6,7日目:TGV、パリ


6日目はTGVに乗ってアヴィニヨンからパリまで一気に移動。TGVに乗る前に添乗員さんが説明するには、「こちらの電車は時刻表通りに着くことはめったにないですから、到着予定時間の30分後くらいまでにはつくかな、と言う感じの心積もりでいて下さい」とのこと。ここで、「それじゃあパリでの自由時間が短くなっちゃうなぁ」とか思う前に、「それじゃフランスを舞台にした時刻表トリックのミステリって成立しないじゃん」と思うあたりが病気。いやでも事実ですよね。日本を舞台にしてたって「いくら国内線の飛行機でもそこまで正確に運行してないだろ」と思う時刻表トリックが多いからなぁ。もしかしたら時刻表トリックのミステリって日本にしかないんじゃないの?どうもヨーロッパの人々がそんなきちきちに電車を運行させるわけがないという気がするんだけど。ドイツくらいだったらありなのかなぁ。
TGVは1等車。おまけに二階建て車両の二階席。いぇーい。豪華だぜ。なんといっても座席が横に3つしか並ばないのだ。それだけ横幅がゆったりな座席なのさ。日本の新幹線のグリーン車でもこうはいかなんじゃないか?(乗ったことないから知らないけど)で、その豪華な座席でもって、朝ホテルの朝食のバイキングでくすねてきたパンを食べる。はっはっは。豪華にあらず。だってー、パリに着くのが時刻表で1時過ぎだから、それからホテルにチェックインして町に繰り出して昼ご飯食べたら遅くなっちゃうじゃーん。時間もったいないし。所詮観光が第一、食事はとれればいいというモットーの僕にはリッチなお昼ご飯なんて必要ないのさ。
パリに着くとまったくの自由時間。そして僕にとってはまったくのご奉仕時間。なんだかんだでパリに来たのはすでに5回目となる僕。メインの観光ポイントはさくさくと行けてしまうようになっている。しかし、いつもいつも違うメンツと来ている僕は、3回目以降つねにガイドをしている気がする。よっていつも同じ所に行っている気がする。で、今回、荷物持ちの僕はスポンサー様に尋ねた。「パリってどこ観光したい?」スポンサー様答える。「よく分からないから任せる」追って尋ねる。「でもどこか行きたいところあるんじゃないの?」答える。「有名なところ一通り」「っていってもパリって有名なところがたくさんありすぎて、全部は回れないよ」「じゃあ特に有名なところ」「例えば?」「ルーブル美術館でしょ、オルセー美術館でしょ、凱旋門でしょ、エッフェル塔でしょ、ベルサイユ宮殿でしょ、あとなんだっけ。いろいろ聞くよね」「買い物とかはしないでいいの?」「ううん。せっかくパリまで行ったんだからお買い物もしたい」「なんか買いたいものがあるの?どこそこのブランドのものだとか、バックがほしいとか」「ううん。別に特に欲しいものはないのよ。でもせっかくパリまで行ったんだから、ぶらぶらしてみたいじゃない」「それを約一日分の自由行動で全部回るのは無理だって」「あらそうなの?じゃあ適当に任せるわよ」・・・こういう注文が一番きびしいっちゅ―のに。
仕方ないので大まかな計画を立てる。荷物の関係もあるのでパリに到着した6日目の午後はとりあえず買い物。7日目の出発までの間観光で回れるだけ回る。観光スポットは僕が迷えずにさくっと案内できる、僕が行ったことがあるところのみ。今回のパリでは僕が行ったことないところに行くのは断念。ちょっともったいないが、いたしかたない。僕は荷物もちなんだから。
ってな訳でホテルで解散するなり早速町にゴー。地下鉄の回数券と7日目用のMuseum passを買って地下鉄に乗り込む。さくっと乗換えてルーブルの地下駅へ。ルーブルに隣接したショッピングモールを見物。ついでにさかさピラミッドとご対面。ちぇっくしていたAGATHAがさくっと見つけられたので入ってみる。まみごんのお土産のブレスレットと同じモデルのペンダントを発見。さくっと購入。ぬふふふ。
