フジロック・フェスティバルの2日目を友人と見てきた。日帰りである。
 グリーン・ステージに居座り,パティー・スミス,ステレオ・フォニックス,アラニス・モリセット,ニール・ヤング&クレージー・ホースだけを見た。
 何せ行くことを決めたのは前日だったし,コールド・カットもムーン・ライダーズもスクエア・プレッシャーもオアシスも見られなかった。
 大規模な野外コンサートに行くのは,この歳にして始めて。
 イメージとしては,怖いものかと思っていたが,管理が良いというか,酒を飲んで騒いでいるヤツもおらず,私たちも皆様も大人しく見ているようだった。普通のコンサートと進行は変わらない。
 1日チケットが14500円もするので,いわゆるフリー・コンサートとはだいぶん違うようだ。
 1日の動員数は2万人ほどらしい。もっと多いかと思ったが,これ以上入ったらここ(苗場スキー場)では収まらないであろう。
 かの地も今年は雨が少ないのか,埃が舞っている。
 日中はトンボが飛び舞い,夜になると蛍が見られた。夜は半袖では寒いほどだっので,立ち上がって踊るとちょうど良い季候であった。

 さて,往年の女性パンカー,パティー・スミスは途中から見た。
 あれ,誰だったっけ?というあまり知識がない私たちであるが,なかなか気合いが入った唄と演奏だった。
 最後はギターの弦を引きちぎって終了した。
 
 ステレオ・フォニックスは英国の若手ロック・バンドだそうだが,全然予備知識がない。
 他の出演者に比べて少々軽く,悪くはないが印象はちょっと薄かった。

 アラニス・モリセットは"jagged little pill"というアルバムだけ聴いている。何回かステージの模様もテレビで見ているし,ちょっと気になる存在だ。
 ステージを走り回り,髪をグルグルと回し,ときおり自らのギターやハーモニカを交えてのパフォーマンスだった。
 ヴォーカルも力強く,素晴らしい唄と演奏だったと思う。
 ただ,これだ!という部分にちょっと欠ける気もした。
 
 トリは,ニール・ヤングだ。
 クレージー・ホースとの来日は,実に25年ぶりになるという。
 思えば最初に見た洋楽の公演は,ニール・ヤング&クレージー・ホースだった。
 武道館でのパフォーマンスは,強烈な印象を持って記憶にとどまっている。
 聞き覚えのない曲,新しい曲もあったが,懐かしい曲もたくさん演奏した。アコースティック・セットは3曲ほどだった。
 25年前,まだアルバムに収録されていなかった"like a hurricane"をラストの方に演奏した。
 アンコール前のパフォーマンスは,ニールがギターをひっぱたき,ビリー・タルボットが床にベースを放り投げて蹴飛ばしながらのパンキッシュなものだった。
 やらないと思っていたアンコールを2回も行い,"powder finger" "tonight the night" "rock'in in the free world"  "hey, hey, my, my"など,お馴染みのナンバーをいつ終わるとも知れない怒濤のエンディングを交えて熱演した。
 ギター・ソロになると,クレージー・ホースの面々と固まる様にして演奏するスタイルは昔を寸分違わない。
 予定時間を1時間も超過し,終わったのは0時ちょうどだった。
 50歳を過ぎて,25年間延々と飽きもせずに同じことをやり続けているのか? とか,いっこうに洗練しない演奏スタイルに呆れてしまう部分もある。
 しかし,この異様なテンションの高さを保ち続けるのは並大抵のことではなかろう。
 もはや無形文化財,人間国宝となった気がする。

 like a hurricane の中のこの歌詞は,立場を置き換えて,ニール自身のためにあると思った。

 I am just dreamer,  and You are just a dream.


                               写真集

 
写真撮影や録音などは制限しておらず,ネット上で公開してはいけないという告知もなかったのでUPしました。
 写真のデキはかなり悪いので,ちゃんとしたものはWOWOWで見てください。


         
     入場時にくれる首からぶら下げるパス            同じく通行証になるリスト・バンド

    
           人のフリをして入場に成功した猿

  
                             熱唱するアラニス・モリセット

 
            ステレオ・フォニックスの熱演

   
    妙な出来具合の写真になったステージ(アラニス) 

   
                        
  


                         怒濤のニール・ヤング&クレージー・ホース