Celtic Christmas 2003-カルロス・ヌニョス特別公演-
日時:2003年12月20日(土)
場所:九段会館
出演:Liam O'Flynn, Liz Carroll & John Doyle
Karan Casey Band(Nial Vallely:concestina, Robiie Overson:guitar)
Sharon
Shannon Band(Sharron Shannon:acordion,Mary Shannon:Mandolin&banjyo, Jim
Murray:guitar)
,
東京パイプバンド
Carlos Nunez Band (Carlos
Nunez:gaita,whistle, Pancho Alvarez:bouzouki, Xurxo Nunez:percussion, Begania
Rioboo:fiddle)
内容:
毎年恒例になったケルティック・クリスマスが今年もやってきた。会場の九段会館は古い建物で,本来はコンサート・ホールじゃない気がするが,格式が高くてなかなか良かった。補助椅子まで入れ,大盛況のうちに開幕。
トップバッターは,リアム・オフリン。一人で3曲ほどイーリアンパイプを演奏した。この人だけ他の出演者と雰囲気が違っていて,落ち着いて淡々としている。良いものを聴かせてもらった。
リズ・キャロル&ジョン・ドイルはおとといに続いての観戦。やはり3曲ほどの短い演奏だったが,抜群の技巧で観客を唸らせる。二人の息もぴったりとあってい,て,楽しませてくれた。
続いてカロン・ケイシーのユニット。ギターとconcestina(バンドネオンみたいなの)のバックを従え,軽やかな歌声を聴かせてくれた。ケイシーが着ていたのは民族衣装かな。はじめて聴いたけど,一番ポップな感じだった。途中からC&Dも加わって,楽しく盛り上げてくれた。
シャロン・シャノンは相変わらずニコニコとした表情で軽快に演奏。一昨日よりも乗っていた感じだ。キュートなアレンジも冴え渡り,3人の放つ音達がステップを踏んでいた。
シャロンのユニットでも最後にC&Dが参加。リラックスしていて,何度もセッションしている様に聞こえるほどマッチしていて,とても相性が良かった。
シャロン姉妹の演奏する姿はホントに楽しく,可愛らしく,もう完全に私のアイドルになった。ギターのジムのサポートも良かった。ボーカルのポーリーは,慣れてきたのか一昨日よりも良かった。
15分ほどの休憩を挟み,カルロス・ヌニョスの演奏が始まった。一曲目から吹物楽器を次々と曲間で変えながら,鮮やかな技巧を魅せる。時に声を上げ,会場全体に自らの姿を見せるパフォーマンスはエンターテイナーである。
曲の前にはスペインのパイプとアイルランドのパイプの違いなどを解説してくれるなど,サービス精神もあり,パイプを奏でる伝道師の役割も認識しているようだ。
テクニックを披露して鼓舞する場面もあったが,中盤以降は全体のアサンブルやノリ,楽しさを強調したステージだった。
ロック・ミュージシャンの様な現代的に演出された立ち居振る舞いは,最初アレ?と思ったが,伝統音楽は楽しいものなのだよと伝える彼の意志を感じられ,ダイナミックで痛快な演奏は,とてもアグレッシブなものだ。どうやって弾いているのか教えを請いたい様な超速早弾と,情感溢れるエキゾチックなメロディーは,老若男女誰にでもアピールするものだと思う。
カルロスの技巧に偏った演奏ではなく,四人の織りなすアンサンブルとリズムは,身体も心も躍らせてくれる。
ドラムキット的なパーカッションを担当した弟のXurxo Nunezもサービス精神旺盛で,踊りながらボーランを叩き,フィドルのBegonia
RiobooやブズーキのPancho Alvarezと音もパフォーマンスも絡んだり,観客席に下りてきて叩いて見せた。
そのBegoniaも観客席に下りてきて,2−30人のお客さんとダンスを踊りながら会場を練り歩いて,楽しませてくれる。
リアム・オフレンが参加する曲を一曲披露。パイプの音色や奏法の違いが分かった。
シャロンのアコーディオンが参加した曲もあり,このときのシャロンはやや緊張した表情だった。
アンコールでは,東京パイプバンドが全員お揃いのスカート姿で会場奥から登場し,大いに盛り上げてくれた。ダブル・アンコールでは出演者全員で各自のソロを挟んだセッションを楽しませてくれた。
考えてみれば,欧州と正反対の場所にある日本で,カルロスやシャロンなど名うてのミュージシャン達の豪華かつ軽やかなセッションが見られるのは,ホントに贅沢なことだと思う。
YOKOさん,感謝します。今年も楽しい夜をありがとう。おかげで嬉しいクリスマスになりました!