第16話「〜妖精さん来たる!?〜」

登場キャラ紹介:(各話ごとに新しく登場するキャラを追加していきます。)

くるる&ちりり(瓶詰妖精):ひょんなコトから美帆ちゃんのトコに居候することになってしまった妖精の2人。
____________ちなみにこの妖精2人は誰にでも見えるようなのです。はてさて・・・。
>くるる、さらら、ちりり、ほろろの4人の妖精が「人間界のお勉強」として様々なことに目標を立てて挑戦します。
>でも4人で頑張っても失敗したり勘違いの連続でそれでもめげずにいつも健気に頑張ってます。
>せんせいさんの役に立てるその日まで(笑)(ちゅうても殆どがせんせいさんの世話になりっぱなしですけど・・・)



美帆「・・・なるほどぉ。・・・守護天使は完璧でないといけないとそう思うんですねぇ。」

珍しくアユミちゃんが美帆ちゃんに相談を持ち掛けます。

アユミ「・・・はい。・・・なんかこういうコトってその子さんとかに話しづらくて・・・。」

美帆「・・・一緒ですね。」

アユミ「・・・えっ?」

その一言にきょとんとする。アユミちゃん。

美帆「そういう、前向きなトコ・・・。楓子ちゃんにそっくりです。」

紅茶の入ったカップを持ちながら美帆ちゃんが話を続けます。

美帆「いいですよ。明日、いい娘達を連れてきます。きっと良き理解相手になってくれますよ。
___あ、もうこんな時間。それではそろそろ私は帰りますね。ではまた。さようならアユミさん。」

アユミ「えぇ、美帆ちゃん。さようなら。」

いつものようににこにこしながら手を振って帰っていきます。

美帆「・・・ふふふ。アユミさんもなんだかんだ言ってみんなと同じコトを感じてるんですね。素敵なコトですよねこれって。」

遠ざかる駅を見ながらそうつぶやきます。

・・・・・
・・・・・

美帆「・・・ただいま〜。」

真帆「おっそーいっ。どこで道草してたの?」

くるる「そうだよぉ。もうおなかペコペコだよぉ。」

ちりり「みんなで食べないと美味しくありませんし・・・。」

真帆ちゃんの肩に乗っかってる10cmくらいのふたつの物体。そうです。この2人は今、この家に居候している妖精なのです。

美帆「すみません。少しアユミさんの話を聞いてたもので・・・。」

真帆「・・・ふーん。ま、早く着替えて来てね。ゴハン冷めちゃうよ。」

美帆「はい。すぐに着替えますね。」

くるる「わーい、くるるも手伝うー。」

ちりり「私もお供しますー。」

3人で賑やかに部屋に入っていきます。
ちなみにこの妖精に出会ったいきさつは七夕の日に4つの小瓶を買って短冊に「妖精さんに逢えますように」と書いたら
次の日に青い小瓶と黄色い小瓶の中に くるると ちりりが入ってたという話だとか。
ちなみにこの2人が現世にやってきた理由は「人間界のお勉強」だということ。そして妖精に逢えた事を喜ぶ美帆ちゃんに
くっついて「人間になる」ために頑張ってるらしいのです。

4人で晩ゴハンを食べながら美帆ちゃんが、

美帆「あ、そうだ。くるるちゃん、ちりりちゃん。明日、駅まで行ってみませんか?」

くるる&ちりり「ふえぇ?」

美帆ちゃんの突然の言葉に顔を見合わせ、おおきくうんと頷き、それを見て美帆ちゃんも微笑みます。
・・・かたわらでは真帆ちゃんが黙々とその光景を「・・・また始まった・・・。」みたいな顔で見てますが。

