フロアバレー(正式にはフロアバレーボール)は、元々はバレーボールのルールを視覚障害者向けにアレンジして作られました。
その後、バリアフリー等に対する人々の意識が高まるにつれて、晴眼者のフロアバレー愛好者も男女ともに増えてきました。
現在では、視覚障害者のみの大会と晴眼者も参加できる大会、合わせて年4回ほど全国大会が開かれています。
他にも、神奈川県のリーグ戦(2004年度は全17チームが参加)や県大会(2004年は20チーム)、東京都のトーナメント(2004年は9チーム)をはじめ、各地で大会や練習、体験会などが行われています。
新しい大会やチームを立ち上げようとの動きも活発で、今まさに大きく発展している最中にあるニュースポーツです。
一方、現状では、フロアバレーを楽しむ人は事実上視覚障害者と健常者に限られています。 そのことに問題意識を持つ方々により、フロアバレーを他の障害を持つ人(肢体不自由者や聴覚障害者など)とも一緒に楽しめる「ノーマライゼーションスポーツ」に発展させようという試みもなされています(下記「関連サイト」を参照)。
バレーボールと同様に、両チームの選手がネット越しにボールを打ち合いますが、ボールはネットの上ではなく下を通します(そのためにネットは床から若干離れています)。 ほとんどの視覚障害者にとって浮いたボールを打つのが難しいからなのですが、転がったボールの方が扱いやすいのは晴眼者にとっても同じで、そのため初めての人でもすぐにゲームに参加できます。 この易しさがフロアバレーの特徴の一つです。
選手のポジションには前衛(主に全盲の人)と後衛(主に弱視者や晴眼者)があります。
前衛は全員アイマスクを着けて(視覚障害の程度による差をなくすため)、ボールの音や周りの声などを頼りにプレイします。
後衛はアイマスクを着けません。
もちろん晴眼者が前衛になることもできます。
「目を閉じてのスポーツ」なんて他ではまずしませんから、貴重な体験になること間違いなしです。
元々が視覚障害者スポーツですから、前衛はボールを床に押さえてから打ってよいなど、視覚障害者に配慮したルールも多少はあります。
しかし、実際のプレイにおいては両者は対等で、そこには互いに何の手加減も見られません。
また、全盲や弱視の選手がエースのチームと、晴眼者の選手がエースのチームの割合も現在ほぼ半々といったところです。
つまり、障害者スポーツにありがちな「健常者が障害者のサポートに徹する」状況ではなく、視覚障害者も晴眼者も本当の意味で一緒にプレイを楽しみ、活躍することができるのです。
そこにフロアバレーの大きな魅力があります。
フロアバレーでは、前衛のプレイや後衛との連携のために、他のスポーツ以上に声や音が重要です。
観戦の際は、ラリーの最中にあまり大きな声や音を出さないようお願いします。
特に、サーブの準備が始まってからサーブで打たれたボールがネットを越えるまでの間は極力静かにして下さい。
もちろん、プレイの合間には拍手も声援もご自由に。
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