

2010年度から島根県の一畑電車で開催されている電車の体験運転イベント。2011年度からは営業路線とは切り離された特設コースで運転できるようになり、鉄家族で行ってきました。申し込み時は、Akioが体験者、Mihoとけいたろは横で見ている同伴者、だったのですが…当日、NHKの取材も受けて大変なイベントになりました(笑)
2011年9月23日朝7:40、東京駅からのぞみ101号で出発です。まずは恒例の新幹線前記念撮影、N700系にけいたろテンションあがります。朝食の弁当も仕入れて乗り込みました。多摩川を渡りAkioの職場のビルを左手に見、ひた走って富士山を右手に臨んでいきます。長いようであっという間の2時間36分、新大阪に到着です。
| のぞみ101号(広島行/車両番号101A/N700系) | ||||||||||||||||
| 東 京 |
品 川 |
新 横 浜 |
小 田 原 |
熱 海 |
三 島 |
新 富 士 |
静 岡 |
掛 川 |
浜 松 |
豊 橋 |
三 河 安 城 |
名 古 屋 |
岐 阜 羽 島 |
米 原 |
京 都 |
新 大 阪 |
| 0740 | 0747 | 0759 | レ | レ | レ | レ | レ | レ | レ | レ | レ | 0925 | レ | レ | 1001 | 1016 |

東京から岡山経由で松江まで行くのですが、あえて広島行きののぞみ101号を新大阪で途中下車し、隣のホームに向かいました。ここから山陽新幹線しか走っていない、500系こだまに乗り込みます。
500系こだまは8両編成、その8両目(新大阪寄りの車両)にはこども運転台があります。自由席で誰でもマスコンを操作して時速300km体験ができます(もちろん実際の走行速度とは関係ありません)。
実は、この9月23日の10:39発こだま745号はスペシャルイベント付きだったのです。なんと、子供に運転士制服(の小さいの)を貸してくれて本物の運転士気分を味あわせてくれる他、プラレールや本も貸してくれるのです。
これが、わざわざ新大阪で乗り換えた理由です(笑)。
| こだま745号(博多行/車両番号745A/500系) | |||||
| 新 大 阪 |
新 神 戸 |
西 明 石 |
姫 路 |
相 生 |
岡 山 |
| 1039 | 1053 | 1106 | 1122 | 1143 | 1159 |


本当は指定席を予約してあったのですが、すっかり8号車(自由席)の住人と化し、新大阪から姫路までこども運転台のためだけに乗車したご家族などと交代でこども運転台で遊びました。あげくには、通りかかった車掌さんの本物の帽子を借りて記念撮影。けいたろの敬礼もなかなか様になっています。
こだまなので途中駅で通過待ちがあります。姫路でのぞみ15号、相生でさくら551号とのぞみ17号を通過待ち。おもいがけずN700系7000番台まで見られました。
11:59に岡山駅に到着。ここで1時間待ちなので昼食とします。が、その前にMihoが絶叫!なにごとかと思えば、反対側の上りホーム24番線に、700系レールスター(回送)が停まっていました。11:53着、岡山止まりのこだま736号は100系で運転されていたのですが、9月1日から700系レールスターになったのだそうです。100系も見たかったなとは思いますが、あまり見かけないレールスターに偶然会えたのでOKです。
昼食を終えて、13:05発やくも13号に乗るために岡山駅2番線ホームに行きます。やくもは展望車があると聞いて、展望席である1号車(グリーン車)の1番席を予約しておいたのですが…。あれ?展望車じゃない…。

後で調べたら、展望車のあるパノラマ編成は1日4本しかなく、残念ながら通常編成でした。とはいっても、グリーン車です。はっきり言ってガラガラだったので、3列の窓際をAkioとMiho、本来は席のないけいたろを真ん中席に座らせました(検札に来た車掌さんも黙認してくれてました)。
| やくも13号(出雲市行/車両番号1013M/381系電車) | ||||||
| 岡 山 |
倉 敷 |
備 中 高 梁 |
新 見 |
生 山 |
米 子 |
松 江 |
| 1305 | 1316 | 1340 | 1407 | 1438 | 1518 | 1539 |
岡山から倉敷までは山陽本線、倉敷から米子までは伯備線、米子から出雲市までは山陰本線を走る特急列車です。倉敷からずっと高梁川に沿って北上し、新見を過ぎるといったん川から離れます。布原から再び高梁川の支流の1つ西川に沿って進み、新郷の先までくると分水嶺のアナウンスがあります。ここまでは進行方向と逆に流れていた川が、トンネルおよび県境を越えると順方向に流れるようになります。いよいよ鳥取県です。日野川に沿って大山を横目に進み、伯耆大山駅から山陰本線に入って米子駅です。
1年前に自家用車で遠征してきた場所に、たった1年で舞い戻るとは当時は思いませんでしたが、列車はそんな感傷には関係なく、中海に沿って走ります。昨年の出雲旅行で入ったカフェ・ロッソを見かけて懐かしみ、安来市内を見て懐かしみ、といった具合にあっという間に松江に到着しました。
松江でのお宿は、松江シティホテル別館。天然温泉源泉かけ流しのお風呂付きです。松江駅からは松江大橋を北に渡ってすぐのところと立地もよいです。
荷物を置いて、まずは昨年の出雲旅行でも立ち寄った、ビーフコロッケが美味しい「ミートショップきたがき」に行きました。ホテルを出てすぐ北の信号を西にてくてく歩くとすぐです。途中、「ドンドン」という太鼓の音が響き、何かなと行ってみると広場で大きな太鼓を4人で打ち鳴らす実演をやっていました。
「ミートショップきたがき」でビーフコロッケ等をいろいろ買い込んで、今度は宍道湖サンセットクルーズに行きました。
宍道湖サンセットクルーズは、大橋川から宍道湖に船で向かい夕日を楽しむツアーです。夕日を楽しむという関係上、時期ごとに運行時間が変わります。出発時刻はこちらでご確認ください。
新大橋南詰から少し東にある「はくちょう第2乗船場」から乗り込み、松江大橋、宍道湖大橋をくぐって、宍道湖に出ると、湖上を旋回しながら西の山端に沈んでいく夕日が見られます。折よく、晴天に若干の秋の雲がかかり大変よい眺めでした。



