With You 〜みつめていたい〜

98年9月発売   発売元  カクテルソフト/F&C

全体的な感想


購入動機

前評判が非常に高く、実際の評判も高いようだったので買ってみました。しかしカクテルソフトっていい作品作りますねえ。前作の「Piaキャロットへようこそ!!2」もなかなか好評だったみたいだし、両作とも「シナリオがいい!」と18禁らしからぬ感想が多いとか。しかし私がここに書くからにはそれなりのネタがあるわけで、それは追々書いていくことにしましょう。

マニュアルを読んでいきます。キャラクター紹介や動作環境のあと最終ページになぜかミャンマーの紹介が書かれていますが、「ここがミャンマー♪」と矢印で指しているところそこはタイだ思わず地図帳引っ張り出して確かめてしまいました。いきなり初歩的な間違いを見つけてしまいちょっと不安

キャラクター

鳴瀬 真奈美(なるせ まなみ)
本作のメインヒロイン。主人公の幼馴染で初恋の相手。真奈美も主人公に対し好意を持っていたが6年前父親の都合でミャンマーに引っ越してしまう。そして6年の時を経て帰ってきたが・・・
業界初のメガネっ娘ヒロインらしいですが今までいなかったのが不思議です。ややドジなところは「ええい仕方ないなあ」と男の優位性を感じさせてくれるあたりツボです。やはりメガネっ娘はこうでなくてはいけません。
ところでよくあの軍事国家に6年間も住んでいて無事だったな鳴瀬一家

氷川 菜織(ひかわ なおり)
ダブルヒロインのもう1人。やはり主人公と真奈美の幼馴染。真奈美がいなくなってから走り始めた主人公をいつも見守っていた。それが、突然の真奈美の帰国でどう変わるのか・・・
世話好き、子供好きの典型的幼馴染キャラ。さらに家は神社ということでネーミングすら安易。CGの数も7:3で真奈美であり、ダブルヒロインではなくサブヒロインが正しい呼称。ストーリーもやや重厚性に欠ける。というわけで彼女の存在意義は巫女服と喫茶店の制服のみ(断定)

信楽 美亜子(しがらき みあこ)
ここからはサブキャラクター。通称ミャーコ。多分実家は名古屋でしょう(嘘)。主人公のクラスメイト。報道部に所属しマイク片手に学園のスクープを追いつづける。

田中 冴子(たなか さえこ)
主人公のクラスメイトでハンドボール部所属。ミャーコにいつもからかわれる可哀想な人。

乃絵美(のえみ)
主人公の妹。体が弱く家にひきこもりがち。なぜか真奈美をさしおいて1番人気らしいです。病弱でしかも妹とくれば当然か

天都 みちる(あまみや みちる)
臨時の英語教師。真奈美ストーリーでは登場機会も多いものの菜織編では存在感なし。しょっぱなに登場したときはマニュアルのキャラクター紹介を読んでいたのに誰だかわかりませんでした。

チャムナ フォン(ちゃむな ふぉん)
真奈美の帰国とほぼ同時に現れたミャンマーからの留学生。まー長崎みなみが声をあてているので何かあるとは思っていましたが

男性キャラクターは省略

システム、ストーリー

よくあるコマンド選択式。選択されたコマンドによって真奈美、菜織どちらかのの好感度が上がるようになってます。現在どちらよりかを見るには画面左上の宝玉が何色に光っているかで判断できます。が真奈美寄り、が菜織寄り、が中立です。ストーリーは全5章に序章、最終章から成っていて、2章終了時にどちらの好感度が高いかにより真奈美編、菜織編にわかれます。各章の終わりにはアイキャッチと次回予告が挿入され、ユーザーの睡眠時間を奪っていきます。しかもその章がいいところで終わる。というか次回へのツカミが入って終わる。思わず続きを見たくなってしまいます。

さてそのストーリーですが、ネタバレは避けるとして、真奈美編は最後で現実性に欠けてしまったのが残念。4章まではいい盛り上がりを見せていたのに5章でその盛り上がりがなくなってしまいます。ファンタジックというか伝奇モノというか、いきなりファイヤーボール使われたらあーた普通死にますがな。菜織編は前にも書きましたがありきたりの幼馴染なお話になってしまい今度は新鮮さがない。真奈美編に比べ量も少なめであとから付け加えたのが一目瞭然。ゲームのシナリオ書きは大変だなあとは思うのですが容赦なく書かせてもらいます

あと両ストーリーに言えることですがHシーンへのシナリオ展開が不自然。いくら現実味に欠けてもありきたりでもいい話はいい話なので、そういったシーンはいらないんじゃないかとも思えてくる。なんか「よくここまで来られましたね。はい、ご褒美です」てな感じでそういったシーンが入ってるような無理矢理18禁にしちゃった印象を受けます。サターン版がもうすぐ発売ですが2人のメインシナリオはHシーンのカットのみで充分かも。でももうちょっと菜織シナリオを追加すべきでしょう。しかしこの時期にサターンというのは何を考えているインチャネとか思ったらプレステにまで移植されるし

