2004Xmas文書『お姉ちゃんがやってきた』


12月24日午後10時

「やっほーどろ〜、元気してた??」
「えっ? えっ?」
「や〜だな〜、あたしあたし。お姉ちゃんの顔を見忘れちゃったのかい、この子は」
「え、ああ、そうだったね。久しぶり……姉さん」
「姉さん??」
「え?」
「ううぅ……どろも冷たくなったもんだよ。昔は『お姉ちゃんお姉ちゃん』って後ろからいっつもくっついてきてたってのに……」
「そっ、そんなことっ……」
「それが今じゃ『姉さん』……ああ、時代は変わったねぇ」
「わかったよ………………『姉ちゃん』」
「(ぎゅっ)うんうん! それでこそあたしのどろ君だぞっ!」
「(いいのか? この人誰なんだ? どう見たって俺の姉さんじゃないぞ……)」
「今年も1年いろいろあったねぇ〜」
「えー、う、うん、そうだねぇ」
「というわけであたしも来たことだし、今年1年を振り返ってみようかぁっ!」
「展開早っ!」
「いいってことよ〜! ちゃぁ〜んとお酒も買ってあるし、今日は盛り上がるよ!」
「(なんてこったい……)」


「まずは1月!」
「1月はパソコンを買い替えたんだっけなー」
「ああ、年末に先代のパソコンが逝かれちゃった事件がきっかけになったって言う……」
「もう6年目突入するところだったんで、いい加減変えなきゃ、とは思っていたんだけど」
「テレビ機能付きを買うかどうか悩んだんだっけ?」
「で、結局買わなかった。よく考えたらあまりテレビを見ないことに気付いたので」
「買ってみた感想はどう? 使いやすくなった?」
「あんまり変わりません……」
「だめじゃん!!」

「あと1月といえば、マリみてのアニメが始まったのよね〜」
「祥子様の顎に慣れるのには3ヶ月の期間を要しました……」
「1クール終わってるし!」
「確か水曜日深夜で、どうでしょうリターンズと同じ日だったんだ。どうでしょうは夕方だったから、帰宅後ビデオを入れ替えるのを忘れないようにするのが日課になりました」
「ストーリーは早かったわねー」
「まあどっちにしろ、真美蔦のカラミがなかったので、つまんなかったです」
「普通ないって。そういえば、ドラマCDも買ったって……」
「まだ惰性で買ってます……」
「なんで惰性なの?」
「いやマリみてってバレンタインまでは私的にローテンションなので……」


12月25日午前0時

「2月!」
「2月といえば……ヴァレンタインの恐怖が……」
「なんで女の子からチョコレート貰うだけなのにこんなにガクブルするんだか」
「姉ちゃんは知らないからそんなこと言えるんだよ! あれは恥辱プレイだよ! あれは打算に満ちた計画的犯罪だよ!」
「でも被害は最小限に抑えられたんでしょ?」
「無理矢理、ね」
トイレの入り口で受け渡しなんて、考えたじゃない。女の子は嫌がるわね」
「今年も、至ってギリギリな1日でした」
「ほぉ〜んとぉ〜? あの新人ちゃんから貰ったんでしょ?
「う”……いやあれは絶対ギリだって! 去年のイブはその新人定時後にそそくさと帰ってるんですって! 俺は8時まで残業したのに!」
「どんどん言い訳染みてる気がするんだけど……」

「2月は日曜朝にプリキュアが始まりました」
「ナージャの後枠ね」
「日曜朝は早起きするのが日課になりました」
「で、まだ見てるわけ?」
「……えっと、秋以降はちょっと……」
「なんで、見なくなっちゃったのよ!」
「5月くらいからは起きられなくなってビデオ録画していたんだけど、秋以降本格的に……。だってだって、ゆかな分は土曜日の夕方教育テレビで補給できるんだもん」
「サブキャラでも補給できるんだ……。便利な奴ねー」
「あの頃はトップページの背景をプリキュアっぽくしたりもしました」
「続編決定らしいけど?」
「夕方だったら見ますよ。朝は起きられん……」


