記事タイトル:2002年7月の「日記」 


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テーマ: 掃除の手伝い。   
長男がソファーを動かし、ワタシが掃除機をかける。これが、なかなかの大仕事。
ソファーを動かして掃除機をかけるスペースを作ることと、掃除機をかける範囲に合わせて移動
することが、分からない。
こういうことは、長期休暇中にしかしないので、以前やった時のことはすっかり忘れている。こ
の手順が覚えられないようなら、言葉で言ったり図に書いたりしてレクチャーしないといけな
い。
[2002年7月28日 21時54分51秒]

テーマ: 社会性の発達障害を放置できなくなった理由。   
こんな世の中なので、社会性の発達の遅れた個人をケアし、フォローしないといけなくなったの
かもしれない。

■自己不全感が強いため、他人に嫌われると社会から落伍し生きていけないのではないかとの不
 安から、自分の容貌を過剰に気にする人が増えている。
■サッカーでは、日頃から仲良くしていないと試合中にパスを回してくれないそうだ。何故な
 ら、ボールを渡す=良いプレーをするチャンスを与えることなので、仲の良くない人・コミュ
 ニケーションのない人には活躍して欲しくないという心理が働くから。
■もともとの狭い市場に、次から次へと新規の事業所が進出する。あっちに群がっていた人がこ
 っちに移動するというのは、あっちを潰してこっちが生き延びること。始めから、共存は考え
 ていない。
■これをしていれば安心・これを持っていれば安心と信じられるものが一つもない。親自身が
 いつリストラされるかわからないし、子に残してあげる財産もない。しかも、ありとあらゆる
 手口で人が金を騙し取ろうとする悪徳商法があふれている。
■アメリカでは、正攻法でまともに言っても交渉は成立しないので、一ひねり入れたり他の方向
 から切り込んでいく手法が当たり前になっているそうだ。しかも、世論を動かすのはワイドシ
 ョー。こういう、ひねりの入った責め方や、世論を扇動する手口に長けたマスコミに対応する
 ための、専門の報道官までいるという。
■自分好きなことがやれるし、欲しい情報は即座に入手できるようになって、人との関わりが全
 体に希薄になっている。これではいけないと思う人々もいるし、どこかに仲間がいるのではな
 いかと捜し求めることもできるようになった。こうなると、かなり意識して人と係わらなけれ
 ばならないし、係わるためのテクニックも必要になっている。
[2002年7月28日 21時32分46秒]

テーマ: 夏祭りに行くまでに…。   
今日は、ハンバーグ作りを3人でやった。こういうことが大好きな次男と一緒に、長男も割とや
る。かき混ぜる時に、容器を抑えている係りなど、力がなくて無理だと自分で決めつけていたら
けっこうできたと喜んでいた。ぬるぬるが嫌いなので、肉を丸めるのは3個が限度。
・・・まあ、上出来!

その後、夏祭りに行く決心をするまでに、また一苦労。
今出かけると毎日楽しみにしている抹茶ミルクが飲めなくなるとか、ジュースや氷を食べたいけ
れどこういうものは(お腹が冷えるので)一日一個までと決めているので食べてはいけないと
か、(川遊びの後で一度お風呂に入ったのに)出かけたらまたお風呂に入らないと寝てはいけな
いとか、いろいろと思考内語をしゃべりまくって一時間後に、自分たちで作ったハンバーグを食
べてから行った。
「食べ物関係は、予算を決めておいて、金の残り具合と腹の冷え具合で選べば良いので、行く前
に決める必要はないこと」「さっきは川で汚れたからお風呂が先になったのであって、汚れさえ
しなければお風呂にもう一度入らなくて良いこと」などを納得。
ただ、こういうものに参加する際の混乱は、随分と減った。意欲が出てきたので、混乱を収拾し
て参加する方向に向かっているから。(次男の方は、イベント好きの鉄砲玉である。)
[2002年7月27日 21時37分33秒]

テーマ: ワタシは、自分に戻る。   
自分が、知らないままにちゃんと工夫してやっていた時のこと、うつ病になる前のことを思い出
している。それを、自閉症研究の知識で再構成している。

一つ言えるのは、一時的な精神的破綻が原因で、過去を振り返ってルサンチマンに囚われてしま
った人に対して、「もう、どうしようもない」「これでいいんだ」とお客さん扱いして見放す
と、そのこと自体が治療の妨げになるということ。
人が、何を感じ・どのようなモノの見方をしているかを受け留める時間と退行する場所は十分に
あっても良いが、「トラウマは解消できないに決まっている」「こうなったら終わりだ」という
卑下した態度で臨むのはやめて欲しい!

自閉症の人は“こういうもの”だという研究をするのは、大いに歓迎する。けれど、自閉症とは
“こういうもの”だとずらずら並べられると、自分は“こういうもの”だと思い込んでしまう。
今までは研究者しか見なかった資料をこれからは本人も見るようになることに配慮しないと、自
閉症研究が進むたびに多くの字の読める自閉症者を、ガス室に送んでいるに等しい結果になる。

研究者が、本人の希望を奪うのは、やめて欲しい!
[2002年7月27日 9時14分8秒]

テーマ: 中2AS、体験工房に行く。   
【出かけること。】
{どこかに行きたい⇔いつもと同じように遊びたい/何かを買いたい⇔無駄遣いをしたくない}
という二つの命題の間で収拾がつかずパニックになり、出かけるとに決めるまでに何時間もかか
った去年とは大違い。こうなった場合に、どちらか一つを選ばないといけないのではなく、「行
ける日は限られている」「いつもと同じ遊びはいつでもできる」/「買い物が目的ではない」
「お金の残り具合を見て買い物をする」という条件がつけば二律背反にならないことを、一年か
けて学習している。
それから、今年は「参加」と「体験」が今一番の課題だと納得していることと、ホームページで
行き先の様子を見れるために、未知の体験をすることへの不安が少なくなっている。自分から、
ホームページを「見せて欲しい」と言ったところをみると、見通しが立てば大丈夫なことが分か
っているようだ。

【小遣いをもらうこと。】
出掛けに、おばあちゃんが小遣いをくれたのを、断っていた。「タダで配るものは、もらっては
いけない(「犯罪被害に遭わないように、無料で配信されるものや配られるものに手を出すな」
と言われているため)」と「無駄遣いしないためには、できるだけお金は少なく持っていきた
い」という命題に反していたから。
これは、「おばあちゃんが孫に小遣いをあげるのは、↑に該当しない」⇒「小遣いを受け取らな
いのは、おばあちゃんの気持ちを踏みにじることになる」と「小遣いをもらっても、持っていか
なければいい」という打消しの命題で納得。

