二人の不思議な世界 〜 光君のお尻拭き編 〜

−4−

こうして、光君と洋助君の中学生活は始まりました。
勉強は大変ですが、まだ1年生は気楽でいられるので
二人も今は、その変化に自然と慣れていくような感じです。

光君は、もしウンチがしたくなったらという事を
いつも頭の中で考えていますが、いくら洋助君が頼りになるとはいえ
出来れば学校でウンチをしなくて済めば良いと思っています。

洋助君は、いつ光君がウンチをしたくなっても良いように
校内のトイレの位置の把握と、利用する人の多さや
時間帯の混み具合などを確認して、誰にも見つからずに
ウンチが出来るポイントを、入念に調べています。
もちろんこれは光君のためだけではなく、お腹を壊しやすい
自分のためにも調べているのです。

その結果、洋助君は校舎の一番上の階と
食堂の側のトイレが、ほとんど利用されてないことを確認しました。
そして今、洋助君は実際にそのトイレを利用しているのです。

ブッ、ブリブッ! ブパッ! ブゥゥ…ブスススス…

人がいないので音に構わず、一気に柔らかいウンチを肛門から吐き出し
ウンチを全て吐き出しても、なお力み続けたものですから
小気味よく直腸が震えてオナラを奏でてしまいました。

もしトイレに人がいたら、とてもこんなウンチの仕方は出来ません。
洋助君は、人のいないトイレの有り難さを感じながら
いそいそと肛門を紙で拭って衣服を着始めました。

フルチン姿でしかウンチを出来ない美少年の弱点は
脱ぎ着する時間のせいで、個室に籠もる時間が余計に長くなってしまうことです。
いくらウンチを素早く済ませても、着替えている時間が長くなれば
それだけ個室に籠もっている現場を、他の人に押さえられてしまう
可能性が高まってしまうのですから。

本当は、ウンチの時は長くトイレに籠もっていたいのです。
焦らずに適度な力みでウンチを肛門から吐き出し
無理矢理ではない自然なウンチの音を奏で、ウンチを吐き出した後は
個室の中に充満する、恥ずかしいウンチの臭いに包まれながら
一休みをして、そして丁寧に肛門を拭いて、きちんと服を着てから
水を流し、トイレを出るのが一番なのです。

 

ですが、学校のトイレでの急ぎ急ぎのウンチも
必ずしも悪いことばかりではありません。
ウンチをしているだけで極度に高まる緊張感や羞恥心
それが心の奥底で快感となって、興奮を高める場合もあるのです。

普通の男子よりも人目を気にしなくてはいけない
美少年であれば、なおさらその刺激は強いかもしれません。
光君と洋助君は、その刺激に気が付いていませんが
二人がウンチをする時にフルチン姿になるのは、
その刺激をもっと強くしたいという、無意識の行動なのでした。

 

さて、ウンチを終えて教室に戻ってきた洋助君ですが
光君にはウンチのことは話していません。
本当はウンチのことで光君の面倒を見る立場の自分が
光君よりも先に下痢をしてしまったなんて、言いづらいのでしょう。

光君の前では格好をつけていたい洋助君は
光君とは別の意味で、ウンチをすることを恥ずかしがっていたのです。

ただ、光君は洋助君がどこに行っていたかはあまり詮索せず
じっと席について、時折お腹をさすっていました。
おそらく、光君も下痢をしているのでしょう。
洋助君は、それに気が付いて、しまったと思いました。

洋助君にトイレのお願いをしないということは、光君の下痢は
まだ軽いのかもしれません。しかし学校ではそれが危険なのです。
休み時間の今は中途半端な腹痛であっても、授業中に
強い下痢へと変わる可能性は高く、そうなってしまったら
長い授業時間を耐えきらないと、トイレに行くことは出来ません。

この休み時間のうちに、中途半端な腹痛であっても
トイレでウンチをさせたかったのですが、もう休み時間は僅かしか残っていません。
これではウンチを授業までに終えることは不可能です。

 

結局、洋助君は光君の腹痛が下痢に変わらないように
祈るしかありませんでした。

(僕が下痢をしてなければ…!)

