kyo
「感謝しろよな」
つんっ、とルークがガウリイの肘をつつく。
「何を?」
「あんたを運ぶ役目さ、ちゃんとあいつに振ってやったろ?」
「………そうだっけ?」
ルークが天井を仰いだ。
「けっっ。あんだけあいつにぺったりひっついて運んでもらって、何言ってんだかなあ。このにーちゃんは。
………それともあんた俺やあの竜のおっさんに運ばれたかったのか?」
流石にそれは嫌なのか、ぶんぶんとガウリイが首を振る。
そして、不思議そうに
「………でも、どうしてリナ以外のやつがオレを運ぶと思うんだ?」
ルークはしばらく何とも言えない表情でガウリイを見ていた。
やがてがっくりと肩を落とす。
「えーえー、聞いた俺がアホでした。
けっっ。全くやってらんねーよな。
ラブラブでよ。あてられちまうぜ。俺は」
きょとんとした顔でガウリイがルークを見る。
「………いいから、今の台詞は忘れてくれって」
ぱたぱたと投げ遣りにルークが片手を振る。
「で、あいつにひっついてるのが当然のガウリイさんは、いったいどこまで彼女を口説いたのかなぁ? わざわざあいつの耳元でささやいたりしてさ」
さらに不思議そうな顔をするガウリイ。
「………ひょっとして、それも無意識かぁ?」
すっかり脱力したルークがぼやく。
「なんかあんたの行動見てると、いつもあいつの耳元でしゃべったりなんだりしてるから、オレはてっきり………。でも、意識してないとなりゃ、本能か野生のカンか………どっちにしてもとんでもねーやつだな。あんた」
「………よくわからんが………」
再びルークがため息をつく。
「いや、いいって。余計なこと言った俺がばかだったってだけのことさ」