(301~400話)
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●第301話 セコムの人 2016.1.16
●第302話 お土産 2016.1.31
●第303話 節分 2016.2.4
●第304話 歯痛 2016.2.9
●第305話 聞くんじゃなかった 2016.2.13
●第306話 激突 2016.2.20
●第307話 キツネにつままれる女 2016.3.2
●第308話 へんなの 2016.3.3
●第309話 クオーター 2016.3.14
●第310話 花粉症 2016.3.27
●第311話 マツダ 2016.4.1
●第312話 USJ 2016.4.2
●第313話 下剋上? 2016.4.3
●第314話 何の声? 2016.4.11
●第315話 天然 2016.4.12
●第316話 甥思いの伯母 2016.4.17
●第317話 ドクターイエロー 2016.4.18
●第318話 どっちが勝った 2016.4.25
●第319話 元課長 2016.5.2
●第320話 エンブレム 2016.5.5
●第321話 アジアのチャーハン 2016.5.5
●第322話 ガラパゴス諸島はどこ 2016.5.6
●第323話 ガラケー 2016.5.8
●第324話 どんな人? 2016.5.8
●第325話 血圧計 2016.5.9
●第326話 さるかに合戦 2016.5.10
●第327話 鳥の巣 2016.5.15
●第328話 駐車場 2016.5.23
●第329話 ゆうさん、ホームを走る 2016.5.26
●第330話 手間のかかる女 2016.5.29
●第331話 3ナンバー 2016.6.6
●第332話 ビリギャル 2016.6.7
●第333話 ヌートリア 2016.6.15
●第334話 感謝していること 2016.6.20
●第335話 布袋さん 2016.6.23
●第336話 福山城 2016.6.26
●第337話 自信 2016.6.27
●第338話 しくじり先生 2016.6.28
●第339話 しくじり先生のやりとり 2016.7.2
●第340話 このわた 2016.7.4
●第341話 腱鞘炎 2016.7.7
●第342話 絶滅の危機 2016.7.8
●第343話 ポケモンGO 2016.7.24
●第344話 似てるけど 2016.7.25
●第345話 ポケモンGO始めました 2016.9.2
●第346話 ペリカン 2016.9.2
●第347話 ゆうさん株主になる 2016.9.5
●第348話 愛知のイベントで 2016.9.12
●第349話 何者 2016.9.17
●第350話 恩に 2016.9.26●第351話 ゆうさんポケモンGOにはまる 2016.9.26
●第352話 ゆうさんのお仕事 2016.10.10
●第353話 台風 2016.10.11
●第354話 剛速球 2016.11.09
●第355話 ホームラン 2016.11.09
●第356話 ゆう語 2016.11.09
●第357話 危機一髪 2016.11.11
●第358話 大統領選の謎 2016.11.12
●第359話 鴨がネギしょって来る 2016.11.14
●第360話 私の部署はどこ 2016.11.21
●第361話 今日も残業予定 2016.11.22
●第362話 目のせい 2016.11.28
●第363話 ラストラン 2016.12.4
●第364話 空気圧に注意 2016.12.5
●第365話 読書感想文 2016.12.9
●第366話 鈴木さん 2016.12.10
●第367話 練馬駅で 2016.12.11
●第368話 ソフト麺 2016.12.12
●第369話 落とし物 2016.12.13
●第370話 好きな人 2016.12.18
●第371話 たき火 2016.12.19
●第372話 漢字クイズ 2016.12.22
●第373話 自販機前で 2016.12.24
●第374話 間違いやすい設定 2016.12.27
●第375話 有名人 2017.1.10
●第376話 ダイソンさんへ 2017.1.14
●第377話 盲腸 2017.1.20
●第378話 手術 2017.1.20
●第379話 術後 2017.1.21
●第380話 トイレのゆう子さん 2017.1.26
●第381話 ゆうさんのシャワータイム 2017.1.26
●第382話 病院で 2017.1.26
●第383話 元素記号 2017.2.27
●第384話 こわれた人 2017.3.6
●第385話 漂白 2017.3.19
●第386話 代車 2017.3.20
●第387話 富嶽三十六景 2017.3.21
●第388話 球団名 2017.3.27
●第389話 三択問題 2017.3.28
●第390話 ドライアイス 2017.3.28
●第391話 日替わりランチ 2017.4.1
●第392話 フライデー 2017.4.2
●第393話 せきたん 2017.4.3
●第394話 ATMの謎 2017.4.6
●第395話 今どきのCG 2017.4.6
●第396話 クレーム 2017.4.6
●第397話 原発反対 2017.4.7
●第398話 アオサ 2017.4.17
●第399話 反骨精神 2017.4.18
●第400話 共謀罪 2017.4.24ゆうさんは会社で、
ときどきセコムの人を見かけました。
セコムの人は、よく工場の設備についての
電話などをしているようでした。
ゆうさんは、セコムの人はみんなを守ってくれているのだから
尊敬していて、いつも丁寧に挨拶をしていました。
ある日、その人がデスクに座っているのを見て、
同僚に聞きました。
「あの人、セコムの人ですよね」
「え?誰?」
「あの人」
ゆうさんはみんなに爆笑されました。
「あれ、○○さんですよ」
ゆうさんの中で、その人がなぜセコムの人になったのかは
誰にもわかりません。ゆうさんは長野県の野沢温泉村に
スキーに行きました。お土産屋さんで売られていた
お菓子を見てゆうさんは思いました。(野沢温泉なのに、なんで
他の村のお土産を売ってるんだろう)お菓子のパッケージには、
『真田幸村』と書いてありました。2月3日、ゆうさんからLINEが来ました。
「ねー、知ってる?
節分って今日なんだって」
「今日は全国的に節分だよ」
「今日が全国的に節分なんだ」
続いて、
「昨日やったのに」ゆうさんは歯が痛くなったので
歯医者さんに行きました。看護師さんに
「どうされましたか」
と聞かれたので、
手でほっぺたを押さえながら、「右上の歯が痛いです」
と言いました。
でも看護師さんが何も言わないので
もう一度、「右上が痛いです」
と言いました。
すると看護師さんは「左上ですよね?」
と言ったので、
「は?右です!」
と言ったら、
「それは左ですよ」
と言われました。
ゆうさんからLINEが来ました。
「今日、トイレを済ませて歩いてたら、
ズボンの裾から丸まったトイレットペーパーが
出てきました。
ビックリしてトイレに戻って捨てて出てきたら
同僚がいたので
『ズボンからトイレットペーパーが出てきた』
って言ったら笑われました。
みんなそういうことあるのかな」私は返信しました。
「使用済みのやつではなかったですか」
ゆうさんからの返信。
「使用済みです。
ってか、新しいトイレットペーパーを
わざわざズボンに入れないです」私の返信は
「ガ~~~ン」のスタンプ。フィギュアスケート4大陸選手権、
男子ショートプログラム終了後、
ゆうさんからLINEが来ました。「宇野昌磨と無良崇人ってぶつかっちゃったのかな。
激突って書いてあったけど、
ふたりとも上手に滑りなさったね」どうも体がぶつかったと思っているようです。
私の返信。「ぶつかってはいないでしょう」
ゆうさんの返信。
「ぶつかってないの!?
