Fanfare Ciocarlia with KiLA
○出演:ファンファーレ・チョカリーア
with KiLA
○日時:2004年8月28日
○場所:すみだトリフォニー・ホール
○コメント
世界最速のブラスバンドと肉体派の先鋭的なアイルランドのバンドとの共演。
会場のトリフォニー・ホールは,はじめて訪問。クラシック向けの小屋ですが,錦糸町にこんな立派なホールがあるとは知りませんでした。
定員1801名の大ホール。少なくとも一階席は満席でした。地図のない所からやってきたバンドのライブに,こんなに人が集まるなんて,何てステキなことでしょう。
開演前に,日本のバンド(チンドン系?)がロビー付近で楽しい演奏を繰り広げ,盛り上げてくれています。
どちらかというとお行儀の悪い奴らがお行儀の良い会場で,どんなことを演ってくれるんでしょうか? 前から4列目の席で観戦。
司会のピーター・バラカン氏が登場し,KiLAが登場しました。
スノディ兄弟のライブ以来の再開になりましたが,フルメンバーでははじめてになります。Lunaparkからの曲を中心に,40分ほどのステージでした。
フィドル,マンドリン,パイプ,ホイッスルにエレクトリック・ギターを交えたアンサンブルですが,このバンドの核はやはり強靱なリズムだと思います。
前半に演った打楽器だけの演奏をバックに,ローナンのヴォーカルが唄ったナンバーが特に印象に残りました。繰り返すメロディーに,むしろリズムのグルーヴを変化させていく様なアレンジ。少しまとまりすぎていた感があったアルバムよりも,より肉体を感じさせるものでした。
ローナンは,27日のテレビと同様裸足で歩き回ります。ビジュアル的にもあまりにむさ苦しかった兄弟のみの演奏とは違って,女性(Dee
Armstrong)が入ってカラフル。
9月2日のライブにも参戦しますので,その時にも改めて感想を記そうと思います。
休憩を挟んで Fanfare Ciocarlia
の登場。チューバとホルンの4名からなるリズム隊が現れ,演奏が進むに連れてサックスやトランペットなどが加わり,打楽器担当の2名を含め,総勢12名+女性ダンサーのメンツとなりました。
素朴な容姿のおっちゃん達が奏でるぶっとい音。超絶・超速の演奏。凄いですわ,これ。
きっと普段は街頭や屋外で演奏することが多いと思うんですが,ホールに轟き渡るパワーを感じます。音楽エンターテイメントの原点を思い起こさせるパフォーマンスです。
ルーマニアの音楽もジプシーの音楽もよく知らないあたしですが,哀愁あるエキゾチックなメロディーと,土台のしっかりしたサウンドは,土の香りがプンプンと漂って来ました。
パフォーマンスや演奏を見聞きしていて,匂い・香りを感じた経験ははじめてでした。独特の空気感をホールに運んできた感じ。
ノリはけっこうラテン的に思えるシーンもあり,音階はアラブ的な雰囲気もあり,一種雑食・雑多なニュアンスも感じました。
曲によって,赤い民族衣装を纏った女性ダンサーがクネクネと腰を振るわせながら踊りまくり,盛り上げます。
演奏の中盤から客もみな立ち上がり,ステージに若い客を招き入れて,一緒に踊りました。日本の女の子は物怖じしないし,ダンスが上手いし,たいしたもんだね。
アンコールは合計3回やりましたが,そのうち二回はKiLAのメンバーもステージに上がって何やら叩いて演奏に加わりました。おっちゃん達のアクの強さ,パワーの前に,ローナンさえ上品で線が細く感じるほどでした。
合計1時間半ほどの演奏が終わった後,メンバー達はロビー近くの階段に出てきて,客を見送るように再び演奏してくれました。
こういうのもはじめてだったな〜
良いものを観させて頂きました。次は野外で観たいな。