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日時 2000.2.12(土)
目的地 四国・佐田岬〜西海町
参加メンバー

なんしぃ(YZF−R1)
大二郎師匠(VTR1000F)
トメさん(GPZ900R)

コメント 私がR1を買って初めてのロングツーリングは、鈴鹿8耐もびっくりの超ハードスケジュール!(なんのこっちゃ?)
とくとご覧あれ!

 

プロローグ

よっしゃ、ビックバイカー乗り復活記念でツーリングに行こうや!
そう声をかけてくれたのは師匠こと「大二郎」くん。
一年前、なんしぃは結婚のため愛車「CBR」を手放した。
その心の隙間を通る風は日に日に強くなり、バイク無し生活が我慢できなく
なっていた。(実際には「ジール」があったんだけどね)
そんななんしぃを不憫に思ってくれた相方「よっこちゃん」が、
「バイク買っても良いよ」
と言ってくれ、中古ながら程度の良い「YZF−R1」をゲット。2週間前に
納車となった。
一年半ぶりの「ビックバイク・ツーリング」が、今ココに始まろうとしていた!

AM3:00寝ぼけ眼のR1…

セットしていた目覚まし時計に起こされる。外はまだ真っ暗だ。
今日は愛車「YZF−R1」を購入して以来、初めてのツーリング。高鳴る胸が眠気を覚ます。
ビックバイカー復活記念と、師匠から貰った「SP忠男ブルゾン」をまとい、自宅の駐輪場に向かう。
キーを回してセルボタンを押すと、R1はすぐ目を覚ます。
早朝なので手早く暖気を済ませ、なんしぃとR1は自宅を後にした。
さぁ、冒険の始まりだ。

AM4:30

今回の目的地は四国・佐田岬。呉市の阿賀港からフェリーで松山に渡る。
同行者のトメさんは呉市に住むので、阿賀港での待ち合わせ。師匠は呉の手前で落ち合うことになっている。
師匠との待ち合わせ時刻はAM5:00だったが、思ったより道がすいていたので30分も早く集合場所に到着した。
しかしなんしぃは早くも参っていた。
「さ、寒い!」
折しも2月中旬。普通に考えてもしっかり防寒対策しなければならないのだが、当日のなんしぃの服装は下着+Yシャツ+ブルゾンの三枚構成。寒くないわけがない。
ホントはスキーウェアのようなバイク用ジャンバーがあったんだけど、慣れないバイクで操作に支障が出てはイヤだ!という配慮であった。(ついでと言っては何だが、グローブも革グローブ)
40分ほど待ってるとVTRに乗った師匠が到着。案の定「防寒対策が甘い!」と怒られてしまった。

AM5:30

凍死寸前だったなんしぃは下に雨合羽を着込み、阿賀港に向かって出発。
フェリーの出航時間は6:30だったので、ちょっぴりハイペースでR31を疾走する。
AM6:10、阿賀港に到着。トメさんはまだ来てなかったが、5分ほどして到着。みんなで搭乗手続きを行う。
そしてAM6:30、松山に向けて阿賀港を出航!

AM8:00

松山に到着すると、空はも明るかった。マシンにまたがりエンジンをかける。
トメさんニンジャのマフラーが爆音を響かせて、朝の松山市街を疾走する。
R378をひたすら走る。左手に山なみ、右手に瀬戸内海ととても気持ちがいいコースだ。
納車されてからろくに乗ってなかったR1にも徐々に慣れてくると、コーナー毎にマシンを揺さぶる。
R1は従順にライダーの気持ちに答えてくれる。加速したいときはグワッと加速し、止まりたいときはビシッと止まる。
それはリッターバイクということを忘れてしまうほどの軽快さ。なんしぃは相棒の頼もしさに感動した。

AM11:30

R197に入るとクルマの量は若干減ってきた。優しい冬の日差しは、風で冷えた体を程良く温めてくれる…と感じたのはのはなんしぃだけ。
他の二人は走ってるとちょうど良く、止まるとちょっぴり暑そうだ。
「やっぱこのくらいがちょうど良いじゃん!」
と、今回の服装に納得してしまうなんしぃ。我ながら懲りないヤツである。
道は狭くなり、同時ではないが両側に海が眺めるようになってきた。天気も良く気分は最高!である。
そして3人は、遂に佐田岬に到着したのだった。

佐田岬手前の堤防から
カメラの調子が悪く画像が不鮮明ですが、
空と海の綺麗なコンビネーションがバツグンです!

PM0:30

佐田岬で昼ご飯を食べる。小さな料亭で1,500円のコース料理。
貧乏性のなんしぃにとってはとんでもないご馳走であった。あーおいしかった。
そして今後のルートについての確認。

 師匠「さて、何処まで行こうかね」
 トメ「え?もう帰るんじゃないん?」
 師匠「いやぁ、折角四国まで来たんじゃけぇ、足摺ぐらいまでは行きたいんじゃけど、
    それはちょっと遠いけんねぇ」

