MissingBlue

01年7月発売  発売元:トンキンハウス

全体的な感想


ひととおり全エンディングを見たという事で書いてみたりします。しかし、学生時代の頃は購入1ヶ月で感想を書いていたのに今となっては早くて半年だもんなあ

 

購入動機

………なし。ていうか購入デフォだったし(ぉぃ

強いて言うならトンキンハウスの前作「Lの季節」に堕ちたからというのが当てはまるかもしれませんが



発表当時は注目だけはしていましたが、それが完全に購入決定になったのはやはり、1.キャラデザが渡辺明夫 2.主題歌が小松未歩 の2点ですか。

 

お話の始まり

主人公・牧村功司は聖遼学園高等部に通う二年生。
年上の彼女丹雫瑠羽奈や幼馴染の璃月沙夜などとごく普通の学園生活を過ごしていた。
しかし、学園に転校してきた春日瑞希は彼に「思い出して…」という言葉と共に謎の水晶を手渡す。
会ったこともないのに、会ったような記憶がある春日瑞希。彼女に戸惑う功司。
そして何かが動こうとしていた……。



あいかわらず書くのが苦手な出だしですが、上に書いたような描写はゲーム中で2回目以降省略可能なプロローグ部分から推し量る事しかできません。パッケージをよく読めという事なのでしょうか

 

キャラクター

キャラクターデザインはLの季節同様渡辺明夫氏。L季とは微妙に違ったタッチで描いているような気がするのは私の気のせいでしょうか


この辺を読んでから本文に入るとなかなか面白いと思います。全然違ってて

丹雫瑠羽奈(にしずく るうな) CV宮村優子
功司の押し掛け彼女。彼女が廊下で転びかけたところを功司が助けてやり、恩だけ押し付けられるのは気が済まないと一方的に恋人宣言。そのわりには功司をからかったりと、本当に好きなのかよく分からない。
種族はサキュバス。日本語名は夢魔で、ファンタジー世界では夢を操る妖精(精霊?妖魔?)とされている。羽根が生えており飛ぶことができるが、飛行の源は精神力なので、羽根は一種の見栄えのようなものだそうだ。
このゲームのメイン中のメインであるキャラクターなだけに、ほぼ全てのシナリオで絡んでくる。のわりには人気は今一つ。やはりCVか……。

春日瑞希(かすが みずき) CV友永朱音
謎のムッツリ転校生。特に誰とも親しくなろうとせず、1人でいることが多い。妖精は絶対いないと言い切るなど、徹底したリアリスト。
功司はなぜか彼女に既視感を抱く。それもそのはずで、(略)。
CVの人はCANVASのアスカこと桜塚恋役の人で、本家アスカとの対決が注目されたが、恋節はほとんどなし。ていうか同じ人が喋っているとは思えない。友永さんすげぇ

璃月沙夜(りつき さや) CV松来未祐
神岸あかり。
功司の幼馴染。犬チックなのは神岸あかりと同じだが、彼女はあかりを越えたと思う。あかりは必要以上に絡んでくることが多いが、沙夜は「気が付いたらそこに居る」存在。ある意味理想の幼馴染。
犬チックなくせに徒競走が速かったり、意外性のある一面も見せてくれる。
沙夜シナリオに限らずメインシナリオに進むと痛いシーン続出。そのせいあってか人気高し。

神瞳かりん(しんどう かりん) CV幡宮かのこ
功司の1年後輩。何かと功司を外敵から守りたがる正義感溢れた女の子。騎士道部所属なだけあって、強さも折り紙付き。
種族はヴァルキリージャベリン。日本語名は戦乙女で、ファンタジー世界では戦いを司る女神・精霊だったりする。
主人公にはひたすら献身的。日々の努力を惜しまない。これがエロゲだったらそっちの方向に行くのだろうが。
一部に狂信的崇拝者を持つ。

