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その気配は、町からつかず離れずオレの後を追ってきた。 ───鬱陶しい───。 何よりも先にそう思う。 気配は消しているつもりなんだろうが、オレの感覚から逃れるには、それはまだまだ不十分だった。 この分では、相手は追い剥ぎか、盗賊か………まあ、大方そんなところだろう。 ………リナが喜ぶな………。 反射的に脳裏をよぎった考えに、オレは苦い笑みを浮かべた。 出会ってからこのかた、ずっと傍らにあったはずの存在は───今、いない。 オレは静かに瞳を閉ざした。 たった一人の不在が、こんなにも重くなるなんて、リナと出会う前は考えもしなかった。 後をついてくるのが何者かは知らないが、遊んでほしいのなら、それはそれでかまわない。 軽く相手でもしてやれば、少しは、このむしゃくしゃした気分の解消になるだろうか。 八つ当たりだとは承知している。 だが、相手の出方を待っているつもりは───そんな余裕は───オレにはなかった。 ───そして、オレは剣を抜き放った───。 |
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