12月25日午前2時

「どろ〜、ちゃんとご飯食べてる? 流し全然使ってないんじゃないの?」
「いや、流しは使ってないけど朝はちゃんと食べてるよ」
「偉いじゃない。朝は結構抜く人も多いのにね」
「うん。今の職場はコンビニのサンドイッチを職場で食べるのが主流みたいだから、驚かれる」
「今の職場って………? あんた勤め先変わったの?」
「それは、涙なしには語れない物語………」

「3月!」
「おーやったろうやんけホワイトデー!」
「今年も各個撃破作戦をとったんでしょ?」
「いきなり『なんかハァハァ言ってる』とか言われてクリティカルヒット食らったんですが、その後は無難に渡し終えました」
「新人ちゃんにも?」
「ちゃんと渡したよ! ギリのお返しはギリでね!」
「なんで新人ちゃんの話になるとそうムキになるのかなー?」
「気のせいだよ気のせい! そうに違いないってば!」
「(何かあったんだろうか……)」

「とうとう異動の内示が下されたのよねー」
「まさかあんな職場だったとは……意向調査のときにちょっと触手を動かしてみたのが大失敗」
「行きたいなんて書いたのー?」
「いやその次の異動くらいで行かせて頂ければって書いたんだけど……人事担当が何を間違ったか早送りさせちゃったみたいで」
「最初の異動があそこだなんて、災難よねー」
「全くだよ! 最初であそこなんてありえないと思って書いたのに……」
「前例はあったの?」
「前にもあったみたいですけどその人は全然仕事ができなくて修行してこいって意味で行かされてたみたいなんで僕も同系列に入れられてしまったのかと思うと今後の身の振り方を考えてしまいます」
「頑張っていくしかないんじゃないの?」
「姉ちゃん、冷たすぎ……」
「そりゃあ、あたしはあんたじゃないからね」


12月25日午前4時

「4月!」
「霞ヶ関での地獄の日々の始まり……」
「今までの残業記録が悉く更新されていったのよねー」
「あの頃25時半なんてありえない世界だったなー。4月はまだできること少ないから、ぼーっとしてるだけだったけど」
「この頃はまだ起きられていたんだっけ?」
「まぁね。職場では寝てたけど」
「ダメじゃない!」
「いやだって仕事ないし……。この世界では『仕事をしている』ではなく『居る』ことが大事だと知りました」
「アンタ間違った世界に入り込んじゃったんじゃないの??」

「プロ野球が開幕したのよねー」
「今年は70周年ということで大々的にそれを打ち出していたけど、まさかこんな70周年になるとは誰も予測だにしなかったんじゃなかろうか」
「ロッテではジョニーが復帰したんでしょ?」
「東京ドームでの復帰戦を見に行ったなー。翌週のマリン復帰戦も見に行ったなー。どっちも負けたけど」
「この頃ロッテは両極端だったんだっけ?」
「首位に立った後10連敗したり、浮き沈みの激しい頃でした。たぶんわずか1月の間に首位からビリまで全部を経験していると思う」
「大味な野球だわねー」


12月25日午前6時

「5月!」
「ゴールデンウィーク9連休は良かったなー。思えばあれが今年最後の楽しみだったのかもしれない……」
「とかいって野球場に2回行っただけなんでしょ?」
「その2回のうち1回が小坂幻のホームラン事件……あれは小坂可哀想だった」
「で、あと7日は?」
「寝てました!」
「よく考えると月の3分の1なんだよね、9連休って」
「よく寝たなあ」

「国会で年金未納が大騒ぎになったのよね」
「霞ヶ関に来て最初の大きな話題が年金だったからなぁ。これは忘れられそうにないかも」
「で、他サイトに先駆けて自らの年金加入歴を公開したのよね?」
「したつもりがそれがどうも間違っていて、7月になって社会保険事務所へ確かめに行ったりしました……」
「それって民主党代表を追われた菅さんよりタチわるいんじゃないの?」
「返す言葉もございません」


12月25日午前8時

「つうか姉ちゃん、ちょっと思ったんだけど」
「なによどろ」
「これって2時間ごとに更新されてるじゃん。このまま行くと12月に辿り着くのって今日の夜だよね」
「まあ、そうなるんじゃない?」
「俺って2時間ごとにパソコンの前に座って更新作業しなきゃいけないのかな?」
「…………どろ、あんた今日は外出禁止ね。ひたすら更新作業やってなさい」
「ちょっと待ってよ姉ちゃんそりゃないよ! 俺だって今日用事が……」

