Fahir Atakoglu (ファーヒル・アタコール) - トルコ・フュージョン・ライブ
日時:2003年9月30日
場所:新宿厚生年金会館 ウェルシティ東京

内容:
 まったく見たことも聴いたこともない人のライブに,格安チケットで行ってきました。ファーヒルさんは,トルコのピアニスト&作曲家で,当地やギリシャなどではかなり有名だそうですが,来日公演ははじめて。
 厚生年金会館みたいな大きなところで入りは大丈夫なのか?と思っていましたが,一階席は8分ほど入っており,常日頃行っている演奏会の客層とはだいぶ異なり,お歳を召したかたがかなりいらしてました。
 タイトル通り,ジャズ・フュージョンを基本としていて,クラシックの要素やプログレも入ってる感じでした。
 トルコの伝統的な音楽をモチーフにした現代的な演奏だそうですが,さほど強烈にエキゾチックだったり,トルコっぽいわけではありませんでした。曲によって,リズムがトルコっぽかったり,メロディーがエキゾチックったりって感じかな。
 演奏は淡々としていて,キチッと整理されていて,聴きやすいものでした。日本で言えば,坂本龍一と仙波清彦を足した感じかな?(←オイ!)
 総勢9名の演奏は,中央前に位置したファーヒルさんのピアノを中心にして,ステージに向かって右側から,パーカッションとドラム,ベース,エレクトリック・ギター,アコースティック・ギター,吹きモノ(フルート・アルトサックス),キーボードと並びまして,2曲目以後は,女性ボーカリストが加わりました。
 アコギはちょっとフラメンコ・タッチ,それ以外の演奏はワリカシ普通のフュージョン・スタイル。ボーカルが一番エキゾチックに感じましたが,ほとんどスキャットで唄われていたようです。
 エレキギターはいたの? という位にジミで,ジョワ〜ンと奏でることは一度もなく,ソロもありませんでした。
 ベースの音量が小さすぎたような印象がありますが,全体的にはパーカッシッブなスタイルで,サスティーンを利かせたものではありませんでした。 
 ファーヒルさんのピアノはサスガに上手で,ジャズ・ピアニストとして見ても一流だと思います。
 でも私が一番関心したのはドラムスとパーカッションでして,かなりの腕前で,二人のソロパートになると,ちょっとラテンっぽいグルーヴになって,非常に楽しめました。変拍子の複雑なリズム・パターンもスイスイ。6弦ベースとのからみもなかなかでした。
 ただし,個人的にはもっとヘンなのとか,もっと強烈に民族的なものを期待してしまいますので,やや薄口な印象でした。
 
 今年は「日本におけるトルコ年」だそうで,今回はその記念公演だそうです。
 演奏の最後には,トルコ大使がステージにあがりました。客席にはトルコ人も多く,アンコールではみな立ち上がって盛り上がっていました。
 本当は,こういう文化事業的なものではなく,もうちょっと小さな小屋でジャズのイベントとして演ってくれたほうが,日本のお客さんはもっと盛り上がったと思います。それは次回のココロだ!