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サイドカー・ニュースVol.13>>=======
サイドカーニュースご覧の皆さん、こんにちは”こんばんわ”RT
GREENPREACE with CONVERCE
の大関です。
4月のレースレポートから暫く空きました。まるまる1ッ月半インターバルおいての5月31日、富士のレースとなりました。それまでの間、私はスイスの方に山岳スキーに行ってまして、楽しく素晴らしい経験をしてきました。兼ねてから望んでいた事でして、ようやっと実現した訳ですが天候、状況的にも恵まれレースとは180°反対、アルプス大自然の静寂の中スキーを楽しんできました。
その時のコラムも私のHPに掲載しています。御興味のある方はこちらへどうぞ。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ozeki/my-room/ski/myroom_ski.html
さて本題に戻りましょう。
我々のマシン、今シーズンから新しいマシンに変更しました。新しいと言ってもモノコックフレーム形式でいうと94年式になります。そのマシンも5月連休明けに日本に到着しました。それから調整整備等がありましたので、手元に届いたのはレース1週間前でした。エンジン等自体は走れるようになってはいますが、カウリング塗装はドタバタで仕上げました。
今年のマシンをご紹介します。99
LCR ADM です。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~ozeki/GreenPeace/Machineimage.html
新しいマシンを使用するに際して困る事は、何と言ってもデータがない事です。
昨年迄のデータは?、と思う方もいるでしょうが基本的にデータ取り直しとなります。ましてや我々の今年のマシンは燃料が無鉛ハイオクガソリンになっています。昨年までは「AVガス」通称「アブガス」と言ってまして、航空機用燃料だった訳です。ですからキャブレターセットを始め、燃焼室容量等も変わっていますので、全くデータがない事になります。
無鉛ハイオクですから、一般的ガソリンスタンドで販売しているのと同じですが、航空機用と比較して燃料の質的には良くないと言ったら語弊はありますが、気おつけなければなりません。航空機用は人命に関わる物に使用されますから、絶対的な信頼性が必要です。ですから、完全燃焼する良い燃料で、ジワッと完全に燃えるイメージの燃料になります。
対して無鉛ハイオクなどは、パッと燃えて完全燃焼しなく、燃え残りが発生します。これをそのまま放っとくと、いわゆるカーボンの付着となってきます。
簡単な説明ですが、この燃え方の違いで点火の設定が変わったり、燃料も分子レベルでみると質量が重くなりますので、キャブレターのセットの仕方も変わってくるのです。
無鉛ガス化は、地球環境問題の対応としてですから仕方のない事です。
事前のテストはなく、レース前日の練習走行が初乗りとなりました。
無鉛ガス仕様のキャブレターセットは濃い状態になるのは判っていますが、とにかく走らせてみないと感触が掴めません。
その練習走行です。慣らしをしながらの3Lap位、私の感触としては濃い状態なのに案外気持ち良くまわるな、という感じでした。ですが、ペースを序々に上げていった5Lap目のストレートゴールフラッグ付近で回転が「フッ」と重くなったので、エンジンを止めて1コーナ手前でマシンを止めました。エンジンの焼き付きでした。
直に確認すると、手でクランクが回りましたので軽い焼き付き状態であると判断できました。びくともしないと、他への影響も考えてしまうのでブルーな気持ちになってしまいます。
コースから戻りチェックすると1番3番シリンダーが駄目。3番は使えない状態です。全体的に薄いような状態です。しかし、ペースも余り早くなく、キャブセットも濃いはず。何か納得いきませんでした。だからと言って、これ以上キャブセットを濃い方向にするのも意味がないと感じていました。
解決策がみえないので、ここはマシン調達をお願いし、WGPも走っていた熊谷氏に聞いてみる事に。とは言ってもその時熊谷氏はレースサービスでイタリアに居たのでした。その場で国際電話して確認して貰った処、燃料ポンプの吐出量が絶対的に不足しているのでは?、と言う事。つまり、エンジンが必要としている量に対し供給不足という訳です。そもそもフレームとエンジンは別の所から見つけた訳でセットはしたものの実走させなと判らない状態という事、納得しました。
その日は日が暮れる迄、交換修理。翌日、キャブの調整と燃料ポンプ吐出量をチェック。朝のフリー走行に何とか間に合わせて走った処、得に問題なく2Lap程周回できました。ただレーススピード程まで至らなかったので、どうかとは思ったのですが。これが思わぬ展開になろうとは。
午後からの決勝迄、もう一度細部のチェック。ここは運を天に任す他ない、という状態。メカの立場的にみれば、あれやこれやと考えてしまうので、心臓に良くないですね。!
