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9月1日(金)
所属部署が主催するイベント最終日。たいへん盛況で何よりでした。なお、先日の懇親会の件 ではお酒 vs. ソフトドリンクの構図について書いたが、今回のイベントの休憩コーナーでは温かい飲み物としてコーヒーだけが提供されていて、お茶の類は提供されていなかった。私は基本的にコーヒーを飲めないのでちょっと寂しいものがあった。(「数学者はコーヒーを定理に変える機械である」という有名なジョークがあるが、皆様には数学者が皆コーヒーを嗜むわけではないという(当たり前の)事実を認識した上でフィクションとしてのジョークを楽しんでもらえればと思う次第である。)
9月2日(土)
9月3日(日)
週末。なのだが、論文原稿のチェックなどの用事を少しずつ片付けていた。
9月4日(月)
最後に大学の居室に行ったのは先週の月曜日だったのだが、どうやらその際に麦茶の飲み残しを放置してしまっていたらしく、今日居室に行ったら(以下、精神衛生のため省略)。その後始末のために生協の購買部で食器用洗剤を買ってきた。
所属部署の共同利用制度を利用して、今日から1週間ちょっとの間某氏が本学に滞在されることになっており、共同研究のお話をした。楽しみである。
9月5日(火)
共同利用制度での共同研究の件で技術的な進展が(少しだけ)あったのでノートの作成に勤しんでいた。
9月6日(水)
共同利用制度での共同研究の議論をしつつ、合間に別件で研究室の皆さんと事務的な打ち合わせをしていた。
9月7日(木)
共同利用制度での共同研究の議論をしつつ、15時からは別件でのセミナー発表を聴講。今年度から某大学に異動された某氏の(異動前の)指導学生が発表者ということで某氏も来訪していた。
9月8日(金)
共同利用制度での共同研究の件で(短めの)論文を書こうという話になり、原稿の準備を進めていた。
9月9日(土)
週末。近所の美味しいパン屋さんで昼食のパンを買ってきた。
9月10日(日)
週末。以前から気になっていた定理証明支援系Leanの勉強を始めるべく環境整備などをしていた。(実際にはLeanは定理証明だけでなく通常のプログラミングの機能も備えているのだが、現状での主な用途は定理証明支援だと思われるので「定理証明支援系」と呼んでしまっている。)
9月11日(月)
共同利用の件で先週から来訪中の某氏に、うちの研究室で不定期開催している暗号学セミナーで講演していただいた。事前の参加登録などはないので、本番になるまでどのくらい参加者がいそうかわからず、今回に限らず毎回心配になるのだが、今回も(ハイブリッド形式だったが、主にオンライン側に)わりと参加者がいらして一安心でした。参加者の皆様ありがとうございました。
9月12日(火)
共同利用の件での某氏の滞在最終日。短いながら論文(レター)も投稿できて実りある日々だったと思う。
定理証明支援系Leanの勉強を進めているのだが、まだあまりメジャーではない言語らしく、少なくともウェブ上には英語での情報も(他のメジャーな言語と比べると)そんなに見つからず、日本語での情報はさらに少ない状況である。というわけで、私も勉強を始めたばかりの身ではあるのだが、Leanの勉強に関する(日本語の)ノート の公開を始めてみた。今後も随時更新するつもりである(できるといいなぁ)。
9月13日(水)
現在(日本の)他大学に通っている留学生の方で、修士課程で私のところに来て暗号の研究をしたいと希望している方がおり、オンラインで面談を行った。やる気のある学生さんとお見受けしたので楽しみである。
9月14日(木)
この日は在宅勤務で、夕方から某氏と共同研究に関するオンラインミーティングをした。
Leanの勉強を始めた件で、Gitと連携しているとLeanを使うのに便利らしいので、遅まきながらGitを使い始めてみた。以前にも使い始めてみようかと試したことはあったのだがコマンドが中々覚えられずに断念していたのだが、Visual Studio CodeのGit拡張機能がだいぶ直感的に使いやすいため、どうにか使い始めることができている。この日は「現在のファイルの内容を、以前コミットした時点の内容に巻き戻す」機能を始めて使ってみた。ちょっと感動した。これは確かに使いこなせたら便利だろうなぁと感じた次第である。
9月15日(金)
9月16日(土)
週末。昼食はこのところ恒例のパン屋さんでパンを買ってきた。あとは原稿書きのための調べ物をするなど。
9月17日(日)
9月18日(月)
祝日のためお休み。この3連休はあまり連休らしいこともできなかったので、せめてと思って夕食後のデザートを入手してきた。
9月19日(火)