万が一の時は僕が何とかするからと、光君に話したものの
洋助君はどうすれば良いのか何も考えがまとまっていません。
光君の肛門を拭いてあげることは簡単にできても、
光君が下痢を我慢するための手助けは、何も出来ないからです。

お漏らしだけはさせたくない。
最悪の事態を避ける術は、果たして見つかるのでしょうか?

 

−5−

お腹が痛いのを我慢して、トイレに行かなかった時ほど
下痢はやってくるものです。しかも、トイレへの希望を遮断された瞬間に。

光君のお腹もまた、授業が始まってトイレに行けなくなったのを
見越したかのように、すぐさま下痢となっていくのでした。

(どうして…?さっきまで大丈夫だったのに…)

急激に強まっていくお腹の痛みと、お尻の中から肛門を突き刺すような
熱い刺激に、光君は体を震わせて反応します。
もうこの瞬間から、お尻に力を入れ続けていないと
お漏らしをしてしまうのではないかという不安に襲われてしまうのです。

(何とか我慢できそう…)

下痢になったばかりの時は、そんな希望も考えることは出来ます。
ですが、時間と共に希望は消え、お漏らしの恐怖だけが頭を支配してしまうのです。

(どうしよう…我慢できないかもしれない…。
 ………ううっ!だ、駄目だ!漏れちゃう!あああっ!)

絶望と隣り合わせの状況で、必死に肛門を締めて光君は耐えます。
しかし光君の肛門を襲う熱い刺激は、もう止まりません。
気を緩めたらいつでも溢れ出す勢いで、光君のお尻の中を暴れ回っています。

 

一方、光君の後ろの席で心配している洋助君は
光君の背中を見て、光君のある変化に気が付いていました。
光君のお尻が、椅子の上でせわしなく動き始めたのです。

右に、左に、時には前後に。
引きずる音をかすかにさせながら、何度もお尻の位置を移動させる光君。
じっとしていると、あまりにもお尻が辛すぎるのでしょう。
少しずつ緩んでいく肛門をリセットするかのように、
お尻を動かすことによって、もう一度肛門を締め直しています。

お尻が楽になったつもりでも、肛門の限界が
本当にリセットできるわけではありません。
お尻を擦り動かすことは、苦痛に堪えきれなくなってきた悲鳴の証なのです。
洋助君はそれを察知しましたが、光君の苦痛を和らげることは出来ません。

とにかく手を挙げてトイレに行ってしまえば、お漏らしはしないのでしょうけど
それをする勇気が光君にあれば、洋助君が心配することはありませんし、
クラスのみんなに自分がウンチをすると公開するような恥ずかしい行為を
光君にはさせたくないのが洋助君の本音でした。

(僕が光君の体調が悪いと言って、保健室に連れて行く振りをしてみようか…。
 でも、不自然に思われたら光君に迷惑が掛かっちゃうし…)

クラスのみんなに、光君がウンチだと悟られずに
教室から抜け出すにはどうすれば良いのか、洋助君は必死に考えますが
どうしても不自然すぎる不安を拭うことは出来ません。

洋助君は、光君のウンチのことを思うあまりに
光君のウンチが自分以外の人に知られることも
我が事のように嫌がっていました。それ故に光君を強制的にでも
救いたいという気持ちと、誰にもウンチを知られたくない
理想とのジレンマに陥ってしまうのです。

すっかり身動きが取れなくなってしまった光君と洋助君。
しかし、そこで二人に救いの神が現れたのです。
それは、今授業を行っている先生でした。

「浅見君、大丈夫?気分が悪いんじゃない?」

光君も洋助君も、この言葉にすぐ反応しました。
これで体調が悪い振りをして、教室を抜け出すことができるかもしれません。
光君はとっさに先生の言葉に頷き、洋助君は先生が
光君を保健室に行かせてくれることに期待しながら注目します。

