音楽番外篇

心の隙間に引っ掛かるさりげない一枚。
無名だけど強力な一枚。
あるいは直接音楽に関係ないけど気になる情報とか。


Shopping Trolley
謎の英国バンド。何故か日本でもMIDIから発売された。
 1曲目はサーカス小屋に迷い込んだかと思うようなめまぐるしい展開の曲で、キーボードとホイッスルにオペラチックな女性ボーカルが絡む摩訶不思議な曲。かと思えば2曲目はきれいなバラードだし、ファンキーでかっこいいロック調の曲に調子外れなピアニカがかぶさったりする曲があったり、ボードビル調があったり。
 ロック、クラシカルポップ、ジャズ、トラディショナルの素養をのぞかせつつ、人懐っこくチープな佇まい。演奏もうまいが歌心と遊び心に溢れているところがすごい。アート・ギャラリーやショッピング・センターで街頭演奏をしていたらしく、なるほど。
Shopping Trolley (1989, Hannibal; MIDI)
Funky Kings
EaglesのGlenn Freyとも交流があったJack Tempchin, 後にソロとなるJules Shear, さらにRichard Stekolらが結成したバンド、唯一のアルバム。
 フロントの3人が均等に曲を書き、ボーカルを取るが、どの曲も素晴らしく、捨て曲が1曲もない。
 印象的なギター・リフで始まる「Singing In the Street」、ほろりとするバラード「Slow Dancing」、ノリノリの「Let Me Go」、胸を打つ「Nothing Was Exchanged」、キム・カーンズもカバーしていた「My Old Pals」、泥臭い「Highway Song」など名曲がぎっしり。
Funky Kings (1976, Arista)
Tom Jans / The Eyes Of An Only Child
数枚アルバムを発表している人だが、この一枚で輝き、以降ぱっととしなくなり今は消息がわからないようだ。
 1975年に発表したこのアルバムは、1970年代のシンガー・ソングライターが好きな人なら絶対気に入る、素晴らしいアルバム。
 苦味のあるボーカル、ナイーブなメロディー、きらきら輝く楽器の音。どこを取っても捨て曲なしで素晴らしい。
 Little FeatのLowell GeorgeがExcutive Producerでクレジットされており随所でスライド・ギターをプレイ。同じくLittle FeatのBill Payneが「Struggle In Darkness」の後半で弾くArp Synthesizer ソロに心打たれる。
Tom Jans / The Eyes Of An Only Child (1975, CBS)
Steve Cropper / Playin' My Thang
最近とても気に入っている。未だにCD化されていないのでCD-Rに録音して、通勤時の車で愛聴しています。
 R&Bのギタリスト、プロデューサー、ブルース・ブラザース、ブッカー&M.G's等で超有名なSteve Cropperが1981年に突如放ったソロ・アルバム。
 華やかなジャケット、懐かしくほほえましくもある踊れるソウル・ミュージックが心地よい。テレキャスターのカキコキしたギターにしびれます。
 ところでスラングだと思うのですが「Thang」てどういう意味かな。
Steve Cropper / Playin' My Thang (1981, MCA, LP)
The Reivers / Saturday
1983年テキサスで結成された知る人ぞ知るインディーズ/ギター・ロック・バンド。1stではZEITGEISTと名乗っていた。
 これは1987年発表の2nd。プロデュースがDon Dixonで、1stのミステリアスな雰囲気に加えてラウドなギターが特徴。特にレコードでB面の1曲目を飾る「Wait For Time」のギター・リフがかっこいい。
 特に変わったことはしていないけど、爬虫類ぽい男性ボーカルと女性ボーカルのツイン・ボーカルであること、メンバーが男2人、女2人というのも気になる存在だった。
 ぼくにしてはニュー・ウェイブぽい一枚です。
 なお、オリジナルジャケットは中心の部分だけです。
The Reivers / Saturday (1987, Dualtone Music Group,CD)

レコスケくん
これ、欲しかったんですけど、この辺の本屋さんには全然売ってなかったんですよね。
 簡単に言うと、レコード好き、というよりレコード安買い一筋のレコスケくんなる青年を主人公にした漫画、なんですが。
 連載していた雑誌が雑誌(ミュージック・マガジン、レコード・コレクターズ他)なだけにいちいちマニアック。ジョージ・ハリソンが大のお気に入りで、ダグ・サーム、ジェシ・エド・デイビス、エルビス・コステロなど多数のレコードが登場。
 それらを知っている読者はかなり面白いが、知らない人にはかなりワケがわからない、が、ウチのマネージャー曰く『判らな過ぎて笑える』らしい。
 わざわざ、京都で買い付けてきてくれた敏腕マネージャーに感謝。
レコスケくん・本秀康 著/ 株式会社ミュージック・マガジン発行
2005.12.07
私の美味しい上海/サンディ・ラム
突然ですが、新しいコーナーを作ってみました。
トップバッターは林憶蓮(サンディ・ラム)の料理本です。
 新譜も長い間出ていないし、どうしているんだろうなあと思っていたら(もうじき香港でライブがあるようです)、こんな本が出ていました。発行日は11月10日付、出たばっかりです。
たんなる料理本ではなく、前半はサンディ幼少のみぎりの写真満載で、家族と食にまつわるエッセイ(サンディはお母さんにそっくり)。
 続いて、エッセイを交えながらサンディが紹介する上海料理のレシピ。
 さらに、サンディが紹介する上海の料理店の案内と、シェフあるいはオーナーとの対談、と盛りだくさんな内容。
 音楽ファンなら、サンディの写真がたくさん見れるだけでも楽しめます。
私の美味しい上海 / ブルース・インターアクションズ発行
2005.11.03


 
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