読書感想文の書き方
(05/07/25〜05/07/29)
 


夏休みの宿題でもっともやっかいだと思われるのが読書感想文ではないでしょうか。
わたしは子どもの頃,感想文ではなくあらすじを書いては,
親に「それは感想文じゃない!」と言われていました。
でも,子どもの頃はその違いがよくわからなかったのです。

このページには,読書感想文の書きやすい本や書くテクニックについて,
掲示板に書き込まれたご意見をまとめてあります。
参考になれば,幸いです。

投稿者:あずさ 投稿日:2005/07/25(Mon)

さて私ですが、この4月にまさかの1年目異動と初の児童サービス担当となりまして、
夏休みをむかえることになりました。
こどもたちが普段よりも活発に、目的の本を探してます(年配の職員さん曰く、
最近の小学生は宿題へのとっかかりが早くて、8月末に泣きそうになりながら
図書館に来る子は少ないとか・・・)

それで最近耳にするのが(実際に聞かれたりもするのですが)「読書感想文の書きやすい(書ける)本」。
読書感想文がキライな宿題の筆頭だった私としては「そんなのこちらが聞きたい」ところ
なのですが、まさかそう答えるわけにもいかず。
一応何を読んだって書けるとは思うのですが、原稿用紙5枚とかだと、
やっぱり多少は考えて選ばないと難しいと思うんですよね・・・。
ROYさんはじめ皆様の考えなど、聞かせていただけたらなぁと思います。


投稿者:ROY 投稿日:2005/07/26(Tue)

あずささん,児童サービス担当となられたのですね。
子どもたちがいろいろな本を読んでくれるといいですね。

さて,「読書感想文の書きやすい本」ですが…。
最近は「読書感想文の書き方」という本がけっこう出版されているようです。
中身を読んだことはないので,どのようなことが書かれているのかはわかりませんが,参考にはなるかもしれませんね。
「どんな本でも書ける」というのは確かにそうなのですが,原稿用紙5枚分も書くとなると,そうは言えなくなります。

では,どんな本がよいのか?
「書きやすい本」というのは,テーマがはっきりとしているものだと思います。
本の主題がはっきりしていれば,それを意識しながら書けばよいので,書きやすくなります。
課題図書は意外と書きにくい場合があります。あれは,当たりはずれがあるのです。
だいぶ前に高校生の課題図書として長野まゆみ『野ばら』が指定されましたが,わたしにはあの作品で感想文は書けません。
読んでいるときから非常に抽象的な表現が多く,「何だか不思議な話だったなあ」で終わってしまいました。

物語よりも,説明文の方が書きやすい場合もあります。
湊秋作『森のスケーター ヤマネ』は以前課題図書となった本で,現在はその話を簡単にまとめたものが教科書に掲載されています。
ヤマネという生き物について自分の思うことを書かせたらけっこうできましたよ。
ただ,気をつけないと本の内容を丸写ししてしまいますが…。

わたしが書きやすかったのは,戦争を扱っている作品でした。
いぬいとみこ『木かげの家の小人たち』赤木由子『二つの国の物語』は小学校の高学年で書きました。
灰谷健次郎の作品も書きやすいですよ。『太陽の子』は中学生で書きました。
灰谷作品は『兎の眼』もよく書かれています。
横山充男の作品もテーマがはっきりとし,生き生きとした子どもの姿が描かれているので書きやすいですね。
テーマ,メッセージ色が強いということならば,村山早紀の作品もよいと思います。
シリーズになっているものが多いのですが,1冊ずつでも十分感想は書けると思います。

今人気のファンタジー物は意外と難しい。
虚構の中にこそ真実があるとわたしは思っているのですが,
子どもたちがそこまで読み込んで感想を書けるかというと…
厳しいですね。
ファンタジー世界を楽しむだけで終わってしまうことが多いようです。
たぶん,『デルトラクエスト』や『ハリー・ポッター』では,よほど力のある子しか感想は書けないと思います。

あと書きやすいものとして,伝記があります。
ただし,その人物に共感できる部分がないと,「すごいなあ,えらいなあ。そういう人になりたいなあ。」で終わります(笑)。

なんだかまとまりがなくてすみません。


投稿者:鞠香 投稿日:2005/07/26(Tue)

私だったらどうかなぁと考えてみましたところ、ちょっと違った視点で書かれた戦争物『はなはなみんみ物語』(わたりむつこ)なんて、
書きやすいかなぁと思いました。
ただ子供の読書具合をまったく知りませんので、どこまで読み込んでどんな風に感じるのかといわれたら、私には全然わかりません^^;
いいお話でした。

今人気のファンタジー、「ハリポタ」はまだしも、「デルトラ」なんかではとってもじゃないけど書けませんね。たしかに。
昔の、理想像に近づくため努力する成長物語であるためのファンタジーなら書けます……でしょうか。
『銀のほのおの国』(神沢利子)とか、『水の伝説』などの神様三部作(たつみや章)は、いかがでしょうか。
それはもうテーマのわかりやすいお話です。
村山早紀さんも、メッセージの強い人ですよね。柏葉葉子さんも伝えたいものをしっかり持ってらっしゃいますよ。

素人が興味で口をはさんでしまいましたが、どんなもんだろう〜。
ファンタジー読みなので、幅が狭い私ですけど。
あ、低学年の課題図書『ないた』(中川ひろたか)は、じかに心に響く本だと思いました。


投稿者:めいしゅう 投稿日:2005/07/27(Wed)

