かまいたちの夜×3


 三日月島での事件から一年、死者の供養のため再び島の館に集う者たち。そして再び惨劇の幕が開く……。前作「2」から4年、無印から数えて12年の時を経て発売された"すべてを終わらせる"と銘打った作品、それが「かまいたちの夜×3」。前作の時ほど派手に宣伝されるでもなく、むしろひっそりと発売されたという印象が強いですね。
 舞台は前作同様に三日月館であり、続編ということで登場人物もおおむね変わりはありません。しかしこれまでと大きく違うのは複数主人公のザッピングシステムを採用している点。主人公たちみんなで考え、行動し、被害の拡大=バッドエンドへの道を回避しながら事件の真相に迫っていかねばなりません。誰か一人がどれだけ正しい道を進んでもそれだけでは最良の結末にたどり着けない……そんな侭ならない運命をうまく操って事件を真の解決に導くのです。
 ザッピングで主人公が入れ替わるということは、ある主人公のとった行動が他の主人公にどう受け取られているのかがプレイヤーに分かってしまうことにもなります。ある人物の何気ない行動や言動が他者から見ると非常に不快に思えたりすることもあるわけで、そういった各人物からの物事の見え方の違いが分かるのもこのシステムの面白さの一つかもしれません。
 これまで透視点からしか物語を見られなかったプレイヤーに様々な人物の思考や行動を見せ、それをときには思うままに、ときには結果として予想外な方向に導いてストーリーを転がす……その楽しさは、同社ソフト『街』からのバトンをしっかり受け取っていると言えそうです。
 今回の真相と結末を見届けることで、長きに渡った「かまいたちの夜」の歴史に幕が下ります。サウンドノベルというジャンルを代表するこのシリーズの締め括り、あなたも見届けませんか?


かまいたちの夜×3 発売記念企画結果



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