PALETTE
９８年１０月発売 発売元 フェアリーテール／Ｆ＆Ｃ
今更な感想
例によってまたまた古臭いソフトなんですが、私が新作でパソゲーを買うのは滅多にないことなのでご容赦下さい。
購入動機
鳩野比奈さんの「お兄ちゃん♪」が聞きたかったから
…………げふんげふん、失礼致しました。とりあえずなんで買ったかをいろいろ書いていくと、まずは安かったから。中古品が２０００円切る値段で売っていれば欲しくもなってしまいます。しかもＦ＆Ｃといえばメジャーな会社ですし、少なくとも「２０００円で買ったけどそれでも損した」的なソフトではなさそうと判断したっつー理由もあります。それにしてもなんでこんなに安かったのか未だに不明ですね。作り過ぎでしょうか
そのＦ＆Ｃ関連で言うならば、ここのソフトは前にピアキャロット２（サターン版）とWith Youをプレーしていましたが、これらはいずれもカクテルソフト。ＣだけでなくＦのほうも比較の意味でやっておかないと不公平ですし。そんなわけでＦのソフトを捜していった中で最も安かったのがこれだったというわけです。
あと聞いたところでは、With You発売からNatural２発売までの間Ｆ＆Ｃが駄作を濫発するその最初がこれだったということで、ネタの要素もバッチリかと（失礼）。
キャラクター
菜乃花 恵理（なのはな めぐり）
プレーヤーとは生まれた時に産婦人科のベッドが隣だった以来の付き合いという腐れ縁。おそらく数ある幼なじみの仲でもここまで最強の幼なじみはいないんじゃないかと。つまりプレーヤーと誕生日が近くないとこういう芸当はできないワケで。強引な部分がある一方、実家がイタリアンレストランを経営している関係か料理の腕は確か。性格は猫チック
鳩羽 翠（はとば みどり）
プレーヤーのもう一人の幼なじみ。って「いつから」っつーのが書いてねえぞ。恵理とは対照的におとなしめで、クラス委員を押しつけられることも。性格は兎チック
参考までに、メガネっ娘で巨乳です。なにげに私のツボついてます
萌木 玉緒（もえぎ たまお）
プレーヤーを「お兄ちゃん」と呼んで慕ってくる従姉妹。なんか名前からして「オラオラ萌えんかァァァ！！」と脅迫されているような気がしないではないですが、おそらく一番人気でしょう。父親が開店した甘味処を手伝ったりしているのでその制服になったり、あるいは浴衣を着たりと服装にバリエーションが多いのも魅力。性格は犬チック
東雲 深月（しののめ みづき）
プレーヤーの姉が勤めている病院にボランティアしている少女。お前公ム員にピッタリじゃ。ええとこのお嬢様らしいですが、本人はお嬢様と見られるのを嫌う様子。えーとえーと、後はなし
涼原 千晴（すずはら ちはる）
プレーヤーの姉。天然ボケなお姉さんのステレオタイプ。ところで姉？従姉？どっちなの？
キャラクターについて補足しますと、このゲームは恵理と翠、玉緒、深月、千晴でそれぞれ原画家さんが違います（つまり４人）。この違い（というか、違和感）がゲームをやっていて結構表に出てきてしまいます。これをタイトルの如く「いろんな画が見られていいねっ」と考えるか統一感がないと批判的になるか。ひねくれ者の私はもちろん後者なんですけどね（おい）。
システム
たぶんこのゲーム一番の売りは「ヒロイン選択機能」になると思うので、そこから説明しましょう。ゲーム開始時に「恵理＆翠編」「玉緒編」「深月編」のどれかを選ぶことによって「誰をヒロインにするか」という選択ができるっていうそんだけなんですが、この誰をヒロインにするかでシナリオが頭から変わってきます。例えば恵理＆翠編では玉緒は途中から登場しますが、玉緒編では玉緒は最初から登場しています。深月編では、プレーヤーはもともと翠に気がありながら深月も気になってくるのですが、恵理＆翠編では恵理が告白してきます。このように初期設定からして変わってくるので、当然異なったシナリオが進むことになります。
そして嬉しいことに、ヒロインに選択しなかったキャラとも仲良くなれます。そういうシーンもあります。つまり４キャラ×３シナリオ＝１２のグッドエンディングがあります（厳密に言えば隠れシナリオもあるので、もう少し増える）。結構辛いです。私は６シナリオ分しかクリアしていません。これでもＣＧはあと１枚まで埋まっています。
