第18話「〜モノレール大騒動〜」


今回はやたらと登場キャラ多いので回を分けて紹介します。今回は上級守護天使ズの紹介。

ツルのセツナ(おとぎストーリー 天使のしっぽ):守護天使のまとめ役として、そして運転指令責任者として駅に勤務。
>実はこの人こそ守護天使達の憧れの象徴であるメガミ様なのです。すごく柔軟な思考の持ち主で多少のわがままも
>聞き入れてくれる。まさに皆の憧れの心優しい女神様なのです。

ヘビのユキ(おとぎストーリー 天使のしっぽ):班の最年長として他の3人をまとめる しっかり者の4人姉妹のお姉さん。
>12人の守護天使の中では最年長。その大人びた風格のせいか年少守護天使から”お母さん”と呼ばれてたり・・・。
>でも最後にはメガミ様となって他の守護天使を影で見守る立場へと昇格。心強い存在です。

ウサギのミカ(おとぎストーリー 天使のしっぽ):この班のムードメーカー。やっぱここでもアユミちゃんとの衝突が絶えません。
>守護天使セクシー担当(そういう種別らしい)のミカ。わがままも自己中もなんのその。まさに自分中心の思考パターン。
>それでもやっぱお姉さんの立場からか頼りになる一面もよく見せますね。暴走ばっかしますけど(ぉぃ

金魚のラン(おとぎストーリー 天使のしっぽ):暇さえあれば駅をお掃除。とってもきれい好きの優しい女の子。
____________________事あるごとにケンカするアユミちゃんとミカちゃんの歯止め役。
>吾郎のもとへ真っ先に転生した守護天使の一人。いつも笑顔で優しい性格。でも自分の気持ちを素直に伝えられずに
>積極的なミカを見て、やきもち焼いたりするなどとっても女の子らしい一面も。


___
「ごきげんよう」

「ごきげんよう」

さわやかな朝の挨拶が、駅にこだまします。学校へと向かう乙女が今日も無垢な笑顔で改札口をくぐり抜けて行く。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、エスカレーターの右に立ち、ゆっくりホームに
上がっていくのがここでのたしなみ。駆け込み乗車をする はしたない生徒など存在するわけも無い。

この駅と女子大学を結ぶ6.5kmのカトリック女学園直通モノレール。これは乙女の鉄道。今日から運行開始です。

「ホームドア定点。停車よし! ドア開よし!」

電車とホームドアが一斉に開き、女学生達が一気に車輌へと流れ込んで行きます。

駅長「お疲れさま。開業初日で凄い賑わいだね。」

モノレールの運転台から顔を出すのはアユミちゃん。

アユミ「お疲れさまです。でも今までの運転本数の少なさに比べればさほど混んでませんわ。」

実は昔、「大学建設のため」と言うことで大学へ向かう資材搬入用の貨物線があり、大学完成後は生徒さんの通学用として
旅客運転してたのだけど単線で行き違いもできないしこれ以上の増発も難しいって理由で「思い切って根本的から作り直す」
ってことでこのモノレール建設に至った。というわけ。

ちなみにこのモノレールの特徴はカトリック系女学園通学をメイン輸送とされてるので、すべてが女性によって運行管理されてること。
運転士は4人一組で4チーム。1チームが一日中、モノレールの運転に当たります。運転司令も駅員もみんな女性。
要は運転をしないチームが駅員を務めてたり、その日は休日だったりして上手く循環するシステムなのです。

ちなみにチームごとにチーム名が何故かあって。

第1班「上級守護天使ズ」。アユミ、ユキ、ラン、ミカの4人。セツナさんは運転指令総責任者として勤務。
第2班「色彩り(しきいろどり)薔薇様団」。水野容子、佐藤聖、鳥居江利子、蟹名静の4人。この学園のOB達で編成。
第3班「エンジェル隊」。ミルフィーユ桜庭、烏丸ちとせ、ランファ、フォルテの4人。あとのヴァニラとミントは指令員で勤務。
第4班「チームplease」。宮藤深衣奈、小野寺樺恋、縁川小石、水澄楓の4人。森野苺と風見みずほは指令員で勤務。

今日は開業日なので運転は第1班。駅業務は午前は第4班、午後は第2班が担当。

由乃「あ、駅長さんとアユミさん。ごきげんよう。」

3つ編みの女の子が二人に挨拶する。

アユミ「ご、ごきげんよう。」

由乃「あ、ごめんなさい。廻りが”ごきげんよう”って言ってるもんでつい。」

まだまだ慣れないものですね。と、ばつの悪そうなアユミちゃん。
そうこうしてると本日駅業務担当4班。縁川小石ちゃんが寄ってきて。

小石「駅長さんっ。いつまでここに居るんですか?ここは男子禁制です。降りてってください!」

勢いに負けて駅長はすごすご退場・・・。そしてアユミちゃんの運転するモノレールは駅を滑り出していくのでした。
モノレールのホームから追い出された駅長は仕方ないので喫茶店へ足を向けます。

その子「ご苦労様。駅長。やっとモノレールも本格運転ですね。あそこなら女の子に囲まれてさぞかし幸せかも知れないですけど。」

いたずらっぽく言ってみる。

駅長「いや、様子を見に行った矢先に縁川さんに追い出されたよ・・・。」

ミカ「あらあら〜。えらい嫌われようね〜。駅長さんも〜。」

その子「でも男子禁制は酷いよね。終点はカレッジタウン計画の住宅地で通勤で使う人も居るってのに。」

ちょっと苦笑のその子ちゃん。

ミカ「あ〜!そろそろ乗務に行かなきゃ。遅れるとアユミがうるさいのよねぇ〜。じゃ、行って来ますっ。」

どたどたと慌しくホームに向かって階段を駆け上がっていくミカちゃんでした。
ホームに上がるとランの運転するモノレールが出発寸前。急いで後発の電車の準備。ラッシュ時は4人全員で運転するのです。