所属部署の共同利用制度を利用して、今日から1週間ちょっとの間某氏が本学に滞在されることになっており(今月上旬の件 とは別の方です)、早速研究の議論をしていた。研究の題材が目白押しで楽しみである。
9月20日(水)
某学会誌の編集委員会議が諸事情により昼食時に行われて、私はオンライン参加だったのだが、終わってから昼食にすればよいかと思っていたら会議が長引いたので、終わった頃にはだいぶ空腹になってしまった。
9月21日(木)
某研究集会に参加。以前から気になっていた話題に関する発表を聴けたので勉強になった。
9月22日(金)
共同利用で某氏との議論。日替わりで多彩なネタが出てくるので楽しいのだが、(議論中にご本人にもお伝えしたが)油断するとどのネタがどこまで進んでいるかの進捗管理が大変なことになりそうである。まさに嬉しい悲鳴というやつである。
9月23日(土)
9月24日(日)
週末。このところばたばたしていて開封できていなかった数学セミナー誌の最新号をようやく読了。連載中のインタビュー記事は今回も面白かった。あと、別の連載は今回は群のコホモロジーに関する解説記事の初回であった。群のコホモロジーは何回か勉強したものの今ひとつわかった気になれずにここまで過ごしてしまっているので、今度こそ何かを掴めるとよいなぁと願っている。
某所の日記の移行作業。2013年2月分について、まずは2013年2月16日の分:
出張中に某エヌ氏から紹介された、エドワード・ゴーリー(Edward Gorey)という人の絵本。
The Gashlycrumb Tinies: Or, After the Outing
いつぞやの「ダジャレ数学クラスタ死亡かるた」のときに彼はこの本を連想したらしい。中身を見せてもらったけれども、なんというか、こう…なんとも言い難い味わいの本だったが、ともかく彼がこの本を連想した理由は言葉でなく心で理解した。
↑次は2013年2月19日の分:
慶応義塾大学総合政策学部の入試問題の数学で数独が出題されたらしい件のまとめ記事 を見た。何というか、出題者がどんな能力を測りたくてこの問題を出したのか意図が不明なので、入試にパズルを出題すること自体の是非は置いておくとしても、入試で出題するという観点では数独は中途半端にメジャーなパズルなのがまずい点だと思う。いくら問題文にルールが記載されているとしても、数独を一度も解いたことのない人と頻繁に解いている人では後者の方が圧倒的に有利である。先程「出題者がどんな能力を測りたくてこの問題を出したのか意図が不明」と書いたが、いくらなんでも、「数学」ではなく「数独」が得意な人を合格させたいという意図ではなかろう。であれば、せめて受験生が誰も(せめて、ごくごく一握りの人以外は)解いたことのないような新種もしくはマイナーなパズルを題材にすべきだったのではないかと思う。
↑↑次は2013年2月23日と24日の分:
今日は関東すうがく徒のつどい に参加して発表させてもらった。自分以外の3件の発表はみんなわかり易くて面白かったんだけど、自分の発表は結局最後の方がグダグダになってしまったので、もし次の機会があったらもっとちゃんと(というか、初めから板書で発表するつもりで)準備をしないといけないなぁと思った。
ともあれ、久々にとても楽しい数学の時間を過ごせたので、運営の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。明日は自分は参加できないけど、トラブルなく楽しい会になるよう祈っています。
これ、当時の勤務先がスライド使用での発表がデフォルトな分野だったので、発表にスライドを使えるものと思い込んで準備をしていて、当日会場に行ったら板書のみであることが判明して急遽板書で発表した、という顛末だったと記憶している。冷静に考えれば板書のみだったとしても何も不思議はない状況だったので、そのことに気が付かない上に主催者に事前に確認しなかった私の落ち度であり、その節は主催者と参加者の皆様にご迷惑をお掛けしました。
「関東つどい」二日目、どうやら中学生(!)の発表者が現れたらしい。私は欠席だったので直接は発表を聞いていないのだけど、発表の中身がどうこう以前にそのやる気と行動力に敬意を抱いた。
私が詰将棋の会合に初めて参加したのが高校2年生のときで、それでも参加にはだいぶ気合が必要だったので、(分野の違いはあれど)中学生でこのような会に参加(しかも発表)するというのは本当に立派なことである。
↑↑↑次は2013年2月26日の分:
