第12話「〜聖夜の夜〜」

登場キャラ紹介:(各話ごとに新しく登場するキャラを追加していきます。)

九品仏大志(こみっくパーティー):説明省略(こら
くほんぶつ たいし______>同じく省略(こらこら



その子「・・はぁ・・。・・・駅長のばかっ・・・。」

喫茶店の準備をしながら溜め息混じりにつぶやく その子ちゃん。今日は12/23。
明日はみんなでクリスマスパーティーの日です。なんで溜め息なんてついてるんでしょう?

いっぽう、改札口に立ってる駅長も。

駅長「はぁ・・・。明日は結局みんなでパーティーになっちゃったか。」

こちらもちょっと溜め息まじりです。でもすぐに別のことを思いついたのか、

駅長「そだ。だったらこうしてしまおうかな?よし。」

すぐさま近くで掃除してた まほろさんを呼びつけ、なにやら耳打ちです。

まほろ「・・・へぇ〜。そうだったのですか。判りました。ではそのように可憐さんたちにもお伝えしますね。」

駅長「うん。よろしく。くれぐれも気をつけてね。」

まほろ「了解です。」

・・・・・・
・・・・・・

12/24。今日は待ちに待ったみんなでクリスマス・パーティーの日。
しかし。そんなパーティーが行われようと駅はちゃんと始発電車から最終電車まできちんと営業します。

咲耶「可憐ちゃ〜ん。こっちの飾り付け手伝ってくれる?」

可憐「は〜い。・・・あ、咲耶ちゃん。これをそこに飾ったらどうかな??」

美帆「真帆ちゃん。これはそっちのほうがいいのではないですか?」

真帆「なに言ってるのっ。姉さん。こっちのほうがいいわよ。」

美帆「それだと けろちゃん置けなくなっちゃいますよ。」

真帆「置かなくっていいわよっ。そんなもん。」

美帆「そんな、真帆ちゃん ひどいですよぉ。」

楓子「あ、あのぉ〜。白雪さん?そんな二人で同じ顔してケンカしなくてもぉ・・・・。」

苦笑いを浮かべながらなだめる楓子ちゃん。そんなこんなでみんなで喫茶店の飾り付けです。
奥のほうでも料理の支度中です。そんなトコから顔を出す娘が一人。

白雪「なんか姫のことを呼びましたの?佐倉さん?」

楓子「えっ!?・・・あ、し、白雪ちゃんのことじゃないよ。・・・ご、ごめんね。」

一瞬、ドキっと振り返り、両手をぶんぶん振る。

四葉「ん〜。なんか一文字違いで大違いデスねぇ。」

難しい顔して何に対してなのか何故か一人で納得してる様子。

楓子「・・・(とくに違うって訳じゃないと思うよ・・・。四葉ちゃん)・・・。」

今日は苦笑いの多い日のようです。

白雪&すばる「みなさ〜ん、ケーキが出来上がりましたですの〜☆」

白雪「すばるさんと一緒に作ったから意外と早く焼きあがったんですの。」

奥から出来上がった特大ケーキを持って二人が出てきました。

すばる「ぱぎゅぅ〜。でもでも白雪ちゃんが殆どやってくれてたですのよ〜。」

白雪「そんな、すばるさんもいい腕してますの☆」

雛子「わぁ〜い。ケーキだ。ケーキ。」

亞里亞「・・・けぇ〜きぃ〜。・・・美味しそう・・・。」

まほろ「だめですよ。今日の夜のパーティーまでお預けですよ。お二人とも。」

亞里亜「・・・くすん・・・。まほろさん・・・・じいやみたい・・・。」

まほろ「・・・ιι・・・。」

亞里亜ちゃんはメイド服を着てる人はみんなじいやさんに見えるようです。
そんなこんなで準備も終わって、夜になりました。パーティーの始まりです。

四葉「れでぃーす あんど じぇんとるまん なのデス。今から年忘れクリスマスパーティーを始めたいと思いマース。

___でもぉ、じぇんとるまんは駅長の兄チャマしか居ないしまだお仕事中なのでみんな れでぃーすなのデース。
___それでは、みんなで かんぱーいっ なのデース。」

可憐「・・・よ、四葉ちゃん・・・。なんかめちゃくちゃだよ・・・。」

すばる「・・・正しい日本語が必要ですの・・・。」

咲耶「・・・すばるちゃんもあまり変わんないかも・・・。」

その子「・・・と、とにかく音頭も終わったことだし、早くケーキを切っちゃいましょう。まほろさ〜ん、お願いね。」

待ってましたのごとく。まほろさんがスタンばる。

まほろ「はい。その子さん。では行きますっ。はっ!」

手に包丁を持ち、軽やかに宙に舞う まほろさん。おぉっとみんなの歓声が響くなか、
すぱすぱっとケーキを斬っていきます。

楓子「さて、ケーキも切れたことだし、改めて乾杯しよ。それじゃ、メリー クリスマース。」

一同「メリークリスマ〜ス。」

喫茶店に響く笑い声。でもまだ駅長は仕事中なので外からこの様子を見届けています。

すばる「いっちばん。御影すばるっ。行きますですの〜。」

ぱぎゅぅ〜、ぱぎゅぅ〜、とカラオケ大会まで始まり、パーティーは大いに盛り上がっているようです。
一方の駅長は書類整理で大忙し。・・・・どうやらパーティーには混ざれそうになさそうですね。