ふーん」有力選手が対戦する場合には
よく使う表現だと思うんですが。ゆうさんからLINEが来ました。
「今、歯医者だよ。
今日は患者さん多いみたい。
繁盛してるな~」しばらくして返信しました。
「ウケたかな」
「今日はフツーに終わったよ。
でも、診察室に入る前に歯磨きしたんだけど、
治療が始まる前に口をゆすいでくださいって
言われてやったら、
すごいカスが出てビックリした。
歯磨きしたのになんだろう」「始まる前でよかった」
「うん。
キツネにつままれた感じでした」「いつものキツネだね」
「いつものキツネ?
ゆうはキツネじゃないよ」「わーっとるわ。
あんたはキツネにつままれたと思うようなことが
しょっちゅうあるでしょ」「あ。そういうこと。
あるあるあるある!!」サッカー女子リオ五輪アジア最終予選
「日本✕韓国」の試合終了後、
ゆうさんからのLINEに気づきました。「サッカー見てる。
がんばれ、なでしこ!!」私は返信しました。
「惜しかった」
「うん。
かわいそうななでしこ。
さわがちょっと出ればよかったね」冗談かと思いましたが、
私はこう返信しました。「澤はもう出られない」
すると、
「そうなの?
あんなとこでしゃべってないで
出れば勝てた」(マジかよ)
「引退したっちゅーの」
「引退したの?
引退したのにあそこにいたの?」「引退したからあそこにいるんだわさ」
「はー。そういうからくり?
なんと」「からくりでもなんでもねーよ」
「そうなの?
引退するような感じに見えなかったよね。
元気はつらつだった」「そういう問題じゃないし」
「へー。へんだね」
「いつものように、へんなのはあなたです」
私は、名古屋ウィメンズマラソンに知り合いの女性が
出たことをゆうさんに話しました。「ええ、すご~い」
「旦那さんはクオーターだって」
私は、旦那さんが、併催される名古屋シティマラソンの
クオーターマラソン(10.5km)に
出場したことを言いたかったのですが、
ゆうさんはおじいさんかおばあさんが外人のクオーターと
勘違いするかなと懸念しました。
でも、ゆうさんから質問はなかったので
何も言いませんでした。しかし後で、ゆうさんは全く違うことを考えていたことが
わかりました。「男と女のクオーターなのかと思った。
だからウィメンズマラソンに出られるのかと思った」「男と女はハーフだろ!
クオーターってどんなんだよ!」ある朝、ゆうさんは会社で、
マスクをしてきた同僚に話しかけました。「花粉症なの?」
同僚は、つらそうに答えました。
「ええ。青木さんは大丈夫なんですか?」
「私も花粉症」
「鼻水とか出ないんですか?」
「出るけど今は大丈夫」
「薬飲んでるんですか?」
「今は飲んでないけど大丈夫」
「何の花粉症なんですか?」
「スギとかヒノキかな」
「スギやヒノキの花粉症の人は
今、大変だと思うんですけど」同僚は、ゆうさんが花粉症であることを
100%疑っていると思います。サッカー、日本✕シリア戦終了後、
ゆうさんからLINEが来ました。
「日本勝った!!」
「シリア戦か。見てなかった」
「すごかったよ!!5点入った」
ゆうさんはスポーツ観戦でよく、
どちらのユニホームが日本か
わからないと言うので、
「どっちが日本かわかってよかった」
と返すと、
「わかったよ。有名なマツダとかいるし」
と来ました。私は不思議に思いました。
「マツダっていたっけ」
「モノマネとかされてるビッグマウスの選手だよ」
「本田じゃねーの?」
「あ。そうだった。あははははは~
まちがえちゃった。車屋さんみたいだね」
「本田なんてよくいるぞ」
ゆうさんにとってはホンダと言えば、
自動車メーカーしかないようです。
でも、普通はマツダと間違えないと思います。私が一人で東京に講演に行っている時、
ゆうさんからLINEが来ました。
「今、USJ。
駐車場の料金引き落としの手続きに来たよ。
イベント盛り上がってるかな」
私は三菱東京UFJ銀行、UFJの間違いだなと
気づきましたが、からかうことにしました。
「えー、大阪行ったの?」
ゆうさんの返信は、
「は?半田にいるよ」
やっぱり気づかなかったので、
答えを書きました。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」
しかし、次の返信は。
「半田の?ん?」
半田にUSJがあるわけがありません。
やっぱり、徹底的に気づかないゆうさんでした。ゆうさんの課で会議があり、
課長が話をされました。終わった後、ゆうさんが上司である課長に
「ぜんぜん眠くならなかったよ」
と言ったら、課長は喜んでいたそうです。
ゆうさんは何者なんでしょう。
ゆうさんと一緒にいる時、
外でグーグーという音が聞こえました。私が言いました。
「ハトじゃない?」
ゆうさんが言いました。
「えー、ハトはポッポッポでしょ」
「ポッポッポは言葉上の表現でしょ」
You Tubeで調べたら、やはりハトでした。
ゆうさんは生まれてこの方、
ハトの鳴き声は聞いたことがないと思っていたそうです。「あれならよく聞く」
ゆうさんに聞かれました。
「会社で天然だって言われたの。
ゆうは、会社ではちゃんとしてるのに。
天然だと思う?」だから天然なんです。
ゆうさんの弟さんには男のお子さんがいます。
ゆうさんにとっては甥に当たります。その甥御さんは新幹線が好きだそうで、
ゆうさんは出張の際、甥御さんのために
スマホで新幹線の写真を撮って
弟さんにデータを送りました。でも弟さんの反応は微妙で、
一応子供に見せてはみるけど、
といったものだったそうです。それもそのはず。
ゆうさんが送った写真は客車の側面だけでした。普通、見たいのは先頭車両でしょう。
以前、ゆうさんと講演に行った時、
新幹線のホームで偶然、
ボディカラーが黄色のドクターイエローを
見た話をしていました。私が言いました。
「ドクターイエローはなかなか見られないらしいよ。
好きな人は調べておいて見に行くんだって」ゆうさんが言いました。
「お医者さんが乗ってるの?」
んなわけないだろ。
※ドクターイエローとは、
新幹線の線路や電気設備などを検査する車両です。巨人とDeNAの試合終了直後、
帰宅した旦那さんがゆうさんに聞きました。「どっちが勝ったの?」
ゆうさんは答えました。
「巨人だよ」
旦那さんがテレビを見ながら言いました。
「でも、DeNAのファンが喜んでるよ。
ヒーローインタビューもDeNAだよ」なぜゆうさんが巨人が勝ったと思ったのかは
誰にもわかりません。テレビのニュースに映っていた人のクレジットを見て
ゆうさんが言いました。「元(もと)課長だって」
クレジットには『○○ 元 課長』
