、何でもないことだったのです。

優しく大らかな真理江先生は、自分が光君のお尻を拭いて
あげても良いとまで思っていましたが、話を聞くために
光君のお母さんに連絡を取ってみたところ、洋助のことを聞いて
助けになってくれる子がいるなら安心だと思ったのです。

 

「そうだったんですか。良かったね、光君。
 これならトイレに行くのもずっと楽になりそうだよ」

先生という大きな助けを得ることが出来て、気が楽になった洋助君は
何よりも光君にとって良い環境になったことを喜び、
光君もその言葉に頷きます。

さらに、真理江先生は光君達のために
教師用の女子トイレの使用を、仲間の女先生達と話し合って
認めてもらうことにしてくれていたのです。

「ここの女の先生達は、みんな君達のような可愛い子の味方よ。
 トイレの中で会っても怒られたりしないから、安心して使ってちょうだい」

光君がウンチをする時だけではなく、洋助君がウンチをする時も
使って良いとまで言ってくれるのですが、真理江先生はどうして
そこまでしてくれるのでしょうか。

「可愛い男の子にとって、学校でウンチをすることは物凄く大変な事でしょ。
 他の男子はともかく、もし君達がウンチをしたことで
 からかわれたりしたら、君達の繊細な心はとても傷ついてしまうわ。
 先生は、そんな事で君達を苦しませたくないから、そうするの」

卒業するまで続けられるかもしれない、からかいを
心の中で上手く処理することの出来ない二人のために、真理江先生は
そこまでしてくれるのです。

美少年にとって、ウンチをしたという事実を
いつまでもからかわれ続けるのは、とてつもない拷問のようなものです。
まるで背中に重荷を背負わされたかのように、暗く俯いてしまい
何をしても、またウンチのことをからかわれるのではないかという恐怖が
美少年を自分の殻に閉じこめてしまうのです。

どんな甘やかしであっても、美少年が少しでも明るく生きられることが
真理江先生のような、優しい大人のお姉さん達の気持ちなのです。
わざと突き放すことで成長を促すような、無責任な賭けではなく、
甘えん坊な美少年のペースで、ゆっくりと成長させていく手助けをすることが
真理江先生の、一つの理想でした。

 

−9−

ある日の朝、光君と洋助君は今日も仲良く二人で登校していました。
ですが、二人は妙に早足で歩いています。
その理由は、光君が登校中に下痢をしてしまったからです。

光君はお腹がそれほど強いわけではありませんが、
牛乳を飲むのは好きでした。毎朝牛乳瓶一本を飲み干してから
登校するので、運が悪いと途中で下痢をしてしまいます。

下痢をして辛く恥ずかしい思いをするのに、光君は牛乳を飲んでしまいます。
好きなものを我慢することが出来ない幼い心が、
下痢の可能性の怖さを忘れさせてしまうのでしょう。
夏の暑い時期に、冷たいジュースやアイスを摂りすぎて
何度も下痢をしてしまうのも同じでした。

 

登校中の下痢は、下痢が酷くなればなるほど
色々な気の迷いが生じます。どこかで下痢便を吐き出して
楽になることができないかと。

光君と洋助君の通学路には、残念ながら
公衆トイレのある施設はありません。
ですが、民家はあります。

恥を忍んで、民家のトイレを借りることができれば
どんなに楽なことでしょう。ですが、知らない人の家に
ウンチをさせてもらいに行くのが、どれだけ大変なことかは
二人にはよく分かっているはずです。

もし意地悪そうな人が出てきたら、どうするのでしょう。
か弱い美少年が、その人の前でウンチがしたいことを
アピール出来るはずがありません。断られる可能性だってあるのですから。

もう一つ、二人の通学路には林の中を通る場所があります。
木々に囲まれて見晴らしが悪く、電柱もほとんど無いため
夜は非常に怖い道ですが、その見晴らしの悪さが
もしかしたら、林の奥に入ってそこでウンチが出来るかもしれない
ということを考えさせてしまうのです。

外でウンチをしてしまえば、ウンチをしたことを洋助君以外に
誰にも知られることが無いのが、一番嬉しいかもしれません。
しかし、トイレの個室以外の場所でお尻とオチンチンを
丸出しにしてウンチをするという行為は、もっとも恥ずかしいウンチの仕方なのです。

もし周囲に光君と洋助君以外の人がいないことが絶対であったならば
野外でウンチをすることも出来たかもしれません。
でも、ここは通学路なのです。人気は少ないとはいえ
他の生徒が通る確率は非常に高いのですから、お尻を出すのは
学校で笑われ続けるための自殺行為といって良いでしょう。

ウンチが我慢出来ない。トイレを借りたい。でも勇気が出ない。
林の中でウンチをしてしまえば。でも見つかったら
人生が終わってしまうかもしれない。我慢するしかない。
下痢をした光君の頭の中は、そんな思いがひたすら堂々巡りをしているのです。

