名称:PAGANINI |
場所:岡山市(JR岡山駅) | 予算:4000円 | |
岡山に出張に行ったときのことです.仕事の前日の夜8時頃早めにホテルにチェックインすることができました.このまま寝てしまうのにはもったいない時刻です.早速,恒例のバー探しの始まりです.ホテルから桃太郎通りを駅に向かい,バーを探しながら歩きます.残念ながらこれはと思う看板が見つけだせなかったので,チェーン店のバーであるESPRITに入りました. カウンタだけの小さなこのバーには,若い店員が一人,他にお客さんがいません.ホワイトレディーを頼みました.すると, ここではカクテルの販売はしていないとのこと(他のESPRITではカクテルも飲めます). 「申し訳ありません.ここはもともと立ち飲みのバーを改造したことと,店員が私一人ですのでカクテルを置いてないんですよ….でも私の作ったのでよければ,今日は特別他のお客さんもいないし作りますよ…」 なんとも柔軟な回答です. 「是非お願いします.」 カクテルを出していないといいつつ,レモンジュースも冷蔵庫の中にあり,レシピを確認することなくカクテルを処方しています.理由を聞いてみると,この青年は現在バーテンダ修行中とのこと.ここを一人でまかされることにより接客の仕事,もう一つのお店ではお酒の修行もしているとのこと.実は,カクテルを作るのが好きで,いろいろ研究しているということでした.実に感じのいい青年で,岡山のバー事情などの話をしました.バーのことはバーで聞くのが一番, 「この近所にお勧めのバーはありますか?」 「どちらにお泊まりですか?」 「チサンホテルですよ.」 「それなら,近くにPAGANINIといういいバーがありますよ.」 PAGANINI(1782年生まれのイタリアのバイオリニスト兼作曲家.超人的な演奏をすることで伝説的な逸話が数多く残る.)と聞いては,このホームページのためにあるような名前でもあるので,どうしても行きたくなってしまいました.時計をみるとまだ10時,あと1時間ぐらいは飲んでも大丈夫でしょう.詳しい場所を聞いて,PAGANINIに向かいました. 場所がなかなかわからず苦戦して,結局ホテルのフロントで場所を確認しました.ビルの3階で目立った看板もありません. お店に入ると,広めのカウンターにゆったり座れる低めの椅子が並んでいます.カウンターの奥は全面窓ガラスでその前にお酒が並んでいます.カウンターの右手にはアップライトピアノがあり,その上にフルートが飾ってありました.その脇にはテーブル席もあります.入った瞬間に気に入りました.さて,お酒を注文したあと,バイオリンを探しましたが見あたりません.でも,ありそうな雰囲気.お酒を頂きながら, 「どうしてここのお店の名前はパガニーニというんですか?」 と質問に対し, 「特に,意味はないのですが,店長がなんとなく響きなどがいいからつけたみたいですよ.」 「ピアノとフルートが置いてありますし,いかにも音楽好きという雰囲気なのですが…」 「ジャズのライブはやりますよ.お客さんでジャズの演奏家の方が来たときなどは突然はじまってしまいます.この子(アルバイトの女性)も音大でフルートを専攻しているので,ときどき演奏に参加します.」 音楽好きのバーであることは,間違いなかったのですが,ジャズの演奏が主流とのことでした.バーにはジャズが一番自然でしょう.でも,個人的にはバッハの無伴奏チェロ組曲などもお酒に合うと思っていますが. そうしているうちに, 「今日,バンドのメンバーがうちでライブの打ち上げをやりに来るみたいですよ.きっと演奏が始まりますよ.」 しばらくすると,4,5人のお客さんが奥のテーブル席に座ってお酒を注文,だんだん盛り上がってくると一人がピアノの前に,アルバイトの音大生もフルートをもってボーカルも加わりミニライブが始まりました.どうも,突然こういうことが起こるお店のようです.落ち着いたお店なのですが,ひとたびミニライブが始まるとお店が一体となってノリのよいフレンドリーな雰囲気で盛り上がります.時計をみると,12時予定を1時間もオーバしてしまいました.早く,ホテルに戻らないと明日の仕事に差し支えます. ところで.ESPRITの若いバーテンダの将来が楽しみです.彼が独立したお店に行く機会があるでしょうか… |
予算:スタンダードなカクテル3杯とおつまみ一品程度で記載しているつもりです.