中国レポート



 12月13日(日)成田からJALに乗って向かい風のなか3時間強かけて北京へ到着.そこから国内線の中国西南航空(西南航空なのに英名はSOUTHEAST AIR LINE)で成都へ約2.5時間.成都は中国のほぼ中央に位置し,三国志の劉備や諸葛亮で有名な蜀の国のあったところで,四川省になります.横浜の中華街に商売繁盛としてまつってある関帝廟の関羽も当時のもっとも重要な武将であったことはご存知の方も多いと思います.そんな成都も現在は工業地域となっています.10時45分成田を出発して,成都についたのは夕方の6時頃になってしまいました.

 成都の空港を降りたときの印象は,先ず臭いが気になることです.この臭いは,やはり公害によるものと想います.空気もなんとなく粉塵で,けぶっている感じです.空港からタクシーでホテルに向かいました.空港からホテルまでは15分位でしたが,2,3カ所しか信号がありません.そのためか,道路のどこからも人と自転車がわたってきます.人や自転車をひきそうになることもしばしば.ちょっと前の車が遅いと対向車線から追い抜きをかけ(これは他のドライバも同じ),対向車が来てもお互いにパッシングしあいギリギリまで避けようとしません.なかなか冷や冷やさせられます.

 ホテルは錦江賓館(JINJIANG HOTEL)に泊まりました.四ツ星のホテルということで,なかなか立派なホテルで非常に快適でした.一日目の夕飯は近所の中華料理店(結構高級そうなところ中国の楽器による生演奏有)に行きました.ここでは,言葉が通じなくて大変でした.一般のお店ではほとんど英語は通用しません.漢字などを駆使して筆談するのですが,意外と日本と使い方が違います.(Ex.「手紙」は中国語ではトイレットペーパの意)本場の四川料理は,辛い.私は辛いものがすきなので大満足でした.辛さ表示がしてありましたが,最高の辛さのものも美味しく食べられました.ただし,一緒にいった二人は辛さで汗だく,苦労していたようです.四川名物といえばマーボ豆腐ですが,辛さと山椒が効いてピリッとひと味違います.また,坦々麺も有名で,これも日本で食べるのとは全く違います.つゆはほぼラー油でそこに少量のしょう油と出汁で味がついている感じで,挽肉などのトッピングが乗っています.(日本だと私の知っているのは挽肉だけですが,成都ではお店により違うようです.)

 翌朝,仕事場へ向かうときも交通事情は変わりません.つくまでは冷や冷やの連続です.出張先の工場の様子はここでは省略します.昼食は,工場の経営するレストラン(工場の人は社内の食堂でどんぶりで食事をとっていました)で食事をしました.ここでは,お客さんが残すまで料理を振る舞うのが常識になっているようで円卓の上に並んだ料理の種類は20種類以上だったと思います.とても食べきれなくなったのを見て安心して注文を止めるようです.見ているとストップをかけるまでは,どんどん持ってきてしまう感じです.
 工場のトイレは,昔ながらの様式をとっています.縦に幅30cmほどの水路が縦に流れており,人ひとり分のスペースでしきりがあります.扉などはなく近寄れば上からのぞけるものです.なかなかコートなどを着ているとここで用をたすのは難しいと思います.

 その日の夕方は,3人のうち1人ダウンしたので,二人で近所の食堂へ行きました.四川料理の印象はピリッと辛く本当に美味しく食べられました.ただ,言葉が通じないのでほとんど辛いものばっかりになってしまいました.ホイコウロウに使う野菜も日本ならキャベツなどですが四川風は長ネギそこに唐辛子がぽつぽつ入っている感じです.
 食事のあと町中に出て買い物に行こうということになりました.デパートは日本と大きく様子は変わりません.しばらくうろちょろしていると二人とも急にトイレに行きたくなりました.デパートも閉館時間となり,屋外の公衆便所に入る勇気はありません.ホテルに急いで戻ろうということになりました.ホテルまでの道のりは早歩き私は何とか部屋までたどりつきましたが,もうひとりは我慢できないと1階ロビー脇のトイレに駆け込んでいました.食後1.5時間の出来事です.水は飲んでいないので,一つ大根の冷菜があったのがよくなかったと思われます.結局,買い物はできませんでした.

 今回の出張は2日間でしたので,次の日の夕方は夕飯に招待して頂きました.四川名物の火鍋というものをご馳走になりました.火鍋通りというのがあり中華街のような門の中は,全て火鍋屋というところがあるくらい名物なようです.私たちの入ったお店には舞台があり,そこでは歌,舞踏や曲芸などが行われなかなか高級なお店のようでした.火鍋というのは,四川風しゃぶしゃぶといった感じで,テーブルの中央には辛いスープの鍋があり,周囲生の食材が置かれます.これをしゃぶしゃぶ風に食べるものです.ただし,この食材が厳しいものです.私たちの目の前に置かれたのは,どう見ても脳味噌です.理科の実験室でホルマリンにつけられていたあの形です.そのとなりは牛の喉と胃袋.ナマズが3匹生きたまま皿の上に乗っています.お肉らしいものがあるので何か聞いてみると,答えはカエルの肉とのこと.その他にもドジョウや川魚やレバーなどが主な食材になっています.火鍋にしないものでお肉が出ており,何か尋ねるとウサギとのことだったので,これが一番まともかなと思いひとつ取り皿へ,よく見てみるとどうも歯のようなものが生えており,中央には目玉の入っていたと思われるくぼみがありました.ウサギの体のお肉かと思ってとったのが,実はウサギの頭を左右半分に割ったものでした.四川省恐るべしです.結局,この日初体験の食べ物をいっぱい食べることになりました.

 次の日,無事日本に帰国.手強い出張でした.また行くことのないことを祈って…

 戻る