【たいやき屋さんにて。】
次男のたいやきを注文しようと、店員さんに頼もうとしたちょうどその時に、別の商品の名前の
由来を尋ねる質問をして来た。
それは、明らかに「今・その場ですべき質問」ではない。しかも、ワタシに向かって言っている
のか、店員さんに向かって言っているのか分からない。注文しかけたワタシは、“しゃべる”と
“聞く”が同時に出来ない(これは、一般的な理由ではない)ので止まってしまうし、だいた
い、自分も欲しいのかと思ってしまう。店員さんも、注文かと思ってしまう。
こういう時に、うまくあしらえないワタシもワタシだが、目にした言葉からの『連想ゲーム』が
始まってしまうことと、いま正に注文しようとしているその時にしゃべってしまうところは、な
かなか止められない。
「興奮しないように抑えていた」と本人が言っていた通り、今日は随分と落ち着いていた。けれ
ど、思考内語を声にすることで自分の考えを確認しているため、こちらをコントロールするのは
難しい。とりあえず周囲の状況を見て、声を出して良いか悪いかの判断ができることを目標にす
るしかない。

※それでも、不器用さを十分自覚している長男が木工などの体験工房に行って、自分から「やり
 たい」と言い出しただけでも、格段の進歩。途中、どうしても出来ないところで、「自分でや
 らなければいけない⇔自分にはできない」でパニックになりかけた時に、ワタシの「どうすれ
 ばいいと思う?」の一声で「誰かに頼む」という答えを出したところなども、以前には考えら
 れなかったことだ。(ちなみに、協応運動が必要な工程を、頑張って一人で遣り遂げた。自分
 から、「ボク的には、すごいことだ!」と自慢していた。)
[2002年7月26日 23時14分50秒]

テーマ: 遂行能力障害。   
遂行機能の四つの要素。
(1)目標を設定し、自発的に行動を起こそうとする意欲。
(2)計画の立案。
(3)計画の実行。
(4)行動修正。

ADHDでも自閉症でも、この機能に障害があることが知られている。特に、合併している場合
はとってもたいへん。
ADHDだと、自発的に行動を起こす力は非常にあるのだが、企画力がない。たいてい、考える
前に行動を起こしている。注意の転動が激しいと、実行している途中で他のことを始めるので、
いろんなことがやりかけのままになってしまう。でも、行動修正能力は比較的ある。
自閉症だと、自発的に何かを始めることが難しい。いざ何かをやるとなると、自分で計画を立案
してその通りに実行し一切修正が利かないタイプと、最初から最後まで他人の指示なしには行動
できないタイプがいるようだ。

脳損傷による高次脳機能障害の場合は脳の損傷部位が明らかになっているのだから、こういう症
例の研究が進めば、生まれつきの脳機能の微細な障害のことも詳しく解かるようになるかもしれ
ない。
[2002年7月25日 21時44分47秒]

テーマ: 中二アスペ・小三ADHDのSST。   
去年は、長男は思春期パニック、次男は学習障害が大きく、とてもそれどころではなかった。で
も、今年の夏休みの重点課題はSST。どちらも、課題に取り組む前向きな姿勢ができ、人の指
示を素直に聞けるようになったので、やっとできるようになった。
二次障害を防ぎ自信をつけるための受容の時期が終わって、社会に通用する行動を学習するプロ
グラムに移行する。といっても、今まで何もやっていなかったのではなく、挨拶などの基本的な
ことはやって来ている。自閉症は、「心の理論」獲得後でないとできないことが多いので中学に
なるけれど、ADHDは思春期前にやらないといけない。

(注)ワタシが退行していたのは、自閉症でいることが許される「場」に限定している。
   そういう「場」だと思って行ったのにそうでなかったら、裏切りでしかない。
   おかげで、自閉症の世界を愛おしく迎え、理解しようとする人がいるかどうかを判断する
   力がついた。
[2002年7月25日 13時42分51秒]

テーマ: 選択的注意と覚醒的注意   
「注意」と一口に言っても、機能的には五つに分類されるそうだ。
持続(集中力)と転動は、よくADHDの症状としてあげられる。
分配ができないことは、いわゆるシングルトラック。
この辺までは、ADHDと自閉症の両方に見られたりもするし、合併している場合は区別がつか
ない。
ただ、自閉症の「こだわり」行動の中には、覚醒的注意と選択的注意の間のギャップの大きさに
由来するものがあるように思う。(仮説?)
特に意識していなくても外界の情報が自然に入力されていて、自分の周囲で起きていることがだ
いたいわかっているのが普通の状態だそうだ。この覚醒的注意の機能が弱いとなると、外界の刺
激はいつも突然現れることになるので驚かされるし、常に闇の中にいるような不安な状態に置か
れている。
それで、選択的注意を過剰に働かせて、それこそ絶えず意識的に外界の様子に注意を向けていた
り、外界の情報から安心できる要素だけを抽出して注意を向けることで対応するタイプの自閉症
児は、道順にこだわったり全く同じ場面を再現することを要求するのではないだろうか?
でも、選択的注意の機能が弱い人はこれができないので、興味の極限があって注意の障害は重い
けれど、それほど強いこだわり行動が表われないのかもしれない。
[2002年7月24日 21時47分39秒]

テーマ: アスペ語に変換せよ!   
話せば分かるのに、なぜ頭ごなしに命令する人がこうも多いのか!?
これでは、いつまでたっても恐怖による統制と、それからの回避の堂々巡りのままだ。
通じる言葉で話そうという気がないか、文法がわかっていないかのどちらかだと思う。
[2002年7月24日 17時3分37秒]

テーマ: 再セットアップ。   
トラウマとなる不快記憶は、全部まとめてごそっと削除する。
これぞ、乖離の極意。
というわけで、再セットアップ完了!

二次障害の治療のために退行していて、すっかり忘れていたSST。
今は便利な時代なので、自分がやってきたことと研究成果を合流させることができる。
[2002年7月22日 12時0分43秒]

テーマ: 工夫のできる人。   
行動障害の部分は、どういう理由で生じているか把握して、元となる障害の状態によっては無理
強いできない(無理強いすると、強度行動障害に発展させてしまうか精神疾患になってしまうか
のどちらかになる)ことを了解した上で、粘り強く行動修正しなければいけない。これは、一種
の闘いになる。

注意・記憶の障害が軽い人は、注意の切り換え・注意の転動・記憶の保持のできなさを自覚でき
るので、自分なりの工夫をしている。それから、日常のルーティンにない新奇なできごとに対応
するために、実行のための計画を用意周到に準備しそのスケジュールに沿って事を進めようとす
る。
適応がいい人というのは、視覚的手掛かりや言葉の丸暗記を組み合わせてうまく使うことがで
き、しかも状況とのマッチングに誤りが少ない。これらの工夫は、本人にとっては自分自身を社
会化するために必要なことなのだ。なのに、それができることもまた、周囲とのトラブルの原因
になる。人に合わせることができないとか、自分勝手な行動をするとか、自分の行動様式を変え
られないとか言われてしまう。ここまでやってそれはないと思うので、ここは周囲の人を説得す
べきだ。

こういう工夫を自力でしている人は、それができないで困っている人やそういう人たちに指導す
る方法を見つけようと努力している人たちのためにも、自分がやってきたことを公表すべきだ。
(でも、そういう人はなかなか声を上げない。それから、せっかく声を上げても、聞こうともし
ない人が多いようだ。)
[2002年7月22日 8時5分27秒]