その他の機能は特に変わったところなし。セーブの８箇所はやや少な目か。各キャラクターの恋愛感情を見ることができたり、プレー後の音楽モード＆ＣＧモードなど、一通りのシステムはあります。ただ、コンフィグで「タイトル画面に戻る」がなかったのが気に掛かったかな。
グラフィック
私にはこういう難しい問題はよくわからないんですけれども、Ｆ＆Ｃのグラフィックはキレイキレイということらしいので、そういうことにしておきましょう。
印象に残っているのは、玉緒が浴衣を着てかしこまり、プレーヤーの前に座っているシーン。なんとなく「ふつつかな嫁ですが……」という初夜シーンが頭の中に妄想イメージされて、１人で萌えてました（＾＾；。
声とか歌とか
声はＦ＆Ｃお馴染みのメンバーが担当のようです（といっても最近はメンバーが代わってきたようなので、旧メンバーの方々ということで）。まーエロゲーやってる人間からすれば、喘ぎ声さえしっかりしていればあとはどーでもいいのが本音でしょう。そんなわけでこの項終わり。でも鳩野さんの「お兄ちゃん」はいいよねっ（おい）。
それから歌なんですが……なんでこーＦ＆Ｃの歌は元気がカラ回りしたような歌ばっかりなんでしょうか。おまけに３度で終わるし。３度で終わるとすっごい軽い歌に聞こえてしまうんです。まだ「GO!GO!ウェイトレス」や「みつめていたい」よりはマシな方ですが、聞いていて恥づかしくなる歌を作るのがＦ＆Ｃの狙いなのかなー
どーでもいーことですが、歌詞に触れます。最初っから、「あ〜〜〜っ あ〜いと〜へ〜い〜わの〜は〜とのくう〜〜っき〜〜」というふうに流れるんですが、タイトルにもなっているこの「ハートのクッキー」という部分がどうしても「鳩の空気」に聞こえてしまいます。もちろん意味は通じないんですが、なんとかならんもんでしょうか俺
……ＢＧＭですか？例によって聞いてません（待てやコラ）
シナリオ
さてと、システムの項でも触れたように、３（＋１）シナリオがそれぞれ独立しているために１本筋の通ったシナリオというのはないのですが、思ったことをずらずらと書いていきます。
まず全体に言えることなんですが、登場の遅いキャラがいます。具体的には深月は深月編以外で登場がかなり遅めです。プレー期間は２週間そこそこなので、下手すると出会ってからＨするまで１０日ありません。ここらへんの過程を書くのがさすがに難しかったのか、深月攻略中はかなりハイスピードでシナリオが動いていきます。そこらへんが、ちょっと残念でした。
それから、これはある意味宿命ですが、ヒロインシナリオ以外のキャラへの恋愛過程がやや突飛過ぎます。これは深月に関わらず全てに言えます。ただメイン以外でもいいシナリオはあって、例えば恵理＆翠編の玉緒シナリオ（なんかややこしいな）なんかはいいお話でした。
メインのシナリオはそこそこいい出来です。特に恵理＆翠編の幼なじみ三角関係は、同時期に発売されたWith Youよりよっぽどマシです。幼なじみなお話がWith Youでは物足りないという人はお勧めですね
ただ、全体としてシナリオ数が多いために１つ１つのシナリオがインパクト弱いです。仮に１２シナリオ解いたとして、印象に残るのは１つか２つではなかろうかと。
あと、Ｈシーンが１人１パターンというのは萎えます。途中に幾つか選択肢の分岐があるものの基本的には１本道ですし。各シナリオごとに別であるならオールクリアしようかという気も起こるのですが。
というわけで、大作ではないが、また駄作でもないと思います。特に悪い点は見つからないけど、印象にも残りにくい。一番感想を書き辛かったりします、こういう作品。まあでも２０００円で買ったにしては楽しめるソフトでした。
最後に
ヒロインをクリアするとパスワードが出てきて、それをＦ＆ＣホームページのPALETTE特設ページでぶち込むとオマケのＣＧが見られるらしいんだけど、見られる期限が９９年１１月２０日までなんだってさ
個人的且つ主観的評価
キャラクター：８０点
シナリオ：７５点
音響：７３点
システム：８４点
総合：７８点
（最終更新 ２０００，９，２０）