○タイトル:Vasen(ヴェーセン) LIVE
○場所:南青山曼陀羅
○日時:2004年4月11日(日)
○出演:Olv Johhansson (nickellharpa), Mikael Marrin(Viola, Violin?), Roger Tallorth(12 Strings Guitar)

※コメント
 スウェーデンのアコースティックなトリオ,ヴェーセンのライブに行ってきた。初来日公演だそうだ。
 イラクの人質が解放されたというニュースが届かず,落ち着かない中,開演前10分に到着。そのわりには良い席で見られた。
 少し前にベストアルバムを購入しただけで,よく知らないグループ。お目当てはニッケルハルパという楽器だ。
 素朴なおじさん達という出で立ちでメンバーが登場。最新作”トリオ”のジャケット写真と同じ服装の様だ。ニッケルハルパのJohanssonを真ん中に,左にMartin,右にTallorth。
 演奏が始まってすぐに観客の心を掴んだみたいだ。シンプルな構成ながら,実に複雑なリズムを醸し出す。
 楽曲はトラッドを元にしたオリジナルが多いらしい。全曲インスト。北欧のこういう音楽をはじめて生で見たが,確かに風景が思い浮かぶような演奏だった。
 あたしの様に,ロックとかポップ・ミュージックから音楽に親しんだ人間としては,リズムをカウントしてしまいがちだが,何も考えずに聴いていると,複雑な変拍子は別段変わった風にも感じなくなってくる。
 メロディーは素朴な民謡的なものから,計算されたクラシック的なものから,ケルト的なものまで,耳に染みこんでくる。リズムと相まってとても口当たりが良いので,何気なく通り過ぎてしまうほどだ。
 ケルトのグループのアンサンブルと同じように,ギターがリズムをキープするスタイルであるが,ギターがポップスのベース・ラインの様なフレーズを弾いたり,他の二人の奏でるメロディーと合奏したりと,色々なスタイルを受け持っていた。
 Tallorthは相当な腕前である。
 さて,鍵盤式のバイオリンと呼ばれるニッケルハルパであるが,どうやって弾くのであろうか,興味津々。
 ギターの様に,ストラップをつけてぶら下げ,左手でボタンを押さえながら,右手で弓(バイオリンよりも小型)で弾いていた。ボタンは下から上に押し上げるように押さえる。
 ネックに付いている糸巻きの数を数えると12個の様であった。アルバムの解説を読むと,通常はメロディ現2本,ドローン弦1本,共鳴弦12本の合計16本だそうだ。また,弓で弾いているのはほとんどの場合,このうちの3本だけだそうだ。(アルバム−トリオ−茂木健さんの解説による)。
 これだけたくさん弦が付いているとチューニングがたいへんかと思ったが,実際演奏中に頻繁にチューニングしていたのはギターの方だった。
 音色はビオラよりも高く,バイオリンとほとんど変わらない感じ。ビブラートやうねりがないバイオリンという感じ。
 2時間弱の演奏時間の半分以上,この楽器を見入っていたあたしであった。
 もう一回じっくりと買ってきたCDを聴いてみよおっと(^^;

○P.S.
 演奏されたのはポルスカというタイプが多かったと思う。3拍子のリズムらしいが,実際には複雑なポリリズムに聞こえた。
 アンコールは二回やって,一番最後にはアドリブっぽい演奏も魅せてくれました。
 また,日本の聴衆は,じっと注目して聴いてくれ,リスペクトされたと言うようなことをTallprthが言っていたような・・・  

 
 


ニッケルハルパについて

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