と表記されていました。私が言いました。
「もと課長じゃないだろ。
げんさんか、はじめさんだよ」「ええ、もと課長じゃない?」
「元(もと)課長なんか出したってしょうがないだろ。
今の課長出せってことになるじゃん。
元まで太字になってたし」でも、ゆうさんは全然納得していないようでした。
後日、その方がまたテレビに映っていたので
私は画面をスマホで撮り、ゆうさんに送ろうとしました。すると、ゆうさんからLINEが来ていました。
「さっき○○元課長テレビ出てた。
確かに元の字は大きかったけど、
今の課長じゃないから元を強調したかったとか、
そういう線もあるかもしれないね。謎は深まる」私は画像とメッセージを送りました。
「疑う余地はありません」
ゆうさんが言いました。
「東京オリンピックのエンブレム決まったね」
「うん」
多少のやり取りの後、
ゆうさんが言いました。
「何で二つあるの?」
「え?一つはパラリンピックだよ」
「パラリンピックかあ」
「普通わかるだろ。
他の候補もみんな二つずつあっただろ」
何でだと思ってたの?」
「とりあえず二つ作っとけみたいな」
なんだそりゃ。ゆうさんが言いました。
「会社で打ち合わせしてたら、パとかラとか言うから、
アジアのチャーハン?って聞いたら
違うって言って笑われた」
「ナシゴレンじゃないんだろ。
パとかラ?。パラドックスとかパラダイムとか」
「違う。あと、ガとか」
「ガとパとラ?ガラパゴス?」
「あ、たぶんそれ」
「ガラパゴス知らないの?」
「うん」
「島だよ。イグアナとかいる。結構有名だけどな」
そりゃ、アジアのチャーハンじゃないな。私が言いました。
「俺もガラパゴス諸島の場所はよく知らないんだよね」
ゆうさんがスマホを見ながら言いました。
「座標。南緯0度40分0秒、西経90度……」
「そんなこと言われたってわかんねえよ!」
※ガラパゴス諸島は、南アメリカ大陸、エクアドル領で、
本土より西約900kmの太平洋上にあります。私が言いました。
「ガラケーの名前は、ガラパゴスからついたんだよ。
ガラパゴス諸島にはそこにしかいない動物がいるから。
日本で独自に進化した、みたいな意味だな」
「へえ、ガラクタケータイじゃないんだ」
ガラケーに失礼です。ゆうさんは、社長など会社の幹部の前で、
課長と二人でプレゼンテーションをすることになりました。
課長は自宅で、奥さんの前で、
プレゼンの練習をしましたが、
その際、ゆうさんの話すところは
ゆうさんのものまねをしたそうです。
奥さんが言いました。
「青木さんってそんなにバカみたいなの?」
課長はどんなものまねをしたんでしょう。京都のイベントに出演した時、
会場のある建物でゆうさんが言いました。
「血圧計ってくる」
血圧計を見つけたようです。
しばらくしてゆうさんが言いました。
「ゴミ箱だった」
ゆうさんが血圧計だと思ったのは、
カン・ビンを捨てる丸い穴でした。ゆうさんと食べていた柿の種(あられ)の袋に
カニの絵が描かれていました。
ゆうさんが言いました。「なんでカニなのかな」
私が言いました。
「さるかに合戦でカニが柿の種をもらうからでしょ」
しかし、ゆうさんはさるかに合戦の話を知らないというので、
私は話すことにしました。サルが木の上からカニに柿の実をぶつけたところまで話すと
ゆうさんが言いました。「それで終わり?」
「ええっ!ここで終わりでいいの?」
ゆうさんに、私が撮った鳥の巣の写真を見せました。
「ええ、鳥の巣ってこんなになってるの?
こんなバスケットみたいに。すごい」「そうだよ。枝とか集めてきて作るんだ。見たことない?」
「鳥の巣は、ボアボアの頭の人とか」
「そりゃ、髪の毛だろ。
それが鳥の巣に似てるから言うんだよ。
髪の毛に合わせて鳥の巣作ったわけじゃねえよ」ゆうさんはマイカー通勤をしていて、
会社の近くに駐車場を借りています。先日、別の駐車場に借り換えましたが、
止める場所を間違え、
注意の張り紙をされてしまいました。「地図見なかったの?」
「地図は会社にあるの」
「車に積んどけばいいじゃん」
「見たってわかんないもん」
「わかるでしょ。駐車場の地図くらい」
「角から3番目ってことはわかってるの。
候補はあと3か所あるんだけど、
今はいちかばちか別のところに止めてる。
まだ何も言われてないよ」「言われてからじゃ遅いんだよ!」
ゆうさんが出張で新幹線に乗った後、
LINEが来ました。ゆうさんは今まで何度も席を間違えて
他のお客さんに迷惑をかけているので、
私は乗る前でも後でもいいから、
チケットを確認するように言っていました。今回も乗る前にチケットを見たら、
号車を間違えていたそうです。「新幹線がもう来てたので、
必死で走りました」「乗ってからでも
車内を歩けばいいんだけどね」「そっか。そうだね。はー」
ゆうさんは福岡県に出張した時、
地下鉄の改札口で駅員さんに聞きました。「中洲川端駅に行きたいんですけど、
ここから入ればいいですか」駅員さんは、
「2番線です」
と答えました。
普通の人なら何の疑問も抱かず、
改札を入って2番線に行くと思います。
しかし、ここで納得しないのがゆうさんです。(私はここから入ればいいかどうか聞いてるのに、
この人はわかってないのかもしれない)でも他に入り口を知らないゆうさんは
いちかばちかそこから入りました。
そして、路線図で中洲川端駅を探しました。
でも見つかりません。そこへ2番線の電車が来てしまったので
ゆうさんは仕方なく飛び乗りました。中洲川端駅は二つ目の駅でした。
どこで何を聞いてきたのか、ゆうさんが言いました。
「3ナンバーは怖い人じゃなくなったらしいよ」
「え?3ナンバーは大きさとかで決まるんじゃないの。
怖い人は3ナンバーが多いんだろうけど。
俺も前3ナンバーだったよ」調べたら、やはり大きさと排気量で決まるようでした。
「え~、怖い人が乗るんだと思ってた」
「怖い人なんて誰がどうやって決めるんだよ!」
ゆうさんと、映画『ビリギャル』を見ていました。
『ビリギャル』は、成績がビリの名古屋の不良女子高生が、
塾に通ってなんと慶應義塾大学を目指し、
見事合格するという実話を基にした映画です。
映画の中で塾の先生が言いました。
「念のため聞くけど、
福沢諭吉は何を作った人か知ってる?」
隣でゆうさんが答えました。
「一万円札」私が散歩していたら、
川で、見たことのない動物が泳いでいました。
ネズミに似ていますが、猫くらいの大きさがあります。
スマホで動画を撮って、帰って調べると、
南アメリカ原産のヌートリアという動物でした。私はゆうさんにLINEしました。
「植田川でヌートリア見た」
ゆうさんからの返信。
「ヌートリアってどんな映画?