ラン「ミカさん。では先に行きますね。」

ミカ「うん。こっちは6分遅れで追い掛けるわ。ラン、いってらっしゃい。」

ラン「はい。では信号45。ドア良し。発車。」

すれちがう女学生がミカちゃんに、ごきげんよう。ごきげんよう、と挨拶します。でもアユミちゃんとは違って順応性の高いミカは
「はぁ〜い。ごきげんよう〜♪」とノリノリです。そしてミカも同じようにモノレールを操り、 ホームから滑り出していくのでした。

その日の夜。
乗務をしてないみんなでモノレールの完成と無事初日を乗り越えたことを祝してお祝いをしようと集まりました。

容子「あら?まだ来てないのは?」

その子「ミカちゃんとユキさん。それと江利子さんですね。」

アユミ「ミカちゃんとユキさんはもうすぐ私とランちゃんと交代です。なので皆さん先に始めてて下さいませ。」

まほろ「仕事は仕方ないですよね。公共交通機関は止めるわけにはいきませんから。」

楓子「なら。私、アユミちゃんに付いてって乗ってみようかな?」

アユミ「いいですよ。でも往復500円の運賃は払って下さいね。」

楓子「えぇ〜。さっき開業記念乗車券買ったからタダでいいでしょ〜。」

アユミ「だめです。ちゃんと運賃は頂きます。規則ですから。」

ぷぅっとふくれる楓子ちゃんとその前に立ち、人差し指を立てて ふふんっと笑みを浮かべるアユミちゃん。それを見かねて

ラン「では、それを使って乗ればいいじゃないですか?」

楓子「えぇ〜。じゃ、切り取らないでね。アユミちゃん。」

アユミ「はい。はい。戻ってきたら無効印を押します。」

そうこうしてるとユキさんが降りてきて、

ユキ「アユミさん。3番、異常ありません。では気をつけて。」

アユミ「はい。了解しましたわ。お疲れさま。ユキさん。」

いってきまーすっとアユミちゃんがホームへ駆け上がって行きます。その後ろに楓子ちゃんとランちゃんを連れて。

その子「・・・やっぱ皆揃ってってやるのは難しいねぇ〜。」

まほろ「そうですね。あ、なら、せっかくだし皆さんでモノレール1往復乗るってのはどうでしょう?」

駅長「それはいいけど、他のお客さんが居るから騒がないようにね?」

はいっと返事して席を立つ。そしてホームに上がり、

まほろ「あ、アユミちゃんたち小石ちゃんと話しててこっちに気付いてません。今のうちに。」

背を低くして4両目の最後方車輌に皆で乗り込む。

ラン「では、そろそろ出発ですね。私はここでミカさんを待って交代します。」

小石「私はいっしょに乗り込んで江利子さんを呼んできます。」

アユミ「えぇ。ではミカちゃんに下で皆が待ってるって伝えてくださいね。」

ラン「はい。では気をつけて〜。」

そして電車を見送ってランちゃんは空いた時間でホームの掃除を始めるのでした。
8分後。ミカちゃんの運転する電車が駅に到着。

ミカ「ホームドア定点よし。停車位置よし。ドア開よし。あ、ラーン。お待たせ〜。」

ラン「はい。お疲れさま。ミカさん。では交代しますね。」

ミカ「降車完了っと。ラン〜、開けていいわよ〜。」

乗車ホーム側のドアを開けて、二人で車内を見渡しながら先頭車両へ。

ラン「あ、ミカさん。前にも伝えたとおり、もうみなさん下で待ってますよ。」

ミカ「うん。でもランを見送ってから行くわ。だって私たちは同じ運命の仲間でしょ?」

ラン「・・・ミカさん・・・。えぇ、そうですね。運転士になるときにアユミさんが言ってましたね。
__”電車のハンドルを握るって事は人の命を預かり、それを守る事。ご主人様をこの身に変えて守るのと同じ”って。」

ミカ「私、最初は電車の運転なんてイヤだったけど、それを聞いて考え直したのよ。」

ラン「ミカさん・・。あ、そろそろ出発時間です。」

ミカ「いいよ。ラン。乗車完了。」

ラン「ドアよし。信号45。定刻出発。ではいってきます。」

ミカ「気をつけてね。後行よし。尾灯よし。じゃぁ、下へ降りてごっちそう。ごっちそうっと♪」

ちょうどその頃。

アユミ「なんでみんなこれに乗ってるんですか〜っ!!」

折り返しのために反対側の車輌にやってきたらみんながゾロゾロいたので一喝。

駅長「い、いや、どうせならみんな揃ってたほうがって・・・。」

アユミ「まったく・・・。その子ちゃんまで喫茶店を空けてくるなんて。」

その子「えへへ・・・。ごめんね。アユミちゃん。」

少し呆れ顔のアユミちゃんに申し訳なさそうに照れ笑いをする その子ちゃん。

アユミ「でも、小石ちゃんもここに居るって事は・・・。あ〜〜〜っ!!!!」

皆「ミカちゃん一人だ!!」

慌てて戻ろうとするが勝手に駅を通過するわけには行かないので定刻通りに駅に到着して急いで喫茶店へ走る。
そしたら部屋の片隅でうずくまりメソメソ泣いてたミカちゃんを無事に保護し、みなで謝ってまた続きを始めたのでした。

ウサギのミカ。アユミちゃんと同じく守護天使で前世の影響か孤独がイチバン苦手だったようです。ちゃんちゃん。


戻る