R e c o r d e r


私の愛するリコーダー達

ソプラニーノ(アウロス)
合成樹脂 440Hz

これだけはプラスチックですがいまだに大活躍しています。
アルト(プレスコット)
黄楊 440Hz
オリジナル・モデル

440でこれだけ豊かな低音が鳴り、表現力のある楽器は初めてです。
ソプラノ(モーレンハウエル)
メープル 440Hz
キンセカー・モデル

中世・ルネサンスの曲で大活躍低音が豊かな楽器です。
アルト(ハンドメイド)
黄楊(表面硝酸加工) 415Hz
ブレッサン・モデル

トーン・ホールが大きめでピッチを決めるのに苦労しますが表現力と「味わい」が魅力の楽器です。
ソプラノ(コブリチェク)
メープル 440Hz
プレトリウス・モデル

面構えと同様何とも言えない「野太い」音がします。
アルト(ハンドメイド)
黒檀 415Hz
デンナー・モデル

ピッチは正確レスポンス良好
車に例えたら「スポーツ・カー」の様な楽器です。
ソプラノ(メック)
黒檀 440Hz
ブレッサン・モデル

黒檀といっても柔らかいものを使用しているようで、中庸でおとなしい音です。車で言うと「国民車」
 ここに間もなくスティンズビーという仲間が入る
 予定です。
ソプラノ(ハンドメイド)
黄楊 415Hz
テルトン・モデル

バロック・ピッチになると、こんなに表現豊かな楽器になるのか、ということを感じさせてくれる逸品
アルト(フォン・ヒューネ)
黄楊 392Hz
SCHERERモデル

392というのはアルトの表現力とテナーの低音を兼ね備えています。これでフレンチはたまりませんよ。
ヴォイス・フルート(竹山)
メープル 415Hz
ブレッサン・モデル

確かに「人の声」に近い音色
ただし、D管のテナーですからアンサンブルには頭の中で・・・
バス(ヤマハ)
メープル 440・415
オリジナル・モデル

世界のヤマハ・バスです。
415の替え管と直吹き用のキャップが別売りで出ています。
テナー(コブリチェク)
メープル 440Hz
プレトリウス・モデル

「荒々しいテナー」の音は中世のダンスにはピッタリです。
バス(キュング)
Kirschbaum 440Hz
オリジナル・モデル

ニックシステムのバスです。
何よりも音の力強さが特徴で独奏楽器としても十分使える楽器です。
テナー(コルスマ)
ブビンガ 440
アウラ・モデル

ややピッチの高い楽器ですが、豊かな響きをもっていてアンサンブルには重宝します。
ゲムス・ホルン

リコーダーではありませんが
仲間ですから。
1オクターブしか音域はありませんが、この楽器のコンソートは鄙びたポジティフ・オルガンのようで味わいがあります。
上からバス・テナー・アルトです。
テナー(ヤマハ)
プラム・ウッド 415Hz
オリジナル・モデル

415のテナーは限りなくフルート・トラヴェルソの世界に近づいていくようです。
ちなみに人工象牙です。
テナー(メック)
黄楊 415
オトテール・モデル

とても音域の広い楽器です。
表現力もあり、フランスものやバッハなどをバリバリ吹きたいという人に合っています。
私はまだ使いこなせません。

私のLesson

【エチュードの変遷】

最初に使用したエチュード

(表紙の擦り切れに苦労の跡が)
「ギースベルト
リコーダー教本」

Franz.J.Giesbert著
花岡和生 監修
小平武二 翻訳

日本ショット社
 皆さんよくご存じの
エチュードです。
 リコーダーを勉強しようとする人が、誰でも一度は手にするのですが、1ページから最後までやり通す人が少ない事でも有名
 ここに全てが書かれているのですが。
 良き「水先案内人」
が必要です。
3番目に使用したエチュード

(少し余裕が出
てきました)
「アルト・リコーダー
のための運指練習」 TEIL U

H.Mönkemeyer著

Moeck社
Nr.2001
 一見「子供向け」と勘違いするような表紙ですが、この第二巻はメカニカルな運指の練習です。やはり指が意のままに動くことが大切なのですね。
 ただ、この本は課題を生かした曲集があるので、なぜその課題が必要か具体的に分かります。
引き続き2番目に使用のエチュード