さて決勝。今の状態、エンジン仕様が他のマシンと異なる中、どの程度太刀打ちできるか興味深々でした。
オープニングラップを終え2番グリットからスタート。スタートは上々、1コーナ手前で赤廣組を押さえてトップで進入、ここ迄は良かった。2コーナ出口でエンジンが回っていきません。シフトアップしていくと回りだします。そのままAコーナ迄2番手でしたが、出口でまた進みません。ここでもたつく感にほぼ最後尾迄順位を落としてしまいます。やはりシフトアップしていくと回りだす繰り返し。ようやく1Lapし戻ってきます。ストレートでは快調そのものですが、低速コーナでは同じ症状。完全に濃い状態で、私が想像するに生ガスがクランク内に入ってボコボコいってるような感じ。
本来であれば、キャブから噴霧化された(気化とも言われますが正確には噴霧です)ガスがクランク室内に吸入されるのですが、それが液のガソリン状態のままクランク室内に入っている感じです。こうなると回るはずがなくなってきます。
そんな状態の3Lap目の1コーナ手前で、レースにならないし、他の部分を壊さない為に止めリタイヤしました。
皮肉な事に、2日とも同じ場所で止めてしまいました。後はレース見物です。私自身サイドカーレースを「見た事」は余りないので楽しめました。
富士のピットレーン終わった箇所でしたので、スピードはかなり出ている状態、230Kmは出ているかな?、そこから1コーナ進入まで見れました。
いやいや、早いですしパッセンジャーって恐いですね、改めて見ると「ヘェ〜」ってな感じです。
後で早川組みに「早いね〜」と訪ねると、「土屋さん、大関さんとこはもっと早いですよ!」ですって。! 「あら、そお〜」と笑い話しになりましたが。
レースの方は、赤廣組、荒木組、七森組、早川組、山中組で毎週デットヒート。いつもはバラけてくるのですが、面白い展開となりました。残り2Lap程で、赤廣組、荒木組の同チームの勝負になってきました。赤廣組は前日の練習で焼き付きを起こしていたので、ストレートエンドまで苦しい状態に見受けられました。
荒木組は競り勝てば初優勝、逃したくない処でしょう。
さて最終Lap、荒木組がストレートの伸びを生かしブレーキング地点で完全に前にでました。このまま押さえて行けば、また何処かでパスされても最終コーナ出口で赤廣組みの背後につけていれば、問題なしと言う状態。
ところが1コーナー進入で赤廣組にパスされてしまいます。戻ってきて結果はどうなったかと確認すると、赤廣組、七森組、荒木組の順でチェッカー。
これで赤廣組はチャンピオンシップ大分有利りなりました。我チームは苦しい状態となりましたが、ベストと尽くしていくしかありません。
さて我マシンどうなったかと言うと、燃料ポンプの吐出量が少ないと言う事で増量させ、キャブレター側の燃料レベルも濃いめ方向にした訳ですが、どうもコーナ進入時の減速Gがかかる事も相まって供給過多ぎみになって、キャブレター自身が完全にオーバフローしてしまった様です。ですからオーバフロー時各ノズルから生の燃料が溢れ出る訳で、クランクケース内の生の燃料が吐け切れるまで、綺麗に回り始めない事になっていた、と判断できます。
2サイクルエンジンですから、キャブレターからクランクケース内、燃焼室へと噴霧化された燃料を圧縮しながら導いていきますので、液体が入ってはしょうがないのです。
ですからデータは何も取れずじまい。とにかくキャブレターが正常に機能する状態にしなければなりません。対策は打てるんですが、走らせる事ができなく、レースで試す事になるので、辛いんですがね。
初期トラブルは付き物ですが、なんとか確実にクリアして行きます。次の鈴鹿ご期待下さい。
レース結果は以下の通り。
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JASU 第3戦MCFAJクラブマンロードレース
決勝結果
Lap:7 99/05−31
富士インターナショナルサーキット
WEATHER: Fine COURSE: Dry
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POS NAME TIME
Machine-TYPE TEAM NAME
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 1赤廣/光部
13`32.993 LCR/KRAUSER FUJIOKA
RACING
2 6七森/向日
-0`06.168 LCR/ADM ムカイビJ・P・N
Racing
3 4荒木/山中
-0`09.384 LCR/BRM FUJIOKA RACING
4 10早川/塩川
-0`15.121 LCR/JPX-Y
コンビネーションRT
5 3山中/渡辺
-0`22.126 WIN/JPX-Y
コンビネーションRT
6 7山本/深井
-1`11.759 WIN/KRAUSER
コンビネーションRT
−−−−−−−−−−−−−−−以上 完走−−−−−−−−−−−−−−−
- 2土屋/大関
---------- WIN/KRAUSER
RTグリーンピースCONVERCE
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
START
14:01`35.000 FINISH 14:15`07.993 FINISH CAR
6
BEST TIME No.4
荒木/山中 1`51.659 6/7LAP
142.376Km/h
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荒木/山中組がベストラップ、サイドカーでのコースレコードになります。七森/向日組も今シーズン安定してポイントを重ねています。各チームのタイムも上がってきていてレースとしては面白い状態になってきています。
我々のチームはまずポイントを確実に取って行き、上位に食い込む事から始めなければなりません。
ここ数年何か運がないですね〜。でもレースはレース、頑張ります。
それではまた、お会いしましょう。
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