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unicorn(ユニコーン)
有名な妖精で、1本の角が生えた白馬の姿をしています。ユニコーン
の力の殆どは、角に秘められていると考えられています。その力は、角
だけになっても衰えることはなく、ユニコーンを捕まえようとする狩人の
逸話が多くあります。
警戒心の強いユニコーンが唯一気を許すのが、乙女で、一度気を許す
と、その膝の上で眠ってしまうとも、乙女の言うことだけを聞くとも言われ
ます。
ユニコーンの角は、現実に19世紀に至るまで、ロンドンでは魔法薬の
材料として高価に取引されていました。実際にはイッカククジラの角で、
イッカククジラ自体もユニコーンと称して売られていました。その為、この
イッカククジラを元に生まれた伝説であるとも言われます。
undine(ウンディーネ)
四大精霊の中の水の精霊です(シルフの欄を参照)。
これはパラケルススの造語で、ラテン語の「undaー波、水」に形容語尾
「−ine」をつけたものです。直訳すると、「波の者」と言った意味になります。
ウンディーネはほぼ人間の姿をしていて、人間と妖精の中間的な存在
で、男も女もいましたが、現在では美しい乙女の姿が一般化しています。
水は人間に身近な元素であるため、他の精霊に比べて、人間とのロマン
ス話が数多くあります。しかし、夫は自分の妻であるウンディーネを水の上
や水辺でののしってはいけません。これを破ると、ウンディーネは永遠に水
の中に戻らなくてはならなくなってしまいます。それにその夫は他の女性と
再婚することも許されません。もし、再婚しようとすれば、ウンディーネが現
れ、夫の魂を奪いに来ます。
unseelie coat(アンシーリーコート)
スコットランドでは、人間を傷つけたり、脅かしたり、殺したりする悪意のあ
る妖精のことを、アンシーリーコートと呼びます。良い妖精のシーリー・コート
も、困らせれば人間にとって危険な存在になりますが、アンシーリーコートは
例え親切にされても、人間に好意的になることはありません。
イングランドの湿地帯に、ヤレリー・ブラウンと呼ばれる小さい妖精の話が
あります。ある親切な労働者の男が、ヤレリー・ブラウンを閉じ込められてい
た瓶から出してやりました。しかし、妖精は男に、自分を外に出してくれたお
礼をするつもりだと騙して、故意に男を傷つけ、ありとあらゆる方法で彼の幸
運をさらってしまいました。
この小さなヤレリー・ブラウンの話は、アンシーリー・コートを典型的に描い
ていますが、ハイランドに住むアンシーリー・コートはのむれは、もっと悪質で
不運な男や女を狙っては、自分たちの魔力にものを言わせ、妖精の矢を射か
けたり、飛んでいて上から家畜を襲ったり、穀物を枯らしたり、羊や牛の群れに
病気を広めたりします。
urisks(ウリシュク)
ウリシュクはスコットランド高地地方に棲む、粗野なブラウニーの一種です。
外見は半人半獣のサチュロスに似ており、上半身は毛深い人間の男で、シカ
の足とヤギのひづめをもっています。
ウリシュクが家庭にやってくるのは非常に幸運なことで、農場の仕事や家畜
の番をしたり、また色々な家事をこなします。ウリシュクはお気に入りの水たま
りに良く出没し、ときに孤独になると人間の仲間を欲しがって、一晩中旅人を追
いかけたりします。当然、旅人はウリシュクがいかに無害で情の深い妖精であ
るかは分からないので、旅人は彼を怖がります。
またウリシュクは一人暮らしの妖精ですが、一年に何度か一緒に集まります。
ウリシュクのお気に入りの集合場所は、ロモンド湖の北西にあるカトリン湖近く
のほら穴であったと伝えられています。