「念のため保健室に行ってきた方が良いわね。
 でも、一人じゃ不安だから…大葉君、一緒に行ってくれるかしら?」

あまりにも嬉しすぎる先生のお願いに、洋助君は思わず
大きな声でハイと返事をしてしまいました。
ちょっと恥ずかしい気もしましたが、もうそんなことには構わず
光君を連れて、ざわめき立つ教室を後にします。

「さあさあ、みんなは授業に集中しなさい。
 いつまでも騒いでちゃ駄目よ」

手を叩いて騒ぐ教室を静め、光君が話題の中心になることも
防いでくれた辻原真理江先生の行動は、はたして偶然だったのでしょうか。
それとも、二人のことを知っててそうしたのでしょうか。

 

−6−

「光君、トイレまで我慢できる?
 授業中だから、もうこの階のトイレでしちゃおう」

静まりかえる廊下を、光君と洋助君が歩いていきます。
授業中の下痢という異常事態ですから、洋助君が調べた
人の来ないトイレを活かすこともなく、光君達の教室と同じ階にある
みんなが利用する男子トイレに入りました。

休み時間は何人もの男子が出入りを繰り返すトイレですが、
今は誰もいません。学校の男子トイレというのは、人がいなくても
独特の緊張感がありますが、今の二人にとっては
とても安心することが出来る、救いの空間でしょう。

「ごめん!洋助君!」

もはやウンチの後にどうするかなんて、話し合う余裕もありません
いつもなら負の空気が漂い、近づく事さえ躊躇させる個室のドアの中に
光君は洋助君に一言謝ると、真っ先に入っていきました。

狭く、汚く、ろくに掃除も整備もされていない男子トイレの中は
みすぼらしい木製の敷居も所々が剥がれて、中の板が剥き出しになり
備え付けの紙も、いつの物か分からないぐらいです。
おそらく、紙が無くなってもなかなか補給されないのでしょう。

そんなトイレの中で、光君という美少年がウンチをしようとしているのです。
それだけで美少年にとっては針の筵のようなこの環境が、
他の男子よりもウンチをする事への抵抗を強めてしまうのでしょう。

(ああ…やっと出来る。やっとウンチが出来る…!)

たとえ嫌な男子の目が無くても、ここでウンチをしたこと自体が
汚点として心の中に残ってしまいかねなくても、下痢には敵いません。
この瞬間は、ウンチをする事だけが全てなのです。

カチャカチャ…ズッ、スルルッ

急いでベルトを外し、ズボンとパンツを一緒に脱ぐ光君。
女の子のような綺麗なお尻と、まだ毛が一本も生えていない股間が
丸出しになりましたが、まだウンチは出来ません。

フルチンにならないとウンチが出来ない光君は、下痢の時でも
律儀に全部脱がないと、しゃがむことが出来ないのです。
お尻を出してしまったことによって肛門が反応し、余計に我慢をしにくくなっても
脱いだズボンとパンツを床に置いて、今度は上着のボタンを外し始めました。

ボタンを一つ一つ外していく作業は
ズボンのベルトを外すよりも、手間も時間も掛かります。
しかも学生服のボタンだけでなく、シャツのボタンもあるのです。

もうウンチをするのに邪魔なズボンやパンツは穿いていないのに、
すぐ下に便器があって、しゃがめばいつでもウンチを出せるのに、
それでもフルチンになるまで我慢してしまう、光君の悲しい習性でした。

 

「うう…ん!んんんんーっ!」

上着を脱ぎながら、今にも肛門が突き破られそうな激痛に
耐える光君の口から、思わずうめき声が出てきます。
もう黙っていては堪えきれない状況に追い込まれている光君の声を聞き
洋助君は両手を握りしめて「頑張って」と励ますことしかできません。

それでも、とうとう光君はフルチン姿になることが出来ました。
厳密には、靴下と上履きは履いているのですが、これは家以外のトイレでの
汚い床から足を守るために覚えたことなのでしょう。
それでも、限りなく全裸であることには変わりありません。

「うああ!ああっ!あーーーーっ!」

上着をズボンの上に置いて、ようやくしゃがめる状態になっても
光君の悲鳴のような我慢は、便器の上にしゃがみ込むその瞬間まで続きます。

完全にしゃがむまでは、例え便器の中に収まったとしても
ウンチをしてしまうのはお漏らしと一緒なのです。光君にとっては
ウンチが間に合わなかった恥ずかしい出来事と変わりありません。

「光君!間に合わないの!?」

光君の悲鳴を聞いて洋助君が声をかけますが
個室の中から聞こえてきた光君の返事は、下痢便が肛門から噴き出す音でした。

ブボブッ!(ビヂャッ!) ブフッ!(ヂャッ!)

