名作です。サウンドノベルの一つの到達点を示したといってもいい、本当に完成度の高い作品です。サウンドノベルもしくはADVが好きだけどこれはやったことがない、という方がおられたらもう即行で買いに行くことをお勧めします。絶対損はしません。ほんとに。それくらいの逸品です。
 にもかかわらずあまり売れなかったらしいという話で、本当に残念。実写ゲームというのは、そんなにも拒否反応が起こるものなんでしょうか? 著名なタレントの出演をウリにしたようなゲームではないんですが。
 さて肝心のゲームの内容ですが、東京・渋谷の街を舞台に10月11日から15日までの5日間のあいだに巻き起こる八人の男女の物語です。といってもてんでバラバラに展開するわけではなく、思わぬところでお互いの行動や運命に影響を与え合っているのです。Aのした何気ない行動がBの運命を大きく変えてしまい、さらにCまでがその影響を受ける……という具合に、各々の未来が思いがけない要素に左右されているのです。プレイヤーの役割は、それぞれの話を読み進めながら、様々な選択によってもつれた運命の糸を解きほぐし、無事にそれぞれの5日間(とは限りませんが)を終わらせてあげることです。
 プレイを始める前は「面白そうだけど、ややこしいんじゃないかな」というのが正直な印象だったんですが、いざ始めてみると全然気になりません。むしろ「どうすればうまく話が進むのかな」と考えるのが楽しくなっていきました。そして読み進めるのがとにかく楽しく、話の先が気になって仕方がないのです。これだけ「早く先を読みたい」という気持ちになったノベルゲームはなかったように思います。
 「読み物」としても、そして「ゲーム」としても素晴らしく面白い一品です。やらなきゃ損する、と断言して良いのではないかと。


≪勝手にキャスティングを考えてみよう!≫



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