史上最悪の大雨!もうすぐ引退 国産旅客機YS−11編
(今回はいろいろ解説項目つき!)


3年ほど前から2006年度よりの航空法の改正に伴い、飛行機に多額の費用を伴う安全装置の更新が義務付けられる。といった話が出てて、
その装置を装備できない飛行機は運行できない。とあり、その中にも国産旅客機であるYS11も含まれているというので
「よし。日本の英知が集まって作った国産でたった1機種のYS11を見に行こう」って事で、何度かは写真撮ったり見に行ったりは
してたんだけど、唯一の国産飛行機って事もあって運行最終残り2ヶ月に迫った7月、ついにYS11に実際に搭乗する機会に
めぐり合うことができました。今回の目的地はYS11が飛んでいく先です(笑)


7/22。朝6時。
名鉄名古屋から中部空港へと出発です。
今回は7月21〜23日の3日間限定で発表されたANA超割とJALバーゲンで上手くYS11に乗れないかと先ずはJALバーゲンでYS11の
チケット争奪に参戦。・・・でも考える事は皆同じでバーゲン割割振り分は即瞬殺・・・。

「あうえう〜・・・。さすがに64人乗りだから割振り分は少ないなぁ・・・。・・・ん?待てよ?7月って事は・・・。・・・よしっ!空席確認!確保っ!!」

バーゲン割の枠分は空いてなかったけど、実はJALのバースデー割割り当て分には空席があったのです。
それとANAではすでにバースデー割は廃止になってしまってて、JALではまだ残ってるのをすっかり忘れてたのです(^^;;)
そんなこんなで、まずはYS−11の搭乗券を確保。と同時に今回の目的地が決定。行き先は四国は愛媛・松山です(笑)
でも、今回乗るYS11は福岡発松山行きで、中部空港から飛んでくれる訳ではないので、上手く乗り継げる時間の飛行機で
バースデー割よりも若干安く行けるANA超割で移動しようと空席を探してみると・・・、

「あっ!都合良く乗り継げる便がすでに満席!しかも始発飛行機しか空いてない!!・・・そ、そんな〜っ!」

って訳で朝イチの飛行機で福岡へ移動する事に。・・・むむむ・・・4時間も福岡で待ち時間あるよ・・・。
そんなこんなで7:25発福岡行きB767で中部国際空港を出発。8:55に福岡に定刻通り到着。


「・・・・さて、松山行き13:20発までどないしようか・・・。」

とりあえず昼前までは割と福岡空港にYS11が飛んでくるので約1年ぶりに福岡空港の展望デッキで撮影を開始。



「む〜。やっぱ第2ターミナル展望デッキは滑走路北側端だから着陸しか撮れないなぁ・・・。天気もイマイチだし・・・。」

などと曇り空を見上げ、ボきつつも着陸してくる機材を撮影。そうこうすると鹿児島行きYS11が誘導路をタキシングしてきて、
(タキシング=航空用語で地上走行を意味する。)
普通は1100mもあれば離陸できるYS11は、滑走路端までは来ずに滑走路中腹あたりで滑走路に進入して離陸していくので、
「どうせなら端まで来て離陸してくれよ」と思ってたら、なんと撮影してくれと言わんばかりに目の前までタキシングしてくるでないの(笑)
しかし、この展望デッキ、ガラス張りなもんで写真にガラスの影が写りこんじゃってるし・・・。
イマイチ写真撮るのに向かない展望デッキなんだよなぁ(TーT)10時になったら雨が降ってきたので一旦離脱。
博多駅交通センターにあるゲーマーズでお買い物&ナムコプラボでマジアカ(笑)お昼御飯を食らって12時にまた福岡空港へ。
(マジアカ=もはや説明の必要もないだろうがクイズ マジックアカデミー3の事。)



福岡空港に戻ると空は晴れ晴れ、まさに快晴の天気に回復。
「おぉ、大黒天くりやちゃんの晴天(チュラー)の力のおかげかこのまま松山まで晴れてくれそうだ。」
(大黒天=七福神の一人である大黒様のこと。7人の神様の名前、全員言える?)
(くりやちゃん=黒田くりやちゃんは大黒天の力をその身に宿して悪しき神々と戦う霊的戦闘集団「はっぴぃセブン」の一員なのである。)