付き添う洋助君も、光君が下痢を解消するための方法としては
その二つぐらいしか思いつきません。
ですが、光君の気持ちを思えば、そんな事は勧められるはずもありません。
光君が意を決したら、自分が出来る限りのフォローはするつもりですが
実際にウンチをするわけではない自分からは、
非常に勇気のいる恥ずかしい方法を勧める気はないのです。

 

下痢を我慢している光君。それを見守っている洋助君。
次第に無口になっていく二人ですが、何とか学校まで
最悪の事態を迎える事にはなりませんでした。

登校中は周囲を気にして急ぎ足程度でしたが
いよいよ校舎の中に入ってからは、もう遠慮をしてはいられません。
ウンチを出来るトイレがあるのですから、二人は駆け足になりました。

「光君、この前先生が言ってた教員用トイレに行ってみよう」

洋助君の声に、光君が頷きます。
カバンを教室に置いてくる暇もなく、二人は下駄箱からまっすぐに
教員用の女子トイレを目指しました。

本当は、二人ともまだ女子トイレを使うことに不安があったのですが
下痢という理由のため、そんな不安もすっかり忘れていたのです。
職員室のある階の一番奥にある教員用トイレの入口を通り、
女子側に入ると、いきなり知らない先生と鉢合わせてしまいました。

「あっ!…あ、あの…あの…」

驚いて足もすくみ、まともに言い訳も出来なくなってしまうほど
二人は緊張して動けなくなってしまいます。
しかし、そんな二人を見て先生はくすりと笑い、優しく声をかけます。

「あらあら、朝から慌てちゃって。お腹でも壊しちゃったの?
 お腹を壊したのは光君?それとも洋助君かな?」

二人が知らない先生でも、ちゃんと自分達のことを
了解してくれていたことに、二人はホッと胸をなで下ろしますが
先生に、悠長に説明をしてる余裕はありません。

「すいません、急いでるので。あの、これで…」

「あ、そうよね。じゃあ私は出るけど、あまり汚さないようにね」

 

前と同じように、光君を個室に入らせて
洋助君は外で待っているのですが、やはり女子トイレということで
どうも落ち着かないようです。

他の先生が入ってこないか、不安げに入り口の方を
見たりして、光君のウンチに注目出来ないようです。
それでも、ざっとトイレの中を見回すと、男子トイレと比べて
いかにここが綺麗な環境かは良く分かりました。

綺麗な床、頑丈な作りの個室の仕切り。
紙の予備もたくさん用意されて、手洗いの水道もピカピカで
羨ましくなるぐらいの空間です。

個室の中も広く、しゃがむので精一杯という事もなく
スペースに余裕がありすぎるぐらいで、これなら自分が
光君のウンチの最中に一緒に入っても平気だろうなと、洋助君は考えました。

(僕の目の前で、光君がフルチンになってウンチ…。
 音とか、臭いとか、全部分かっちゃうんだろうな)

そんなことを想像して、洋助君はドキドキしてしまいます。
むず痒いような、何だか不思議な感情が沸き上がってきます。
いつの間にか周囲を警戒することも忘れ、
想像に没頭しそうになっていた洋助君ですが、光君が
コンコンと内側からドアを叩く音で我に返りました。

「あっ…あ!ご、ごめん。もう終わってたんだ」

鍵を開けてもらった洋助君が個室の中に入ると
すぐに光君の下痢便の臭いが、ふんわりと鼻腔を刺激します。
後ろを向いている光君に注意しつつ、こっそり便器の中の
下痢便を覗いてみると、今回の光君の下痢は一瞬で済んだようで
黄土色の柔らかめのウンチが便器中央で砕けるように広がっていました。

ウンチとしてはたった一塊だったのでしょうけど
その一塊の量は、なかなかのものです。
こんなものが肛門を圧迫していたのですから
光君の苦労も相当なものだったと思われます。

ですが、肛門から吐き出してみれば一瞬で終わってしまったウンチのために
長時間我慢をし続けたかと思うと、光君も悔しく思ったのかもしれません。

 

それはともかく、紙を用意して光君のお尻を拭こうとした洋助君ですが
個室の広さから、あることを考えついたようです。

「ねえ、光君。…あの、四つん這いになってくれないかな。
 いや、その…その方が拭きやすいと思ってさ」

たしかに光君が立ちっぱなしでは、お尻の割れ目が
塞がり気味になってしまい、肛門に紙が届きにくいかもしれません。
洋助君はしっかりお尻を拭くための方法と言いますが
果たしてどこまで効果があるのでしょう。

四つん這いになるということは、肛門を丸出しにしてしまうという
物凄く恥ずかしい体勢なのです。フルチンではなかなか出来ません。
それでも、光君は洋助君の言うことを素直に信じて
恥ずかしがりながらも四つん這いになることを承諾しました。

「でも、恥ずかしいなあ…」

「仕方ないよ。ちゃんとお尻を拭くためなんだから」

 

(続く)