テーマ: 恐ろしい無知。   
ワタシのように、自分自身が社会的に通用するものの考え方を全く持っていないだけでなく自閉
症を知らない親に育てられると、人といられるのに相互的関係がないことに気づかず、どこもお
かしくないと見られてしまって、社会に生きるために必要な訓練を何も受けずに成人してしま
う。だから、どのように人と話したら良いのか・どのように振る舞ったら良いのかわからなく
て、いつも誰かに金魚の糞のようにくっついているか、モデルとなる誰かを真似ないと行動でき
ない依存的な人間ができあがる。
しかし、その反面、自閉症特有のぶしつけな言葉・立場をわきまえない発言などは責め続けられ
るし、感覚過敏やこだわりは可愛くないだのわがままだのと怒られるので、信頼関係が何もな
い。つまり、依存しているのは、人間としての表面的な「型」の部分だけで、精神的には孤立し
たまま。モノの考え方や生き方・意思決定に関することは、絶対に人の言うことなど聞かない。

これは、完全に逆。人との信頼関係があって自立しているのでなければ、おかしい。

そのまま放っておくと自発的な行動ができないのは、元々に社会的な行動パターンを持っていな
いからだし、日々のルーティンと自分の「こだわり」や感覚的な嗜好が満たされていさえすれば
他に何もする必要がない。だから、自閉症でない人が、次から次へとイベントなどというものを
企画して提供する理由がわからない。それが、社会参加をしない家に育てられると、何もしな
い・何も起こらないぬるま湯から出られなくなってしまう。でも、そこにいる人たちとの間に、
信頼関係は何もない。

ボケだけいて、ツッコミがいない漫才。誰か「止めろよ!」って感じだった。
[2002年7月21日 22時12分42秒]

テーマ: 諦める。   
何よりも難しいのは、本人が自分自身と社会との両方に折り合いをつけること。

諦めるは、明らめる。これが、悟り。
[2002年7月21日 21時39分25秒]

テーマ: ↓の補足。   
諦めるというのは、見捨てるという意味ではない。
限界を知って、社会保障・福祉の手にゆだねるということ。
実は、ここがいちばん難しい。
[2002年7月21日 21時35分21秒]

テーマ: 順番。   
受容→訓練→諦め

この順番を間違えてはいけない。
訓練と諦めを一番最初にするのは、特に。
[2002年7月21日 18時33分30秒]

テーマ: 今日の教訓。   
今日、インタビューにまともに答えられなかった理由を、本人に説明。
まず、状況認知力と国語力の問題。
でも、一番大きな理由は、アスペの人は、誰に何を聞かれていても頭の中に浮かんだことと、夢
中になっていることしかしゃべらないから。

そのこと自体に悩まなくていいが、と言うより悩んだって仕方ないが、聞かれたことには答えな
ければいけない。
[2002年7月21日 17時21分9秒]

テーマ: 一刻も早く、発達障害児の支援システムを!   
かつては、AS・ADHD・LDの存在を認めようともしない学校や教師の存在が問題だった。
でも、今は逆に、こういう「障害」があるのは十分に承知していて、何かをしなければならない
ことは分かっているのだけれど、現行の教育システムでは対応できないためにお客さん扱いにさ
れてしまうことも多くなった。
今では、この子たちの「個性」を賞賛する先生が、学校には必ずいる。実際、長男の極限した虫
への興味も、次男の得意な視空間認知が生み出す工作も、ひたすら大絶賛を浴びてきた。確か
に、それはそれでとてもいいことだし、必要なことでもある。
が、「学校の常識は、世間の非常識」という言葉がある通り、それだけでは重要なことが見落と
されてしまう。その「個性」に磨きをかけて職能に結びつけることができたとしても、精神的な
安定と正しい社会的認知がなければ、人格的な問題で破綻してしまうから。
[2002年7月21日 17時12分45秒]

テーマ: 方便としての受容。   
ウチの長男は、多少の不都合はあっても是非とも採用したい、と企業から迎えられるような突出
した才能があるわけではない凡人アスペだからということでもない。
ADHDの次男ともども、今まで、人間として必要最小限の社会性だけは身につける努力をして
きた。愛着形成が必要なのは、このためと言っても良い。人の言葉に聞く耳持たなくなってしま
ったら、もうどうしようもなくなるから。
どんなに頑張ったって、どうしようもない壁があるのも分かっているし、アスペはアスペなりの
良さ、ADHDはADHDにしかできないことがあるので、その誇りと尊厳は失うべきではな
い。けれど、社会に生きられるように療育でできる限りのことをやった上で、社会の側にも共存
をお願いする。

ただただ無理せず、ひたすら誉めているだけではない。
[2002年7月21日 16時57分44秒]

テーマ: 水棲生物調査。   
役場と国土庁で行っている、水質検査のための水棲生物調査に3人ででかけた。
何が目的で・どんなことをして・どういう段取りでやるのか、一切考えずにてんでバラバラに水
に入って行くのを止め、どうにかこうにかやることをやらせたところまでは、予想の範囲内。
しかし、次男はいつもより増水している川にどんどん入って行って、ただただおもしろいだけで
何の意味もないゴミすくいを始めた。これを、ただのいたずらとか発想が豊かなどという、今の
教師がしがちな叙情的な解釈で片付けてはいけない。怒られると、怒った人が悪いとでもいいた
げな態度を取り、ふてくされる。
長男の方は、今日の成果をインタビューされた時に、(聞かれたことに答えた後で、自分が固執
していることをしゃべるのならまだしも)全く質問に答えずに、自分が今やりたいことをしゃべ
りまくっていた。帰りの車の中でも、今・ここで・ここにいる人に聞くべきでないこと(こちら
は、普通の人なら思考内語にすること)を、ずーーーっとしゃべりまくる。何のために・何を調
査していて・結果はどうだという要点がわかっていないことは、まあ仕方ない。

これは、普段の夕食時の光景そのままだ。きっと、教室でも同じことをしているのだろうけれ
ど、こういうところにこそソーシャルスキルトレーニングが必要で、今のうちにちゃんとやって
おかないとワタシみたいにとんでもないことになるという危機感を持っている人など、いるはず
もない。学校がある時は、学校で緊張した後で負荷をかけられない(確かに、まったく気が抜け
てしまっている)けれど、夏休みには重点課題にする。

アスペの良さは、磨かなければ光らないのだ。
[2002年7月21日 16時29分14秒]

テーマ: 一生の課題。   
先日の学会の「高次脳機能障害」基礎講座レジュメから、長男に関係のある「注意」「記憶」
「遂行機能」対策の部分を拡大コピーして貼る。(「高次脳機能障害」とは何かを説明する本は
ボチボチ出始めているけれど、アプローチの仕方をまとめて書いてあるものはなかなかないの
で…。)
でも、最近「聞いているだけでいいの!?」と言うと、「あっ、メモだ!」と自分で気づくよう
になっているところなど、少しは進歩している。(部屋だって、ADHDが二人もいる割にはと
てもキレイ。)
通知票には「何かに夢中になるとやるべきことがおろそかになることが、今後の課題」と書いて
あったが、間違いです。それは“生まれつきの課題”で“一生に渡る課題”です。
[2002年7月21日 10時23分46秒]

