車やバイクに興味がある方は皆さんご存知、日本の自動車社会には 馬力規制と言うものがあります。
これは別に運輸省が定めたものではなく、国産メーカーが1989年に自主的に定めたものです。
詳細値は以下のとおりですね。
(四輪の「280ps」というのは当時の最高出力車「フェアレディZ」が280psだったからというのは有名な話。)
四輪 |
軽自動車(〜660cc)
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64ps
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普通自動車
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280ps
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二輪 ※<>は1992年新馬力規制前の値 |
〜50cc
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7.2ps
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〜125cc
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12ps
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〜250cc
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40ps <45ps>
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〜400cc
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53ps <59ps>
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〜600cc
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66ps
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〜750cc
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77ps
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〜800cc
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80ps
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〜900cc
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88ps
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〜1000cc
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93ps
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1000cc以上
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100ps
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なぜ今ごろになってこんな話をするかというと、規制緩和の一環として最近この馬力規制を撤廃しようとする動きがあるのです。
ただし話に出ているのは四輪で、どうやらトヨタ・セルシオでそれが行われようとしているみたいののです。
では、二輪は?そう、二輪は「逆輸入車」というものがあり、これが今一部の評論家内で問題になっています。
ホンダから国内販売が開始されたCBR1100XXとCBR954RRがあります。
CBR1100XXは「世界最速ツアラー」を目指すため、同社の持てる技術を惜しまなく投入したスポーツツアラーです。
CBR954RRはGPマシンNSR500のノウハウを投入して可能な限りに軽量化を施し、「公道を走るGPマシン」を目指して開発された
スポーツバイクです。
このバイクたちは本来輸出専用モデルであったのはバイクが好きな人ならご存知ですよね。ホンダは近年のビックバイクブームに
乗じて、海外で人気のモデルを次々と国内販売させてきたのです。
そこで問題になってくるのが、この自主馬力規制。
そもそもXXの最高出力は164ps(現在は若干パワーダウンしてます)、954RRは151psと、全世界的に見ても超高性能。
しかしこれが国内仕様だと、CBR1100XXは100ps(-64ps)、954RRは91ps(-50ps)になってしまうのです。
こうなってくると、元々この二台が持っていたコンセプトが薄れてしまうのではないだろうか?という疑念が湧いてきます。
もちろん、馬力が全てではないということは承知しているつもりだし、現に国内仕様のVTR1000F(ファイアーストーム)は素晴らしいと
思います。でも近い将来、馬力規制が撤廃されると、これらの国内仕様マシンを購入したユーザーはどのように感じるでしょうか?
スズキがGSX-R750の国内販売を止めたのも「日本で販売するのは無意味」と決断を下したのかもしれませんね。
(その代わり逆輸入車をメーカー自らがバックアップするという「異例」とも言える処遇になっているが…)
なんしぃはXX、RRともに乗った事はないのだが、輸出モデルの持つコンセプトが消えうせてしまわないように願って仕方ありません。
VTR1000Fのように、国内仕様は日本向けに楽しめる内容に なっていれはいいなと思う今日この頃です。