おもしろかったかな」「映画じゃないよ。川にいたんだから」
私は動画を送りました。
「わー!!なにこれ!!
フナとネズミのあいのこ?」いるか、そんなもん。
ゆうさんが私に言いました。
「ゆうはお母さんに感謝していることがあるの。
教えてほしい?」私が黙っていると、ゆうさんが言いました。
「ウンチするときに、おかあさ~んって言うと、
スムーズに出るの」これを聞いてお母さんはどう思うか
聞いてみたいです。講演会終了後の懇親会で、
こんな話が出ました。ある有名女性は、お酒が入ると大胆になり、
布袋(ほてい)さんに抱き付いたことがある……この場合、普通の人は、
ミュージシャンの布袋寅泰さんと思うでしょう。ゆうさんが言いました。
「七福神の?」
置物に抱き付いたわけ?
ゆうさんは出張の際、スマホで
新幹線の窓から撮影した動画を
弟さんに送りました。「新幹線から福山城が見えました」
弟さんから返信が来ました。
「短っっっ!
福山城ってことは山陽新幹線かな」ゆうさんが、送った動画を確認すると、
一瞬福山城が映った後、2~3秒、
新幹線の窓と車内のペットボトルなどが
映っていました。これはビデオ撮影ではよくやる、
撮影開始時に録画ボタンを押しそこない、
撮影を終えようと再度録画ボタンを押したところから
撮影が始まるという失敗です。それは仕方ないにしても、
なぜ人に送る前に
撮った動画を確認しないんでしょう。ゆうさんは九州に出張した帰り、
空港で搭乗手続きの際、
荷物を預けた時に聞かれました。「ペットボトルはないですか?」
ゆうさんははっきり答えました。
「ないです!」
家に帰って荷物を開けると、
ペットボトルが2本も入っていました。ゆうさんは嘘をついたわけではなく、
すっかり忘れていただけなので
誰にも疑われないんでしょう。『しくじり先生』は、テレビ朝日の番組で、
自分の思い上がりや失敗で、大金や仕事、
友人などを失った芸能人が、
反省を踏まえてその経緯を詳細に説明する
といった内容です。生徒のゲストたちや視聴者は、
笑ったり、同情したりしながら、
反面教師として人生の教訓を学べます。ゆうさんからLINEが来ました。
「ゆうはしくじり先生に出られるかな」
あなたはボケてるだけですから。
実は『しくじり先生』に関しては、
LINEでこんなやりとりがありました。「ゆうはしくじり先生に出られるかな」
「ちょっと違うかな」
「そうなの?
しくじってばっかりだけど」「人生に大きく影響してないとね」
「大きく影響してるけどね」
「大損したとか、友達無くしたとかないとね」
「気づいてないけど、大損してるかも知れないし、
友だちも減ってるかも知れない」「気づいてないとだめだね」
「気づいてないとダメなんだ。
人より気づくの遅いからな」「しくじった自覚がないと講義のしようもないでしょ」
「しくじった自覚はないけど、みんなにはあると思うよ」
「講義するのはあなたですから」
「そういうからくり?
なるほどね」「失敗を自覚して反省した人しか、
他人には話せないの」「そうなんだ。
失敗談だけじゃダメなんだ。
みんな反省してるんだね」「そういう番組でしょ。
みんな笑えるネタじゃないよ」「どうりで笑いが少ないわけだ」
「笑ってはいるけどね。
泣いてるときもあるし」ゆうさんが冗談を言ったわけではなかったことが
お分かりかと思います。ゆうさんは、秘書室時代に社長から、
次の宴会に、『このわた』を用意するように言われました。でもゆうさんは、このわたを知りません。
ゆうさんはお酒の名前かなと思い、
いつも頼んでいる酒屋さんに電話しました。「このわたに合うお酒ですか?」
「いえ、このわたをお願いします」
酒屋さんは引き受けてくれたそうですが、
このわた自体をゆうさんは見ることなく、
ことは済んでしまったので、
結局ゆうさんはこのわたとは何かわからずじまいでした。調べればわかることなのに調べない、
恥ずかしいから他人にも聞かない、
わからないままでも気にならないというのが
ゆうさんの不思議なところです。後日ゆうさんは、『からすみ』でも同じことをしました。
※ちなみに『このわた』はナマコの腸の塩辛、
『からすみ』はボラなどの卵巣を塩漬けし、干したものです。ある日、会社の先輩が手に包帯をしてきました。
「腱鞘炎になっちゃって」
ゆうさんが言いました。
「精神的なものですか?」ゆうさんの嫌いな食べ物は
バナナです。テレビの報道を見て私が言いました。
「バナナ、絶滅の危機だって」
ゆうさんが聞き返しました。
「バナナ、メチャメチャ好き?」
ゆうさんに聞きました。
「ポケモンGOって知ってる?」
「知らない」
「やっぱり知らないか。
アメリカで大人気のスマホのゲームソフトで、
日本でも配信が始まったんだよ。
今朝の新聞トップ記事だったよ」それからテレビゲームの話になりました。
「ドラゴンクエストは知ってるよね」
「知らない」
「え~!ドラクエも知らないの?」
ポケモンGOなどと聞いている場合ではありませんでした。
You Tubeでドラクエのテーマ曲を聞かせると、
「これは知ってる。クラシックだと思ってた」
ゆうさんとテレビを見ていると、
竹内力さんが出ていました。私が言いました。
「ホタテマンは誰だっけ」
ホタテマンは、昔、お笑いバラエティ番組の
『オレたちひょうきん族』に出てきた
ホタテ貝の着ぐるみを着たキャラです。私が思い出して言いました。
「ホタテマンは安岡力也だ」
ゆうさんが言いました。
「あの人じゃない?」
「あれは竹内力だよ。
だいぶ年が違うぞ。
安岡力也は死んじゃったし」こわもてでイメージは似てるけど。
ゆうさんと私は『ポケモンGO』を始めました。
ポケモンGOは、
町を歩いて、出現するポケモンに
モンスターボールを投げて捕まえる
スマホのゲームです。
画面上には実際の道が表示され、
実際の映像の中にポケモンが現れます。
モンスターボールはレベルアップ時などにももらえますが、
町の随所に設定されているポケストップで入手できます。
私は最初にモンスターボールがなくなった時、
入手方法をネットで調べましたが、
自分で調べることを決してしないゆうさんは
知らないだろうと思い、LINEしました。
「ポケモンGO、ボールの取り方わかったかな」
「うん。やってる。やりすぎてボールがなくなった」
「だからボールの手に入れ方わかってるか聞いてんの。
青いモニュメントに近づいて、丸い写真をぐるぐる回すと
アイテムが出てくるから、それをタップ」
「あ。そういうこと?わかった。
ぐるぐる回ればいいんだね」
「あなたが回るんじゃないよ」
「え?回らなくていいの?」
「好きにしてください」
外で回っている人がいたら、
たぶんゆうさんです。ゆうさんからLINEが来ました。
「今日ペリカンが道端から飛んだとこ見たよ」
「ペリカンはいないだろう」
「そうなの?