(これには表紙に涙が浸み込んでいます)
「アルト・リコーダー
のための現代練習曲集」

Hans-Martin Linde


Schott社
ED 4797
 さすがリンデ!!
 よくこれだけ難しい運指で22曲も練習曲が書けるものだ。
 音域も全てを使います。自分の指が自分のもので無いような感覚に陥ります。

 でも、やり終わると音域と運指の「恐怖感」は薄らぎます。
現在エチュード代わりに使用している曲集です。 「音楽の楽しみ」

B.Thomas編

Bärenreiter社
BA 8259
 これは自分で選びました。
 ソロの曲集ですが、アルペジオやスケールを音楽的に演奏すること。
フレーズをどの様に作るか、というバロック音楽の「レトリック」を勉強したいと考えているからです。






























 ※ ギースベルトのところでも書きましたが、エチュードの「独習」は難しいと思います。私も、この4冊目に入るまで師匠について10余年かかりました。自分の癖を厳しくチェックしてくれる、同伴者が居て、はじめてエチュードの効果が上がると思います。

【練習している曲は】

その壱
Francesco Barsanti のSonataV(楽譜では♭一つですが実質はg-moll)で、左のファクシミリ版を使用しています。
Francesco Barsanti(フランチェスコ・バルサンティ)【1690〜1772】イタリア(→イギリス)
ロンドンを中心に活躍、スコットランドで民謡の採譜なども手がけた。バロック様式のソナタなどの器楽曲を残しているが、前古典派を指向している。
と、私の持っている音楽辞典ではここまでしか書かれていませんでした。イタリア出身でイギリスで活動したとなれば、使う楽器はブレッサンということで、g-mollでたくさん出てくるGのピッチで苦労しそうだな、という見通しまでは持てました。
曲の構成は第1楽章Adagio(g-moll) 第2楽章Allegro(g-moll) 第3楽章Largo(B-dur) 第4楽章Gavotta(g-moll) 第5楽章Minuet(g-moll) という調性では対称形の構成で全体をまとめています。何といっても聴かせどころはGavottaがバリエーションでできているという所です。バルサンティのソナタはリコーダーの機能を十分に生かした曲想である、という師匠の言葉を励みにいよいよレッスンの始まりです。
今年の私の目標は「身体のリラックス」
さてどうなりますか・・・


その弐
お待たせしました、リコーダーを演奏するにはまず「呼吸」です。これがうまくないと基音がしっかりと鳴らないので、ペラペラな音になってしまいます。私も未だにこれに悩まされているのですがやることは @肩と腕をリラックス A肺に空気が十分入る姿勢 そして最低音のF〜Aをタンギングなしで「太い息で鳴らす」その時横隔膜は十分下に下げておくことです。
そして、この曲でしたら調の基本となる最低音Gを自分が納得いくまで鳴らしてみることから始めます。もちろん、この時にチューナーのGを鳴らしっぱなしにしておくとピッチも安定します。この時に横隔膜を重心として「リラックスしたフォーム」ができていれば完璧です。
さて次は、G→Gのオクターブの跳躍です。下のGでいい音が作れたら初めてタンギングをして上のGを出すわけですが、チューナーはまだ鳴らしておかないと、正確なGが取れませんよ。
そして、このタンギングがまた大切なのですが、長くなるので「その参」に続きます。音作りだけでも結構時間がかかりますが、これができれば半分はできたようなものです。


Recorderの図書館 リコーダーと古楽関係の図書・CDのご案内です。      分館ARCHIV

 【CD】

タ イ ト ル   演   奏   デ  ー  タ 感       想

FRANCESCO MARIA
VERACINI
Sonate per Flauto e basso
ARCADIA
Christoph Ehrsam
Eunice Brandão
Attilio Cremonesi

SYMPHONIA
SY 91S10
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690〜1768)
ヴェラチーニは作曲家兼ヴァイオリニストとして、ヴェネチア・ドレスデン・プラハ・ロンドンなど国際的な活躍をしました。
コレッリの影響を強く受けた作品(教会ソナタ)を多く書きましたが、このCDに入っている作品もヴァイオリンまたはリコーダーによる12曲のソナタの内Prima〜Sestaの6曲が入ったものです。
ARCADIAの演奏はよくこの時代の様式を表わしていて、ヴェラチーニのソナタをリコーダーで演奏する際の参考になるものと思います。
やや、私の趣味からすると「装飾過多」かなと感じるところもありますが、この時代装飾も表現手段の一つですから、それの勉強も含めて一聴に値するものと思います。

