21世紀に向けて韓国詩の新しい流れを展望。佐川
亜紀が渾身の力 を注いだ小論集。(本当に大変でした。土曜美術社や関係の方々、 ご苦労さまでした。)このコーナーでご紹介した詩人も含め韓国現代詩 の初期から現在まで39人の詩を論じ、訳しています。韓国人の精神や 思想、感性、歴史の理解に最適。(土曜美術社出版販売。2800円) |
*(チャン・ソクナム)1965年仁川生まれ。1987年京郷新聞で デビュー。詩集『鳥たちへの亡命』金沫映文学賞受賞。『今は やっとだれにも恋をしない頃』『乳は雪』など。「庭に舟をつなぐ」 で現代文学賞を受賞。やわらかい感性の新世代の抒情詩人。 |
*(チイアン トクチイヨン)大田で生れる。忠南大学卒。『文芸韓国』誌 の推薦を 経て詩壇にデビュー。詩集に『本棚CDロムの間』『水通谷の 石はたけ』がある。 |
*(コ セチイヨン)ソウルで生れる。聖心女子大学卒。2000年 『文学と創作』誌 の推薦を経て詩壇にデビュー。この『韓国詩35 人選』には、パソコンを題材にし た詩が多いです。昨今の韓国の 情報社会化を反映しているでしょう。 |
今しがた 袋からこぼされた じゃがいもたちが 互いにまくらして寝ている 非舗装道路を走って来ながら ぶつかり合った傷 そのにおいにひかれてか蟻たちが 集まった 広がった 幅広いおしり その稜線を乗り 同族相残金の 悲劇を抱いて 戦友のさびた鉄帽に 黄いろい青菜の花影が 揺らいでいた |
*(パク スンミ)ソウルで生れる。世宗大学卒。1987年「現代詩学」の推薦を 経て詩壇にデビュー。詩集に『地に触れない喜び』『君は木瓜だ』等がある。 ユーモアと物を見る確かな目、社会的批評を暗示する優れた作品です。 |
*無窮花・・・木槿、韓国の国花。 *鳳仙花・・・庶民に親しまれ幾多の哀歌が歌われている |
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