一瞬耳を疑った君は、次の瞬間こう怒鳴りつけていた。
 「あぁっ、もう!大人しくしてな!」
 小柄なロビンを背後に庇うように立って、半ばヤケクソな気分で手にしていたライトセーバー――くどいようだが玩具の代物だ――のスイッチを入れて振りかぶる。
 だが、これが思わぬ効果を生むことになった。
 剣身の放つ蒼白い光とサウンドが野犬達を怯ませたのだ。
 ――そういえば、野生動物って炎を恐れるんだっけ。
 それが、蛇王に操られる闇の勢力なら尚更だろう。
 剣を振るう度に鳴る風を切る音も、相手を威嚇するのには丁度良い。
 君は、ロビンの手をとると、2、3度大きく剣を振り回して野犬の群れを牽制してから駆け出した。
 「逃げよう!」
 よたよたと躓いて転びそうになるロビンを支えて走りながら、追って来る野犬の爪や牙を間一髪で交わして、君は夜の森を駆け抜ける。
 びゅんびゅんと唸るライトセーバーの光が、君達2人を守り行く先を照らす唯一の頼りだった。



 そうして、どうにか追っ手を撒いた君達は、いつの間にかちょっとした広場に辿り着いていた。
 

先へ進む。