「さあさあ6月!」
「6月は……」
「法案の国会審議があったんでしょ?」
「そうだったそうだった。仕事で徹夜して、そのまま翌日の仕事時間なんて初めての経験だったから翌日は死んでたっけ」
「衆議院のときね。あれは5月だったと思うけど」
「なんで霞ヶ関の人たちはこんなにパワーがあるのか、役人の恐ろしさを知りましたよ……」
「とか言って〜、どろだって参議院の答弁作成で徹夜した翌日、西武ドームにロッテ戦を見に行ったくせに!」
「あれは国会が悪いんだよ! 俺はもともとに見に行く予定だったのに勝手に審議の日を月曜日に持ってきたんだから!」
「徹夜明けで野球を見に行ったのは、今じゃ課内の語り草になってるって……」
「仕方ないじゃん! 西武ドームでの週末ロッテ戦は年2回くらいしかないんだから!」

「国会が終わって、課内で旅行に行ったんでしょ?」
「ああ、阿鼻叫喚の……」
「どこが阿鼻叫喚だったの? 豪華温泉宿1泊だったくせに」
「普通にメシ食って普通に温泉入って普通に寝られたらね。 何一つできなかったよ」
「メシは?」
「コンパニオンがいて集中できなかった」
「温泉は?」
「課長が寝たあとだから午前3時過ぎかな」
「寝たのは?」
「だから1〜2時間てところか」
「阿鼻叫喚ね……」


12月25日午前10時

「どんどん7月!」
1回休み……
「ええっ!?」
「何もなかったから……」
「せめてマリみて第2期の感想だけでも……」
「真美さんの出番が増えたのは嬉しかったけど、それが桂さんの出番を奪っているだけってのは……」


12月25日午後0時

「気を取り直して8月!」
「盆暮れはコミケの時期ですなー」
「なんとか本を出せたんだよね?」
「7月8月はそこそこ時間があったために、コピー製本する時間も取れました。21時に撤退して帰りにキンコーズに寄ったり、休日に都心まで出て刷ったり」
「で、捌け数はどれくらいだったの?」
「……あまり……」
「……そう……」
「これが5月6月だったら時節柄売れていた可能性もあったんだけどなー。ブームが過ぎちゃいました」

「そしてだんだん忙しくなってきたのよね、仕事が」
「下旬から急に。あと1週間早まっていたらコミケが危ないところでした」
「初の大遅刻!」
「起きたら9時で本気で焦りましたよ。あれ以来、朝目が覚めるとビクビクしながら時間を確認しています」
「初の休日出勤!」
「何を着て行ったらいいのか分からないのでスーツで行ったらみんな私服で来ていたという……」
「一人スーツって恥ずかしいのよねー。そんな霞ヶ関のどろの元へ思わぬ来訪者が!」
「来訪者というよりもともと棲んでいる可能性が高いわけだけど。あのときは本気でびっくりしましたぽげむたさん」


12月25日午後2時

「姉ちゃん」
「ん? どろ何やってんの?」
「見て分かるだろ。年末の大掃除。いるんだったら姉ちゃんも手伝ってよ」
「本当に手伝っちゃっていいのぉ??」
「いぃっ!?」
「それじゃあ、まずは押入の奥から……」
「ああああああああそこダメダメ!! ゴメン俺が悪かった姉ちゃんそこ座ってて!!」
「てなことになるだろうから姉ちゃん何もしなかったのに。でもベッドの下じゃないんだ〜〜」
「いやベッドの下とに分け……、って何言わす!」

「9月!」
残業200時間を越えた地獄の月……
「家の電気をつけることがほとんどなかったって聞いたけど」
「そりゃ、寮の中で誰よりも遅く家に帰ってきて誰よりも早く出勤していた自信がありますから。その中でやっぱり一番悔しかったのは……」
誕生日ず〜っと霞ヶ関ですごしたことでしょ??」
「ご名答。まさか前の日帰れないとは思いませんでした。この週は合計2回徹夜がありましたわ。シャワーも浴びずに働かされました」
「ご愁傷様……」
「今月はこれしかなかったので、この辺で……」