地下から脱出してオペラ座への通りにある店でふらふら。スポンサー様の財布、僕のくまさん、スポンサーさまのバッグ、僕のバッグ、フォションのクッキー、チョコ、紅茶などなどさくさくゲット。ぱり三越のバーゲンコーナーではフェラガモの靴の半額セールをやっていたが、半額になっても僕が普段履いてる靴より高かったのでパス。きっとフェラガモファンだったら飛びつくんだろうけどね。
買い物を一通り終えて荷物も増えてしまったので、オペラ座の前のカフェで一休み。ジュースだけ飲むつもりが、メニューにイチゴタルトの写真を発見してしまってそれも注文してしまう。ああ、帰ったらミシュラン一つ星レストランで夕食だというのに。でもイチゴタルトの誘惑にはかなわない。そしてこれがめっちゃおいしい。やっぱりタルトはおいしいね。特にイチゴ。イチゴがたっぷりのっていて新鮮でおいしい上に、タルトの生地がしっかりしてておいしい。うーん。幸せ。
夕食はモンマルトルの丘の裏にあるレストラン。かなりしゃれてて店の雰囲気もいい感じ。ゆっくりと食事をしながら、テーブルの人達と喋っていたら、ばっちり身元がばれてしまった。うーん。僕は会社がある駅の名前を言っただけなのになぁ。何でそれだけで分かるかなぁ。ってゆーか他に会社ないって説もあるけどね。これが大手町とかだったら絶対ばれないのに。
夕食の帰り、バスに乗ってモンマルトルを抜けたのだが、いやすごかったね。すごいって話は聞いてたけどここまですごいとは。なにがすごいって、まぁ夜のモンマルトルと言うのは夜の新宿歌舞伎町見たいなものなのですよ。いや、でも歌舞伎町よりすごいよね。放送禁止用語みたいなネオンがあっちこっちで光ってて、テレビだったらモザイクかけたいようなどぎつい写真の看板があっちこっちに出ているのだ。すげー。添乗員さんが笑いながら「未成年のお嬢さんがたは目を開けちゃだめですよ―」とか言ってたし。しかしここまであっけらかんとやられると笑っちゃう。そして更に笑ってしまうのが、そういった水商売系の店が軒並み並んでいる中に、所々にぽつぽつと八百屋が開いているところ。なぜ歌舞伎町に八百屋?それもわりとたくさん。それも夜中の12時近くでもまだ開いている状態で。こんな時間に八百屋がやってて、誰が買いに来るのかなぁ?
ってなわけで7日目。実質観光最終日。今日は一日限界に挑戦するぜぇ、とばかりにルーブルの開館時間に会わせて行動開始。時間の読みがぴったり当たってルーブルについたときにはちょうど9時。うーん、僕ってば天才。
前回の知識を活かしてMuseum passを使って裏口からさくっと入場。メイン3点セットだけを目指してとりあえずミロのビーナスを目指す。場所は僕の頭の中に入っていたのでガイドブック等に頼らずにさくっと到着。と、な、なんと、ミロのビーナスの周辺は無人。ぼくらだけで一人占め(語弊あり)。こんなことがあっていのかぁ。今まで来たときには他がどんなに人気がなくてもミロのビーナスの周りには人がたかっていてじっくりゆっくり鑑賞なんて出来なかったのになぁ。やっぱり美術館は朝一に来るものですなぁ。
感動しつつも移動。つぎにサモトラケのニケ(勝利の女神)の階段に突入。ニケの像を飾るためにルーブル宮殿のこの階段ホールだけが何の装飾もない。ひろーいホールの中でニケが堂々と中央に陣取って、階段を上ってくる人々を出迎えているみたいだ。ルーブル美術館の中で、1番特等席をもらって一番かっこよく展示されているのがニケではないかと僕は思っている。で、一番好きなのもニケだ。ミロのビーナス、ニケ、モナリザの中では、日本では一番ニケがマイナーで、マイナーどころか知らない人も多いけれど、一度見てみればよく分かる。ルーブル美術館の主役はニケだ(この意見には後でスポンサー様も同意してくれた)。