くるる「ねぇ、ちりりん。・・・ところで駅ってなにかな?」

ちりり「えっと・・・駅ってのは・・・電車って言う乗り物に乗ったりするところらしいですよ。」

くるる「ふーん。・・・って電車ってなんだろ?」

ちりり「さぁ。見たことないですから。・・・あ、明日になれば見れますよ。くるるちゃん。」

くるる「そっか。じゃ早く寝ないと。」

辞書の上で2人の妖精がイロイロ調べ物。それをずっと微笑みながら眺めてる美帆ちゃん。


次の日。
駅に美帆ちゃんと妖精2人がやってきます。

くるる「うわー。あそこが駅っていうトコなんだね。美帆さん。」

美帆「えぇ、でもちょっとじっとしててくださいね。あ、こんにちわ。アユミさん。」

駅の前を掃除するアユミちゃんに声を掛ける。

アユミ「あ、美帆ちゃん、こんにちわ。」

昨日の不安げだった表情とは打って変わって今日は元気そのものです。
ふと、昨日のことを思い出しキョロキョロと廻見渡します。

アユミ「あら?今日は誰かをお連れして頂けるんでなかったでしたか?」

美帆「・・はい。ちゃんと連れてきてますよ。」

いつものように にこにこ話す。でもアユミちゃんには終始「?」が付いてました。場所を変えて駅長室へ。
すると美帆ちゃんが

美帆「さ。出てらっしゃい。2人とも。」

そういうと2人の妖精が勢いよくテーブルに飛び出してきます。
ちなみにもうこういう状況でもこの駅の人は誰も驚いたりしません。

アユミ「まぁ、可愛らしい。このお2人は誰なんです?」

くるる「くるるだよー。」

ちりり「ちりりです。今、人間になるためのお勉強をするためにこっちの世界にやってきている妖精って呼ばれてる人らしいです。」

ぺこっと挨拶をする。
ちなみに自分らを”妖精って呼ばれてる人”っと呼んでるのは”妖精”って言葉を美帆ちゃんから聞いたからである。

アユミ「始めまして。守護天使のカメのアユミです。宜しくね。くるるちゃん、ちりりちゃん。」

その自己紹介に妖精2人が顔を見合わせて、

くるる「しゅごてんし?」

ちりり「う〜ん・・・。私達とは違うのかなぁ?」

「しゅごてんし」という初めて聞く言葉に考えこむ。その光景に少し苦笑のアユミちゃん。

美帆「・・では私はちょっと席を外しますね。すぐに戻ります。」

部屋を出て行く美帆ちゃん。部屋に残ったのは守護天使1人と妖精2人。
なぜかアユミちゃんをじーっと見あげる2人。・・・しばらく時間が過ぎてアユミちゃんが口を開きました。

アユミ「・・・なんでこの世界にやってきたんですか?」

くるる「人間の女の子になるためだよ〜。」

ちりり「私達は人間になるのが夢でいつも人間界のことをお勉強しているんですよ。
____それでいつも美帆さんに手伝ってもらったりして教わってるんです。」

くるる「・・でもいっつも失敗ばっかりだけどね〜。てへへへ〜。
____でもいつの日か人間になってもっともっと色んなことを知りたいなって。」

ちりり「そして、いつも私達をお世話してくれた美帆さんに少しでも恩返しできたらってのが私達の望みです。
____でもなかなか上手くいかなくて、くるるちゃんが言うように失敗続きなんですけどね。」

少し苦笑のちりりちゃん。でもそれを聞いたアユミちゃんも

アユミ「大丈夫ですよ。あなたたちの頑張った姿を見ている美帆ちゃんならどんな失敗もきっと怒ったりもしませんし・・・。・・・はっ!。」

美帆「・・・やっと気付いたみたいですね。アユミちゃん。」

アユミ「・・・美帆ちゃん・・・。」

部屋に戻ってきた美帆ちゃん。

美帆「アユミちゃん。守護天使だからって失敗しちゃダメってことないんですよ?だからそんな肩を張らないで。ね?」

その子「それに・・・そういうキモチってすっごく人間らしいと思うよ?」

アユミ「・・・その子さん。」

その子「それに私はアユミちゃんを守護天使じゃなくて1人の女の子って見てるから。そんなに考えないで。ね?」

みんなからこう言われても人一倍責任感の強いアユミちゃんはまだその言葉を聞き入れることが出来ず、

アユミ「・・ありがとうございます。・・でもお役に立つのが私の役目ですから・・・。」

その言葉のあと沈黙が流れ、しばらくしたら、

アユミ「・・・私って幸せ者ですね。こんなに心配してくれる人が居て・・・。」

すっと立ち上がって、

アユミ「判りました。もう失敗しても落ち込んだりせずに前向きに進んでみますっ。」

その子「・・・アユミちゃん。」

・・とその言葉を言い切るかどうかのところで駅長室のドアが開いて楓子ちゃんが入ってきます。

楓子「アユミちゃんっ。みてみてっ。このランチョンマット。可愛いでしょ?今度からアユミちゃんの分のお弁当も
___作ってくるから。そうすれば今度からああいうコトはなくなるでしょ?」

カメの甲羅柄のマットを見せながら、

楓子「これからは毎日アユミちゃんと駅長さんのお弁当を持ってくるね。」

アユミ「・・・はいっ。お願いしますね。楓子ちゃん。」

2人で前のことはもう忘れて話に華を咲かせます・・・が間髪入れず、

その子「楓子ちゃんっ。駅長に毎日お弁当は要りません。」

楓子「いいもん。きっと私のほうが美味しいって言ってくれるから。ね?アユミちゃん?」

その子「な、なんですってぇ〜!?」

まほろ「只今、帰りました〜。あらあら?いつも賑やかですねここは。」

楓子「あ、まほろさん。おかえりなさーい。」

その子「あ、おかえりなさい。まほろさん、。ねぇ聞いてよぉ〜。」

まほろ「またですか?はいはい。ではあちらでお聞きしますね。」

いつもの明るい笑い声が駅長室に響きます。今日も平和に過ぎていくのでした。まる。


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