折坂 命(おりさか みこと) CV茂呂田かおる
ドジな教育実習生。就任の挨拶からしてマイクとハウリングを起こす。そのせいであだ名は「みこピー」。
教科は保健体育で、ジャージ姿のことが多い。長距離走が得意。
大食い。ひたすら大食い。赤坂に勝てるのではないか。

緋山花乃香(ひやま かのか) CV河原木志穂
眼鏡っ娘の図書委員。小説を書いており、夢は小説家。
何かと主人公に食ってかかる。意地っ張り。こういうキャラなのに足は速い。
かなりの人気薄。シナリオがアカンと言う人多し。私もあんまり書く事ない。

矢城静乃(やぎ しずの) CV飯塚雅弓
功司の従姉妹で神社の娘。CVを見て分かるとおり、「ろ」。「お兄様〜」と言ってきたりする。かなりくるものがある。
そういう血を受け継いでいるだけあって、シナリオによっては法術(超能力のようなものか)を使ったりする。
展開によってはお祓いを受けることになる。真剣など出して、大丈夫だろうか

美角唯芽(みすみ ゆめ) CVかないみか
静乃と同じ中等部二年生。CVを見て分かるとおり、やはり「ろ」。
種族はナマハゲ。鬼の一種ですな。この世界ではナマハゲは高貴な鬼とされているらしい。といっても本人は全く強くない。
バカ。ひたすらバカ。俺はバカは大嫌いです

シーナ・アリール(しーな ありーる) CV坂本真綾
水を好む、不思議な娘。普段は特に誰とも話したがらない。
種族はマーメイド。人魚です。裸一歩手前シーン続出。よくソニーチェック通ったな
歌が得意。挿入歌として一曲披露してくれる。たぶんこのCVだけはオーディション前から決まっていたはずだ。
ところでこの挿入歌はサントラに収録されなかった。幻の曲となるのだろうか

マリィ(まりぃ) CV浅田葉子
シーナを追ってやって来た謎の人物。しかしてその種族は、セイレーン。
歌の件でなにやらシーナと一悶着ある様子。

瀬渡菜緒(せわたり なお) CV三五美奈子
功司のクラス担任にして、命の大学の先輩。あまり出番なし

綺雲エリス(あやくも エリス) CV南央美
体長15センチほどの妖精。武器の強化だとか、怪しげな商売に手を出している。
そういう理由からか、かりんとは繋がりがある。



このゲームに限ったことではないのですが、最近のゲームってキャラの基本設定を語ることなく本編に入ってしまうのね。これはやっぱり説明書を読んでからプレイしましょうということなんでしょうか。

具体的に言うと、静乃と焼き芋を食べるシーンがあります。ここで静乃は「松茸よりおいしい食べ物なんて、初めて食べました!」と感激するのですが、静乃が松茸好きなんて本編にはどこにも語られてないのですな。説明書のプロフィールには書かれているのですが。これが例えばTLSだったらまず「静乃が松茸好きだというエピソードを挿れる」→「焼き芋シーン」という手順を踏むと思うのです。
「説明書を読め」で終わってしまいそうなんですが、なんとなく最近のギャルゲーてば予備知識がないとなにもできません。もちろん全てのプロフィールを把握できるわけはありません。先ほどの静乃の焼き芋であれば、「ああ、そういえば静乃が松茸好きなんて設定もあったなあ」と思い出す感じです。これが実際に「静乃が松茸好き」というエピソードを踏まえての事なら印象もまた違ってくるのでしょうが

 

シナリオ

ネタバレのほうで書きますが、ネタバレしない程度に。期間は約21日間。初めのうちは普通のギャルゲなのですが、分岐によってミステリー捜査班になったり運動会のマラソン選手になったり文化祭実行委員になったりします。
前作にあったような新たな分岐が増えるというのはほとんどありません。隠しシナリオは少しあるけど


ところで運動会と文化祭の間が1週間しかないってのはどう考えてもおかしい。しかも運動会の選手や文化祭実行委員会のメンバー決めも1週間前に行ってるし

 