テーマ: 小中合同PTA奉仕作業。   
無理に会話に入らない。
知っていること・できることが活かせるポジションにおさまる。

最低限のソーシャルスキルができていれば、いい。
わからないこと・できないことに、くよくよ悩んだって仕方ない。
[2002年7月21日 10時23分7秒]

テーマ: ぐるっとまわって。   
元の位置に戻った。
ワタシは、元々それほど人が怖くはなかった。だって、自分は正しくて周りがおかしいと思って
いたし、事実、論理的な筋はいつも通っていた。
ところが、そのこと自体が重大な障害で、人類を動かし繋ぎとめる最大の要素である社会的感情
が欠落していたことを知ってしまった。これは、とても恐ろしいことだった。
しかし、それはワタシらしくない。で、元の位置に戻った。でも、全く同じではない。今は、螺
旋階段の一つ上にいる。・・・どうすればいいか・どうしなくていいかが分かった上で、何がで
きるか考えている。
[2002年7月20日 21時1分45秒]

テーマ: 一番の誤解。   
学業成績が良かったと言っても、何のことはない。

記憶力が良くて丸暗記していた。
言語力のなさを、視覚的手掛かりと視覚化で補っていた。

大学以降は、時間割がバラバラで日常の決まったルーティンに頼れなくなってしまったこと、視
覚過敏の影響が意外に大きかったこと、上記の方法が通用しなくなったことが重なったために、
研究室に残れなかった。(試験に落ちたのではなく、受験するのをやめてしまった。)
[2002年7月20日 10時22分11秒]

テーマ: アスペの間違った育て方。   
ちなみに、これはワタシの育った環境である。

○学業成績が良いから、何も心配ないと思われていたこと。
○好きなことは、やりたい放題だったこと。
○社会的な体験は一切しなくて良い、と言われていたこと。
○人の指示は一切聞かないが、自力で判断できないために依存的な関係でいたことを、母親はむ
 しろ喜んでいたこと。

これは、飼い殺しの方法である。
[2002年7月20日 10時13分7秒]

テーマ: 狭山先生増産計画。   

『君が教えてくれたこと』じゃなくって、『狭山先生のやったこと』は、正にジョブコー
チ。
自閉症者は、一生に渡って、周囲との言葉の行き違い・行動の行き違いが生じるので、本人と周
囲ににそれを説明し修正する役割を担う人が必要になる。家族がやっても良いけれど、理解のあ
る家族ばっかりでもないので、仕事として割り切ってできる人も絶対に要る。
それから、職場の外にそれを求めていたのでは、いつまでたっても同じことの繰り返しになる。
始めはジョブコーチの援助付で職場に入り、まずは本人が仕事をできるように教育したり構造化
したりする、その次には、職場の人がジョブコーチの役割を持てるように職場の人に付き合い方
を覚えてもらう。こうして、あっちこっちにプチ狭山先生をたくさん作りたい。
自閉症や発達障害を理解するしないもまた一つの才能なので、とにかく数をあたるしかない。で
は、今後、こちらの線で「お仕事がんばろう!」
[2002年7月20日 7時23分42秒]

テーマ: ただいま、   

リセット中
[2002年7月19日 22時3分11秒]

テーマ: 経済優先社会への警鐘。   
日航ジャンボ機事件の遺族が、国を提訴した。犯人が空港警備の不備を再三にわたって警告した
のにそれに応じなかっのが、犯行が起きた原因だという理由で。
経済優先、感情に訴えて金を出させた者勝ちで、論理性を失ってしまったこの世の中への警鐘か
もしれない。
[2002年7月19日 17時44分54秒]

テーマ: 昨日…。   
高次脳機能障害の基礎講座を聞いていて、思ったこと。

もし、我々が脳血管障害や頭部外傷で本物の「高次脳機能障害」になってしまったら、どうなる
のだろうか?ということ。
だって、元々選択的注意の過集中はあるし、目の前に無いものは存在しないに等しいし、動作模
倣はできない。なのに、延々とこういう訓練をさせられるのだろうか?(その前に、本当の高次
脳機能障害は軽度なのに、重度と判定されるかも〜。)
[2002年7月19日 8時37分7秒]

テーマ: 『職業リハビリテーション学会』   
どうせ、招かれざる客であることは分かっているので、リセット用CDにビー・ノット・ノーバ
ディ(ヴァネッサ・カールトン)を持って行った。(食堂脇の池のさざなみが、このピアノの音
とピッタリで、ちょうど良かった。)

基礎講座は、「高次脳機能障害」を聴講した。というのは、ウチの長男は「注意」「記憶」「遂
行能力」の障害がとても重いので、何かのヒントになるのではないかと思ったから。

さて、自閉症の方だが、「学校に適応したって社会に通用しない」ことと「自分自身がアスペ傾
向のある親が、自分の社会性の無さに気づかないでアスペの子を育てると、まったくどうしよう
もなくなる」ことは、ワタシ自身が身を以って体験した。実際、ワタシ自身の育った家庭ときた
ら、「この親、これでいいのか?」と思うようなありさまだった。だから、この家にいてはいけ
ないと思って、ワタシは寺に行った。だから、「ワタシみたいにしない」ことが、ワタシの子育
てのポリシー。
長男の場合は、学校にすごい先生がいたので、二次障害を起こさせないように見事にタイアップ
ができた。今度はそれを、就労に関してやっていかなければならないところに来ている。ウチの
長男は、ADHDが重く・LDもあり・知能もボーダーなので、実質高機能とはとても言えな
い。これでは、いくら知覚・身体・認知のズレから人格に影響を及ぼさないように誘導できて
も、現実問題としても“できなさ”は、いかんともしがたい。(はじめから、普通コースでの就
労は無理と踏んでいる。そのための手も、打っているところ。)

とりあえず、夏休みの「職業体験」が、はじめの一歩。
[2002年7月18日 23時27分39秒]

テーマ: 不利。   
ひっきりなしにメール、携帯電話でこまめに連絡。
全員が、接客業化。(腕と技術だけでは、客がついて来ない時代。)
人の感情を害すると仲間はずれにされ、生きていけない。

「どこにでもいる普通の子」では、済まされなくなっている。
[2002年7月17日 22時34分59秒]

テーマ: 三つの問題。   
発達障害のある子どもたちを、普通扱いすることの限界。
発達障害がない子どもたちが、ちゃんと育っていない。

この二つは別の問題なのに、同じにされてしまっている。
[2002年7月17日 17時59分5秒]

テーマ: コミュニケーション過剰時代。   
急に雨が降ってきたので、「わあ、急いで帰らなくっちゃ、洗濯物を干してきちゃった。」と話
しかけてきた人に、答えるべきか?
ワタシには何の興味もないどころか、恐怖対象であるようなことを趣味にしている人に対して、
「素晴らしい出来ですねぇ。」などと話しかけるべきなのか。

これをやらなければならないと思って、頑張った。2年間は、まだ何とか我慢ができた。

まさか、こんな世間話に応じる学生はいないとは思うけれど、学生同士で取り交わす会話だっ
て、これと似たようなものだったのかもしれない。誰かの所持品、何かしたこと、その時思った
こと、人の噂話…。何故、こんなくだらないことばっかり話すのかと思っていたけれど、生活者
や社会人になると、内容が変化するだけで基本は一緒なのだろう。