ブフフフフフフフフフ!!(ビヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャヂャッ!!)

まるで泥混じりの水のような光君の下痢便は
水道のホースから放たれる水流のように細くとも
その勢いはまるで濁流のように激しく、それでいて下痢便が通過する時に
肛門が微かに奏でてしまう空気音が、下痢便の音を軽快にして
とても滑稽な効果音に仕上げてしまっています。

ブフフフフフブボッ!(ビヂャヂャヂャヂャヂャヂャジョバッ!)

ボッ!ブフフッ!ブフッ!(ヂャッ!ビヂャヂャ!ヂャヂャッ!)

それはまるで、光君が肛門から泥水を放水しているかのようでした。
水流の中に時折混じる大きな泥と、小さな泥が恥ずかしいアクセントとなって
放水の音をリズミカルにし、泥水がうっすらと水の張った便器に
叩きつけられる音と相まって、とても騒がしくなっています。

その騒がしさは、すぐ側で聞いている洋助君が
この音がトイレから漏れて廊下まで伝わってしまわないか
馬鹿馬鹿しくも心配になってしまったほどです。

 

「はああ…。 んっ、ふんーっ!」

一気に泥水を吐き出した光君に、ようやく安堵の時間が訪れました。
ですが、まだ何か直腸の奥から熱いものが溢れ出してくるのを感じ、
再びお尻に力を入れ始めます。

……ブフゥーーーウゥ! ブプゥーブンブブブッ!

今までの泥水の放水とは明らかに違う、
大きな音がトイレの中に響きました。
光君も洋助君も顔を真っ赤にして黙ってしまいます。

光君が下痢便だと思っていたものは、下痢便を我慢している間
下痢便と一緒にお尻の中に閉じこめられていたオナラだったのです。
思いこみで一生懸命力んでしまった弾みで、
オナラはとてつもなく恥ずかしい音を伴ってしまいました。

 

泥水の放水も、とても恥ずかしい音でした。
ですが、オナラは同じ恥ずかしい音でも、また違う恥ずかしさなのです。
それも自分のうっかりで鳴ってしまった音なのですから、
光君の恥ずかしさは倍増していました。

それでも、よくよく考えればその恥ずかしさは
小さな事なのかもしれません。なぜなら、これから光君は
洋助君にお尻を拭いてもらうという、中学生とはとても思えない
恥ずかしいことをしてもらうのですから。

「…お、終わったかな? それじゃあ光君、お尻…拭く?」

言葉をかけるきっかけに悩んだ洋助君。
こんな時の言葉のかけ方なんて分かるわけがありません。
突然かつ、ぎこちない聞き方しかできませんが
同じくウンチが終わったことをどう知らせたらよいか悩んでいた
光君にとっては、救いになったようです。

「うん。終わったけど…どうしよう、裸で…」

そうでした。光君は今、フルチン状態なのです。
このまま洋助君が個室の中に入ったら、光君はウンチだけではなく
全裸の姿をさらけ出してしまうのですから、躊躇するのは当然でしょう。

「…いいよ。光君、そのままでいて。トイレも流さなくていい。
 僕は全然平気だから、光君も気にしないで」

洋助君は、光君の全てを受け止めるつもりでした。
光君のウンチの世話をする事への嫌悪感どころか
自ら望んで世話をしてあげたいかのようでもあります。

それが、もはや行き過ぎた友情ではないかと分かっていても
自分達の関係が誰よりも特別でありたい思い。
光君の気持ちが分からない不安があっても、止められない胸の高鳴り。
洋助君は、緊張でドキドキしながら光君の反応を待ちました。

 

(続く)