システム

前作「Lの季節」においては、1.口出しシステム 2.TIPS 3.3Dマップ がシステム面での目玉と書きました。その3点がMBにおいてどう代わったか。

口出しシステム……進化というより変化
今作では「イメージプロジェクティブシステム(IPS)」と呼ばれています。口出しシステムが「プレーヤーの意志をゲームに反映させる」ためとは言え、「こいつは好きか嫌いか」という言わば感情値アップのために使われることが多かったのに対し、IPSでキャラクターの感情値が上がることはありません。
ではどう使うのかと言うと、世界観の設定。IPSによって、自分がいる世界が現実より、幻想よりのどちらかになってきます。言わば選択肢による選択以上にシナリオ確定の重要な要素ということになります。ですから、ゲーム序盤で使われることがほとんどです。


TIPS……廃止
なくなりました。TIPSに代わるようなシステムもありません。


3Dマップ……進化
今作では大ブロックと小ブロックに分かれています。大ブロックは2D。各日にちごとに分かれていて、2Dなので上から見て分岐がわかるようになっています。全部で約100。
小ブロックが3Dで、各大ブロックの1ブロックの中での分岐を表しています。テキストの微妙な違いでも分岐されてしまうので、膨大な数です。Lの季節においてはブロック内の全テキストを見たかどうかはブロックの濃度で表されていましたが、MBでこれやったらマジで死ぬので新形式を採用したのでしょう。

ただ、いかんせんブロック数が多すぎ。その数約3500。私の達成率は91%ですから、まだ300もの未見ブロックが残っている計算になります。さらに、大ブロック100のうちどれだけのブロック内全テキストを見たかという「cp」という数に至っては未だ48。あと1つか2つのブロックを読めばcpが増えるというブロックが多々あります。

なぜこんなにブロック数が多くてコンプリートしにくいかと言うと、分岐のし方に問題があるかと。分岐は大きく、1.直前選択肢による分岐 2.キャラクター感情値による自動分岐 3.前の選択肢による自動分岐 に分かれています。問題は3で、少し前どころか1日目の選択が最終日まで影響を与えたりして、やり直しが面倒臭い事この上ない。L季と違ってシステムデータがあるので、分岐前セーブ→途中からやり直しは可能なのですが、ここは何とかして欲しかったかなーと思います。cp数によってキャラクターのヴォイスが聞けたりオマケ要素も付いていますが、やや敷居が高すぎた感が。



その他のシステム

セーブ、ロードはどこでも可能。セーブできる数も8と、L季の3に比べれば増えています。達成率が70%を越えると各キャラクターの感情値も表示することができます。トンキンハウスゲームの恒例なのか、スクリーンセイバーも付いています。また、L季のノベル形式ではなくウィンドウ形式になっています。

 

サウンド

オープニングは「Hold me tight」、エンディングは「I don't know the truth」という共に小松未歩さんの4thアルバムからの引用で、もはや文句のつけようがないのですが。
敢えて言うなら、本当に敢えて言うならエンディング曲を聞く限りメインヒロインは沙夜になってしまうのですな。メインキャラ3人だけで良いから専用のエンディング曲を用意してくれれば最高でした。瑞希派の俺としては瑞希エンディングに「regret」「涙」「Love gone」あたりを……って全部バッドエンドじゃねえか

戯れ言終わり。その他のサウンドですが、ややインパクト弱し。L季ほどポーンと印象に残る曲が出てこなかったのが残念です。サントラを買いましたが、桃太郎一族の曲以外印象に残る曲はありませんでした。

 

グラフィック他

実はMBで最も違和感があったのがグラフィックでした。なんというか、立体感のない絵がどうしても好きになれず。影の処理が上手くいってないと言うべきなのか。

オープニングに関しても、L季のようなアニメではなく作品中のCG使い回しで拍子抜け。

 

最後に

いろんな意味で期待していたのですが、俺にとってはL季ほどの良い評価をつけることは出来ませんでした…。

 

個人的且つ主観的評価
キャラクター:84点
シナリオ:85点
サウンド及び歌:84点
システム:88点
その他:71点
総合:83点

(最終更新 2003,1,4)

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