PUBCRAWL

名称:Pastoral Rosa 場所:枚方(ひらかた)市   予算:2500円
 出張で枚方に行ったときのことです.会社を出てギリギリの新幹線に乗ったため銀行に行ってお金を引き出す余裕がありませんでした.サイフには1万円位しかはいっていません.出張先は枚方市でしたが,ホテルは隣の駅の枚方公園でとってありました.ホテルについて,宿泊費を払うと手元に残ったのは3,000円程度,明日の朝食のパンとコーヒーを買いに駅前のコンビニまで出かけて行きました.これで残ったお金は3,000円弱.翌朝,枚方市(駅名)で銀行によれば次の日はなんとかなるなと考えていました.
 コンビニからのホテルに向かう途中ショットバーの看板が目に留まりました.しかし,懐が寂しいので今日はダメだなと思っていると,「ビール400円から」の文字が.これは安いと思い,試しに覗いてみることにしました.中に入ると女性のマスターとお客さんが一人話をしていました.店構えは昼間は喫茶店で,どちらかというと喫茶店が主力といった感じのお店でした.「ここはチャージはいくらですか?」入るなりこんな質問をしてしましました.答えは「500円」.これならビール3杯くらい飲んでも大丈夫だろうと思いました.
 先に来ていた中年の紺のブレザーを着た男性は,夕食と思われるピラフを食べながら水割りを片手に話を続けていました.とても清潔感のある男性でした.私が一人でビールを飲んでいるのに気がつくと「出張ですか?」と話しかけてきました.そして,私の仕事について,何で出張に来たのかなどを尋ねてきました.私がその男性の職業を聞き返すと,「まぁ,私の仕事は詐欺師といったところですかね.」との返事でした.こういうところで,このような話になるのはよくあることでしばらくつきあってみることにしました.彼の話によると,今日もこれから仕事で,どのように事を進めるか考えているところだと言うのです.なんでも,金持ちの未亡人の人がお店を出したいと言っていて,それをネタに一儲けしようと考えているらしいのです.(本当のところ,奥さんがお店を出したいと言って困っているのか,そのへんのところは定かではありません.)そこで,3人でどの商売が儲かるか,場所はどこがいいかなどを話し合い盛り上がりました.
 そうしているうちに,私も3杯目のビールを飲み干し,4杯目ビールを注ごうとするので「ちょっと待って下さい.」とそれを制しました.隣の男性も「まだいいじゃないですか.」とは言うもののお金を持っていないのです.そこで,持ち合わせが無く,もう切り上げなくてはいけないことを説明し,お会計をすることに.会計は2,900円とうことでした.なんとお金が足りないのです.カードは使えないとのことなので,困った私は自分の所持金全てをカウンターに並べて,どうしてこれだけのお金しかないのにこのお店に入ったかを説明しました.400円なのは小さいグラスのビールとのことで,普通サイズは800円らしいのです.明日,枚方市に行かなくてはならないので,電車賃だけ残して欲しいこと,残りのお金でおまけして欲しいことを説明しました.するとマスターは,「しょうがないわね.大の男が200円ばっかり持っていてもしょうがないでしょう.」と言ってカウンターに並べたお金から500円を私にくれると,今日はこれでいいと言ってもらえました.隣のお客さんは「どっちが詐欺師かわからないなぁ〜」といって,「今度枚方にきたらここに連絡して下さい.」と携帯の電話番号をくれました.教訓として,サイフにゆとりの無いとき,一人で飲みに行くのは自粛するべきでしょう.

予算:スタンダードなカクテル3杯とおつまみ一品程度で記載しているつもりです.

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