谷本正憲知事が共有地に関する公開質問状への回答を拒否

(2000年8月17日掲載)


【抗議声明】

公開質問状にたいする谷本正憲知事の回答拒否に抗議する

2000年8月17日

石川県知事
谷本正憲殿

辰巳ダムを止める土地共有者の会 
代表 碇山 洋

(1)当会は8月2日、谷本正憲知事にたいして「辰巳ダム建設に係る土地買収に関する緊急公開質問状」を提出していたが、回答期限(8月10日)をすぎた8月16日、県土木部河川課ダム建設室・山本光利室長が、辰巳の会事務局への電話で、回答を拒否するとつたえてきた。

(2)「緊急公開質問状」は、辰巳ダム水没予定地の買収において、面積の大小や持ち分の大小によって県の対応は異なるのか否か、共有地権者にたいして「十分な時間をかけ誠意をもって辰巳ダムの必要性を説明し、理解と協力をもとめるべき」ではないかなど、国民の財産権、公共事業への県民合意についての基本的かつ重要な問題について、谷本知事の姿勢を問うものであった。このような重要な質問への回答を谷本知事が拒否したことに対して、当会は、大きな驚きと憤りをもってつよく抗議するものである。

(3)これまでにも当会はいくつかの公開質問状を知事あてに提出してきた。知事の見解を問うたにも関わらず河川開発課長(当時)などから「回答」が届いたり、およそまともな回答の体をなさない無内容、不誠実な文書が届いたことはいままでにも少なからずあったが、県側から正面きって回答を拒否すると言明してきたことは、これまでにもなかったきわめて異例のことである。
 辰巳ダムの計画内容のあれこれに関する個別の質問ではなく、憲法が保障する国民の財産権などの重要問題について知事の見解を尋ねた質問状にたいして回答を拒否したことは、谷本正憲知事が国民の財産権というもっとも基本的な問題についての見識を持ち合わせていないことを示している。

(4)中島浩県土木部長は、県議会で、共有地の買収交渉に本格的に着手すると表明した。監視委員会がもとめた付帯意見の実現にもまともに取り組んでいないうえに、買収交渉の対象者からの基本的な質問への回答を拒否した石川県に、誠意ある買収交渉が期待できないことは明らかである。今回の知事の回答拒否により、水没予定地内にある辰巳ダム反対の共有地の買収交渉の開始がきわめて困難になったこと、ありうべき買収交渉の遅延の責任はすべて県側にあることを、ここに言明しておく。


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