こういうことにいちいち言葉かけをし、コミュニケーションを密にすることが人間関係の基本だ
と、三流心理学者は本に書く。
はたして、そうだろうか? こんなことをやればやるほど、壊れていく関係だってあるのではな
いだろうか?・・・ただ、今の時代の「負け組み」だというだけのこと。
[2002年7月17日 14時43分25秒]

テーマ: トルシエとジーコ。   
サッカーの次期監督にジーコがいい理由を、評論家のみなさんはこう解説している。

ジーコは、日本のサッカーを知っている。

な〜んのことはない、日本人はチームプレーを強調すると個人個人がおとなしくなり過ぎてしま
うので、個性を前面に出すように指導した方が世界水準に近づけるって。トルシエはそれを知ら
なかったので、チームを優先して中田と対立したり、オフサイドが少ない代わりに積極性に欠け
る結果になってしまったとか。(以上、ただの聞きかじりです。スポーツには、何の興味もあり
ません。)

まあ、こんなとこまで“協調性”優位な国民なんだ。


「人と違っていることは良いことだ」という前提の国の本を読んでいると、スカッとした気分に
なれるけれど、「人と違っている人がいる」ことから言わなければならない国内事情を考える
と、滅入ってしまう。
[2002年7月17日 9時0分44秒]

テーマ: 夏バテ対策。   
内科にちゃんとかかっていることもあって、例年に比べれば、暑さへの対応は順調に行っている
方だと思う。
今までは、外が暑くて部屋が冷え冷えという状況を行ったり来たりすることと、冷たいものを食
べると体表が暑くて体内が冷えるので、暑いんだか寒いんだか分からなくて自律神経が失調して
しまうことは分かっていたのだが、それを調節する方法がなかったのだった。
今年は、内科医院に遠赤外線治療機が置いてあるのと、レンヂでチンして使える遠赤外線グッズ
を使って、内部を温めて体表を冷やせるようになったことが大きい。
[2002年7月17日 8時46分33秒]

テーマ: 行動変容の理論。   
自閉症児・者の「行動」を変容させるための理論。

「論理」は、自閉症の発想に基づくこと。

「感情」の基底には、身体・知覚・認知・注意の特異性がある。自閉症でない人との間で生ずる
ズレが、感情的な行き違いの原因になる。更に、両極端に暴走している。ここを、一つ一つ順番
にほぐすこと。
[2002年7月15日 8時17分32秒]

テーマ: 人への気遣い機能が麻痺する時。   
このところ、夏休み前で学校関係の行事が多い(そのうちの一つは、書字に困難のある次男のお
供:書くことを覚えていてあげたり、下の学年の子にからかわれないようにガードするために通
学区会について行った)のと電車での移動などがあり、クーラーでひえひえ⇔猛暑の間を出たり
入ったりして、すっかり自律神経がおかしくなってしまった。
といっても、最初のうちは重力が重く感じられてただただごろごろしたいだけでわからないの
で、「これではいけない」と思って起きているうちに我慢できなくなり、ついにダウン。こうな
ってからやっと、「さては!」と気がつきソラナックスを自律神経失調時の量に増量。今日は、
更に増やした。(と言っても、それで、3/4錠なので、普通の人の一回分の量にも満たな
い。)
それから、触覚の不快の原因は汗ということもわかったので、タオルを濡らしてこまめにあっち
こっち拭くようにした。

こういうことが「この世の終わり」にも匹敵する絶望感をもたらし、鬱と癇癪の原因になってい
たのでは、アサーションスキル(他者に好印象を与える自己表現のマナー)どころではない。い
つも、前頭葉がフル回転で行っている人への気遣い機能が、完全に麻痺。
[2002年7月15日 8時9分20秒]

テーマ: 自閉症は、ただ対人関係に悩む人のことではない!   
「心の理論」を獲得した後、社会化が進み強い自覚を持った後のアスペの人たちの書いた『手
記』を読むと、「社会的に半人前であることに悩む・普通の人」と何にも変わらないような印象
を受ける。
でも、その幼児期からの人との係わりのなさや身体的な特徴を見れば、まったくそういう次元の
問題でないことがわかる。

人付き合いに悩み、アスペの人たちの『手記』を読んで「自分も同じ」と思った人の内の何人
が、一般には奇異とか幻奇的と呼ばれる自閉症児・者の行動を見て「自分と同じ」と言うだろう
か!?
[2002年7月14日 15時47分25秒]

テーマ: リアン・H・ウィリー   
アメリカで「自閉症児を持つ自閉症の親」の研究が報告されたことが、自閉症スペクトルという
概念が生まれたキッカケになったそうだ。

リアン・H・ウィリーは、未診断といっても積極的未診断主義を貫いて本を書いた。

私も、診断を前提としている『自閉症アンケート』で、以下のような断り書きをつけている。

 すみませんが、診断のついた御本人またはご家族の方に限定させていただいています。

 ご本人に確定診断がなくても、診断のついたお子さんをお持ちの親御さんで確信できる方は、
 上記の限りではありません。

というのは、子どもの診断をキッカケに自分自身がアスペだと分かり、今現在社会生活を営んで
いる人は、嫌な体験もいっぱいしているだろうけれど、何らかの工夫をしながら乗り切って来た
のではないかと思うから。

自分のために、そして、子どもたちのために、自分がしてきたこと・感じてきたことをそのまま
闇に葬らずに書いて欲しい。
自閉症の研究者は、長い人でもたかだか20〜30年。それよりも長い時間を自閉症と共に生き
てきた人は、自閉症だと知らずに生きてしまったかもしれないけれど、知識としての自閉症しか
知らない人には知り得ないことを知っているはず。そういう、積極的な意味があるから。
[2002年7月13日 18時20分31秒]

テーマ: セルフエスティーム   
日本の子どもたちは、概して自分に自信が持てていないという統計結果がある。或る高校教師
は、その原因が「小さい頃から協調性を要求されるからだ」と説明した。
自分に自信を持てない人がこんなにたくさんいる国って、いったい誰のための国!?
[2002年7月13日 15時32分4秒]

テーマ: 『親の目・子の目/海君の挑戦(前編)』   
わ〜い、高機能自閉症の子どもたちが、そのまんまテレビに出たぞぉ〜!