白くて口の上が黄色だった。
ペリカンは飛ばないんだね」
「飛ぶだろうけど、日本では動物園にしかいないよ。
見たのはたぶんサギだ」
「えー!!
そうなんだ。
サギにあった気分です」
なーに言ってんだか。講演に行った先で私はある人に
知り合いの作った、新しいシステムで
オリーブオイルを販売する会社の
話をしました。「1000円で株を1株買って株主になると、
スペインの良質なオリーブオイルが
安く買えるようになるんです。
『みゃくそん』という会社で、
今、1万人の株主を募集してるんです」隣でゆうさんが言いました。
「ええっ!株ってその株だったの?」
「何だと思ってたの?」
「オリーブの木の株だと思ってた」
「ええっ!」
「オリーブの木を1本買って、
自分で行かなくても誰かがあたしの木から
オリーブオイルを採ってくれるんだと思ってた」私も出演した愛知のイベントで。
ある出演者が出番を終えた時、
司会者が言いました。「お口はありますか」
ゆうさんは
(お口なんてあるに決まってるじゃない)
と思いましたが出演者は、
「ありません」
と言ったのでゆうさんは
(ええっ!)
と思ったそうです。
ゆうさんの隣にいた私には、初めから、
「告知はありますか」と聞こえていました。ゆうさんの勤めている会社は
有名な食品メーカーです。
組織としては、部門でいくつかの会社に
分かれているため、社長は何人かいますが、
一人の社長が出席する会議に
ゆうさんも出ることになりました。
ゆうさんのデスクに主任が来て言いました。
「社長がお待ちです」
ゆうさんが会議室に行くと、
社長をはじめ、皆が待っていました。
私が聞きました。
「怒られなかった?」
「笑ってた」
ゆうさんは何者なんでしょう。ゆうさんとポケモンGOをやっていました。
ゲームで私がゆうさんを助けると
ゆうさんが言いました。
「恩にきります」
「恩に着ますだろ」
「え、きりますじゃないの?」
「着ますだよ」
「ずっと、きりますだと思ってた」
ネットで調べたら、結構間違ってる方いるみたいですね。
おまけにゆうさんは、『切ります』だと思っていたそうです。
意味わかんないけど。今までテレビゲームもほぼやったことのなかったゆうさんが
ポケモンGOにはまっています。
自宅近くにレアなポケモンの出る場所があり、
ゆうさんは会社から帰ると毎晩2時間ほど
ポケモン捕りに出かけているそうです。
そこではレアなポケモンが出そうだという情報が入ると
大勢の人が一斉に移動を始めます。
周囲のただならぬ気配を感じて、ゆうさんも走り出しました。
しかし、ゆうさんは転んで手足をすりむいてしまいました。
近くの人が、
「大丈夫ですか?」
と、声をかけてくれます。
見知らぬ子供が親に
「あの人また来たよ」
と話しているのが聞こえます。
そんなことを気にしてはいられません。
ミッションはポケモンをゲットすることです。
ゆうさんの戦いは続きます。ゆうさんは会社で書類をチェックする仕事をしています。
チェック前の書類を「未」、チェック済みの書類を「済」の
箱に入れることになっています。ある時ゆうさんは、チェックの済んだ書類を
「未」の箱に入れてしまいました。それに気づいた同僚が言いました。
「青木さん、この書類見られましたよね」
ゆうさんは大きな声で言いました。
「まちがえちゃった」
皆がクスクス笑っています。
ゆうさんが言いました。
「大丈夫。よくあることだから」
大丈夫なんでしょうか。
ゆうさんは会社に行って、
うれしそうに同僚に言いました。「今日は台風が来るでしょ」
「もう来ませんよ」
「え?」
「それて行っちゃいましたよ」
「え~、台風来るはずだったのに。
帰る気満々だったのに」普通、来ない方がいいと思うんですが。
テレビをつけると、プロ野球日本シリーズをやっていました。
私が言いました。
「大谷翔平が投げてる」
ゆうさんが言いました。
「有名?」
「うん。165キロ」
「体重?」
「相撲じゃねえよ」プロ野球日本シリーズ。
日本ハムファイターズのレアード選手が
ホームランを放ち、
テレビ画面には「レアード 1号」
と表示されました。
ゆうさんが言いました。
「2号もいるの?」
「パーマンじゃねえよ」私が言いました。
「今年は永六輔さんとか
昔活躍してた人が随分死んじゃったなあ」
ゆうさんが言いました。
「エロス?」
何かと思いましたが、
えい・ろく・すけ
確かに頭文字が「えろす」です。
永さん、天国で驚いているでしょう。危機一髪
ゆうさんと私で福岡県に講演に行き、
名古屋に帰った直後、
博多駅前で大規模な陥没事故が
起きました。
私がLINEしました。
「博多すごいことになってるね」
「うん。落ちなくてよかった。
何か見えない力が働いてるのかな」
実は今回ゆうさんと行ったのは
小倉駅まででした。
「博多は行ってないけどね」
ゆうさんの返信は、
「!!マジですか?」のスタンプ。アメリカ大統領選の後、
私が東京に行っているときに
ゆうさんからLINEが来ました。「東京着いたかな。
トランプ勝ったね。
投票者が270人ってアメリカ終わってるね」正気かこの人は!と思いましたが、
とりあえず返信しました。「んなわけないだろ」
テレビで報道されていた270人については
私もよくわからなかったので
既に調べてありました。
アメリカの大統領選では各州から予め
選挙人という何名かの代表者が選ばれ、
投票の結果に従ってその人たちの票が
各候補に割り振られるということのようです。
全体では538名の選挙人が居り、
270人はその過半数ということです。ゆうさんからの返信は夕方
新幹線に乗っているときに来ました。「投票者はなんだろう?」
