≪透と真理の「ネタバレトーク」コーナー≫
 透  :はい、というわけで「ネタバレトーク」です。

 真理 :何が『というわけ』よ。透、ちゃんと仕切れるの?

 透  :仕切るも何も、真理と僕しかいないんだから真理さえいつもよりおとなしくしててくれれば……。

 (叩音)

 真理 :さ、何から話すの?

 透  :あたた……ええと、じゃあミステリー編からいこうか。

 真理 :エンディングは13個よね、確か?

 透  :そう。真理はどの話が印象に残ってる?

 真理 :やっぱり何といっても、『真理は名探偵』よね。私の人生の岐路になる話なんだから。それに誰も死なずにすむし。透もそう思うでしょ?

 透  :そりゃそうだけど、そのおかげで僕は座布団人生まっしぐらなんだから。たまんないよなあ……。

 真理 :何か言った?

 透  :い、いや何も……。でも、誰も死なないっていうのなら僕が解決した時も同じじゃないか。『おはよう真理』とか『おまじない』とかさ。

 真理 :それはそうだけど、やっぱり「女探偵、華麗に解決!」っていうほうが絵的にもいいじゃないの。

 透  :絵的にねえ……。でも僕の言ったやつの方が終わり方が綺麗だし、より二人の仲が親密になるじゃないか。ねえ?

 真理 :調子に乗らないの!

 (肘鉄)

 透  :うげげ……で……でも、正調「かまいたちの夜」ってどれだろうって考えると、犯行の動機なんかがすべて明らかになる『俊夫さんの自殺』じゃないかって気がするけどなあ。

 真理 :そうね、それについては異論はないわ。もしどれか本にするんだったらあれが一番ふさわしいと私も思う。するわけないけど。

みどり :ちょっとちょっと、じゃああたしは死んじゃってもいいっていうの? ホントに痛かったんだから。

 透  :いや……痛かったとかいう問題じゃあないと……。

 俊夫 :俺たち二人にとっちゃあ、あの終わり方じゃあ全くいいことなしなんだぜ? 勘弁してくれよ、まったく。

 真理 :まあまあいいじゃないですか二人とも、なんだかんだ言って結構おいしい役どころなんだし。ものは考えようよ。

 透  :そうそう、影の薄い人もいるんですから、いいように考えて下さいよ。

 俊夫 :まあ、そうだけどな……。

みどり :まあ、そうだけどね……。

 真理 :あ、ステレオ気分ねこれ。

俊&み :かまいたちって妖怪は、三人で一組なんだってー。

 透  :あ、きれいにハモッて行っちゃった……。満足したのかな?

 真理 :じゃ、続きに入りましょ。透はなにか印象的な場面とかある?

 透  :うーん、かなり怖い場面が多かったよね。みどりさんの死体発見の時とか、美樹本さんと部屋を調べに行った時に振り向いて二人の姿が見えなかった時とか。

 真理 :そうよね、下手なホラーよりずっと怖いわよあれは。

 透  :あと、言うまでもないけど夜中になってからがもう凄い! 死ぬほど怖かったよ……。

 真理 :実際ほとんど死んだじゃない。

 透  :それを言っちゃあ……。

 真理 :まさに死体の山だったものね。死体だけがシルエットじゃなく実写(に近いもの)になってるっていう演出は秀逸ね。

 透  :挙げ句の果てには僕たちまで殺し合っちゃうんだから、ひどい話だよ。

 真理 :そうよ、忘れてた! 階段から突き落とされるわ、モップで脳天かち割られるわ、殺人鬼扱いで見捨てられるわ、ちょっとひどすぎない!?

 透  :い……いや、それは……その、僕だって解決のために必死だったんだからさ。確かに結果は失敗が多かったけど、僕なりにやれるだけのことはしたじゃないか。

 真理 :それですめば警察なんていらないわよ! あなたの鈍さのせいで何度も痛い目にあった私の人権は!?

 透  :真理はそう言うけど、僕だって同じくらいの目にあってるだろ? ストックで肩やら手やらザクザクやられて(これは可奈子ちゃんだけど)、最後には喉を一撃だよ。負けず劣らずひどいと思うんだけど……。

 真理 :言い訳はなし! とにかく、もっとしっかりしてちょうだい! いいわね!?