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■ テレビ朝日 7月12日(金)  10:55〜11:25 「親の目子の目」 放送予定 ■

高機能自閉症と診断された青森市の小学二年生の少年。脳の一部にごくわずかな
障害があるものの、障害で悩んでいることは外見からは分かりづらい。このよう
な軽度の発達障害で苦しんでいる子供たちが全国で数万人いるという。青森の少
年の一家を取材し、軽度の発達障害に対する理解と支援について考える。

全国の放送時間

北海道放送  土  7:00〜 7:30   朝日放送   金 11:00〜11:30
青森放送   月 10:25〜10:55   日本海テレビ 木 10:55〜11:25
IBC岩手放送  月 10:20〜10:55   山陰放送   木 10:00〜10:30
秋田放送   水 10:55〜11:25   中国放送   金 11:00〜11:30
山形放送   土 10:00〜10:30   山口放送   金 10:30〜11:00
東北放送   月 10:18〜10:47   西日本放送  火 10:55〜11:25
福島テレビ  月 10:25〜10:55   四国放送   水 11:00〜11:30
新潟放送   金 10:30〜11:00   南海放送   金 10:30〜11:00
北日本放送  水 10:55〜11:25   高知放送   月 10:00〜10:30
北陸放送   月 10:20〜10:50   RKB毎日放送  月 10:50〜11:20
福井放送   水 11:00〜11:30   長崎放送   月 11:00〜11:30
信越放送   木 10:45〜11:15   大分放送   月 10:45〜11:15
山梨放送   月  9:55〜10:25   熊本放送   月 10:45〜11:15
全国朝日放送 金 10:55〜11:25   宮崎放送   月 10:45〜11:15
静岡放送   土  7:00〜 7:30   南日本放送  月 11:00〜11:30
名古屋テレビ 金 11:15〜11:45   沖縄テレビ  月  9:55〜10:25

※後編は9月に、夏休みを過ごした海くんの様子を放送する予定。
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ただ、途中、塗り絵をいやがって「ぼくはやりません」と言った場面で、ただ「やる気を引き出
すことも能力の一つ」としたコメントには、大いに疑問。
確かに、やりたくないこと・できないことをやるための動機づけや自己コントロールも重要だけ
れど、ここでは「なぜ・塗り絵を嫌がったか?」「どういう・身体や認知の発達課題がある
か?」「今やっていることが・海くんの発達レベルに相応しているかどうか?」を考えなければ
いけないところ。(あの、色の塗り方を見れば、一目瞭然!)
[2002年7月13日 8時2分30秒]

テーマ: 矛盾。   
場合によっては(と言うより、本人の性格によっては)ASやADHDの人に、人にではなくモ
ノに興味を向けさせておいた方が安全なこともある。(注:極限では困るが…。)
こだわりや攻撃性が人に向いてしまったり、対人関係に注意が集中するあまりに対人恐怖やうつ
(自己攻撃)に向かってしまうこともあるからだ。

「みんなちがって・みんないい」が前提になっていない社会では、支援者が一生懸命に人と違う
ことを肯定しようと動いても本人自身が否定してしまったりするし、人と違う生き方を貫こうと
する人を迷惑に思う人が必ずいるので、自己矛盾を抱えながらの闘いになる。
[2002年7月12日 7時59分54秒]

テーマ: “きんえんせき”と“きつえんせき”。   
「“きんえんせき”と“きつえんせき”の、どちらかをおえらびください。」

こんな風に言われたって、急に反応できない。
まず、これがタバコに関することだと分かるまでに、数秒。←これは、誰でも一緒だと思う。

分からないけれど、「音」だけは完璧に記憶されているので、頭の中で繰り返し再生が始まる。

不思議なことに、何だかわけがわからないけれど、人がワタシに向かって言った言葉というの
は、「音」として記録されやすい。そしてそれは、無意識のうちに何度も何度も再生される。
同様に、人がワタシに話しかけたときの顔の形状とか、こちらからの反応が返ってこなかった時
の当惑した様子というのも、「画像」として記録される。
(だいたい、わけがわからないけれど、何らかの係わりを持たれたことだけはわかっている場合
ほど、強烈にインプットされる。)

で、たいていの人は、早口でこんなことを急に言われても処理できないので、そこで当惑してい
ることを誰かに伝える(ツレがいれば、仲間同士で「今、なんて言った?」だの「早くて聞き取
れなかった」だのという言葉にすることで、不確定な情報に困惑している気持ちを共有する。一
人ならば、店員に聞き返すか説明を求める。)

そういう時に、聴覚記憶に基づいて「音」が再生できてしまうのは、或る面からすれば取り柄
だ。みんなが困惑している時に、正確に「きんえんせきときつえんせきのどちらかをおえらびく
ださい。」と再生してあげることができるので、とっても重宝する。けれど、それは単なる情報
の再生であって、気持ちは共有していない。
一人の時は、頭の中で「音」を再生しながら、タバコ関係のことを言っているという「意味」が
分かってくるのをひたすら待つ。でも、「音」だけだと、タバコに関することだということは分
かるけれど、禁煙/喫煙のどっちがどうだったかわからなくって混乱してしまう。で、結局は、
席に置かれている「禁煙マーク」という視覚情報で処理することになる。

どちらにしても、さも分かったように見えているだろうけれど、実は言語の直接処理をしている
のではなくバイパスを使って行動している。

こういうことが積もり積もると、処理能力を超えてシャットダウンしてしまう。
[2002年7月11日 23時5分18秒]

テーマ: 社会脳。   
自閉症を観念的にしかとらえていない研究者は、「心の理論」の欠如だとか、人の気持ちが分か
らないとか、注意障害によって共同注視に問題があることだけを取り上げて、自閉症の原因が扁
桃体にあるという結論を出したがるようだ。
そして、自分を社会的に有利にすることと自分の遺伝子を残すことが人生の目的であるかのよう
な筋書きの中で、人と雑談を交わすことができたり、どういう人とどういう会話をしどのような
振る舞いをすればいいか判断できる社会的な能力が、現代人にとって必要だと強調する。

確かに、それは自閉症の一つの面だ。けれど、小脳の身体協調機能の不備が社会的行動に及ぼす
影響を考慮しないならば、片手落ちだと思う。(その両方があるので、広汎な発達上の障害なの
だ。)
[2002年7月11日 22時33分15秒]

テーマ: おっと、大事なことを書き忘れ。   
男でさえこうだから、女はもっとたいへん。←これを書かないと、多方面から抗議が来そうだ。

それから、一人一人がほどほどにオールマイティであることを要求され、一人で何でもやらなけ
ればならない世の中になったことは、LDや興味・能力に偏りのある人にとっては非常に不都合
(と言うより、こういう人を採用する側・こういう人を伴侶にする側にとって不都合)。
[2002年7月11日 22時20分50秒]

テーマ: 何故、排除の対象になった?   
現在、巷に流布している人生論や人生相談の模範回答(例えば、こまめな言葉がけが必要、コミ
ュニケーションを密に、外見を誉めろ・・・etc,.)は、女性的な発想を優遇しているように思
う。(今は女性優位で、女性にすかれることが経済的成功をおさめるコツだそうだ。)
となると、自分たちと違う構造を持っていて理解しがたいばかりか、自分の社会的価値を落とす
ような育てにくい子に対して、寛容でいられるはずがない。
それだけでなく、男の子らしさの極ともいえる典型的なADHD(注:診断〜治療が必要でない
ものまでも含める)や、昔から一つの生き方のパターンとしてあった学習障害がなく非常に高機
能なASたちまでもがうっとうしい存在になり、かつてそういう子どもであった成人たちに対し
て心ひそかに「何とかしたい!」と思っていた人たちが、一斉に声をあげたり離婚したりするよ
うになったのではないだろうか?
[2002年7月11日 7時47分16秒]

