私たちが一杯やっていると，二十歳前後のＯＬさんが３人やってきました．
「いつもの，ちょうだい．」
と１人がいうと，
「一人前じゃできないぞ，みんな飲むか？」
といい，結局，３人頼むことになると．生の桃を取り出し，皮をむき，ミキサーにかけ，カクテルを作り出しました．生のももをその場でジュースにして作ったカクテルはそのとき始めてみました．なかなかやるなこのオヤジと思い，すっかり感心しました．

　そんな中オヤジの好きなお酒を聞くと，
「なんと言ってもハバナクラブ（ラム）の１５年ものだね．年に２本ぐらいしか手に入らないんだ…」
としばらく話がとまりませんでした．それはショット２，０００円ということで，ちょっと高めですが，試しにやってみることにしました．だいぶ前のことなので味の詳細は忘れてしまいましたが，香りがすごくよかったという印象があります．そのあと，本で調べてみましたが，７年ものまでは載っていても１５年ものはありませんでした．確かに珍しいものだったんだと思います．

　帰りに，なかなかオヤジの似顔絵が可愛いので，コースターを失敬しようと思いポケットいしまおうとすると，オヤジに見つかってしまいました．やばいと思うと，オヤジではなくて…マスターは，
「そんなシワシワなの持って帰らなくたって新しいのをあげるよ」
と言って新品のコースターをくれました．マスターは屋台の天井を指さして，ニッコリ，そこには海外のを含めマスターが旅先で集めたコースターがいっぱい貼ってありました．