−望まぬ奇跡 最終話 Last regrets−  
〜 作:Ceruberusさん

 現在の状況
 相沢 祐一→水瀬 名雪
 水瀬 名雪→相沢 祐一
 月宮 あゆ→水瀬 秋子
 水瀬 秋子→月宮 あゆ
 川澄 舞→倉田 佐祐理
 倉田 佐祐理→川澄 舞
 美坂 栞→美坂 香里
 美坂 香里→美坂 栞

 −望まぬ奇跡 最終話 Last regrets−

 祐一(名雪)「これからどうしよう」
 舞(佐祐理)「どうしましょう」
 名雪(祐一)「どうしようもなにも何でこうなったのかわからなければどうしようもないだろう」
 栞(香里)「相沢君、またなにか君がやったんじゃないでしょうね」
 名雪「どうやって?」
 栞「奇跡でも起こしたんじゃないの」
 名雪「奇跡は起きないから奇跡って言うんじゃないのか」
 香里(栞)「そうですよ、祐一さんは奇跡を起こせるほど凄くありません」
 名雪「そこまで言わなくても」
 名雪「それに俺がどうやってやったていうんだよ」
 栞「それもそうね」
 佐祐理(舞)「…祐一」
 名雪「なんだ舞」
 佐祐理「…お昼食べないの?」
 名雪「食べるけど」
 佐祐理「…はい」
 舞の持っていたトレーにはひとつの牛丼が乗っていた。
 俺はもちろん受け取る。
 名雪「ありがとう」
 俺は舞が買ってきてくれた牛丼を食べながらひとつのことを考えていた。
 それは今朝見た夢のことだ。
 かつてのあゆのことのように薄いもやのかかったような過去の記憶の夢を。
 そしてそれを思い出さなくてはいけないような気がしていた。
 祐一「祐一、どうしたの難しい顔して?」
 名雪「いや、なんでもない」
 栞「どうせまたくだらないことでも考えているんじゃない」
 みんなが笑い出した、といっても舞以外だが。
 結局相談したところで何も解決することはなかった。
 そして家に帰りあゆに聞いてみる。
 名雪「あゆ、俺がおまえが木から落ちたとき俺がなにを願ったか知ってるか?」
 秋子(あゆ)「さあ、知らないけどそれがどうしたの」
 名雪「いや、知らないならいいんだ」
 秋子「?」
 あゆ(秋子)「あゆちゃん祐一さん、ごはんですよ」
 秋子さんはいつもと変わらずマイペースだった。
 姿が違っていてもいつもどうりの食事だった。
 俺もこのマイペースさに染まってきたのかもしれない。
 そして夜遅くになって布団にもぐりこむ。
 その間にまた一騒動あったのだ、といっても騒いでいたのは名雪だけだったが。
 そしてそのまま眠りにつく。

 …夢
 夢を見た
 あたりの雪が血に染まっている
 あゆが木から落ちたころの夢のようだ
 切り株の上に子供が座って泣いている
 それは俺だった
 「このとき君は願ったんだよ」
 誰だおまえは
 「誰だっていいよ」
 俺はなにを願ったというんだ
 「君自身に聞いてごらん」
 小さい俺はかすれるような声でこう言っていた
 「…あゆ…おまえと入れ替わってやりたい…」
 「…おまえがいなくなるなんていやだ…」
 「…おまえが戻ってくるのだったら俺はどうなってもかまわない…」
 そうだ、このとき俺は願ったんだ
 入れ替わることを
 でもなんで今ごろになって
 「それは記憶を閉ざしていたからだよ」
 「記憶が戻ることで願いはかなう」
 「奇跡は起きたんだよ」
 でももういいんだ、こんな奇跡は要らない
 あゆは戻ってきたんだ奇跡は要らないんだ
 「でもこの奇跡は起きた」
 元に戻らないのか
 「無理だよ、奇跡をまた起こさない限りもとには戻らない」
 …そうか
 それなら願おう
 この望まぬ奇跡が終わるように
 「本当にいいんだね」
 …ああ
 「…奇跡は再び起きる…」
 あたりが白くかすんでくる
 …ところで君は何者なんだ?
 「わたしは…」
 それっきりその声は聞こえなくなる

 次の日目覚めると元に戻っていた。
 そして、誰一人として入れ替わったことを覚えていないのだった。
 あの日のことは夢だったのだろうか。
 そして、あの声は誰なのだろうか。
 すべてはあの夢の中だった。
 しかし思い出す必要はないかもしれない。
 名雪、あゆ、そしてみんながいるのだから。

 <完>

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  あとがき

 どうもCeruberusです。ついに全4話完結。
 どうにか終わらすことができました。
 最後がONEみたくなってしまったのが心残りですが、どうでしょうか。
 ちなみに最後の夢は永遠の世界ではありません。
 次こそはもっとうまく作ろうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。



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