「各州で選ばれた人みたい」
「えー。そんなんあるんだ。
選ばれた人しか投票できないなんてかわいそう」ちょうど新幹線が、私が降りる名古屋駅に
着くところだったので
詳しい説明をしている余裕はありません。「そういうことじゃなくて」
「んー。むずかしい。
アメリカ人じゃなくてよかった!!」ゆうさんと私はスマホのゲーム『ポケモンGO』を
やっています。モンスターの中に、『カモネギ』というキャラがいて、
文字通りネギを持った鴨です。ゆうさんが言いました。
「カモネギーホールってあるよね」
ゆうさんの場合、これは冗談ではありません。
「カーネギーホールだろ。
超有名なアメリカのホール」「え?日本にあるんじゃなかったの?」
会社のビルで、ゆうさんの部署は4階にあります。
朝は健康のために階段を利用する人が多いそうです。ある朝、ゆうさんが階段を上っていると
後ろから同じ部署の人が上ってきました。気がつくとゆうさんは5階まで来ていました。
4階に降りると先に着いていた同僚が言いました。「あれ?青木さん、前歩いてましたよね」
数日後、またゆうさんは階段を上っていました。
今度は違う同僚が前を歩いていました。気がつくとゆうさんはまた5階にいました。
階段を降りると、驚いた顔の同僚と鉢合わせしました。一週間に2度もやってしまったゆうさん。
ゆうさんの部署はいつも爆笑の渦です。ゆうさんの会社には、
その日の残業予定時間を
皆が書き込む書類があります。ある日、書き込もうとした同僚が言いました。
「青木さん、僕のところに書いてあるよ」
後日、ゆうさんはまた同じ人のところに
間違えて書いてしまったことに気づきました。その人が言いました。
「青木さん、今度は両方に書いてあるよ」
なんて迷惑な人なんでしょう。
残業予定時間を書き込む書類の
同僚の欄に書いてしまったゆうさんは、
言い訳をしました。「私ね、目がよく見えないの」
なんでも10月の初めに突然見えなくなり、
片目はほとんど見えなくなったそうです。「で、今朝コンタクトを逆にはめてみたら
よく見えるようになったの」ゆうさんは同じ失敗を2年前にもしていて、
眼科に行ってわかりました。
そして、今回は2ヵ月近くもそれに気づかずに
いたことになります。じゃあ、今は見えてるんじゃんかよ。
結局、言い訳にもなっていません。
なんで素直に謝らないかなあ。※2年前のエピソードは、
ボケ事件149話「コンタクトレンズ」にあります。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~nagaryu/aokiyu2.html#149テレビのニュースで、
JR北海道、留萌線の留萌-増毛間が廃止されるため、
人々が別れを惜しむ中、
間もなくラストランになるとの報道がされていました。ゆうさんが言いました。
「レストランになるの?」
ゆうさんの運転する車に乗っていると、
カーナビからアナウンスが流れました。「タイヤの空気圧が下がると、燃費が数パーセント低下します」
ゆうさんが言いました。
「スーパー銭湯ってなんだろうね」
ポケモンGOにはまっているゆうさんからLINEが来ました。
「そろそろポケモンの読書感想文書こうかな」
「え、それ何?」
「ポケモン記念」
「そんな募集があったのかな」
「募集はないです。
私のイベント」「ポケモンの本読んだの?」
「読んでないです」
「読書感想文って何よ」
「ポケモンと私」
「禅問答か!」
「ふーん。
こういうの禅問答っていうの?」「言わねえよ。わけのわかんねえこと言ってっから
例えただけだよ。
読書感想文じゃなくて、ただの作文だろうが」どうです。めんどくさいでしょう。
ゆうさんは鈴木さんの作成した書類をチェックしました。
鈴木さんは隣の課の人で、
ゆうさんはチェックの済んだ書類を
鈴木さんのところに持って行って言いました。「こちらの仕事なのにありがとうございます」
鈴木さんは言いました。
「え?私、知りませんよ」
数日前に同じ名前の派遣社員の鈴木さんが
ゆうさんの課に入っていて、
ゆうさんは仕事内容のオリエンをしたそうです。東京に出張しているゆうさんからLINEが来ました。
「今朝、練馬駅に着いて中央出口を探してたんだけど、
なかったので駅員に聞きました。
そしたら『西武線ですか?どこに行きたいんですか?』
って個人的なこと聞いてきたから(え?)と思いつつ、
『練馬の町』って言ったのね。
そしたら『どこに行きたいの?』って聞いてくるから、
仕方なく『練馬文化センター』って言ったら
『北口を出てエスカレーターを上がったら
すぐに見えますよ』だって。
行ったらあったけど、そんなこと聞くんだとびっくりした」「初めから行きたいとこ言えば教えてくれたんでしょう」
この人は駅員さんを何だと思っているんでしょう。
ゆうさんは東京に出張し、セミナーを受けました。
講師の人が話の中で『ソフト麺』と言いました。
ゆうさんは、給食でソフト麺が出たなあと懐かしく思いました。しばらくして講師の人が『ハード面』と言いました。
ゆうさんは、あ、さっきのは『ソフト面』だったのかと思いました。いつも、話の前後を全く考えないゆうさんです。
東京に出張し、同僚と二人でいたゆうさんは
知らない人に声をかけられました。「これ、落とされませんでしたか」
見ると、スマホです。
ゆうさんは言いました。「いえ、違います」
同僚のものでもないようでしたが、
ゆうさんはスマホを受け取り、
ボタンを押してみました。待ち受け画面に山Pが出てきました。
「あ、あたしのです」
聞けば、落としたのは東京駅のホームだったそうです。
私は驚いて言いました。「え!東京駅だったの?
