木曽観測所には1978年から約10年間に渡り毎月1週間ほど詰めてました。宿泊日数で言うと今の自宅と実家に次いで3番目に多かった場所でしょう。
訪問した当初は珍しくて色々と写真を撮りましたが最後の方はあまりありません。しかし初期の頃の方が自動化が進んでおらず面白い写真が沢山あります。内容について忘れてしまわないうちに備忘録を兼ねてメモを付記しつつ公開することにしました。ここに列挙する写真は1979年初旬のものです。
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木曽観測所の主望遠鏡である105cmシュミット望遠鏡です。間違いなくNikon製では最大の望遠レンズです。
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下側です。150cmの反射鏡が入っています。反射鏡だけではコマ収差と非点収差が出ますが先端に特殊なレンズを配置することで広視野で良好な結像を得ることができます。
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架台は赤道儀です。何本かある副望遠鏡は撮影時のガイドで用います。
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撮影では36cm角の乾板を用いてました(現在はもちろんCCDです)。
焦点面が球面なので左側にある乾板ホルダーに乾板を装填して、ぐりぐりっと圧着して乾板を球面状に曲げます。
ガラスを曲げて割れないかと心配ですが割れたことは一度もありませんでした。
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特定の波長で撮影するためには特殊な乾板を使用した上でフィルターを使用します。
フィルターも36cm角。これも乾板ホルダーに装着したと思いますが記憶が定かではありません。
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乾板を装填したホルダー(金属製で重い)はこの代車に乗せて上にリフトし望遠鏡内に装填します。
結構な筋トレになります。
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上の方で出っ張っていて扉が見えるところが乾板ホルダーを装填するところです。
装填後に電動で鏡筒の中央に入って行きます。
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撮影中はこの観測台に乗って小望遠鏡を覗きながら手動ガイドします(星が十字を外れないように微動モーターを操作)。
時間は30分〜2時間。真冬はドーム内がマイナス10度になるので南極越冬隊と同じ防寒着を着てました。
退屈しないように音楽を聴いてましたが、ここに見えるラジカセで聞いていたのかな?(岡山ではドーム内にスピーカーが設置されてましたね)。当時は松田聖子を良く聞いてました。
その後、私が通っている間にオートガイド装置が導入され手動ガイドからは解放されました。
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Wedge焼き込み装置です。Wedgeは輝度校正用に乾板の四隅に照度のわかった光を照射し段階上のパターンを焼き込むものです。これにより後で乾板の濃度を計測したときに濃度を輝度に変換することができます。
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Wedge画像。印画紙に焼いた状態では明るい部分が真っ白になっているが、乾板上では階調を定量的に測定できます。
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乾板を保存する冷凍庫。乾板によっては冷凍保存してました。増感処理を施した後の保存だったかも知れません(記憶が曖昧^^)。
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これは確か乾板をベーキングする装置だったと思います(これまた記憶が曖昧)。乾板を一定時間高温状態に保つと感度が上がる場合があります。この他に硝酸銀溶液に浸しておくといった増感方法もあったと思います(この場合は綺麗に乾かす必要あり)。
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乾板の現像装置です。ホルダーに装着した乾板を順番に、現像、すすぎ、定着、水洗いの槽に浸けます。現像ムラが出ないよう窒素ガスの泡を出してました。真っ暗闇でコンプレッサーのけたたまし音が鳴るのは恐怖でした。
現像についても後に自動的に順番に移動する装置が導入されました。
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これは現像用のホルダーと、これに乾板を滑らせて挿入する装置だったと思います。
すべて真っ暗闇での作業です。
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正面にあるのは乾板の水洗用の水槽だと思います。左側は良くわかりません。暗室では乾板の密着焼きの印画紙の現像も行っていたので、その一部かも知れません。
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望遠鏡の制御コンピューター。ミニコンでプログラムの入力は紙テープです。
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制御室や観測台で望遠鏡の状態をモニターで確認しますが、何とこの電光板をテレビカメラで撮影して表示してました。今では考えられないが、パソコンが普及していない当時としては画期的だったのでしょうね。
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宿泊施設です。ツィンルームを1人で使ってました。岡山の観測所よりも充実してました。
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