昨日、twitter上で今年の東京大学入試二次試験前期理系数学の第五問(問題は例えばこちら )が話題になっていた。この問題、小問が2問あって問1が問2のための誘導になっているのだが、誘導と関係ない方法で問2が直接解けてしまう。具体的には、nを「十進数で先頭桁から8を100個、その後ろに0を50個並べてできる数」とすると、(n-1)n(n+1) が条件を満たす自然数になっている。(恐らく他にも簡単な答えがあると思う。)というわけで、誘導問題の問1は真面目に解き、問2を全然関係ない方法で解いた「とんがった」受験生が果たしてどのくらいいたか気になる。
問題自体は各自で調べていただきたい(上記引用中のリンクはリンク切れになっているのだが、著作権的な扱いがよくわからないので念のため他の情報源にはリンクを張らないでおく)が、この「問2」というのは(表現を変えているが)「連続する三つの正整数の積で、十進法表示に1が99個連続して現れる箇所があるものが存在することを示せ」という趣旨の問題である。上記引用中に挙げた解答について補足すると、(n-1)n(n+1) = n3 -n の右辺で n3 の下150桁はすべて0になるので、n3 -n の下150桁は 10150 -n = 111…112000…000 (上位桁に1が99個、下位桁に0が50個)と同じ並びになる、という具合である。なお、念のためSageMathCell で検算してみて気が付いたのだが、上の n だと下から151桁目も1になる(8の3乗は512で、2から1を繰り下げて1が残るため)ので、1が100個並ぶことになる。もちろん問題の条件は満たしているのだが、何となく気持ちが悪いという場合には、nを例えば「先頭桁から8を98個、その次に9、その後ろに0を50個」にすると1がちょうど99個並んでくれるので枕を高くして眠れる(?)ようになる。
↑↑↑↑次は2013年2月27日の分:
twitter上でしむらさん(@ta_shim_at_nhn)に教わった話 をもとに検索してみたら「TeX数式を含んだ文章のEbraを用いた点訳」という文書 を見つけた。興味深いなぁと思いつつ読んでいたのだが、実は1998年に書かれた文書であるらしく、ということは1998年の時点で(実用レベルだったかはともかく)その手の技術が世の中に存在していたわけで、1998年といったら多分自分が人生で一番点訳していた時期なので、今までこの技術のことを知らなかったことに少々衝撃を受けている。
数学文書の点訳については今でもたまに学者同士の雑談の席で話のネタにするのだが、TeXを使える(入力を通常モードと数式モードに切り替える、といった方法論に馴染んでいる)人相手だと「普通の仮名文字と数字は同じ点配置で表されるが、文章中に「ここから数字ですよマーク」(←正式名称を失念)を置くと以降は数字と解釈される」といった説明が通じやすいのでありがたい。
9月25日(月)
久々に暑い日であった。共同利用での某氏との議論も後半戦に突入。どのネタがどこまで進展しているかの現状の共有などをした。
先日、とある理由で、「東○大学」と「○北大学」に当てはまる名称の(日本国内の)大学がどれだけあるかを調べたのだが、折角なので結果をメモしておく。情報源は文科省が公開している「令和4年度全国大学一覧」 。結果は、「東○大学」が全部で7大学(順不同で、東京大学 、東北大学 、東海大学 、東邦大学 、東洋大学 、東都大学 、東亜大学 )あり、一方で「○北大学」は東北大学のみであった。ご参考までに(何の?)。
9月26日(火)
共同利用での某氏との議論で話題に挙がったとある未解決問題が解けた気がする。
9月27日(水)
昨日のアイデアを(証明の細部の確認を兼ねて)ノートに起こしている。考えたアルゴリズムの正当性を再帰的に証明するのだが、再帰用の仮定が最初に考えたもののままでは再帰がうまく回らず、こっちに条件を追加、あっちの条件を少し変更、といった具合に微調整を繰り返している。で、こういう証明の構成の過程が何かに似ている気がするよなぁと常々気になっていたのだが、これ、詰将棋創作の際に、これだと変化が割り切れないのでここの駒の種類を変更しよう、でも今度は余詰が出るから別の箇所の配置を調整、とする作業だなぁと気が付いてすっきりした。
9月28日(木)
件の証明は無事確認できたので、共同利用の某氏に説明した。あとはこの手法をもっと一般の場合にも拡張できないものか、と考え始めている。
9月29日(金)
昨日は私の側からとある問題の証明を持参したのだったが、今日は某氏の側から別の問題の証明を紹介された。そちらも以前からの懸案だった問題で、仮に証明できたとしてもだいぶややこしくなりそうだと覚悟していたところ、某氏の証明はかなりすっきりしたものだったのでとても驚いた。今日で某氏の来訪も最終日なのだが、今回も密度の濃い議論ができたと思っている。
9月30日(土)
週末。このところ恒例のパン屋さんと、病院の定期健診に行ってきた。