…今に始まったことではないが、師匠はいつも行き当たりばったり。しかも内容が普通ではない。

 トメ「こっから足摺は時間的に難しいじゃろう。着いたら夜になるで」
 師匠「いや、足摺は無理思うけど、ココなら行けるじゃろう思うてねぇ」

と、師匠が地図を指さしたのは愛媛県最南端の「西海町」。四国からちょこっとはみ出した島の町である。

 師匠「ここの景色は最高!見に行く価値はあるよ」
 トメ「距離は…100km超ほどあるねぇ」
 師匠「普通に走っても2時間もあれば着くと思うよ」

ということで、我々「行き当たりばったり3人組」は「西海町」目指して再出発となったのでした。

PM3:30

さてこの時間だと目的地である「西海町」に着いてなければならないのだが…
なんしぃたちはまだ宇和島の町はずれにあるコンビニにいた。
何故か?!答は簡単、渋滞に引っかかってしまったのだ。
VTRやニンジャはいいが、峠命マシンであるR1は渋滞が大の苦手。
なんしぃは首と肩がこってきて休憩を取っていたのだ。
「これじゃあ帰宅時間はかなり遅くなるな」
そう思い、一人家に残してきてしまった嫁に電話する。

 ニ「あー、もしもし〜。今ねぇ宇和島の先。帰るのは遅くなるよ」
 嫁「そーなの〜?夕ご飯まで帰れる?」
 ニ「多分無理だと思うよ。早くても10時は過ぎると思う」
 嫁「ホントにぃ?気を付けてねぇ」

「夕飯までには帰れるよ」と言って出たのに…そんな嫁の愚痴が聞こえてきそうだった。(ごめんなさい)
20分ほど休憩を取って、3人は再び目的地に向かってアクセルをあけた。

PM4:30

やっとの思いで「西海町」に到着!いやぁ、長い道のりでした。海岸が望める路地
「西海町」はとても小さな町で、山の斜面に民家が並ぶとても風情のある町。
夕暮れ時だったコトもあり、そこから見る夕日は格別!
「来て良かったじゃろ」
師匠の言った言葉に間違いはない。ゴミゴミした都会の風景とは訳が違う。心が洗われる一時。
小さな石を重ねて作り上げられている壁は異国を感じさせる。人もまばらで人なつきの良い猫がすり寄ってくる。
心が和んだ我々3人は、沈む夕日を見ながら物思いに耽るのであった。
「今から帰らんとイカン…たいぎぃのぅ」

 

 

 

石の通路石の壁路地から見える景色
人通りはほとんどなく簡素なイメージを漂わせるが、これがまたグー。都会の空気で疲れた体を癒してくれます。

太平洋が見える
西海町の夕暮れ。
海も山も橙色に照らされます。

PM6:00

西海町の夕日をしっかり拝んだなんしぃたち。バイクたちにしっかり飯を食わせて帰路を確認する。

 師匠「フェリーの時間がまずいけぇ、飛ばすよ」
 二人「りょーかーい」

と軽々しく返事をしたのは良かったが、師匠の飛ばすこと飛ばすこと
このときなんしぃ若干風邪をひきかけていたのだが、そんなことお構いなし。1○0km/hの高速コーナリングは流石に怖かったぞ。
でもココで改めてR1の良さを再認識。たとえコーナリング中に路面の凹凸があっても、R1は何事もなかったかのようにその上を通過。
しかもアクセル開ける余裕もある。とんでもないねぇ、このバイク。
宇和島に入ったのはPM7:30頃。ラーメン屋に入って晩飯を食ったが、あまりの疲労度と風邪によるだるさになんしぃは発狂寸前。
誰かぁ、バイク代わってぇ…
そんな願いも聞き受けられず、再び疾走する我ら3人組。生きて広島にたどり着けるのだろうか?と、半分意識を失いかけながらなんしぃはR1を走らせる。
松山市内に戻ってきたのはPM9:30頃であった。
そのままフェリー乗り場に直行し、フェリーの時間を確認する…が!
広島行きのフェリーはもうないよ
な、なんと信じられないことが起こってしまった。フェリーがない。
こうなったら来るときに使った阿賀港行きのフェリーに乗るしかない。
阿賀港行きはPM10:30が最終便だ。急げっ!

エピローグ

松山港から「阿賀行き」のフェリーがある堀江港までは約8km。時間的にはギリギリといったところだったので、多少ペースを上げて疾走する。
このフェリーに間に合わなければ、残る手段は「しまなみ海道を使う」か「野宿」の二つになってしまう。
今にも風邪でぶっ倒れそうななんしぃにとって、両方とも「絶対イヤ!」だった。
もうろうとする意識の中でただひたすら前走車のテールランプを追っかけるなんしぃ。殆ど本能で走っていた。
いやマジで。

が、その努力も報われて、無事堀江港に到着!
時刻はPM10:00すぎ。「行き当たりばったり3人組」は何とかフェリーに間に合ったのだ。
や、やっと帰れるぅ
フェリーにバイクを搭乗させて、客室に体を癒す3人。いやぁ、あのときの感動は忘れられません。

フェリーが阿賀港に到着したのはPM11:50。まだ終わってはいない。自宅まではあと一時間ほどかかる。
なんしぃは風邪と疲労でダウン寸前。R1のアクセルを開ける気力も残っていなかったので、トメさん宅(会社の社員寮)にバイクを置かせてもらい、トメさんの運転する車で帰宅した。
自宅の玄関を開けたときの時刻はAM2:00前。実に23時間の耐久ツーリングでありました。

教訓:やはりR1は長距離走行には向かない。

でも、楽しく充実した一日であったのは間違いありません。
これだからバイクはやめられないのです!

−おわり−

 

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