テーマ: 排除される対象。   
あれもこれも直したいとか、非自閉者にとって感情の共感性に欠くことがいかに苦痛であるか書
かれた本を読むと、自分が悪いことをしているような罪悪感にとらわれてしまう。
この一ヶ月の間、急に「アスペルガー」が有名になったことは、世の中全体が「厄介払い」の方
法を見つけたかのような錯覚を抱いて、歓喜しているようにも見えてしまう。
[2002年7月10日 16時1分42秒]

テーマ: 療育の成果。   
行動を変容させることはできる。
しかし、それはテクニックに過ぎないことを、肝に銘じておくべきだ。
[2002年7月9日 18時29分25秒]

テーマ: 大事なこと。   
発達上の障害があっても、人格的な間違いを起こさせないために必要なこと。

■社会的に不適切な振る舞いは、できる限り修正すること。
 特に、善悪の判断ができること。(衝動性の)自己コントロールができること。
■自己認知のズレを、極力少なくすること。
 他者からのアドバイスを聞けること。←発達障害をよく知った他者に出会うこと。
■正当な努力ができること。
 一時的な落ち込みは仕方がないとして、前向きな姿勢を失わないこと。
[2002年7月8日 7時33分48秒]

テーマ: いやな仕事。   
いやな仕事は、土日にやることにしている。(在宅でなければ、できないことだけれど。)
いやな仕事は、やりたくない。⇒やりたくないから、だるくなる。⇒だるくなると、眠くなる。
でも、土日なら、テレビでありふれた旅番組やグルメ番組を必ずやる。別に、見ているわけじゃ
ない。音もしているけれど、聞いているわけでもない。
ただ、旅に出て、温泉につかりご馳走食べている人はとってもHappyだから、その雰囲気が伝わ
ってくるのがいいのだ。
(自分で行くと、匂いと空気で気持ちが悪くなるし、豪華なご馳走を食べられるほどお金無いか
ら、絶対にそんな気分になれない。それに、ワタシの身体感覚に合う寝具が置いてあることはま
ずないため、腰痛でそれどころではなくなることがわかっている。)
[2002年7月7日 22時56分39秒]

テーマ: 給食と体育の社会的意味。   
「食べる」ことと「スポーツをする」ことに長けている人が、大人になってから勝ち組みになる
のは、「食事を共にする」「出されたものを何でも食べる」ことと「リクリエーションに参加す
ること」と「身体的拘束に耐えること」が、ほとんど“誠意”を表すからだろう。
コミュニケーションが下手な人や、話が噛み合わない人や、突拍子もないことをする人や、発想
がズレている人は、結構いる。けれど、そういう人は、陰口をたたかれながらも、ちゃんと社会
の一員をやっている。
構造が社会的である・ないの別は、社会的にちゃんとできる・できないの問題ではなく、主観的
にも客観的にも社会に帰属できるかできないかの違いなのかも。
[2002年7月6日 21時15分49秒]

テーマ: 「愛着」と「欲」は、どう違う!?   
自分が手を掛けたものは、自分の目の届く範囲の人にしかあげない。
自分が労力を注いだものは、喜んでもらえるものだと思っている。
(そのために、人がパニくろうとうつ病になろうとお構いなし。)
既に自分のものではないのに、「愛着」があるものは放っておけない。

自閉症の子どもにソーシャルスキルを教えて社会化するのは歓迎するし、「愛着」形成も必要だ
と思う。
が、「愛着」に「欲」がつくと、とんでもないものになる。こんなもの、いらない。
[2002年7月6日 17時30分58秒]

テーマ: 書いてあると優先してしまう。   
買ったものがうまく動かなかった時、説明書に「ご不明の点は、下記までお問い合わせ下さい」
と書いてあったので早速そこに電話して係りの人に来てもらったら、電池を入れる向きを間違え
ていただけだったことがあった。(数年前の出来事。)
とりあえず、その場にいる人に聞けば良い(普通、聞くだろう)ものなのに、そっちには頭が回
らない。

これは、ハイパーレキシアの残遺症状かも〜♪

自分が文書を作る係りで他にも担当者がいるというのなら、電話連絡を密に取り、FAXで原稿を
送って確認したりなんたてことが自然にできるのに…。
ただし、この場合は、相手が天敵だったりすると全くだめになってしまう。ほとんど一人でやる
のが常だったのに、今年の役員(中学のクラス委員)は、とても相性が良いのでとてもうまく事
が運んでいる。こんなのは初めてだ。(全く何もやらない先生に当たったのも、初めてだけれ
ど…。)

なんだか、とっても不思議な感じ。(インターネットを使って、教育関係の仕事をしている人ら
しいので、共通点があるのかも〜?)
[2002年7月5日 18時40分0秒]

テーマ: 姿勢保持の問題。   
最近、やっと体調が回復して起きていられる時間が増えた。そうすると、姿勢保持が緊急課題に
なってくる。
重力に抗して頭の位置を保つのが難しいのは、単に筋力だけの問題だと思っていたのだが、それ
は前庭機能全体の障害で、覚醒水準にも影響を与えるとモノの本に書いてあった。ただ鍛えるだ
けでも気合を入れるだけでも解決しないことは明白なので、何とか解決策をこうじないと、姿勢
保持がつらくてごろごろ〜眠くなるを繰り返してしまう。
塗る痛み止めはもう何年も欠かせないし、簡易つぼ吸い治療器も使っている。最近、内科関係の
薬をもらっている医院に、何故か保健適用の赤外線治療機・マッサージ機などが取り揃えてある
のを発見して以来、あっちこっちが冷えたり痛いのはずいぶんと楽になった。だが、そろそろキ
ーを打ったり本読んだりするのもたいへんになってきたので、それなりの椅子を支度しないとい
けないかも。(でも、福祉機器は高い!)
[2002年7月5日 13時25分44秒]

テーマ: 二元論の終焉。   
現在の見識では、{感覚・身体}⇔{意識・精神活動}が分化・対立しているのではなく、{意
識・精神活動}と{感覚・身体}は切り離せないことがわかってきているそうだ。
[2002年7月5日 9時0分33秒]

テーマ: テンプルさんに関する新事実。   
生まれたときは正常だった。

だが、六ヶ月目には、母親がちょっと体に触れただけでも身をすくませ、抱っこの手を必死に振
りほどこうとした。ほどなく、他人と肌が触れあうことに我慢できなくなる。会話の最中に電話
の呼び出し音が鳴り、家のそばを通りすぎる車の音がすると、耳の痛みを感じてパニックに陥
り、かんしゃくを起こして、そばにいる者を手当たりしだいにたたいた。

「脳に損傷があります」。三歳のテンプルを診た医者はそういった。両親が雇った厳格な家庭教
師は、体操や「マーチング・バンド」などの反復ゲームを中心にテンプルの生活を組み立てた。
この日課のおかげでたまには、目の前の行動に意識を集中することも、話すこともできるように
なった。敏感すぎる神経系の痛みにたまりかね、周囲の刺激を避けることが得策と悟ったテンプ
ルは、はるかな夢想の世界に身を置いた。