・・・・・・
・・・・・・

時計はすでに23時半を指しています。もうクリスマスも終わりです。

その子「・・・さて、もうじき24日も終わっちゃうからそろそろお開きにしましょっか。」

この企画でである咲耶ちゃんに促す。

咲耶「うん。そうですね。は〜い、みんな〜。そろそろ片付けでも始めましょう〜。」

・・・・・・

まほろ「あ、そだ。その子さんっ!このクリスマスケーキ。駅長さんにお渡ししてませんよ。」

片付け中のまほろさんがとっさに言う。

その子「あ、タイヘン〜っ。・・・なら私が持っていくね。ありがと まほろさん。」

まほろ「いえいえ〜。お気になさらずに〜。」

走ってく その子ちゃんを手を振って見送ります。ここで残ってるみんなにウィンクして合図をします。
他のみんなも待ってましたのごとく まほろさんに応えます。

・・・・・・

駅長室にその子ちゃんが到着。そっとドアを開けて中に入ります。

その子「え〜き〜ちょ〜お〜。」

駅長「あ、その子ちゃん。パーティーのほうはもう終わったの?」

その子「はい。みんなで片付けをしてるんです。あ、駅長にケーキ持ってきたんですよ。」

持ってきたケーキを差し出す。

駅長「うん。わざわざありがと。後で頂くとするよ。」

その子「だめです。クリスマスケーキはクリスマス中に食べないと。ですから今食べてくださいっ。」

駅長「ははは・・・。その子ちゃんにはかなわないや。」

その子「むっ。駅長、それって誉め言葉ですか?ちっとも嬉しくないんですけど。」

むくれ顔で応える その子ちゃん。
しばらくして駅に最終電車がやってきます。これをホームにでて二人で見送ることに。

車掌「お疲れ様です〜。」

駅長「はい。お疲れ様。じゃぁ最終、出発しようか。」

その子「出発信号、点灯よしっ。乗降よしっ。ホーム確認よしっ。最終、発車。」

その子ちゃんが合図灯を振り上げ、 最終電車のドアが閉まっていきます。

駅長「その子ちゃん、一日お疲れ様。それと・・・・お誕生日おめでとう。」

その子「え・・?誕生日・・覚えててくれたんですか?」

突然のことに言葉を詰まらせるその子ちゃん。

駅長「うん。日付が変わったら最初にそういってあげようと思ってね。」

その子「・・・うん。とっても嬉しいです。駅長、ありがとうございます。」

遠巻きから見ている人影が一人。まほろさんです。

まほろ「あ、こっち来ましたよ。みなさん。準備はよろしいですね?」

楓子「うん。バッチリだよ。まほろさん。」

駅長「さ、喫茶店に戻ろうか。その子ちゃん。」

その子「うん。」

二人で喫茶店に戻っていくと、

一同「その子さん、お誕生日おめでとう〜☆

部屋に入るなりいきなりのクラッカーと歓声でお出迎え。
さっきまでクリスマスパーティーをしてた全員がその子ちゃんの誕生日をお祝いしようと待っててくれてたのです。
その姿に感動し、

その子「みんな、ありがとう。わざわざ私のために待っててくれて・・・とっても嬉しい・・・。」

大志「・・・こんな私のためにお祝いまでしてくれて。・・・実は我輩も今日。12/25が誕生日だったのだぁっ。」

突然の大志の登場。さすがに皆の動きが止まる。

大志「・・・ん?その子嬢。もうコメントはおしまいか?」

一瞬、重たい沈黙が流れ、次の瞬間。

駅長+女性群「あんたなんか呼んでなーいっっ!!

全員にぶっ飛ばされ、天高く吹っ飛んでいく大志。そして何事も無かったのように。

その子「みんな、ありがとっ。
____みんなにお祝いして貰えてとっても嬉しいよ。けど今日は遅いからお祝いは明日になってからね?」

美帆「その子さん。明日ではもう誕生日が終わってしまいますよ。また夕方にみなさんで集まるのはどうでしょう。」

楓子「ならまた夕方にね。その子さん。」

その子「うん。みんな待ってるね。」


・・・・こうしてクリスマスとその子ちゃんの誕生日会は無事に終わっていったのでした。
・・・・・ただ一人の犠牲者を除けば。(ちゃんちゃん)


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