セミナー会場かと思ったよ。
出てこなかったら大変だったじゃない!」「そうだね」
ゆうさんはいまいちピンと来ていないようです。
「ポケモンGOのデータもなくなっちゃうんだよ」
ゆうさんはやっと、ことの重大さに気付いたようでした。
「ちゃんとお礼言ったの?」
「言わなかった」
最低な女です。
※後で調べたところ、
端末を替えてもポケモンGOは継続できるようです。ゆうさんのスマホ、待ち受け画面の
山Pの画像を見た同僚が言いました。「この人お好きなんですか?」
「好きだよ」
「どこかのグループの人なんですか?」
ゆうさんが言いました。
「知らない」
ほんとに好きなんでしょうか。
ゆうさんと歩いていると、さざんかが咲いていました。
ゆうさんが歌いだしました。「さざんかさざんかさいたみち
アヒルだアヒルだ……何だっけ?」私が黙っていると、ゆうさんは
何度も何度もそこまで歌っては
止まっていました。アヒルには何の疑問も抱かないゆうさんでした。
私がクイズ番組で見た問題を
ゆうさんに出しました。
「時間っていう漢字の日へんと門がまえだけ残して、
空いたところに入る同じ漢字一文字は何?」
ゆうさんは意外とすぐに答えました。
「音?」
「そう!早かったね!」
ゆうさんが言いました。
「なんて読むの?」
「え?読めないのにわかったの?」
「あんやみ?」
「ええっ!」
暗闇。ゆうさんは、会社の自販機で同僚が
ドリンクを買うのを見ていました。出てきたドリンクを見てゆうさんが言いました。
「それ、まずいんだよね」
ゆうさんは会議で発言しました。
「この項目の設定がわかりにくいから
みんな間違えるんです!」「そうか。誰が間違えてるの?」
「いっぱいいると思いますよ」
記録を調べてみると、3回間違いがあり、
全部青木さんでした。一同爆笑。
ゆうさんとテレビを見ていたら、
森山良子さんが出ていました。ゆうさんが言いました。
「森山良子って歌手なの?」
私は驚いて言いました。
「ずっと昔から歌手だよ!
今まで何だと思ってたんだよ。
森山直太朗のお母さんだし」調べたら、女優もされたことはあるようでした。
ゆうさんからLINEが来ました。
「掃除機かけてたんだけど、
吸い込みが悪いなーと思って見たら、
ゴミ箱?キャニスター?をつけてなかった。
やり直します」
「よく動いたね」
「うん。動くよ。
動かなかったら早く気づけたのに。
教えてくれる機能を開発してほしいね。
ダイソンさん」
「あんまりそういう人はいなさそうだけどな」
「世の中の標準を私に合わせたら
大抵のことはうまくいくと思います」
「じこちゅー」ゆうさんが盲腸で入院しました。
病院からLINEが来ました。「手術前にCTを撮りに行ってくださいと言われて、
道を教えてもらったんだけど、
着いた先がなんか違ってたみたいで、
またそこの先生にあちらですと言われて
行ったんだけど、またわからなくなっちゃって
ウロウロしてたら、別の部屋から
『青木さーん』って呼ばれました。
病院はスマホのナビが使えないから大変です」病院じゃなくてもそんな細かいことまで
スマホじゃわからないと思いますが。ゆうさんからLINEで報告です。
「手術室に入って、手術台に上がると
大きなライトがありました。先生に
『あ。これ、テレビで見たことある』って言ったら、
『あははは~そうだね』と言われたので
『テレビのやつですよね。テレビとおんなじ』って
じろじろ見ながらも一回言ったら、
みんな笑っていました。
それから『A LIFE』って
キムタクが出ている新番組の話になって
『青木さん見ましたか?』って聞かれました。
そんなの一昨日からおなか痛いのに
見るわけないじゃんと思いながら、
でも、手術前に先生を怒らせたらいけないので、
天使のように『みてないです』と返しました。
どっちが病人かわからない会話だよね」一体ゆうさんは何しに行ったんでしょう。
ゆうさんは、手術の時につけられた心電図の
器具の跡がかぶれてしまったそうです。
看護師さんに「かゆいんですよー、ここ」
と言って見せましたが、手術前に看護師さんに
「お薬でアレルギーがあったり、かぶれることはないですか?」
と聞かれたときには、「ないです!!」と答えたそうです。
「あるがね」と自分でつっこんだら、
看護師さんにウケたとのこと。ひとりツッコミができるようになりました。
病院でゆうさんがトイレに入っていると、
コンコンとノックされました。
「はーい」と返事をすると、
「入ってるんだ」と声がしました。
用を済ませてゆうさんがトイレを出ると、
掃除のおばさんが言いました。
「すみません。鍵がかかってなかったから」
ゆうさんは「だいじょぶですよ。鍵してないから」
と言いました。
おばさんが「そうなんですか」と言うので
ゆうさんが「はい」と答えると、
「鍵のやり方がわからないんですか?」
と聞かれました。
ゆうさんは鍵のかけ方がわからなかったわけではありません。
今頃、「あの病院はトイレに鍵をしないお化けが出る」と
噂になっているかもしれません。●●●
ある日、私が病院のトイレを掃除するために
一つの女性用トイレの前に立つと、
ドアは閉まっているのに空きの表示だったため、
念のため、ノックしました。すると、
中から「はーい」と返事がありました。
私は驚いて「入ってるんだ」と言いました。
しばらくすると、一人の女性が出てきたので、私が
「すみません。鍵がかかってなかったから」
と謝ると、その人は「だいじょぶですよ。鍵してないから」
と言いました。私が不思議に思いながら
「そうなんですか」と言うと、その人は
「はい」と答えて平然としています。
私は怖くなって「鍵のやり方がわからないんですか?」
と聞いてみましたが、その人は出て行ってしまいました。病院でゆうさんはシャワー室に入りましたが、
術後で体が思うように動かなかったこともあり、
ドアを閉めずに浴びていました。
すると誰かが「ここ閉めておきますね」
と言って閉めていきました。
ゆうさんは「まったく!閉めなくってもいいのに」
と迷惑に思いました。
そのことを後で看護師さんに話すと、
「少しは恥じらいを持ってよ~」と笑われました。
看護師さんにそんなこと言われる人、いるんですね。退院後、ゆうさんは病院に行き、
先生に言いました。「でべそになっちゃった」
先生は「見せて」と言いました。
ゆうさんが見せると、先生は、
「でべそになってないよ」
と笑って言いました。
四十過ぎた人の会話でしょうか。
テレビで硫黄泉を紹介していました。
私がゆうさんに問題を出しました。「イオウの元素記号は?」
