二人の不思議な世界 〜 光君のお尻拭き編 〜

−1−

もうすぐ中学校に入学する日を控えた浅見光君。
試しに着てみた学生服も良く似合い、小学生からまた一つ成長していく
光君の姿に、光君のママもとっても喜んでいます。

ですが、光君のママには一つだけ心配事がありました。
それは光君が、もう中学生になろうというのに
まだウンチの後に自分でお尻を拭けないということなのです。

でも、それは光君のママに責任がありました。
光君の可愛さ故に、いつも優しくしすぎているのはもちろん
何とトイレの後処理までしてあげていたのです。

オシッコの時はそうではないものの、光君がウンチをする時には
常に光君のママが、光君の汚れた肛門を拭いてあげています。
あまりにもそれを続けたものだから、光君はとうとう
自分で自分の肛門を拭くことが出来ないまま、成長してしまったのです。

 

幼稚園の頃は、男の子が大好きな理解ある保母さんのおかげで
ママがいなくても、光君は保母さんにトイレについてきてもらって
お尻を拭いてもらうことも出来ました。

ですが、小学生になるとそうもいきません。
もう一人でトイレに行かなくてはいけませんし、理解ある先生でも
生徒のトイレの世話をしてあげることは、リスクが大きすぎました。

ですが、幸い光君はママが思った以上に成長していたので
もう一人でトイレに行き、ウンチをすることは出来るようになっていました。
個室の中に自分がいなくてもウンチが出来る。
感動した光君のママは、安心して光君を小学校に送り出したのですが
洗濯をする時に、いつもウンチでベトベトに汚れていたグンゼのパンツを見て
光君がお尻を拭けないことに気が付いたのです。

「ん…んん…?あれえ?うまく拭けないよお…」

光君のママは、光君に自分でお尻を拭かせてみましたが
これまでやったことのない行為は、光君にはとても難しく
小振りで可愛らしいお尻を紙でさするばかりで、肛門を
拭くことがまったく出来なかったのです。だから光君は
学校でウンチをした後に、お尻をまったく拭こうとはしませんでした。

「ごめんね、光君。…これって、きっとママのせいよね」

こんなにも簡単なことなのに、どうして出来ないのか。
もしかしたら自分があまりにも優しくしすぎたものだから
肛門を拭くという動作が心の中で育たなかったのかもしれない。
ただお尻を紙でさすっているだけの光君の姿に、光君のママは
激しい責任を感じ、肛門を拭くことに悪戦苦闘する光君を見るに見かねて
紙を手に取り、光君のお尻を綺麗にしてあげたのでした。

「いいわよ、拭かなくても。ママが綺麗にしてあげるから。
 お尻を拭くのはゆっくり覚えましょうね。光君が自然に出来るようになる日まで
 ママがずっと面倒を見てあげるわ」

厳しく教え込むことも必要だったかもしれません。
でも、自分の過失を埋めるために光君を泣かせるようなことは
したくなかったのです。それが結果的に、光君が自分でお尻を
拭けるようになる妨げになったとしても。

 

−2−

「ええーっ!?洋助君に頼むのーっ!?」

光君はものすごく驚いています。
それも当然でしょう。光君のママは何と光君の友達の
大葉洋助君に、中学校での光君の世話を頼もうというのです。

「ごめんね、勝手に頼んじゃって。
 でも、洋助君のママに話したら、光君のこと理解してくれたわよ」

どちらかといえばいじめられっ子だった光君とも
仲良くしてくれた洋助君。やや無愛想な性格のせいか
あまり友達作りをしていないのですが、なぜか光君とは相性があったようです。

お互いに息子の数少ない友達同士の関係ということもあって
光君のママと洋助君のママも仲は良く、相談事もよくしていたのです。
それが今回のお願いに繋がったのでした。

「でも、洋助君にそんなこと頼んだら、絶対嫌がるよ!」

断られるどころか、もしそんなことを学校で言いふらされたら
みんなにイジメられてしまうことを恐れる光君がママに怒りますが
既に洋助君はお願いを承諾してくれたと聞かされて
何も言えなくなってしまいました。

 

「真面目な洋助君なら、光君の事を笑ったり言いふらしたりはしないわ。
 だから安心して学校に行きましょう。…万が一、光君が酷い目にあったなら
 ママここを引っ越してもいいと思ってるから」

入学式の当日、あの日から洋助君と会うのも恥ずかしがっていた光君を
光君のママは優しく抱きしめて諭し、学校に向かいました。

そして入学式を終え、光君のママは洋助君のママと合流して
光君と洋助君と共に食事をとることにしました。
学校生活が始まる前に、光君と洋助君を会わせること。
これが光君のママができる最後の手助けです。

それでも、話がウンチの事だけに
食事の席でその話題を切り出すわけにもいきません。
今は二人の反応を見るための、お見合いのようなものです。
光君と洋助君は、俯いたまま何も話せず照れていて
まるで本当のお見合いのような光景でした。

 

「じゃあママ達はもうちょっとお話をしていくから、二人は先に帰っていいわよ。
 …洋助君、できたらウチに寄っていってもらえないかしら?」

「…はい、分かりました」

光君のママのお願いに頷いた洋助君と共に、光君は家に帰りました。
元々よくお喋りをする二人ではなかったとはいえ
いつも以上に話しづらい空気が二人の間に漂っています。

ですが、何も話さないままというのはやっぱり辛く、
まず光君が洋助君に、ママが変なお願いをしてしまったことを謝ります。

「…いいんだ、気にしないで。
 友達のお母さんに頼まれたら、断るわけにはいかないよ」

それでも洋助君が無理をしているのではないかと不安な光君。
お尻を拭くことを了解してくれたのは嬉しいのに、ついつい
嫌だったら止めてもいいと、余計な気を使ってしまいます。