宍道湖サンセットクルーズを終え、下船すると当然ながらもう夜です。松江駅前の一畑百貨店で酒を調達し、夕食をいろいろ調べた結果、島根の地酒と料理の店「朔屋」に入りました。カウンタに3人並び、けいたろはカルピス、AkioとMihoはそれぞれ違う島根の地酒を楽しみました。酒も他では手に入らないようなものがたくさんあり、特に十字旭日の生原酒は発酵による炭酸がもの凄く、到底そのままでは市販できないレベル(ちょっとした衝撃で噴出してしまう)だそうです。とっても美味しかったです。

明けて9月24日(土)、体験運転が行われる雲州平田駅に向かうため、一畑電車の始発駅「松江しんじ湖温泉駅」に向かいます。気持ちのいい晴天の朝なので、駅まで徒歩で向かいました(松江シティホテルからだいたい15分くらい)。駅前には足湯もあります。
8:33発の普通列車に乗り込みます。一畑電車は1時間に1〜2本なので、体験運転の開始時刻に間に合わせるにはこの電車しかありません。もちろん、先頭運転室脇の長椅子を3名で占有し、けいたろ&Akioはかぶりつきです。まわりを見渡すと、「あ、この人達は絶対体験運転に行くな」という感じの人たちがちらほら(Mihoの眼力はさすがです。指摘した人たちはみな体験運転参加者でした)。

雲州平田駅で手続きを済ませ、いよいよ体験運転の開始です。まず駅の外をまわって「関係者以外立ち入り禁止」とフェンスの中に入ると、運転指令室があります。一畑電車の運行の要となる施設です。49歳で一畑電車の運転士を目指した男を描いた映画「RAILWAYS」でも運転指令室が出てきますが、実際に部外者が入ることは許されず、ほとんどが本物の施設を使ったなかでこれだけはセットを別の場所に作ったのだそうです。
運転指令室脇の踏切を渡って、反対側に渡り、まず教室に入ります。午前中はこの教室で講習を受けます。ただの同伴者のはずのけいたろ&Mihoもしっかり講習を受けます。この日は、NHK松江放送局の取材も入っており、けいたろのイベント体質はさらにエスカレートしている模様です。
午前中の講習は、講師の落合さん(主任運転士の方)が一畑電車の概要、電車の運転に必要な免許、電車の動く原理、加速の仕組み、ブレーキ等について講義してくださいました。
電車の運転には、20歳以上で取れる動力車操縦者運転免許が必要です。この免許がないと電車の運転はもちろん、営業路線上では運転室に入ることも許されないのだそうです。そのため、RAILWAYSでも電車を実際に運転させることはできず、運転士の運転と、営業路線上にない電車の運転室での俳優の演技をうまくつなぎ合わせて運転しているように見せたのだそうです。
ちなみに、一畑電車では西武鉄道や京王電鉄と交流があり、自社での教育ではなくこういった大手私鉄の養成所で免許を取るのだそうで、落合さんも西武鉄道の養成所に入って免許を取ったとのことでした。養成所は非常に厳しく、鉄道六法をほぼ丸暗記するくらいの膨大な知識、養成所でありながら運転士としても勤務するなど非常に厳しいそうです。
電車の動く原理は、乾電池で豆電球を点灯させるのと同じで、変電所からの電流が架線から電車のモータを通って線路に流れ、また変電所に戻るというループができています。そして、加速はこの電流が流れる抵抗器の抵抗を少なくすることで、ノッチを操作することで抵抗を順に減らしていき、電流が多くモーターに流れて加速するという仕組みです。また、ブレーキも今の電車はともかくとして、古い電車であるデハニ50形はブレーキシリンダーから圧搾空気がブレーキロッドを押し込み、ブレーキシューがてこの原理で車輪を抑えつける非常にシンプルな仕組みです。今の電車はモーターを回した電気を利用する電気回生ブレーキなどが多いそうです。

