○小坂忠&Friends -コンサート2001-
○日 時 :2001年12月16日(日)
○場 所 :東京厚生年金会館
○出 演 :小坂忠(Vo,G),細野晴臣(B),鈴木茂(G),林立夫(D),佐藤博(K),浜口茂外也(Per,Sax,Flute),佐橋佳幸(G),
ヒックスヴィル(Ch),Aaiah(Ch),Brebda Vaughn(Ch),Glynis
"Bone"Martin,Smooth(Ch),高遠彩子(Ch)
○コメント:
思えば26年前,小坂忠&ティンパンアレイのファースト&ラストコンサート・ツアーに先だって行われたライブが厚生年金会館の小ホールで行われた。私は運良くこのライブを見ることが出来たのだった。
このときの思い出は,いまもなお強烈に胸に焼き付いている。一生忘れないだろう。
このときに配られたパンフレットがいまも手元に残っている。
せっかくだから,ちょっと問題だけど,公開しよう。
2001年のコンサートは,70年代当時とは違って,豪華なものだった。
ステージの上にカフェバー風?のセットがあり,ヒックスヴィルと忠さんが着席し,アコースティックな演奏が始まった。
とてもアットフォームな感じ。
そうなのだ。この日のライブは忠さんのライブであって,ティンパンのライブではないのであった。
忠さんの音楽経歴は,GSから始まってロック,フォーク・ロック,R&B,ゴスペルなど,一口でまとめきれない活動をしてきた人だ。
個人的に,ティンパンアレイとのR&B的な面の印象が強すぎて,アコースティックな部分を忘れていた。
懐かしい,往年の名曲達がリアレンジされ,次々と披露された。
ヒックスヴィルの演奏はたいしたもので,非常にグルーブとビートを感じさせてくれた。
フォー・ジョー・ハーフとはまた異なる,味わい深いものだった。
二部構成の後半はいよいよティンパンの面々をバックにした演奏。忠さんは立って踊りながら熱唱してくれた。
カッコイイ!
一部の後半くらいから涙腺が緩みだしてしまい,目頭を押さえながらの観賞となった。
忠さんのボーカルは26年前と比べて余裕が感じられ,シャウトするにせよ,静かに唄うときにせよ,コントロールされたものだった。
伊達に年輪を重ねたわけではないのである。
ティンパンの演奏は,もう何も言えないくらい素晴らしいものだった。
細野さんと林さんの叩き出すリズムは,魔法の様だった。彼らでしか味わえないクラクラ目眩を覚えるようなグルーブ,フレーズ。
細野さんのエレガントなベース・プレイは,昔から,そして今でも,日本一だ!
永遠のギター少年と紹介された茂のギターは,貫禄! 佐藤氏はわりかし控えめ。佐橋氏の演奏は気合いが入っていた。
愛娘のAsiahさんとの共演は,忠さんにとっても本当に幸せだっただろう。
アンコールでは,スムースエイスとアカペラを披露し,サービス満点,楽しさ全開の贅沢な終盤となった。
アルバム"Peaple"
は,あまりにもストレートな歌詞がちょっと眩しい感じがしていたが,ライブで改めて聴くと,何故ストレートな歌詞が必要なのか,ということが分かったような気がした。
この夜の抱きしめたくなりような,宝物のような,夢のような演奏は,26年前と違って,テレビで公開されることが約束されている。
忠さんも我々も幸せ者だ。
歳を重ねることも,時間を重ねることも,捨てたものではないね。
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