でもこの日、鹿児島や長崎では大雨でダイバードやら遅れが発生してるらしいけど松山便は定刻通り飛ぶらしい。とりあえず一安心(^^;;)
ちなみにエアコミューターの飛行機は福岡空港第1ターミナルから発着。
(ダイバード=なんらかの理由で飛行機が目的地に着けない場合、他の空港へ着陸する特別処置の事。)
地下鉄の駅から約300m南に歩きます(^^;;)しかも小さい(苦笑)。まぁ、JACと天草エアラインくらいしか飛んでないからなぁ(苦笑)
空港でチェックインを済ませてこっちのターミナルにも展望デッキがあるそうなので行って見ると・・・。貨物カーゴがいっぱいで撮れん・・・。
ぶつぶつ言ってるとJALのワールドカップ日本代表ラッピング飛行機が通過。・・・むむむ・・・いまいち時期外れになってしまってるけどなぁ(苦笑)



そろそろセキュリティチェックをくぐって出発待合室へ。
未だにセキュリティチェックではパソやらが引っ掛るらしく時折手間取るのが難点(TーT)カメラとかデジカメとかしか入ってないのに・・・。
出発ロビーではエアコミューター中心のターミナルだけあってそこらじゅうにYS11を惜別する告示やらポスターやらが飾ってあります。



13:05になって搭乗機YS−11への搭乗案内が始まる。いつでも撮影できるように一眼レフを片手に誘導路を歩いていきます。
すると、係のお姉ちゃんに導かれ、階段を降りて向かった先は、



バスで移動するわけでもなく、そのままエプロンを歩いて直接、飛行機に搭乗です(笑)
(エプロン=航空用語で飛行機を停泊させる駐機場を示します。)
さすがYS11自体が小さい飛行機なだけあってこういうトコはやっぱ、おおざっぱです(^^;;)
ちゅうか、今までバス&タラップで乗降したことは多いけどエプロン歩いて飛行機に乗るなんて初めてだよ(笑)
JACのHPで勧告が流れてるように
「ご搭乗・ご降機の際の機体周辺での写真撮影につきましてはお客様ご自身の安全確保並びに便の定時性の為に、場合によっては
係員がお止め頂くよう声をお掛けすることもありますので、ご理解とご協力をお願い致します。」
と書かれてるので周囲の安全を最大に配慮して、YSー11の雄姿をフィルムに収めます。

ではでは、タラップをあがってついにYS11に乗り込みます。自分の座席は3D。・・・プロペラの真横かい(笑)
13:17。乗客の乗り込みも終わって松山に向かって出発準備です。エンジン始動と同時にプロペラが轟音とともに勢い良く廻り始めます。
真横の席なのでその動きがしっかり見えます(笑)プッシュバックせずにそのまま誘導路に進入。滑走路に向かってタキシング開始です。
(プッシュバック=ターミナルから誘導路へ、特殊車輌を使って飛行機を後退させる作業のこと。)
滑走路中腹で滑走路に進入。・・・する前に手前で停まって2本の飛行機の着陸を待って滑走路に進入。離陸体制に入って滑走路を
轟音とともに疾走して離陸していきます。
上昇をぐんぐん続けるYS11だけどジェット旅客機に比べると幾分か低い高度で飛行。まぁ、行き先が松山で海越えてすぐやからかな?
などと考えてるとベルトサインが消えて水平飛行へ。やっとカメラが使えます(笑)



左の写真はプロペラが止まって写ってますが、ちゃんとしっかりと高速で回転してますので誤解しないでください(^^;;)
大体、福岡県と大分県の県境あたりを飛行中に下の景色を撮ってみました。けっこう低い高度を飛んでるのが判るでしょうか?