 透  :……ああ、やっぱり座布団だ……。「言い訳」の一言で片付けられるんだもんなあ……。先行き不安だよ……。

 真理 :なにブツブツ言ってるの? ……そうそう、しっかりしてほしいといえば、「犯人は僕だ」とか言って俊夫さんにグッサリやられたこともあったわね? 状況を考えずにバカなこと言うから余計な災難に遭うのよ。

 透  :いや、あれは僕なりの場の雰囲気を和ますためのさ……。

 真理 :それで余計に険悪な空気と意味のない死を招いておいて、よくそんなことが言えるわね? 呆れたわ。

 透  :………………。

 真理 :あ、そう言えば今まで忘れてたけど、ミステリというからにはトリックがあったわけよね。それについてはどう思うかしら、名探偵さん?

 透  :イヤミはやめてくれよ……。うーん、ミステリに慣れてない人にはちょっと難しいかもね。それこそプレイヤー次第ってところだろうと思うよ。

 真理 :死体がバラバラな理由とか、犯人の言動やなんかを考えれば、分からなくもないわよね。当たり前な考え方を捨てるっていうのはトリックを解く基本だろうから、そのあたりも念頭に置くべきかしら。

 透  :でも考えてみると、真理って犯人のあの人には強いよね。最後の名前入力で解いた後とか、一番早い段階で解いた時とか。五割くらいは返り討ちにしてるだろ?

 犯人 :まったく、厄介なお嬢さんだよ。心臓やられるわ、銃で撃たれかけるわ、机の上にぶん投げられるわ、急所蹴り上げられるわ、散々だよ。なんでこんなに暴力的かつ男勝りに育っ……。

 (急所蹴上)

 犯人 :う、うぐぅ……。

 透  :あ……ぴょんぴょん飛び跳ねて行っちゃった……。

 真理 :失礼しちゃうわね、嫁入り前の娘に向かって。

 透  :嫁になってからの方が、僕は心配だよ……。

 真理 :今、なぁんにも言わなかったわよねえ、と・お・る?

 透  :は、はい、もちろんです。あはは………………………………。

 真理 :そうそう、ここの管理人がひとつ重大なことを言いたがってたんですって?

 透  :あ、そうそう! なんでも「作中に辻褄の合わないところがある」とか言ってたよ。

 真理 :それはまた随分と命知らずね。どこの馬の骨ともわかんない男が、天下のチュンソフト、果ては我孫子武丸先生にいちゃもん付ける気なの?

 透  :そう事態を大きくしないでくれよ。ええと、確か……『「疑心暗鬼」の章で透が思い出す各自の行動の中のOL3人組の動き、詳しく言うなら“二階に上がったはずの3人が、ずっと一階にいたかのような描写”がなされているのは明らかに矛盾しているはず』だってさ。

 真理 :……そう言われると、そうだったかしら……。実際は彼女たちは香山さんが下りてくる前に二階に行っちゃったし、9時直前にみどりさんが電話をかけるまで下りてこなかったものね。1時間近く二階にいた計算になるわけだから、あくまで時間的にという見方をすれば犯行が可能だったかも……。

 透  :それから……『「ひとつの推理」の章では、いったん二階に上がったがすぐ戻ってきたことになっている。1時間近くをすぐというのは無理があるだろう』とも言ってたよ。

 真理 :うーん……これはもしかすると問題発言かも……どうしようか、透?

 透  :うん、確かに「時間があった」というだけで即犯人とはならないし、最終的には大きな問題ではないのかもしれないけど、なぜこれを誰も指摘しないのか不思議だよね。なにかマズい理由でもあるのかなあ?

 真理 :じゃあ、こうしたら? ここを訪れてくれた人達の中に管理人の発言内容に誤りや勘違いがあると思った人がいたら、その点を指摘してもらうのよ。どう?

 透  :うん、それがいいよ。というわけでここを御覧の皆様、もし管理人の発言に関しての御意見がありましたら、こちらからメッセージを下さるととても助かります。どうぞよろしくお願いします。

 真理 :さて、一応話がまとまった所で、今回はそろそろお開きにしましょうか。

 透  :そうだね。それにしても思ったよりも随分長くなっちゃったなあ。ともあれ、最後までお付き合い下さった皆さん、どうもありがとうございました。次回は『スパイ編』をテーマにお送りする予定ですので、どうぞお楽しみに!

 真理 :さ、場所を変えて反省会にしましょうか。

 透  :反省会!? とか言って、また理由つけて殴るつもりなんじゃあ……。

 真理 :いいから、早く来なさい!

 透  :いててててて、真理、ひ、引っ張んないで……。

 (〜真理、透の耳を引っ張りながら退場〜)



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