原田知世

LIVE summer breeze 

 


○タイトル   :原田知世 LIVE Summer breeze
○日時・場所 :2001年7月6日 SHIBUYA-AX
○出演     :原田知世(vo), 徳武弘文(gt),星川薫(gt,co),六川正彦(b), 三沢泉(per, co)
○ゲスト    :チチ松村(gt, vo)
○内容
 約2年ぶりになる原田知世さんのコンサート。新作"summer breeze"はゴンチチを迎えて製作したボサノバ・アレンジのアコースティックなカバー作品集。第二の"カコ"とも呼べる内容。
 知世さんのコンサートには90年代に過去2回参じているが,一度アコースティックなライブを見てみたいと思っていたので,楽しみにしていた。
 会場のSHIBUYA-AXには初めて行った。赤坂ブリッツをやや小さくした様な小屋で,オールスタンディングが原則のクラブ系というか,大きなライブハウスと言ったところ。
 思っていたよりも客層が若い。20歳代の人が多いようだ。
 こうなってくると,新作が"感傷"だと思うのはおじさん世代であることに気がつく。
 私はこういう小屋は嫌いである。特に原田知世さんの様なアコースティックで繊細なアーティストの公演を聴く場所ではないと思う。
 今回は椅子席も用意してあったが座れず,満員電車の様な状態で1時間近くも待たされるのは,おじさんには辛いものがある。
 近くにNHKホールや渋谷公会堂もあるんだし,次回もここでやるなら行かないぞ!などと愚痴をつぶやきつつ,いざ公演が始まってしまうと,どうでもよくなってしまった(笑)。
 演奏は"I could be free"からスタート。Dr.K projectの面々がバックをとり,ギター2本とベース,パーカッションのシンプルな編成。
 3曲めくらいから知世さんは椅子に腰掛けて唄ったが,この辺りから声がよくのびるようになり,美しく切ないボーカルを披露してくれた。
 時をかける少女は,本当に唄が上手くなったものだ。静かな演奏と相まって,ボーカルを堪能できた。
  どの曲も発表当時よりも格段に素晴らしいボーカルだった。
 演奏された曲は新作からの他,懐かしい作品が多く,"彼と彼女のソネット"(日本語版),"both side story","早春物語","アパルトマン"(鈴木さえ子の作曲)なども披露された。
 珍しいところでは,"異邦人"(久米大作さんの奥さんの久保田早紀さんのヒット曲)"も唄われた。
 このツアーにはゴンチチがゲスト参加する予定だったが,チチ松村氏だけが出演。
 ゴンザレス三上氏は,"おたふく風邪"にかかったため参加出来なかったと説明。
 チチさんは徳武弘文氏と急遽"トクチチ"を結成し,楽しい演奏をしてくれた。
 チチさんはお喋りが軽妙で,お客に唄うことを強要しつつ"11時の夜汽車"とアンコールで知世さんとのデュオにて"ムーンリバー"を演奏した。
 この辺り,小川美潮さんとのコンビでも演奏していたようだ。美潮さんと知世さん,関係がないようであるのであった(笑)。
 知世さんのお喋りは,レコーディングの製作過程の他,今NHKのテレビドラマの撮影で芸者さん役をやっていて,正座して三味線を弾く練習を2時間続けてやっているおり,プロデューサが女性マネージャーに話しかけたときの模様を説明。
 「正座」を「星座」に勘違いするギャグなのだが,あまりお客にうけなかったので,がっかりしていた(笑)。
 さて,アルバムではボサノバ・スタイルの演奏だったが,ライブではそういうアレンジは少なく,Dr.K projectのスタイルだと感じた。
 特に徳武さんのギターは見事。パーカッションとコーラスを務めた女性も効いていた。
 唄う知世さんは,時に目をつぶって熱唱していた。白いドレスがライトに映えていた。
 知世さんの何処が良いの? 何に感動するの? と問われると説明することは難しい。
 個人的には鈴木慶一氏やトーレ・ヨハンセンと組んでからのアルバムだけが好きなのだが,単に良質のポップ・ミュージックを作り続けているだけではなく,アイドル時代から数多くの作品やライブを経験しているだけのことはあると感じた。
 何やら背後にオーラを感じたのでありました。
 次の作品はどんなになるのかな? まだまだ期待しています。

※こちらで温泉好きの知世さんのクリップ&インタビューが見られます。
  http://womanmusic.com/column.php?code=27   

※原田知世さんの情報ページ by 「裸足のマリモ」プロジェクトチーム
  http://www.ss.iij4u.or.jp/~hirokun/ss.iij4u.or.jp/index.shtml