モナリザまでの移動の途中に、ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」を鑑賞。この絵、ついこの間日本にやってきて大騒ぎされたけれど、ルーブルにあるとそれほど大きな絵とも感じられないし(同じ部屋にあるナポレオンの戴冠などから比べると小さい小さい)、特に人だかりが出来ているわけでもない。こんな絵が当たり前のように展示されているルーブルは、やっぱりかなりすごい。そのあととうとうモナリザ。日本でもかなり有名な絵だけれど、実物を見てもいまいちピンと来ない。かなり小さい絵だし(同じ部屋にルーブル最大の絵画であるカナの婚礼が展示されているため、ほんとに豆粒みたいに感じられる)、たいして美人だとも感じられないし、どうしてこの絵が世界的に有名なのかいまいち理解できない。おなじレオナルド・ダ・ヴィンチの絵にしても、となりのブロックにある宗教画のほうがずっときれいで傑作だと思える。うーん、やっぱりモナリザのよさが分からないあたりが、僕の美術音痴の証明なのかなぁ。
一時間でルーブルを突破して即座にオルセーに移動。オルセーの開館は10時なので計算通り。こちらも入場券売り場をスルーしてさっさと入館。とりあえず1階にあるみどろこからチェック。ルノアールやモネがあると言う事は知っていたようだが、さくっとミレーの晩鐘が展示されていることにスポンサー様衝撃を受ける。「晩鐘って、ミレーで一番有名な奴じゃない?」「たぶんそうだよね」「それがここにあるの?」「あるねぇ。これがそうだねぇ」「ミレーの晩鐘って、ゴッホのひまわりみたいに、たくさん書いてたくさんいろんなところにあるの?」「いや。少なくとも僕はここにあるのしか知らない」「そんな有名な絵がこんなところにさくっと飾ってあっていいの?」「うーん。日本だったらきっと、この絵一枚のために美術館できるね」恐るべしフランス。そのあともスポンサー様は、どこかで写真などで見たであろう絵の本物がわっさわっさ展示されている現実に驚きまくっていた。
予定よりも早めにオルセーの見物が終わったので、ついでにオランジェリーに足を伸ばしてみる。と、なにやら建物の前に特設のテントらしきものが建てられている。で、特別展をやっているのでMuseum passでは入場できないとのこと。わざわざ来たのに見ないで戻るというのも悔しいので、特別入場料を払っていざ入館。で、階段を上がってぶっ飛んだ。
特別点と言うのはモネの睡蓮の連作の特別展だと言う事は把握していたのだが、美術館全体睡蓮睡蓮睡蓮睡蓮。普段展示している絵画はどこにも見当たらない。それらを全部取っ払ってきっと100点は下らないだろうと思われる数の睡蓮が、怒涛のように展示されているのだ。うーん、道理でオルセーで睡蓮を見かけなかったと思った。しかしよくもまぁこれだけの睡蓮を集められたもんだ。太鼓橋の辺りを書いた睡蓮、睡蓮の花のアップ、すでになんだか分からないぐらいぐちゃぐちゃになってる睡蓮、よくもこれだけ書いたなと思える睡蓮のオンパレードでした。で、当然これだけの睡蓮を見ても、下の階の睡蓮の間の睡蓮を見ないことには、モネの睡蓮を見たとは言えません。目を回しかけてるスポンサー様をつれて睡蓮の間へ。これは完全にとどめとなりました。いやー。もう溜息しか出ませんね。
その後ルーブルの近くのいきつけのラーメンやさんへ。ってゆーとかっこいいが、4回目ですね。やっぱりラーメンはおいしいですよ。フランス料理なんて目じゃない目じゃない。このラーメンやさんにはいろいろな有名人のサイン色紙が飾ってあるのだけれど、一番新しい列のところには小室哲哉のサインがありました。こんなところでラーメン食ってんじゃねえよ(笑)。と、僕らが食べてる最中、添乗員さんに連れられてツアーの面々の一部が来店。午前中にベルサイユの観光に行った帰りに寄ったとか。添乗員さん曰く「パリにもラーメンやさん何軒かありますけど、ここが一番おいしいんですよ。現地の案内が借りの人たちにもご用達だし」とのこと。へー、そうだったんだ。なんか得した気分。
ラーメンを食べ終わってからラストスパート。ノートルダム寺院、コンシェルジェリ、サントシャペル教会を一気にまわる。やっぱりしめはサントシャペルのステンドグラスでしょう。よくもまぁ作ったよなぁといいたくなるような光の饗宴にスポンサー様も大満足。荷物持ちは無事にガイドの役割を終えたのでした。

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