やすらぎのガット 
7つの響き
リュート独奏
櫻田 亨
Waon
WAONCD-060
リュート愛奏曲集「7つの総ガット弦リュートによる名曲集」と副題にある通り、6コース・ルネサンスリュート、8コース・ルネサンスリュート、10コース・ルネサンスリュート、13コース・アーチリュート、11コース・バロックリュート、14コース・テオルボ、14コースバロックリュートすべてにガット弦を張った音色にまず魅了されます。
作品もフランチェスコ・ダ・ミラノ、ジョン・ダウランド、バッハ、等リュートが活躍していた時代の作曲家の作品が網羅されていて、リュート音楽を知るにはもってこいのラインナップです。
櫻田氏の演奏は、しっかりとした音楽性の上にたってガット弦の持つ暖かな音色を味わわせてくれるものです。
特に「グリーンスリーヴス」と「ラクリメ(涙のパヴァーヌ)」はお薦めです。
日曜の午後このCDを聴きながらのティータイムという「贅沢」をぜひ味わって下さい。

Lobby リコーダーとそれに関する音楽の「雑感」です。

【Recorderの語源】2008.1.23

 Recorder(リコーダー)の語源というのは、小鳥が巣の中で鳴く「さえずり」を表す動詞“to record”を名詞化したもので、当時はこの楽器で小鳥にさえずりを教えるという雅な遊びがあったところから、この楽器にrecorderという名前がついた、というのが今日の定説ですね。
 でも、私が合唱でRequiemを歌った時Sequentiaに出てきた次の歌詞が気になりました。
 Recordáre Jesu pie, Quod sum causa toae viae: Ne me perdas illa die 訳⇒慈悲深いイエスよ、あなたが歩まれる道はわたしのためであったことを思い、その日わたしを滅ぼさないでください。
 この Recordáre(思い) という言葉はrecorderに似ているではありませんか。しかも、英語の母語であるラテン語です、さっそく本屋へ行ってたった一冊しか出ていない羅和辞典(研究社刊)を立ち読みしました。
 そこには、recordor 1 あることを思い出す・心中に描き出す・思い浮かべる 2 肝に銘ずる・熟慮する・意に留める。そして、その名詞形でしょうか、recordatus 追想・思い出。と出ていました。
 自分のブレッサンの音などからすると「追想・思い出がリコーダーの語源ではないか」と思うのは、贔屓のひきたおしでしょうかね。
 なを、辞典はちゃんと購入しました。(4,200円!!)


【何故Recorderを選んだか】その12008.3.1

 
突然「何を今更」のような話題ですが、世の中に数ある楽器の中で自分が何故リコーダーに取り組んでみようと思ったのか振り返ってみたいと思います。
 私達の世代は何と言ってもそこにブリュッヘンの演奏があると思います。それまではリコーダーという名前も知らず、小学校で吹かされていた「たて笛」それも男の子は半分チャンバラの刀変わりという、今から考えると空恐ろしい使い方をしていましたし、吹ける曲と言えば「ラーメンのチャルメラ」ぐらいでした。そして何よりも嫌だったのが、皆で吹くと音が合わない(なにしろソプラノリコーダーを40人が一斉に力任せに吹くわけですから)ということでした。
 そんな訳で、学校を卒業したら自然にどこか行方不明となって、埃まみれになっていたのです。
 そして大学生の頃ブリュッヘンの衝撃的な演奏に出合ったのです。それでもリコーダーという名前は「たて笛」の上等品の名前だろうぐらいの知識しかなかったのですが、物は試しに生で演奏を聴いてみようという好奇心で彼の演奏を聴きにいきました。どう聴いても私には違う楽器としか聴こえませんでした。そして、楽器への興味よりもそこで演奏された音楽への興味の方が強かったのです。
 それまではバロック音楽というのは、蒸留水のような「歌う」ということとは無縁の、まあはっきり言ってつまらない音楽というイメージが強かったのですが、彼の演奏は「バロック音楽はこうやって、豊かに歌うんだよ」ということを教えてくれた、私にとっては革命的な演奏でした。
 これはリコーダーをもう一度やるしかないということで、楽器を手に入れることを考えましたが、今と違ってこのころは…という話は次回に