もういちど…

もういちど生まれ変わったら、今度は何になるんだろうか?

生まれ変わるといっても、来世の話じゃあない。今からのことだ。

"ここにいるのに、ここにいない"のではなく"ここにいないのに、ここにいる"

のが、なのだから。

相変わらず、空間にがポッカリ浮かんだ透明人間のような存在だけど。

やっぱり、物事の要素からまとまったひとつのを作ることは難しいし、

場面場面で、切れ切れバラバラに飛んでしまっているし、

一瞬たりとも「自閉症」と離れて生きることはできません。

(振り返れば、この違和感と不在感が、唯一の自覚症状でした。)

ただ、

自分自身の感覚さえも捨てて「世の中辞典」に従っていた頃とちがうのは、

まるで無味乾燥な薄っぺらい絵の中を歩いているような虚無感がなくなったこと。

私は決して入ることもないし、入らなくてもいいのだが、

ひとびとが楽しそうにしてしている時には本当に楽しんでいる とか、

ひとびとが悲しんでいる時には本当に悲しいのだ ということに、

疑問を抱くことはもうないのだから。

彼らにあるものが私にはなく、彼らの知らないものを私は知覚していること。

彼らにとって大事なものが私になく、ほんのささいなモノを宝にできること。

そして、互いに相手を罵り合わないこと。

透明人間のまんまだけれど、私は確かにここにいます!

        

             

ところで…。こっちからのぞいているの? それとも、そっちから?


       

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