1.まったく不要なダム

(2)辰巳ダムによって河川の正常な機能は確保できない


 犀川大橋地点で0.81トン/秒の流水量を確保するために、辰巳ダムから0.67トン/秒(6万トン/日)を流すとしている。0.81トン/秒が河川の正常な機能の確保にどのように寄与するのか、県はまったく説明していない。

 犀川大橋のすぐ下流の堰のところで川幅はおよそ60メートルある。0.81トン/秒程度の水量では、堰を越えて流れず、すべて堰のわきの魚道を流れてしまう。この程度の水量では「河川の正常な機能」を確保することなどできない。

 「河川の正常な機能の確保」は、辰巳ダムを“多目的ダム”にしてその「必要性」を大きくみせるためのものでしかない。


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