ゆうさんが答えました。
「S?」
「そう!」
「当たった」
「え?適当に言ったの?」
「うん」
「じゃあ、リンは?」
「P?」
「ほら、知ってんじゃん」
ゆうさんが言いました。
「水素は何?」
「ええっ!水素を知らないの?」
「うん……S?」
「Sはイオウでしょ。
SUISOだからSだと思ったんでしょ」「うん」
水素と酸素くらいは誰でも知ってると思うんですが。
ある日、ゆうさんの会社の終礼の時、
異動になる同僚を課長が紹介しました。「〇〇さんは乞われて異動になります」
ゆうさんは隣の人に聞きました。
「〇〇さん、壊れちゃったの?」
ゆうさんは毎日利用する会社の給湯コーナーで
汚れた布巾を見つけました。
ゆうさんは洗い桶で
キッチンハイターに浸けました。2週間くらい経ったある日、
ゆうさんは給湯コーナーで
洗い桶に浸かっている布巾に気付きました。車を車検に出した、ゆうさんの会社の同僚が
言いました。「今日、代車に乗って取りに行くんだ」
「ええっ!」
なぜかゆうさんは驚きました。
ゆうさんは『台車』だと思ったんだそうです。
誰か押してくれるんでしょうか。
私がゆうさんに問題を出しました。
「北斎の代表作は?」
ゆうさんが答えました。
「水しぶき」
「ん~、絵はわかるけどさ。
もっと全体の名前があんだよ」「浮世絵?」
「浮世絵師はいっぱいいるよ」
「日本画?」
「うわあ、ずいぶん広げたな。
日本画っていうとちょっと違うけど」「風景画?」
広がる一方でした。
テレビでプロ野球の結果を報道していました。
球団名は「ロ」「オ」などのように
一文字で表示されていました。ゆうさんが私に聞きました。
「西ってなあに?」
西がわからないんだと、
他もわかるとは思えないんですが。ゆうさんとクイズ番組を見ていました。
たしか小学生の正解率100%の問題で、
日本地図が示され、本州の最北端の県に色がついていて、
ここは何県でしょうという問題。
青森県、秋田県、もう一つの県(記憶が曖昧)から
答えを選ぶという三択問題でした。ゆうさんが言いました。
「青森県と秋田県!」
「え?青森県だよ。
秋田県もあそこに入ってると思ってたの?」「うん」
青森県の形はかなり特徴的だと思うんですが。
なんで三択問題から二つも選ぶんでしょう。ゆうさんがテレビを見ながら言いました。
「え~!ドライアイスって二酸化炭素なの?」
「そうだよ。何だと思ってたの?」
「氷を何日もずっと冷やすのかと思ってた」
氷は何日冷やしても氷でしょうねえ。
四十数年知らずに生きてきたのがすごい。ゆうさんは同僚とランチに行きました。
「日替わりは何ですか?」と聞くと、
「煮干しの煮つけとお刺身です」
と言われたので、二人でそれを注文しました。
でも出てきたのは『いわし』の煮つけでした。
そりゃそうでしょう。
なんで煮干しの煮つけを食べようと思ったんでしょうか。
当然、同僚にはいわしの煮つけと聞こえていました。フライデー
会社で課長が
「今日は月末の金曜日だから早く帰りましょう」
と言ったので、ゆうさんは
「ああ、ハッピーフライデーですね!」
と言ったら、課長に
「プレミアムフライデーです」
と言われ、みんなに笑われました。
ゆうさんのボケにしては、まとも過ぎますね。会社でゆうさんの隣の人のデスクに
「せきたん」と書いてある箱が載っていました。
ゆうさんが
「石炭が入ってるんですか?」と聞くと、
その人は、
「ああ、これね。咳が止まらなくて」と言いました。
ゆうさんが、
「あははは~、咳痰なんだ。石炭かと思いました」
と言うと、笑われました。
それからその人は、
「薬なくなってきたから買わなきゃ」と言いました。
ここでゆうさんは初めて、
『あ、薬が入ってるんだ』と気づきました。
ゆうさんはそれまで
『咳痰』が入ってるなんて気持ち悪いと思っていたそうです。げ~。
ゆうさんは振り込みをするため、
ゆうちょ銀行に行きました。
ATMは2台あって、
一つは男性が備え付けの電話で話していましたが、
ゆうさんはその後ろで待つことにしました。
電話はなかなか終わらず、
男性はときどき振り返って
ゆうさんの方を気にしているようです。
もう一つのATMには列ができていましたが、
どんどん進んでいました。
男性の電話がやっと終わったので、
ゆうさんは聞きました。
「どうなりましたか?」
男性は、しばらくすると係の人が
修理に来るようなことを言いました。
彼がもう一つのATMに並んだので、
ゆうさんは男性の後ろに並びました。
ゆうさんがなぜ故障中のATMに並んだのかは、
本人にもわからないようです。
男性は相当不思議に思ったに違いありません。会社でゆうさんの隣の席の人が
かわいいパンダの写真をデスクに飾っているそうです。
パンダがハンカチで涙を拭いているところだそうですが、
画像合成による写真らしいとのこと。
私が言いました。
「今は画像でも映像でも、CGで何でもできちゃうからね。
どんなもの見ても驚かなくなったね」
ゆうさんが言いました。
「驚くけどね」
「まあ、驚くけどさ。
CGを使ってないとわかると、驚いたりしてね」
「それは驚かないけどね」
まったく理解が得られないので、
この話題はやめました。ゆうさんは購入した化粧品に不具合があったため、
メーカーにクレームのメールをしました。
聞けば、大手のS社だそうです。
商品の出が悪いといった単純な不具合で、
S社でもそんなことがあるんだと驚きましたが、
後日ゆうさんからメールが来て、
S社ではなかったとのことでした。
ボケクレーマー。何年か前のことですが、
ゆうさんは全国の電力会社に
「原発は危険だから今すぐやめてください」
とメールしました。しばらくして沖縄電力から
「私共は持っていません」
と返信が来ました。いいことしたのに惜しかった。
ゆうさんと自然食レストランでのイベントに参加しました。
工夫の凝らされた料理が出る中、
味噌汁の具を食べて、近くにいた人が言いました。「アオサかな」
ゆうさんが言いました。
「青い魚?」
私が言いました。
「魚なんか入ってないでしょ」
みんな笑いましたが、私は気づいて言いました。
「『あおさかな』って言ったから魚だと思ったんでしょ」
「うん」
『さかな』の勘違いは以前にもありましたね。
テレビから『反骨精神』という言葉が
ゆうさんの耳に入りました。「はんこつ精神って何?」
「え、聞いたことない?」
「うん。半分の骨?」
「字も違うし」
『半骨精神』ってどんな精神でしょう。
ゆうさんと『共謀罪』の話題になりました。
ゆうさんが言いました。「狂暴な人を捕まえるの?」