「…初めはビックリしたし、どうして僕がって思ったけど
 光君を見捨てたみたいになるのは嫌だし、光君を助けてあげられるのは
 僕だけだって思ったら、OKしてもいい気がしてきたんだ」

洋助君は単に真面目で正義感が強いだけで、この話を了解したのではありません。
相手が光君だったからこそ、やってみる気になったのです。
ですが、洋助君にも心配はありました。

「でも、光君。僕に…その、お尻とか…見られちゃってもいいの?」

光君のママが勝手にしたお願いに、一番困っているのは光君かもしれない。
洋助君は友達にウンチの世話をされる、光君の恥ずかしさを心配していました。

「そ、それは物凄く恥ずかしいけど、洋助君だったら…耐えられると思う」

 

お互いにぎこちないながら、心は繋がってきたようです。
まだ照れがあまりにも大きすぎますが
きっとこれから上手くやっていけることでしょう。

 

−3−

ぎくしゃくしていた光君と洋助君の仲も、ようやく硬さが取れてきたところで
二人は光君の家に着きました。
そして光君の部屋で、改めてこれからのことを話し始めるのです。

光君がウンチをしたい時、どうやって洋助君に話すのか。
素直にウンチがしたいと言っても良いのか、それとも
周囲を警戒して、合図を決めた方が良いのでしょうか。

これはケースバイケースで構わないのですが
できれば、ウンチがしたい時は、しっかり言葉で
意思表示して欲しいというのが、洋助君の希望のようです。

 

誰にも見つからないように、利用する人の少ない
トイレを探す事も、とても大切なことです。
もしこのことが見つかってしまったら、学校中は大騒ぎになってしまうでしょう。

洋助君の誘導がとても大切ですが、光君も勇気が必要です。
光君が、学校でウンチをすることを決心するのが遅れれば遅れるほど
洋助君の誘導も困難を極めてしまうのですから。

 

そして、何よりも難しいのは、トイレに入って
光君がウンチをしている間、洋助君はどこに居るべきかです。
学校の中なのですから、個室やドアの外で見張りをしているのが
良いかもしれませんが、これですと光君のお尻を拭くという肝心な作業が
とても効率が悪くなってしまうのです。

外にいる洋助君にウンチが終わったことを告げるには
大きな声を出さなくてはいけませんし、そこから洋助君が出入りするのも
余計な時間が掛かって危険が増してしまいます。

本当は、洋助君も光君と一緒に個室の中に入って
いつでもお尻が拭けるように待機しているのが一番なのですが
これはお互いの恥ずかしさがあまりにも高すぎてしまうのです。

友達の目の前で、お尻を出してウンチをしなくてはいけない光君の恥ずかしさ。
当然お尻だけではなく、ウンチも見られてしまうでしょうし
何より、個室の中に籠もるウンチの臭いを全て嗅がれてしまうのです。

その恥ずかしさは、洋助君も一緒でした。
自分の恥ずかしいものは何一つ知られることは無くても
友達の恥ずかしいものを全て見、全て嗅いでしまうというのは
光君の気持ちを思うと、自分までも恥ずかしくなってしまうのです。

 

「そういえば、光君のお尻をどうやって拭けばいいのかな?
 僕はそういうの初めてだから、よく分からなくて」

ひとまずその事は置いて、洋助君はお尻の拭き方の話題を光君に振りました。
ですが光君は急にモジモジしだして、返事がなかなか出てきません。
言いたいことはあるのに、恥ずかしくて話すことができない。
光君のそんな気持ちは、洋助君もすぐに見て取れました。

「その…一つ、最初に言っておきたいことがあるんだ。
 …笑われるかもしれないけど」

できれば隠していたかったのに、お尻を拭いてもらうとなれば
絶対に知られてしまうこと。それなら恥ずかしいことは先に言っておきたい。
光君は、お尻の拭き方ではなく、自分のウンチの仕方を打ち明けたのです。

「実は僕…服を全部脱がないとウンチができないんだ」

服を全部脱いだ状態、つまりは全裸のことです。
光君はお尻を拭けないだけではなく、ウンチをする時、トイレに入って
まずフルチンになってからしゃがみ込む癖も直っていなかったのです。

フルチンで一生懸命ウンチを力む姿は、本当に小さな子供のようで
可愛くも中学生らしく整ってきた、顔立ちと体つきのギャップが
とても可笑しく見える事でしょう。

光君の恥ずかしい告白を聞いて、洋助君は黙ったままでした。
あまりの話に洋助君が絶句したのだと、光君は顔をそらしますが
洋助君は返事に困っていたのではありませんでした。

「笑ったりなんかしないよ。
 だって、僕もウンチする時いつも裸になってるんだから」

自分よりもしっかり成長している洋助君が、自分と同じだったことに
光君は驚きながらも、洋助君がフルチン仲間だったことを嬉しく思いました。

周りはみんなズボンを下げるだけでウンチをしているのに
自分だけが、未だにフルチンでウンチをしているのを気にしながらも
なぜかそれを止めることができなくて悩んでいたのですが
洋助君も一緒なら、それも全然平気なことになってしまいそうですし
洋助君もまた、光君が自分と一緒だったことを喜びました。

 

このことがきっかけで、二人の話はどんどん盛り上がっていきました。
フルチンでウンチをする。そんな恥ずかしいのに止められない癖が
同じであったという事は、とても心強くなれる希望だったのです。

どんなに止めようと思っても、心の奥底では
自ら望んでフルチンになっていたのかもしれない二人は、
ますますお互いのことを好きになっていくのでした。

 

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