私も義務教育中は読書感想文は大の苦手だったのですが、
中学生の時に「幼い天使」というとてつもないアンハッピーエンドの物語の主人公にあてた手紙、という形で感想文を書いた所、
けっこう良い評価を頂いて驚いた経験があります。
手紙形式、というのはある意味邪道かとは思いますが(笑)、書きやすいのは確かですね…。

でも、アンハッピーエンドの物語を読んで、「どうやったらハッピーエンドになるか?」を考えるとか、書きやすいかもしれません。
あと、ROYさんの仰るとおり、テーマがはっきりしている本。
最近見つけた本では、「ヒットラーのむすめ」。難しいテーマなので小学校高学年以上対象かもしれませんが。
絵本だと、やはり戦争もので「ローズ・ブランチュ」、有名どころでは「クレリア えだのうえでおきたできごと」とか…。

ただ「面白かった」じゃ感想文は書けないので、ファンタジーは難しいのでしょうね。
とはいえ、良く聞く感想文のテクニックで、「おもしろかった」という言葉を使わずに、
なぜその本がおもしろかったかを読んだことのない人にわかるように説明する、というものもありますが(笑)。
あと、とっても好きで他の人にも読んでほしい本があるなら、その本のどこがどう面白いのかを、
その本を読んだことはないけど「面白くない」と思っている人に説明するつもりで書いてみる、とか…。

以上、私が図書館で働いていた時に繰り出していた小手先対処でした(爆)。
当時は「まずは児童書を読まなくては」と思っていましたが、でもやっぱり、「読書感想文の書き方」というものも読んでみて、
プロの意見も参考にすべきだったかしら…と、今になって後悔する所もあります。あずささんも頑張ってください!


投稿者:し〜ちゃんママ 投稿日:2005/07/27(Wed)

仕事で「子供の読書活動推進計画」なるものの策定を任され、昨日はそれの検討会議でした。
言いだしっぺの教育長不在の会議・・・一人で答弁しなくてはならず(課長と館長は当てにならず)結構きつかったです(^_^;)

読書感想文・・・7月に入ってから毎週末は私の勤務先もこのレファレンスが多いです。
特に低学年児のお母様方から多いのが「どんな本が書きやすいか」という質問が「課題図書はありますか?」よりも多いです。
子供が一緒に来ている場合は子供にいろいろ質問しながら本を一緒に選ぶのですが、おうちの方のほうが熱が入ってしまいますね(^_^;)
具体的にタイトルは挙げませんが、自分の生活や考え方など「自分」と行動などが比較できるような作品がやはり書きやすいと思います。
ファンタジーでもYA世代ならば心理面や行動が比較できるものは書きやすいと思いますよ。
例えばファンタジーなら『カクテル』(以前課題図書になりましたが)や『メメントモーリ』などのような作品。
感想を述べるのが苦手な子はドキュメンタリー物が比較的書きやすいようです。
ちなみに我が家の4年生は3年ぶりに読書感想文を書く気になり、選んだ本が『さいごの恐竜ティラン』でした。
(1年の時に泣きながら書かせたので、それ以降は本人の意思を尊重して書いてなかったのです)
私が何冊か借りてきた中で自分で選んだのですが、あまり本を読まない息子が何度も読み直しています。


投稿者:あずさ 投稿日:2005/07/29(Fri)

こられなかった数日の間にこんなに・・・。
みなさま、たくさんのご意見ありがとうございます。

>ROYさん
「読書感想文の書き方」の本は私の職場にもあったのでのぞいてみたのですが、
「読書感想文の苦手な人には本の嫌いな人が多いようです」という最初のほうの文で
信用できなくなりました(泣)。いやまぁ、子どもに本を好きになって感想文を
積極的に書いてほしいとなるとそうなるのかもしれませんが・・・。
学校の先生からの、なるほど納得な意見はとても参考になります。今度聞かれた時の
参考にします。

>鞠香さん
はじめまして〜。
そうですね、最近の本よりは少し前のもののほうが書きやすいかも・・・という
気はします。
『ないた』はよい絵本でしたね。(一応さらっと目を通した)低学年向け課題図書の中では1番よかったとおもいます。

>めいしゅうさん
はじめまして〜。
『ヒットラーのむすめ』は信頼できるいろいろなところでとりあげられていましたし、
私も興味をもって1ヶ月くらい前に読んでいい!と思いました。聞かれたその子
(小学校5年生の女の子でした)にも勧めてあげればよかった・・・と
後で思いましたが・・・実際聞かれるとパニックになってしまう、まだまだ
修行が足りません・・・。

>し〜ちゃんママさん
はじめまして〜。
し〜ちゃんママさんも司書なのですね。計画の策定ですか・・・大変ですね。
私の勤める自治体でも計画にからんでいろいろとあるのですが、「一体誰のための
何の計画なのだ」と愚痴りたくなるような側面もなきにしもあらず・・・。
私の勤務先では課題図書にこだわる利用者は少ないのですが、同期の努める
別の館では、課題図書しかうけつけない、という人(保護者)も
多いようで、それもなんだかなぁ、と思っています。

>石姫さん
初めて読んだ本じゃなきゃいけない、ってことはないと思いますけど、
でもそんなに好きな本なら、それで感想文を書くというのはとても
正しいことなんじゃないかなぁと思います。課題図書じゃなきゃ!というのよりも。
それにしても最近の子はほんとにとりかかりが早いですね・・・。私は
終了間際まで残して(というより残って)ました・・・。

みなさんのいろいろな意見、ほんとに参考になりました。ありがとうございます。


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