水平飛行に入ってCAから「YS−11 搭乗証明書」を受け取ります。ちなみに希望者だけに配るらしいのですが殆どの人が受け取ってました。
(CA=キャビンアテンダント。要はスチュワーデスさんです。航空用語ではこっちがコレクトな言い方です。)
そしてこれが配られてる搭乗証明書です。


あと水平飛行に入っても時間が飛行時間が短いせいか搭乗の時に飴が配られたくらいで、飲み物のサービスは無かったです。
でも、こやつにテーブルもないのにドリンクサービスが出来るのかな?と思って肘掛を良く見ると針金を曲げて作った簡素なカップホルダーが(苦笑)
しかもスライドギミック付(^^;;)さすが40年前に作られた機体・・・。いろいろアナログジー満載だ(笑)これにはさすがに苦笑いだよ(^^;;)
でも前にTVでやってた YS-11製作ドキュメント番組とかを思い出しながら実際に乗ってみるとなかなかに感慨深いものがありますなぁ。

ちなみに機体名になってる「YS-11」とは、知ってる人も多いとは思いますけど、
開発に当たった「輸送機設計研究会」の輸送機の頭文字「Y」と設計の「S」に由来してて、
旅客機1番機エンジンの「1」、国産旅客機1番機である「1」をつなげて、「 Y S - 1 1 」という機種名として182機製造されたそうです。
でも実際には国産旅客飛行機はこの「YS-11」のみが製造されただけで唯一無二の存在になってしまった訳です。

ものの15分ほどですぐにベルトサインが点灯して松山空港への着陸開始です。
そして定刻14:15。松山空港に到着。快晴の中、YS-11での快適なフライトでした。



折り返しの福岡行きまでグランドタイムが35分しかないのでエプロンでの撮影もほどほどに、松山空港展望デッキへ急ぎます(笑)
エプロンで3分ほど撮影して、エプロンを移動して、到着通路を延々歩いて、預かり荷物受け取り場に辿り着くとすでに荷物が流れてるし(^^;;)
(グランドタイム=到着から次の出発までの停泊時間。この間に燃料補給、室内清掃、機体整備、乗客の乗降を行います。)
荷物を拾い上げて展望デッキに行くと、人も殆どおらずにがらーんとしてて逆に拍子抜け(^^;;)皆さ〜ん、あと2ヶ月しかないですよ〜(^^;;)
今は夏休みですよ〜(^^;;)ここか鹿児島空港くらいでないと撮影なんかできないよー(^^;;)だって家族連れしかいねぇんだもん(苦笑)
展望デッキ到着時に展望デッキでカメラ構えようとしてるの自分しかおらんかったし・・・。飛行機は人気ないんかと嘆きそうだったよ・・・。

とりあえず展望デッキで給油作業やらを眺める。ちなみに飛行機の後ろにいてホースが繋がってる白いトラック居てますけど、
あれは給油車輌ではありません。あれは繋げたホースから冷風を送ってる冷風供給車輌で、ようは機内エアコンの代わりをしてる車輌です。
給油車輌はその右の赤いヤツが給油用タンクローリーです。

しばらくすると福岡行きに乗り込む人々がエプロンを歩いてYSに乗り込んでいきます。
松山行きがそうだったようにYSの前で記念撮影する人々ばっかり。
展望デッキから良く見えます(笑)定時出発の為にほどほどにしときましょうね(^^;;)

離陸準備も整って滑走路に向けて、誘導路をタキシング開始です。
その小さな機体を使ってエプロンで直接転回。プッシュバック要りません(笑)
すると背後を滑走路に向かうボーイング767が通過。
こういう光景が見られるのもあと2ヶ月なんですなぁ。

離陸する姿まで見送ろうとそのままB767の後を追うYS-11を眺め、

「乗り収めも撮り収めも無事に終わったし、雨が降らなくてホンマに良かったなぁ。」

大空に飛んでいくYS11を見送り、展望デッキをあとにするのでした。
福岡空港着いた時は雨降ってきたり、鹿児島方面が大雨で使用機材の飛行機が来ないんでないかと色々と心配したけど
YS-11に乗ってる間は快晴な天気になってくれて最高の乗り収めになりました。

松山空港からはバスに乗り換えて、松山市内へ。実に8年振りの松山へやってきました(笑)
とりあえずこのページで画像が多くなってしまったんで旅行記・松山編は次のページに。「今日のデカルチャー」も次のページに書きます〜。


旅行記1日目(松山編)を見る。

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