■body & soul-2-■ 闇の森の美しいエルフは、ふわりと優しく笑ってみせた。
「あなたと交わすキスやセックスの中に、愛はあるのか不安になるのだよ」
グロールフィンデルは、レゴラスの身体を包み込む様に抱き締める。
それには答えず、レゴラスは悪戯っぽく笑う。
「そろそろ行かなければ…」
グロールフィンデルの胸を軽く押し、その腕から逃れる。するとグロールフィンデルはレゴラスの手首を掴み、いくらか乱暴に引き寄せると、彼の顎を上に向かせ唇を奪う。
いつになく激しく情熱的なキス。
息を吸うのも許されない程に。
レゴラスの意識は朦朧とし、グロールフィンデルの背中に腕を回し、その上着をわし掴む。
「っん…、はぁ…んっ…」
逃れようとしても、逃れられなかった。
僅かに口を開いた隙に割り込んで来た舌に、口内は犯され、舌を吸われる。
身体の線をなぞるグロールフィンデルの手から逃れようと身を捩る。だが、それも許されず、背中と腰に回された腕に、しっかりと抱き抱えられていた。
やっと唇を開放され、レゴラスは酸素を求めて大きく呼吸を繰り返す。
「レゴラス、これだけは覚えておいて欲しい」
肩で息を繰り返しながらグロールフィンデルと視線を合わせる。その空の碧を思わせる眼は、いつになく真剣で哀しみに満ちていた。
「ここに、あなたの帰りを待っている者が居る事を」
「言ったでしょう? オークにこの命をくれてやるつもりはない、と。必ず生きて戻って来ます」
そう言って、レゴラスは穏やかに笑った。
そして静かにグロールフィンデルから離れると、旅支度の続きを始める。
グロールフィンデルはバルコニーへ出て、霧の裂け谷を見つめながら、ただそれが終わるのを待つ事しか出来なかった。
「グロールフィンデル様」
レゴラスは部屋を出て行こうと、扉を開きかけて、ふと立ち止まった。
「あなたにあんな、情熱的なキスをして戴けるとは思いませんでした」
そう言って、レゴラスは眼を細めて、本当に嬉しそうに微笑んだ。
“一つの指輪”を捨てる旅の仲間となったエルフは、静かに扉を閉めた。
ふとグロールフィンデルが移した視線の先には、レゴラスが闇の森からの旅路に身に付けていたマントが椅子に掛けられ、残されていた。
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『指輪物語辞典』(←うろ覚え)だったかなー? これも立読みしていたら「『シルマリル』のグロールフィンデルとは別人だろう」と書いてあったので、その通りなんでしょうね。 うちのレゴラスは、グロ様と一緒になった方が幸せになれると、つくづく思います。 まぁ、それは『運命の〜』の方で、追々に。 |