高校生になるころには格段に進歩し、学校の勉強はさほど困ることなく、周囲の喧騒に対する過
敏な反応もときとして抑制できた。たいていの場合、騒ぎから気をそらして絶え間ない不安や恐
怖を抑えていたが、その姿はクラスメートの目に冷淡でよそよそしいものに映った。孤独感に苦
しむようになり、悪ふざけやかんしゃくをくりかえして疎外感と闘った。学校側はそんな彼女を
放校処分にしてしまう。

一六歳のとき、アリゾナのおばの農場にあずけられた。毎日決まった作業を続けたことで、集中
力が養われていった。テンプルは家畜用の誘導路に強い関心を示しはじめる。…(中略)…自分
用にも同じものがあったら、とテンプルは思いえがいた。(略)

この時点で、写真並みの記憶力に、本人も担当医も気づいていた。テンプルは自閉症の天才(サ
バン)だったのだ。唯一の受け入れ先、情動障害のある天才児向けの特殊学校に再入学した彼女
は、指導教諭から人間用の圧迫機製作の許可を得る。その実現を目指して機械工学と数学に熱中
し、問題解決に必死になった。(略)

(略)他人に近づくと不安が高じ、文字どおり突進して相手を突きとばした。感情が高ぶると、
体の動きを抑えられなくなるのだ。寸前で踏みとどまっても、相手の鼻先まで近寄って話しか
け、いっぺんに座をしらけさせた。
テンプルはそこで考えた。不快感を与えずに他人に歩みよるのは、スーパーの自動ドアに近づく
のと変わりない。どちらもゆっくりと近づかなくてはだめだ。それならば、とセーフウェーに通
いだした。ドアに近づく練習を何時間も続け、ついには無意識にできるようになった。練習が実
を結んだのだ。人に近づくときも、ドアを思い浮かべるとうまくいった。ドアは地図のようで、
慎重な人づきあいという抽象的な考えを図解してみせた。

                   『脳のはたらきのすべてがわかる本』(P18〜20)


↑の著者はADD、冒頭にテンプル・クランディンへの謝辞が掲げられている脳の本。
[2002年7月4日 22時26分17秒]

テーマ: 2002年。   
今まで、形式だけの関係・その場限りの関係しかなかった。しかも、基調となる感情は「みんな
がワタシのことを怒っている」だった。
感じていることを感じたままに書いて話が通じる経験、助けてもらってくどくどとした余計な挨
拶のない付き合い、特に連絡も付き合いもないけれど繋がっていると確信できる関係。それと、
フラッシュバックが起きない脳を手に入れたのは、今年になってからのことだ。
[2002年7月4日 21時50分37秒]

テーマ: ↓の補足。   
先方の都合をちゃんと聞いた上で、よろこんでいただけることを確認して贈っている。(作る人
が年取って、ちょっと依怙地になって、時々鬱っぽかったりもするため、同時救済。)
[2002年7月4日 20時52分29秒]

テーマ: きゅうり一掃作戦展開中!   
食べる人もいないのに、作る人と採って来る人がいる。ならば、食べる人を作れば良いというこ
とに気がついた。
いろいろお世話になった人に本を贈ろうと考えていたら、「贈る」=「おくる」ことを思いつい
たのだった。
[2002年7月4日 16時8分16秒]

テーマ: サングラスなしでまぶしさを防ぐ方法。   
触覚的にNGでサングラスを外さなければならない時、「白」を反射しない「色」を見る。
というのは、ワタシの場合は、「白」がダメだから。
[2002年7月4日 16時3分6秒]

テーマ: 身体・運動・生活   
不器用と言ってしまえばそれまでなのだが、末梢神経にまで命令が行き届いていないのに、動作
を片手・片手間でやってしまう。当然、きちんとできずにいい加減な感じになる。
それを、「一度に一つずつ両手でやるように」教わったのは、寺でだった。

もともとの生活リズムが一定でないのと、「こだわり」のないところでは何もすることがなくな
ってしまう性質のため、休みの日には一日中ボ〜〜ッとしてしまう。
だからこそ、(後になって多少崩れるのはかまわないが)一度は、外側からきちんとした生活の
枠をはめておく必要があることを教わったのも、寺だった。

こういうことは、「がんばればできる」「その気になればできる」というものではないのだ。ち
ゃんとツボを押さえて、教わる必要がある。
[2002年7月1日 22時41分47秒]

テーマ: お付き合いのルール。   
誰かにお酌をしてもらうと気分が良い、相手が美人・ナイスボディ・イケ面だともっと気分が良
い、総じて人にサービスしてもらうと心地よくなるのは、一つのパターンでしかないと思う。
(それが、人類が進化させてきた社会脳の所産だとしてもだ。)
そういうかかわり方が不快だというのもまた人類のモデルの一つなのだから、そういう相手に対
しては付き合い方を変えるのが思い遣りだし、本当の社会的な行動ではないのか!?
だからといって、お互いにそっぽを向いたり隔離したり抹殺しようとするのではなく、新しい付
き合い方のルールを考えるべきだと思う。
[2002年7月1日 9時12分45秒]

テーマ: 脳学者。   
脳学者にもいろいろあって、中には「脳」バカとしか思えないような輩もいる。それがばかばか
本を出し、けっこう売れていたりもする。こんな、その脳を持っている人が生きていることを考
えていない、思い遣りのカケラもないような人物が脳の研究をし大学で教えていていいもの
か!?と思う。(←こないだのと別の大学教授を発見!)
こういう本は、「そのうち消える」ことを唯一の望みとして、我慢に我慢を重ねて破綻してしま
った脳をコントロールするためのデータを集めている、ワタシの脳に悪影響を与える。本当に、
この手の本は選択が難しい。(Amazonで買うと、二度と名前も見たくないような作者の著作を
性懲りもなく「おすすめ」してくれるので、それをリストから削除するお楽しみもある。それ
で、ストレスを解消できることを考えれば、あながち無意味ではない。)

どうせこういう輩は、「脳」ばっかり見て人間を見ていないのだろう。ましてや、発達障害につ
いては、論文の脳に関する部分を読んで知っているだけで、実物を見たことがないのではないだ
ろうかと推測できる。発達障害という用語自体を、親の不適切な養育が原因で発達を阻害された
子どもだと解釈しているような書き方をしている。
こういう連中に、ADHDや自閉症の幼児を預けて面倒をみさせたら、その日のうちに発達障害
に関する記述を書き換えるに違いない。(こういう「脳」バカは人間を知らないのだから、その
ことを積極的に教えてあげないと、人類全体の今後のためにも良くないと思う。)
[2002年7月1日 8時12分28秒]

テーマ: 新聞紙。   
今日の持ち物の新聞紙を、ランドセルいっぱいに詰め込んで持っていった次男。
「忘れる人がいるから」だって。これは、すごい進歩だ。(その前に、自分の文具の管理をし
ろ!と言いたいところだが…。)
しか〜し、本当に忘れる人のことを思っているのか、それとも自慢げに新聞を配るパフォーマン
スをするのが目的なのか疑問なところでもある。でも、この心理的な変化自体は良いことだ。
(だからこそ、持ってきかたが難しくなっていく。)
[2002年7月1日 7時52分24秒]

※本人以外の書き込みはできません。
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