ジェームズ・アール・ジョーンズ演ずるコクモ。

(映画「エクソシスト2」(1977)より )

冒頭に1作目のあらすじがナレーションではいる103分バージョンしか観たことがなかったのですが、
(日本公開がそういう編集だったんですかね)DVDでようやく本来の?118分版を観れました。

リーガンの中に善なる力「良いイナゴ」を見出すラモント神父と、
リーガンの中の「悪」の羽に触れてしまったらしいシャロン、
そして「悪霊」などは存在しないと思っているタスキン博士。
3人がそれぞれ導かれるようにジョージ・タウンの例の家に集まるという、
この映画の終盤部分の編集がかなり異なるため、
日本公開版とオリジナル版ではえらく印象が違います。
飛行場へ急ぐシャロンとタスキン博士の車が、交通事故で怪我をした人から助けを求められるシーン。
日本公開版では、助けようかと躊躇するタスキンをシャロンが促して、
怪我人を無視したように編集されていましたように記憶していましたが、
オリジナルではタスキンが思い直して車から降り怪我人の応急処置をしています。
自分の中の「善き心」に従ったわけですね。

イナゴの襲来をリーガンの力でしのいだところで日本公開版は唐突に終わっていますが、
オリジナル版には続きがあって、瀕死のシャロンが自分の中の「悪」を認めて、タスキンとラモント神父に看取られて死ぬシーンがあり、
タスキンはラモント神父が正しかったこと(「悪霊」が存在する事やリーガンに「善なる力」があること)を認め、
神父はリーガンとどこかへ立ち去ります。
そのあと例の「シンクロナイザー」とそっくりの光の点滅をあびて、何かと同調してしまったところで終わり。
同じわけが分からないにしても、オリジナル版のほうが、ずっとブアマンらしくていいですね。

この映画の「良いイナゴ」のネタは、後に諸星大二郎が「西遊妖猿伝」のなかでも使ってましたよね。
そういえば「西遊妖猿伝」孫悟空とリーガンは、「悪」にも「善」にもなるものすごい力を持った存在という意味では共通ですものね。
ブアマンも「エメラルド・フォレスト」撮るよりは「マッドメン」映画化かしてくれたらよかったのに。
(07/06/05)

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