お昼に支給されたお弁当(もちろん一畑グループの会社製)をいただき、いよいよ体験運転です。まず、体験運転参加者には特別に車庫や洗車機、停留している電車などを見せてくれます。けいたろは、本物の洗車機を見て大喜びでした。

いよいよ、体験運転のためにデハニ50形(53形車両)に乗り込みます。まずは教官の落合さんのデモンストレーション。停車位置に実にスムースにピタッと停めるプロの技を見せてくださいました。ノッチとブレーキを操作するだけで簡単そうに見えてしまうくらいです。
まず、マスターコース(複数回参加している人用の運転だけするコース)の方から実際に運転します。4回目とのことで手慣れた手つきです。しっかりと停車位置付近に停める技を見せてくださいました。
続いて、初めて運転する1日コース組(Akioもそうです)。さすがに皆初めての運転で、緊張も大きいのにさらにNHKの取材カメラまで入って、ガクンと停まったりオーバーランしたりといろいろです。その中で大阪からきたというご夫妻(実は宍道湖サンセットクルーズでも一緒でした)の若奥様、ゆっくりとではあるものの完璧に停車位置に停めるという離れ業を演じていました。体験運転に来たのは鉄ちゃんの旦那様(学生時代一畑電車を利用)に連れられて単なる旅行のつもりだったそうですが、すっかり運転や電車にはまってしまっていました。
最後に、Akioの番…ですがなぜか運転席の膝の上にはけいたろが乗っていました。ノッチ、ブレーキともけいたろも持ち、計器はもちろん何も見えません。ブレーキへの圧搾空気の圧力を示す圧力計も見えない状態です。さらには、NHKのカメラマンさんもカメラをけいたろに向けてしまいました。

「前方よし、出発進行」「しゅっぱつしんこー」、けいたろの勇ましい合図とともにノッチを回して加速。ブレーキポイントでブレーキをかけ始めます。
実際にやってみると、加速は大したことないのですが、ブレーキが非常に難しかったです。Akioの場合は、ブレーキをかけすぎてしまい、ゆるめるタイミングをミスってガクンと途中で停まってしまいました…。
セカンドランの方のけいたろの「しゅっぱつしんこー」はNHKのニュース(中国地区限定だったようです)の映像にも採用されてました。
全部で1往復(2回)の運転が終わり、あっという間に体験運転は終幕を迎えました。

雲州平田駅15:09発の出雲市駅行き普通列車に乗り、電鉄出雲市駅に向かいます。電鉄がついているのは、JRの出雲市駅と区別するためだそうです。
出雲市駅近くの温泉「出雲駅前温泉らんぷの湯」に入ってリラックス。続いて、夕食のために駅北側の商店街に向かうと、商店街の一角になんと十字旭日の醸造元「旭日酒造」があるではありませんか。昨夜「朔屋」で頂いた味が忘れられず、試飲もさせてもらいながらいくつかお酒を選んで買い求めました。
その後、酒蔵おすすめの「華満」で夕食をいただき、出雲市駅へ向かいました。
出雲市駅から東京まで、サンライズ出雲に乗ります。4号車1番、サンライズツインを予約しておきました。2つのベッドがあり、1つMiho、1つをけいたろが使うことになりました(Akioは空いているところで寝る)。
18:55にゆったりと出発、宍道、松江、安来、米子と山陰本線を走ります。やくも19号、スーパーまつかぜ9号、やくも21号とすれちがいますが、やくもは2本ともパノラマ編成ではありませんでした。
米子を過ぎて伯備線に入り、新見に向かう途中でAkioも撃沈しました…。岡山でサンライズ瀬戸と連結するので、けいたろに見せてあげると約束していましたが、2人とも寝ていてまったくわかりませんでした。
| サンライズ瀬戸号(東京行/車両番号4032M/5023M 285系電車) | ||||||||||||||||
| 出 雲 市 |
宍 道 |
松 江 |
安 来 |
米 子 |
新 見 |
倉 敷 |
岡 山 |
姫 路 |
三 ノ 宮 |
大 阪 |
静 岡 |
富 士 |
沼 津 |
熱 海 |
横 浜 |
東 京 |
| 1855 | 1908 | 1926 | 1946 | 1956 | 2120 | 2213 | 2233 | 2335 | 013 | 034 | 440 | 510 | 527 | 545 | 645 | 708 |
ふと起きると、名古屋に運転停車。2時過ぎでしょうか続いて、浜松を通過し、静岡を過ぎて夜明けを迎えます。この辺からはAkioは目が覚めていました。5:27に沼津、熱海に停車します。小田原(通過)を過ぎ、気が付くと貨物用の線路に入り、各駅停車を次々に追い越していきます。大船あたりでけいたろが起床。車窓をながめつつ7:08に東京駅に到着。2泊3日(車中1泊)の鉄道旅行は終わりを告げました。

以上