 

サウンド

オープニングの曲は……普通でしょうか。ユーザーを引き付けてはいると思います。ただ3度の音で終わるのがどうも私的に好きになれないのですが、これは人それぞれでしょう。

声付きのためMIDIです。音源は数種類から選べるようになっていてユーザーフレンドリーです。ただ、印象が無いんです。なぜかというと、ウチのパソコンのCDドライブがアクセスする度にウィーンウィーンと回ってうるさいのなんの。あまりにもうるさいので声かサウンドを削りたくなります。どっちを削るかって問答無用でサウンドじゃないですか。今頃(アップしてから半年以上経って)この項目を作ったのはそんな理由です。サターン版でようやくサウンドをまともに聞きましたが、チャムナとの戦闘シーンの曲は臨場感があってよかったですね。

 

サターン版について

上にも書いた通り、サターン版を金星栄さんから買ってプレーしました。攻略本を買わなかったのでCG2枚が抜けましたが、一通りやってみました。いやあひどかった。アイチャッチとか「………」のため息とか。特にため息の声がでか過ぎ。緊張感が削がれます。

シナリオは、真奈美シナリオは変更ありません。相変わらず最後で世界観を崩すシナリオです。追加のCGは……あったのか?覚えてねえ
菜織シナリオはかなり追加部分があります。序盤の第1章あたりから追加の選択肢があったり、遊園地に行ったような記憶もありますが……。
そして第3のシナリオがあります。菜織シナリオから分岐する真奈美シナリオです。こういうふうに言っては菜織シナリオでもなくなるので、幻想シナリオ現実シナリオ、と呼ぶことにしましょう(これじゃこのゲームみたいだ)。幻想シナリオは真奈美のみがヒロイン、現実シナリオは菜織真奈美両方がヒロインになる可能性があるわけです。どっちがおすすめかってもちろん現実シナリオしかも真奈美編です。だって他のシナリオは新鮮味が無いし

追加シナリオが入ったことによってシステムが若干変更されています。Win版ではある日にちでどちらの好感度が高いかによってシナリオが分岐しました。サターン版では、序盤第1章のとある選択肢1つで分岐が決まります。Winからプレーしているユーザーは、これを理解しないと現実シナリオ真奈美編はいつまで経っても解けません。ええ、1回はまりましたよ。

音楽について。BGMの変更はないと思いますが、エンディング曲が追加されています。歌っているのはロビンさんというあの伝説(でもないか)のGO!GO!ウェイトレスを歌っている方だと思うのですが、歌唱力まるで無さ過ぎ。おそらく一般ピープルと比べてもそれ以下です。しかも曲がこの人の下手さを強調させるような編曲になっているのです。
歌が下手な人は何でカバーするかって普通はバックの曲をうるさくしてカモフラージュすると思います。ところがこの編曲、静か過ぎます。これでは歌手の歌唱力が丸見えです。
曲自体はいいんです。ギターアレンジの編曲もいいんです。これで歌手さえ良ければCDを買っていたかもしれないんですが(インチャネの策略でしょうが、この人この曲をA面にしてCD出しているんです。世紀末ですな)。惜しいを通り越して減点対象です。

 

全体として第3のシナリオは新鮮に感じましたが、それ以外の部分ではサターン版をやったことによって評価が下がりました。サターン版がひどすぎたというべきか。

なぜか。市場のニーズに応えていないからです。市場のニーズとは何か。やっぱり人気キャラクターが沢山登場してくれるほうが良いに決まっているじゃないですか。残念ながら追加シナリオが入った真奈美は1番人気ではありません。誰が1番人気かは発売後のマーケティングで十分調べる時間があったはずなのに。

すなわち、サターン版最大の失敗は1番人気たる乃絵美のシナリオを追加シナリオのメインにしなかったことでしょう。別に乃絵美と恋仲になって禁断の恋に落ちろとは言わない。ただもうちょっと柴崎とからむとか、乃絵美がヒロイン2人に対して嫉妬を抱いたりとかして、正樹のシスコンぶりが如何なく発揮されればそれで良かったのでは?と思います。

そんなことをプレーする前やプレーしながら思っていたのですが、プレステで出るってか?しかもため息問題などは改善してさらに追加CGを入れるってか?ついでにTOYBOXまで付けるってか?すると何か?サターン版はただの実験か?それともグッズの一部だとでも言うのか?いい加減にしろよタベタ会社に殴り込むぞコラァ!(学校のすぐ近くにインチャネがある)

つくづく商品化されてしまったゲームって不幸だなーと感じました。

 

最後に

この作品って2機種に移植されるほどの大作にはどうしても見えない。インチャネの餌食になったこのゲーム、やっぱり可哀想だわ。

 

個人的かつ主観的評価
キャラクター及び声:85点
ストーリー:80点
サウンド:75点
システム:81点
総合:80点

 

(最終更新2003,1,4)

余計なうんちく


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