12月25日午後4時

「10月! ……というかこの辺りって燃え尽きて復活に時間が掛かったんじゃあ……」
「レヴォに行ったり名古屋に行ったり、少しずつリハビリしていました」
「名古屋行は楽しかったんでしょ?」
「1日日程がずれたのは誤算だったけど、新線は全部回ったし懸案だった名古屋市交通局を完乗できたのは良かったです」
「でもまた来年開業するんでしょ? 万博関連でリニモが」
「常滑に国際空港もできるし、名古屋はまた来年行かないと……」
「ここら辺のお話はいつになったら書くのよ?」
「冬コミケでhibitetsuの新刊を買うと収録されている。なんか今宣伝しろと毒電波が飛んできた

「今年は災害が多かったわねー」
「台風10個だったっけ。そのうちの1つの影響で名古屋行きをずらされたんだっけ」
「災害の中でも最大のものは、やっぱり新潟県中越地震かしらね」
「あれはびっくりしたなー。地震に気付いたのは3回目だったけど」
「で、月曜日出社してみれば所属所が大変なことになっていたと」
特例法がどうのとか騒いでるんだもん。阪神淡路のときに特例法を作っているらしいんだけど、どうも所属所が関係していたようで、作る作らないでいろいろと」
「で結局作らなかったと」
「作られていたら僕は今この世にいなかったかもしれません……過労で」


12月25日午後6時

「11月!」
「(・∀・)ネコミミモード♪」
「そういえば秋アニメの話をしていなかったじゃない。期待の新作はあった?」
「いや何もなかったので、官僚様の勧めでスクランと月詠を」
「何もなかったって……」
「だって探索する余裕すらないんだもん! アニメ雑誌なんて4月以降読んでないよ!」
「この頃また徹夜してたんだって??」
「直接は関わっていなかったけど、法案があったのでその関係で」
「まあ27時くらいだたらそろそろ慣れたんじゃない?」
「慣れるわけないよ! もう勘弁してよ!」
「(残業の話になると人変わりすぎ……)」

「冬コミには落っこちたのよね?」
「落ちて助かったよ。この忙しさからすれば絶対本を落としていたから」
「でもあんまり新刊を出す予定じゃなかったんでしょ?」
「落としたら既刊をリニューアルするかな、とは考えていたけどそれもなくなったし」
「でも来年の2月が楽しみね〜」
「なんで?」
「だってビル内の郵便局でお金払込むんでしょ? 職場内の同類が分かっちゃうわよ」
「……そうだったー! いや隣のビルまで歩きます。絶対そうします。もし払込んでいるのを同じ課の人に見つかったら……」
「まあ、この世の終わりよね」
辞表の書き方勉強しないと……」


12月25日午後8時

「ここまで来たよ12月!」
「この20日間で思い出になりそうなことなんてないよー」
「思い出せ〜。思い出すんじゃ〜」
「あ、昔の職場の忘年会に行ってきました!」
「おーおー。みんな変わってなかったかい?」
「年上のお姉さま方といっぱい喋ってきたよ! そのうちの1人と一緒に帰ろうとしてこれは別の人に阻まれたんだけど」
「ほぉぉ〜。あたしのいないところでなにやってんのかな〜この子は」
「いででででっ! いだいいだいよ!」
「いい? どろに彼女ができたらちゃんとお姉ちゃんにも紹介するんだよ?」
「わかったわかったよ! ……大丈夫当分は無理そうだから」
「まあ今日こんなことしてる時点でアレだしねぇ」
「ぐはっ!(吐血)」
「あちゃー、トドメさしちゃったか……」


「ああっ! もうこんな時間!」
「気付いてなかったのかいこの人は」
「ちょうど1年も終わったことだし、あたしそろそろ帰るわ」
「お酒ほとんど1人で空けちゃったよ……」
「んじゃ、また来年来るからね〜」
「って来年も!?」
「なに? あたしが来ちゃいけないっての?」
「イエソンナコトハゴザイマセントモ」
「なんか棒読みなのが気になるけど……んじゃお姉ちゃん今からKUNOICHI出てくるから」
「はぁ!?」
「また来年ね〜〜」
「ちょっ……、また来年てなんだよ!」


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